『つばさ』第25週レビューの途中ではありますが、ちょっとCMタイムって事で、久々に手前味噌なレビューを書かせて頂きますm(__)m
タベリストという新たな仲間が出来たお陰で、自作を観て頂く機会が増えました。先日もgonbeさんが『KILLERS』をブログでレビューして下さり、続いて『ケータイ小説家の愛』を観て頂く予定との事なので、レビューと言うよりは弁明、言い訳を書きたくなりましたw
『KILLERS』の場合は自分で脚本、監督、編集、さらに主演までしちゃってますから、100%自己責任ゆえ弁明のしようがありません。(と言いつつ、去年の7/23に『手前味噌ですが…』というタイトルでレビューしてますので、よろしければご参照ください)
そういう意味じゃ、商品化されたもう1本の監督作『亜弥のDNA』を先に観て頂きたいのですが、残念ながらレンタル化はされてないようです。
(↑ただしアマゾンやブックオフ等でかなりの安値で出回ってるみたいなので、よろしければw 数百円で入手可能な筈です。一応TVドラマですが、もしかすると音楽DVDやアイドルDVDのカテゴリーに入ってるかも知れません)
で、『ケータイ小説家の愛』は脚本のみの参加です。あ、「シュウ」って名前の原作者としても参加してますが、実はその原作(ケータイ小説)は脚本を書き上げた後に、宣伝活動の一環として書いた、言わばノベライズだったりします。
つまりそんなワケで、他の監督さんに撮って頂いた映画ゆえ、純粋に自分の作品とは言えない。私は具材とレシピを提供し、調理と味付けは人任せにしたようなもので…
そう言うと責任転嫁してるみたいに聞こえそうですが、そういう意味での言い訳は致しません。そもそも、私はこの作品を愛してますし…
でも、この映画でやろうとしてた本当の狙いが、完成した作品を観るとかなりボヤケちゃった(私自身にも大いに責任あり)実感がありまして、その狙いが伝わるのと伝わらないのとでは、かなり評価の仕方が違って来ると思うワケです。
たぶん、このブログの読者さんなら解説せずとも伝わるような気はするのですが、いちおう念のためにw、書かせて頂きます。その上で観ても面白くなければ、それはやっぱ監督さんのせいと言う事で(うそw)。
企画の発端は、『KILLERS』でお世話になったプロデューサーからの「恋愛物の脚本、書いてみない? ケータイ小説風のやつ」っていう、アバウトな注文でしたw
恋愛物!? ついに来たか!って感じでした。そんな依頼が来たらどうしよう、たぶん無理やで…って、私はそれを恐れてました。でも「とりあえず企画案を出してみて」って事だったんで、ダメもとで考えてみる事にしました。
まともな恋愛物なら、やっぱり私には無理だったと思います。でも「ケータイ小説風の」っていう部分に、僅かな光明を感じたんです。
ケータイ小説と言えば、例えば「YOSHIKI」みたいな名前のチャラチャラした男が、いかにも今の若い女子にウケそうな恋愛ネタ、過激描写を羅列して、金儲けの為だけにデッチ上げた空疎な「商品」…っていうイメージを、私は抱いてました。
つまり当時の私は、ケータイ小説を全面否定してたんです。それなら、この嫌悪感をそのまま映画にしちゃおう!と、私は思い立ちました。
ケータイ小説ならびに、惚れた腫れただけの恋愛映画、引いては若者に媚びたマーケティング命の「商品」全てに対する、怒りと皮肉をこめた、風刺パロディーなら私にだって書けるぞ!と。
で、ここから先はネタバレを含みますので、観て頂くご予定の方は、鑑賞後に読んで頂ければと思いますm(__)m
主人公・愛は、クラスに馴染めない内気な女の子。「HIDEKI」という名のwイケメン作家が発信する、ちょっと過激なケータイ小説が大好きで、その世界に現実逃避してるような毎日を過ごしてる。
ブログと同じで、携帯電話かPCさえあれば誰だってケータイ小説家になれる。愛は自分もHIDEKIみたいなケータイ小説を書いてみようと思い立つんだけど、何しろ恋愛経験も無ければ、ケータイ小説でよく描かれるセックスやドラッグ等の経験も当然ないから、何を書けばいいのか分からない。ケータイ小説みたいな激しい恋愛を経験しなければ!
愛は、よくケータイ小説でヒロインの相手役になるような不良イケメンを見つけ、アタックを開始。そいつとつき合うようになると、即座にファースト・キスからセックスへとひとっ飛び、あれよあれよとドラッグ、レイプ、DV、妊娠、中絶、家庭崩壊、自殺未遂、恋人の死etc…と、ケータイ小説さながらのトラブルが、次から次と愛に襲い掛かる。
小説で読む分には面白いトラブルも、実際に経験しちゃうとただ悲惨なだけ。不幸のどん底に墜ちた愛は、実体験を元に書かれた筈のHIDEKIの小説が、実は若者の嗜好に合わせて練られた全くのフィクションである事を知ってしまい、逆恨みw
復讐の鬼となった愛は、HIDEKIを捜し出し、ケータイ小説さながらの劇的なシチュエーションで殺害して、ジ・エンド(笑)。どうですか、これなら前述の企画意図が100%伝わるでしょう?w
ここから先の顛末を、順を追って書くとまた長くなるので、結果から先に言います。この毒の塊みたいなプロットから、様々な事情でどんどん毒が抜き取られ、すっかりソフトな作品に生まれ変わったのが、完成した映画『ケータイ小説家の愛』なんです。
ケータイ小説を徹底的に茶化したパロディーから、毒を抜いたら一体どうなるか? それは、普通のありきたりなケータイ小説になっちゃう! わざと陳腐な展開にして笑いを取るつもりだったものが、毒を抜いたら普通に陳腐な作品になっちゃうワケですw
「商品」しか創ろうとしないクリエイター達を風刺するつもりの本作も、プロの世界で創る以上は商品の一つにならざるを得ない、という皮肉。商品にするからには、数々の注文や制約をクリアしなくちゃいけないワケです。
まず結末をハッピーエンドに変更する事から始まり、私がノリノリで書いた数々のエロ描写がカットされw、これもノリノリで書いたレズや近親相姦のネタも、尺の都合で泣く泣くカットw
監督さんがまた生真面目な方だったみたいで、とても生真面目な演出をされた事も、最初に意図した「パロディー」からは良くも悪くもかけ離れちゃう結果を生んだように思います。
でも、一番の戦犯は多分、私ですw 脚本を書くにあたって私は、それまで読んだ事もなかったケータイ小説ってヤツを、勉強の為にいくつか読んでみました。で、これが意外と面白かったんですよねw
面白いと感じた時点で、企画発想の原点である「嫌悪感」が、まず薄れちゃいますw
でも、それ以上に問題だったのは、脚本を書き進めるにつれて、私自身がすっかり主人公に感情移入してしまい、気がつけば真剣にこの物語に没頭しちゃってた事ですね。
主人公・愛は性別こそ女性だけど、完全に私自身の投影であり、私にとって理想のクリエイター像でもあるんです。それは多分、解説するまでもなく、観て頂ければ一目瞭然かと思います。
だから、私は本当に、泣きながらこの物語を書いてました。馬鹿にして茶化して笑ってやろうと思って書き始めた筈なのに!
実際に本作を観られた方は、キャスト陣の演技にも言いたい事がおありかと思いますがw、キャスティングに関して私は一切ノータッチでしたので、そこはノーコメントとさせて頂きますw とにかく、多部ちゃんとは全然違うって事ですねw
でも本作に限っては、キャストの芝居が作品の良し悪しを左右するような事は、さほど無かったように思います。
私の責任だと言えば、それはそれでおこがましい発言になっちゃいますので、やっぱ監督さんを中心にw、スタッフ一同の責任が大きいです。良くも悪くもですよ? 失敗作と決まったワケじゃありませんw
褒めてるのかケナしてるのか分からなくなって来ましたけど、とにかく私は、この作品が好きです。一生懸命やってるつもりなのに、うまく伝わらない… まるっきり私そのものですw
皆さんがこの作品を観られて、どんな感想を持たれるのか、まったく予想がつきませんw 『KILLERS』なんかはある程度、反応が予測出来るんです。ほぼ狙い通りに表現出来た作品だと思うから、観られる方の好みに合うか合わないか次第なので…
ところがこの『ケータイ小説家の愛』だけは、観られる方にどう伝わるのか、サッパリ予測出来ないw
いや、「展開が陳腐だ」とか「テンポ速過ぎだろ」とか「演技が○○だ」とかはw、まぁ皆さん思われる事でしょうけど、そこから先、何かメッセージを感じてもらえるのか、その解釈がこちらの意図とリンクしてるのか、あるいは何も伝わらないのか?
それを是非知りたいと思いますので、皆さん、良かったら観てみて下さいませm(__)m これは多分、大抵のレンタル屋さんに置かれてると思います。
タベリストという新たな仲間が出来たお陰で、自作を観て頂く機会が増えました。先日もgonbeさんが『KILLERS』をブログでレビューして下さり、続いて『ケータイ小説家の愛』を観て頂く予定との事なので、レビューと言うよりは弁明、言い訳を書きたくなりましたw
『KILLERS』の場合は自分で脚本、監督、編集、さらに主演までしちゃってますから、100%自己責任ゆえ弁明のしようがありません。(と言いつつ、去年の7/23に『手前味噌ですが…』というタイトルでレビューしてますので、よろしければご参照ください)
そういう意味じゃ、商品化されたもう1本の監督作『亜弥のDNA』を先に観て頂きたいのですが、残念ながらレンタル化はされてないようです。
(↑ただしアマゾンやブックオフ等でかなりの安値で出回ってるみたいなので、よろしければw 数百円で入手可能な筈です。一応TVドラマですが、もしかすると音楽DVDやアイドルDVDのカテゴリーに入ってるかも知れません)
で、『ケータイ小説家の愛』は脚本のみの参加です。あ、「シュウ」って名前の原作者としても参加してますが、実はその原作(ケータイ小説)は脚本を書き上げた後に、宣伝活動の一環として書いた、言わばノベライズだったりします。
つまりそんなワケで、他の監督さんに撮って頂いた映画ゆえ、純粋に自分の作品とは言えない。私は具材とレシピを提供し、調理と味付けは人任せにしたようなもので…
そう言うと責任転嫁してるみたいに聞こえそうですが、そういう意味での言い訳は致しません。そもそも、私はこの作品を愛してますし…
でも、この映画でやろうとしてた本当の狙いが、完成した作品を観るとかなりボヤケちゃった(私自身にも大いに責任あり)実感がありまして、その狙いが伝わるのと伝わらないのとでは、かなり評価の仕方が違って来ると思うワケです。
たぶん、このブログの読者さんなら解説せずとも伝わるような気はするのですが、いちおう念のためにw、書かせて頂きます。その上で観ても面白くなければ、それはやっぱ監督さんのせいと言う事で(うそw)。
企画の発端は、『KILLERS』でお世話になったプロデューサーからの「恋愛物の脚本、書いてみない? ケータイ小説風のやつ」っていう、アバウトな注文でしたw
恋愛物!? ついに来たか!って感じでした。そんな依頼が来たらどうしよう、たぶん無理やで…って、私はそれを恐れてました。でも「とりあえず企画案を出してみて」って事だったんで、ダメもとで考えてみる事にしました。
まともな恋愛物なら、やっぱり私には無理だったと思います。でも「ケータイ小説風の」っていう部分に、僅かな光明を感じたんです。
ケータイ小説と言えば、例えば「YOSHIKI」みたいな名前のチャラチャラした男が、いかにも今の若い女子にウケそうな恋愛ネタ、過激描写を羅列して、金儲けの為だけにデッチ上げた空疎な「商品」…っていうイメージを、私は抱いてました。
つまり当時の私は、ケータイ小説を全面否定してたんです。それなら、この嫌悪感をそのまま映画にしちゃおう!と、私は思い立ちました。
ケータイ小説ならびに、惚れた腫れただけの恋愛映画、引いては若者に媚びたマーケティング命の「商品」全てに対する、怒りと皮肉をこめた、風刺パロディーなら私にだって書けるぞ!と。
で、ここから先はネタバレを含みますので、観て頂くご予定の方は、鑑賞後に読んで頂ければと思いますm(__)m
主人公・愛は、クラスに馴染めない内気な女の子。「HIDEKI」という名のwイケメン作家が発信する、ちょっと過激なケータイ小説が大好きで、その世界に現実逃避してるような毎日を過ごしてる。
ブログと同じで、携帯電話かPCさえあれば誰だってケータイ小説家になれる。愛は自分もHIDEKIみたいなケータイ小説を書いてみようと思い立つんだけど、何しろ恋愛経験も無ければ、ケータイ小説でよく描かれるセックスやドラッグ等の経験も当然ないから、何を書けばいいのか分からない。ケータイ小説みたいな激しい恋愛を経験しなければ!
愛は、よくケータイ小説でヒロインの相手役になるような不良イケメンを見つけ、アタックを開始。そいつとつき合うようになると、即座にファースト・キスからセックスへとひとっ飛び、あれよあれよとドラッグ、レイプ、DV、妊娠、中絶、家庭崩壊、自殺未遂、恋人の死etc…と、ケータイ小説さながらのトラブルが、次から次と愛に襲い掛かる。
小説で読む分には面白いトラブルも、実際に経験しちゃうとただ悲惨なだけ。不幸のどん底に墜ちた愛は、実体験を元に書かれた筈のHIDEKIの小説が、実は若者の嗜好に合わせて練られた全くのフィクションである事を知ってしまい、逆恨みw
復讐の鬼となった愛は、HIDEKIを捜し出し、ケータイ小説さながらの劇的なシチュエーションで殺害して、ジ・エンド(笑)。どうですか、これなら前述の企画意図が100%伝わるでしょう?w
ここから先の顛末を、順を追って書くとまた長くなるので、結果から先に言います。この毒の塊みたいなプロットから、様々な事情でどんどん毒が抜き取られ、すっかりソフトな作品に生まれ変わったのが、完成した映画『ケータイ小説家の愛』なんです。
ケータイ小説を徹底的に茶化したパロディーから、毒を抜いたら一体どうなるか? それは、普通のありきたりなケータイ小説になっちゃう! わざと陳腐な展開にして笑いを取るつもりだったものが、毒を抜いたら普通に陳腐な作品になっちゃうワケですw
「商品」しか創ろうとしないクリエイター達を風刺するつもりの本作も、プロの世界で創る以上は商品の一つにならざるを得ない、という皮肉。商品にするからには、数々の注文や制約をクリアしなくちゃいけないワケです。
まず結末をハッピーエンドに変更する事から始まり、私がノリノリで書いた数々のエロ描写がカットされw、これもノリノリで書いたレズや近親相姦のネタも、尺の都合で泣く泣くカットw
監督さんがまた生真面目な方だったみたいで、とても生真面目な演出をされた事も、最初に意図した「パロディー」からは良くも悪くもかけ離れちゃう結果を生んだように思います。
でも、一番の戦犯は多分、私ですw 脚本を書くにあたって私は、それまで読んだ事もなかったケータイ小説ってヤツを、勉強の為にいくつか読んでみました。で、これが意外と面白かったんですよねw
面白いと感じた時点で、企画発想の原点である「嫌悪感」が、まず薄れちゃいますw
でも、それ以上に問題だったのは、脚本を書き進めるにつれて、私自身がすっかり主人公に感情移入してしまい、気がつけば真剣にこの物語に没頭しちゃってた事ですね。
主人公・愛は性別こそ女性だけど、完全に私自身の投影であり、私にとって理想のクリエイター像でもあるんです。それは多分、解説するまでもなく、観て頂ければ一目瞭然かと思います。
だから、私は本当に、泣きながらこの物語を書いてました。馬鹿にして茶化して笑ってやろうと思って書き始めた筈なのに!
実際に本作を観られた方は、キャスト陣の演技にも言いたい事がおありかと思いますがw、キャスティングに関して私は一切ノータッチでしたので、そこはノーコメントとさせて頂きますw とにかく、多部ちゃんとは全然違うって事ですねw
でも本作に限っては、キャストの芝居が作品の良し悪しを左右するような事は、さほど無かったように思います。
私の責任だと言えば、それはそれでおこがましい発言になっちゃいますので、やっぱ監督さんを中心にw、スタッフ一同の責任が大きいです。良くも悪くもですよ? 失敗作と決まったワケじゃありませんw
褒めてるのかケナしてるのか分からなくなって来ましたけど、とにかく私は、この作品が好きです。一生懸命やってるつもりなのに、うまく伝わらない… まるっきり私そのものですw
皆さんがこの作品を観られて、どんな感想を持たれるのか、まったく予想がつきませんw 『KILLERS』なんかはある程度、反応が予測出来るんです。ほぼ狙い通りに表現出来た作品だと思うから、観られる方の好みに合うか合わないか次第なので…
ところがこの『ケータイ小説家の愛』だけは、観られる方にどう伝わるのか、サッパリ予測出来ないw
いや、「展開が陳腐だ」とか「テンポ速過ぎだろ」とか「演技が○○だ」とかはw、まぁ皆さん思われる事でしょうけど、そこから先、何かメッセージを感じてもらえるのか、その解釈がこちらの意図とリンクしてるのか、あるいは何も伝わらないのか?
それを是非知りたいと思いますので、皆さん、良かったら観てみて下さいませm(__)m これは多分、大抵のレンタル屋さんに置かれてると思います。