Quantcast
Channel: blog@なんて世の中だ!
Viewing all articles
Browse latest Browse all 518

「カルト」について

$
0
0
ジリ貧につき、毎月買ってた雑誌「映画秘宝」も最近は買ってません。でもムック本「別冊映画秘宝」には、つい手が出ちゃいます。

画像に写ってるのは、最近刊行された2冊『仰天カルト・ムービー100』『80年代ガキTV&シネマ』です。もう、タイトルだけでワクワクさせられちゃいますw

前者は、映画創成期から現在に至る全映画から「映画秘宝」が選んだカルト・ムービー100選、後者は『宇宙刑事』シリーズやロボット・アニメ、『スケバン刑事』『西部警察』等の少年向けTV番組や、ジャッキー、シュワちゃん、スタローン先生ら全盛期の筋肉アクションスター映画、アイドル映画等を、80年代に限定して特集したムック本です。

私にとってのストライクど真ん中は70年代なワケですが、80年代、ええ歳になっても結構それらのドラマや映画は楽しんで観てましたから、この本もすごく面白いです。

ちなみに70年代の番組については、10年以上前に『男泣きTVランド』『夕焼けTV番長』の2冊で特集されており、もちろん私の本棚に並んでおりますw

そりゃあやっぱり、テレビ番組は70年代が一番熱かったし面白かったと思います。創り手も熱かったし、視聴者も熱かった。後で「カルト映画」の定義をご紹介しますが、70年代のTVドラマはまさに、カルトでした。

けど、80年代もこうして振り返ると、決して捨てたもんでもないです。確かに、軽いけどw 必要以上に軽いけどw 時代の急激な変化にうろたえた創り手達が、無理して軽さを演出してた感じがありました。

だから私も、70年代の作品みたいに真剣には観てなかったと思います。もう子供とは言えない年齢になってた事もあるし、『西部警察』にしろ『スケバン刑事』にしろシュワちゃんにしろ、「んなアホなw」ってツッコミながら観てましたよね。

でも、そこが面白い。今観ても同じように、いや当時以上にツッコミながら楽しめるんじゃないかと思います。80年代は試行錯誤しながらも、創り手はまだ熱かった。

本当の意味でテレビがつまらなくなったのは、90年代以降だと私は思います。その理由を語り出すとまた長くなるので、今回はやめときますが…

で、『仰天カルト・ムービー100』の方ですが、そもそも「映画秘宝」を立ち上げたのが町山智浩さんですから、基本的なセンスは『トラウマ映画館』と同じです。

ただ、こちらは今でも鑑賞可能な作品が中心で、しかも100本ですから、『トラウマ〜』ほどディープな内容ではないです。でも、やっぱり面白いし、全部観たくなるんですよね。

有名作品をピックアップしますと、『アンダルシアの犬』『続・荒野の用心棒』『バーバレラ』『冒険者たち』『時計じかけのオレンジ』『悪魔のいけにえ』『ファントム・オブ・パラダイス』『ロッキー・ホラー・ショー』『ゾンビ』『ブルース・ブラザース』『マッドマックス2』『ブレードランナー』『ビデオドローム』『遊星からの物体X』『スカーフェイス』… と、キリが無いのでやめときますが、「これってメジャーじゃないの?」って思われる作品も、少なくないかも知れません。

そもそも、カルト映画の定義自体が曖昧で、よく分からないですよね。なので、本書の前書き・冒頭部分を以下に紹介させて頂きます。

この定義で考えれば、『つばさ』や『デカワンコ』はメジャーでありつつも、明らかにカルト作品じゃないかと思います。『真夜中からとびうつれ』なんかは最初からカルトだけど、『ジウ』にしても、多部ちゃんはもしかすると、カルト作品のミューズではないか?って気がして来ましたよw


「カルト映画とは、特定のジャンルに関係なく、万人受けはしなくても、一部の熱狂的な信者に支持されている作品を言う。なかには興行的な成功を同時に得ている作品もあるものの、その多くは初公開時に惨敗し、ほとんどの映画評論家や映画雑誌からは酷評され、あるいは無視され、映画史から葬られようとした時、心あるファンの愛と熱狂によって再評価が始まり、やがて神格化されて、圧倒的な知名度を確立したものだ」

「それを成し得るのは、映画業界の計算高い商業的論理とも政治的意図とも無関係の、純粋な映画の力だ。ただその作品が、秘めていた魅力を発揮し、映画を愛するファン達を居ても立ってもいられなくする事によって映画は、単なる娯楽から永遠の信仰の対象へと更なる進化を遂げたのである」

「それらの映画には、万人受けを狙ったウェルメイドな口当たりの良さも、歯に衣を着せた中途半端な表現もない。そこにあるのは、タブーを無視した強烈な刺激や、映画的な欲望に忠実な直球の剛速球、だからそう簡単にはTV放映など出来ないし、時にはその存在さえ否定される事も覚悟しなければならない」

「だが、何よりそこには、創り手が創りたいものを正直に創ったという崇高なる自由と達成感がある。カルト映画こそ、本当の映画的魅力を持った人気作であり、傑作であり、名作であり、真の意味で映画遺産と呼べる、観るべき映画なのである」

Viewing all articles
Browse latest Browse all 518

Trending Articles