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『つばさ』25 (中)

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なんでぇ〜こんなにぃ〜かわいいのかよぉ〜 多部という名のぉ〜たからぁものぉ〜♪と来たもんだw

いつまで浮かれてるんですか? 皆さん、いい加減にして下さい。もう1週間経つんですよ? 目を覚まして下さい。

☆天使の微笑み

「実は、ラジオぽてとは今…」

マイクの前に立った真瀬の手には、房子様の恐怖政治を告発する原稿が… 真瀬は川越キネマの建物を守るために、房子様の夢を潰すという姑息な手段に出てしまうのか?

その視界に「お願い、やめて」と眼で訴える、つばさが… そう、多部ちゃんのアイコンタクトですよ、皆さん! あぁ多部ちゃん、多部ちゃん…(うそw)

マジな話、多部ちゃんのあの眼で訴えられたら、無視出来っこないですよね。まして真瀬はつばさにホの字ですから、我々と同じ穴のムジナですw

「ラジオぽてとは今… 人手が足りなくて困ってます」

ネガティブ・キャンペーンを断念するついでに、ちゃっかり求人募集を呼び掛けるところが、いかにも真瀬らしいw 真瀬は、ラジオ人としての誇りを失わずに済みました。またもや、つばさのお陰で。

そんな真瀬を、二階で待ってた優花。初めて、天使の微笑みを父に見せます。「お父さんなんか、いらなーい」から、苦節1年w、やっと父娘の心が通じ合いました。

わだかまりが簡単には解けない苦労が、ユーモラスながらリアルな描写として積み重ねられて来たからこそ、自然と泣けて来ます。なんの説明も要りません。

「俺なら、やってたかも」と言うのは、甘えん坊な頭皮を持て余す、翔太(チクビリー・ワイルダー)。

「あれが最後のチャンスなら、反則してでも勝ちたいと思った」

「勝つって、どういう事?」

ぽてとを守る事=房子様を倒す事なのか? つばさは、それ以外にも何か方法がある筈だと考えてます。争うのではなく、歩み寄りたい。傷つけ合うのではなく、解り合いたい。

☆房子様の孤独
私は、独りでいる事が大好きです。ファミレスにも一人で入れるし(最初は確かに抵抗ありましたけど)、一人暮らしをしてた頃は、誰にも会わない日が何日続いても平気でした。

今も、基本的には一人で走り回る配達業がすごく性に合ってると思うし、逆に副業のコンビニ・バイトは、同僚やお客さんに気を遣うから物凄く疲れます。一人でいる時間が本当に、一番楽しいです。

でも最近… 配達業がメインになってから、たくさんの人と一緒にいる夢ばかり見るんですよね。チームで動かざるを得ない映画製作をしてた頃は、逆に一人で見知らぬ土地を彷徨う夢ばっか見てたのに…

「淋しい」っていう感覚は本当に全然無いんだけど、潜在意識では人との触れ合いを求めてる。このブログだって、一番の原動力はそこにあるんだろうと思います。

人と繋がる為のツールなんですよね。これをやってるからこそ、淋しさを感じなくて済んでるんでしょう。そう書くと、底はかとなく淋しい気がして来ましたけどw

房子様だって、同じなんだろうと思います。人との触れ合いを求めてる自分に気づいてない。本人も気づかない本音に、いち早く気づいてたのは秘書の伸子でした。

一緒に鍋でも突きませんか?と誘いをかけてみる伸子ですが、勤務時間外まで無理して上司に気を使わなくていいわよ、と却下する房子様。

「どうして、ご自分からドアを閉めるような事を仰るのでしょうか」

それは多分、相手が自分との触れ合いを本気で望んでるワケがない、自分なんかと一緒にいて楽しいワケがない、っていう思い込み。一人相撲。そのへんは、よーく解ります。

諦めて帰った伸子と入れ替わりに、世界のトップ一人相撲レスラーにして頭皮駆動エネルギー開発のパイオニア=チクビリー博士が訪ねて来ます。

このところ、チクビリー博士が登場すると、決まって秀樹のテーマが流れますね。その後ろ姿を見た加乃子が、秀樹と錯覚するなんて場面もありました。

「川越キネマを買い戻させて頂きたい」

毅然とした態度で房子様に挑む博士ですが、「あの娘のため?」とつばさの名前を出されて、せっかく家で固定して来た頭皮が、あえなく氷解。

「未練があるんじゃなくって?」と、絶妙に相手の弱点を突く房子様。天下一品ですねw

でも、伊達に口の締まりが良くなったワケじゃない博士も、負けちゃいません。つばさがネガティブ・キャンペーンに断固反対した事を告げ、房子様を動揺させます。房子様の計画を潰す絶好のチャンスだったのに…

「もしかしたら、両者が勝てる道を探ってるのかも知れません」

並みのドラマなら、これだけで充分、房子様を改心させる材料になりそうなもんですが…

人の心は、そう簡単には変わらない。優花が父に心を開くまで、丸1年を費やした『つばさ』ですから(放送は半年だけど)。

☆房子様、鍋をつつく
つばさが帰宅すると、家の前で房子様とバッタリ! 房子様が何をしに来たのか、最後までハッキリ語られる事は無かったけど、房子様のスキャンダルを利用しようとする真瀬を食い止めた、つばさの本意を聞いてみたかったのでしょうか?

玉木家一同も房子様の事は敵視してるのに、つばさだけは受け入れようとします。折しも、今夜の食事は鍋。

鍋は、家族や、人と人との暖かい繋がりを象徴する食事です。天涯孤独ゆえに鍋の食べ方が分からない房子様を、切なく描いて涙を誘うのではなく、あくまでコミカルに見せる『つばさ』演出がいいですね。

「料理が出来ない? おかみさん(千代)と同じだ!」と言って笑う竹雄に、お膳をドン!と叩いて威嚇する房子様の仕草が、千代さんそっくりw

「あなた方庶民とは、食べるものが違うんです!」

その迫力に、玉木家一同や、例によって庭から覗いてる宇津木ファミリー、とりわけ万里が凄い顔でおののいてましたねw

でも、なんだかんだ言いながら、房子様は楽しそうに見えます。こんな家庭を訪ねたら、誰だって楽しくなっちゃいますよね。

何とか酒の力で房子様を説得しようと試みる玉木家一同ですが、肝心な話をする前に酔っ払った挙げ句、眠り込んじゃう房子様w

「もしかしたら、あんな風に皆と食事したかっただけなのかも」

「淋しかったのかも知れないなぁ… 家族いないしね」

もしかすると房子様は、単純にそんな理由で玉木家を訪れたのかも知れません。だとしたら、ここで綺麗に話は収まるかも知れない…

視聴者がそう感じた所に、玉木家のエンジェル=知秋の登場ですよ。これで「落ちたな」って、思いますよね、普通w

夜中に目覚めた房子様は、ハーモニカで静かに「ふるさと」を吹きます。以前にも、同様の場面がありました。生い立ちは語られない房子様ですが、家族への満たされぬ想いがあるのでしょう。

「続けて下さい。そっちで聴いてもいいですか?」

屈託のない知秋に対しては、房子様もバリアを張る気になれない様子で、快く知秋を迎え入れます。それどころか、ハーモニカに合わせて唄う知秋を見て、思わず涙ぐむ房子様。

「初めてよ、一緒に唄ってくれた人は。誰も、聴いてくれる人なんかいないから…」

さらに知秋は、甘玉堂の職人になるにあたっての、夢を語ります。

「心に残るお菓子を作りたいんです。食べた人が笑顔になって、美味しいねって言い合えて、そんな幸せな気持ちを残せたらいいなって」

「羨ましいわ…」

並みのドラマならw、もうここらで一件落着ですよ。でもまぁ、最終的に人と人を繋げるのは、つばさの役目ですから。

そんなワケで、縁側で二人、しみじみと月を眺めながら話す、つばさと房子様。免疫がついてるコアな『つばさ』ファンwは例外として、一般的な視聴者はもう、この場面で房子様は「落ちる」と確信された事でしょう。

「若いのね。私に、あなたの若さがあったら…」

初めてつばさに対して、観光物産館の構想を、具体的に語る房子様。

「そうすれば一年中、みんなが遊びに来てくれる。私が川越に生きた証に、この町が誇れる宝を残したいの」

それはつまり、みんなの広場を作りたいという事。秀樹が、つばさが、知秋が抱いてる夢と、目指す方向は全く一緒なんです。

「なんだか、聞いててワクワクしました。その観光物産館、私も見たいです!」

心から嬉しそうに言うつばさを見て、呆れる房子様。こりゃもう、完全に両者が歩み寄る流れですよね? ところが…

「一緒にやる道は無いんですか?」

つばさが言った、この言葉で、なんと房子様は豹変しちゃうのです。

「ははーん、やっぱり、そういう事だったのね」

房子様は、観光物産館内にラジオぽてとを参入させるのが、つばさの狙いだと言いだします。さらに、つばさは蔵造り通りの店を見送った家族の為に、意地になってるだけだと指摘する房子様。

「家族って、厄介だわねぇ。お宅にお邪魔してよーく分かったわ。家族なんてつまらないものを残すより、観光物産館を残す方がずぅっと値打ちがあるって」

房子様は基本的に、他者を信じない人です。恐らく厳しい生い立ちの中で、そうしなければ生きて行けないって、思い込まされて来た人なんです。

そして房子様は、つばさに対して、ラジオの生放送で自らの信用を失墜させられた、深い恨みがある。あの事件は、当時のつばさをどん底に落とし込む事だけじゃなくて、ラスボス=房子様をまさに最強の存在にする為に仕込まれた、伏線だった! ボイィィ〜ン! はげちゃび〜ん!! 頭皮ずるりーん!!

「譲る事は出来ないわ。あれは、私の最後の夢だから!」

ここまでやっても埋められない、深い深い溝… もはやつばさには、なすすべがありません。マルコチクビィーッチ!!(つづく)

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