そもそも、自分の限界を悟って夢を諦める事が、そんなにいけない事なのか? 何もしない内から諦めたんじゃ、そりゃ話にならないけど、ある程度やれば見えて来るものもあります。
私の場合、やるだけやったから未練は無いって思ってる反面、やろうと思えばまだまだやれたよな…っていう思いもあったりはします。
でも、創りたいものが無くなったんだから、やり続けてもしょうがない。←そう考える事は逃げなのかな?とも思うし、まだやれたと思う事こそが逃げ、なのかも知れないし…
どっちにしても、自分で考えて出した結論ですから、悔いはありません。でも、私の周囲にいる人達からすれば、やっぱ「勿体ない!」としか言いよう無いのかも知れないですね。
『つばさ』はセラピーに似てる… 何度かそう書きましたが、「癒し」の世界って基本的に、「どんな自分でも受け入れる」「そのままのアナタでいい」「頑張らなくてもいいんだよ」みたいな事だと思います。「頑張れ」は禁句なんです。
ところがこの第22週は、真逆の考え方を提唱してるんですよね! 何を言ってるんだ、本当にやるだけの事をやり切ったのか? 簡単に諦めないで、もっと頑張れよ!って。
それでも、『つばさ』の作劇がセラピーを意識してるって解釈は、決して見当違いじゃないと私は思います。意識してるからこそ、自分達は全面的に「癒し」を支持するワケじゃないからね、誤解しないでねっていう、創り手のエクスキューズだったんじゃないでしょうか?
だって、この週の最終日、「頑張れ」って言葉が一体、何回使われた事か?w あそこまで執拗に「頑張れ」を連呼するのは、普通じゃないですよね。普通じゃない事には、必ず何かの意味が込められてる。
そんな事まで想像させられた第22週は、本当に味わい深いエピソードだったと思います。
↑と、ここまで書いた所で皆さんのコメントを読んだら、やっぱセラピーは全然関係無いような気がして来ましたw
「頑張れ」の連呼は「頑張れ円谷」へのオマージュみたいだし、『走れメロス』とのリンクとか、女性ライターさんの「脚本協力」が通常の『つばさ』と違う空気を生んだとしたら、アンチ「癒し」とかっていう意識は別に無いですよね、きっと。
ま、どっちでもいいじゃないですかw 我々が勝手に解釈したり推理したりして書いてる事の、大半は「別にそこまで考えて創ってないよ」って作者さんに言われちゃうような事かも知れないし。それを言っちゃミもフタもないですがw
☆信じる力
ボインボイ〜ン麻子さんの店に、竹雄、鳶の頭、鈴本社長の三馬鹿トリオが久々に揃います。そこに秀樹がやって来た途端、オンナの顔になる判り易い麻子さんw
「信じて見守る。それも愛ですよ」
壁にぶつかり、もがいてる娘や息子達を心配する三人に、秀樹はそう言いました。
この週のサブタイトルは「信じる力」で、自分を信じるって意味もあるでしょうけど、どちらかと言えば見守る側の信じる力を指してる感じです。
当初は「元気をあげる」ってサブタイトルだったとの事で、それは万里の視点に立ってる感じなので、この変更はけっこう大きいなぁと思うのですが、どういういきさつだったんでしょうね。
「川越チャレンジ」に甘玉堂の職人になりたいって投書を出して、家族の反応を試した知秋ですが、「誰かに決めてもらうんじゃなくて、自分の中で答えを出さないと」と思い直した模様です。
「急がなくていいよ、知秋の人生なんだから。知秋の決めた道なら、お父さん応援するから」
秀樹にヒントを貰った竹雄は、知秋の事も信じて待つことにしました。まぁそれにしても、つくづく、つばさにしろ知秋にしろ、信じるに値するしっかり者によく育ったもんです。
☆無謀な挑戦
つばさは、軽率な発言で万里のプライドを傷つけた事を謝りますが、万里はもはや、自分自身に対して諦めムードです。
「無理だって、誰が決めるの? 万里自身が勝手に、自分の限界作ってるだけじゃない」
つばさは、いつになく厳しい言葉で、万里にゲキを飛ばします。反論されると考え込んじゃう事が多かったつばさですが、今回に限っては引きません。
「自分の限界だと思ってたのは、限界じゃなかった。飛べなかったんじゃなくて、飛ぼうとしなかっただけ」
自分自身の経験で得た実感を語るつばさですが、ますます火に油を注ぐ結果になり、万里の怒りはMAXに達します。つばさは万里を発奮させる為に、わざと痛い所を突いたのでしょうか?
つばさの言った事は、まさに正論だと思います。壁を乗り越えた人だからこそ言える事です。
でも、誰もが同じように乗り越えられるのか? あんたは出来る人だから、出来ない人間の気持ちが解らないんだよ!…って、私ならイジケて、それで終わっちゃうかも知れませんw
でも、万里は違いました。つばさへの怒りをバネにして、次の朝、万里は無謀な挑戦状を「川越チャレンジ」に叩きつけます。
それは、42.195kmのフルマラソンを完走すること。つばさは驚きます。万里は学校の5kmマラソンでも完走するのがやっとだった位、運動音痴の虚弱体質。下手をすりゃ、命の危険にも繋がりかねません。
「私の限界は、私が決める。奇跡が起こるかどうか、やってみなくちゃ分からないじゃない」
万里にそう言われては、つばさに返す言葉はありません。そのまんまの事を昨夜、つばさ自身が言ったんだから。
もちろん万里は、つばさへの対抗心だけで、こんな無茶を言い出したワケじゃないでしょう。
自分にだって、壁を乗り越えられるパワーがあると信じたい。それを確かめたい。仕事を続ける為に、これからの人生を恐れずに進んで行く為に。そして…
「人はさ、誰かのために強くなれるんじゃないか?」
ラジオの男がつばさに言った通り、大輝くんや、やる前に諦めてしまう全ての人のために、万里はチャレンジする。
それと、前回書かせて頂いたように、親友・つばさに対して抱いて来たコンプレックス、嫉みの感情をクリーンにするには、つばさでも簡単には出来ない事をやり遂げて、精神的に対等な位置まで自分を向上させるしかない。
勿論それは、これからもつばさと親友でいたい気持ちがあるから、なんでしょうけど、私はふと思いました。万里はつばさに対して実は、また違った感情を持ってるのではあるまいか?と。
私が何を思いついたのか、鋭い読者さんなら既にお見通しかも知れませんが、これについてはまた後ほど書かせて頂きますw
☆万里、頑張れ!
万里のチャレンジが決行される当日、現場の実況を浪岡に任せたつばさは、ラジオぽてとのDJブースから、万里の様子をリスナーに届ける役目を担います。
「離れていても伝わる。それがラジオですから」
まさに、秀樹が言った「信じて見守る」…つばさの愛ですね。そう、愛なんです。愛…
万里は走ります。汗を流して必死に走る姿、その映像から伝わるエモーションを、文字で表現するのは不可能です。ここはもう、想像にお任せしますm(__)m
ラジオぽてとに続々と届く応援メッセージ、足を運んで集まって来る市民達、信じて見守る万里の両親… 『つばさ』としては珍しい、王道の展開ではありますが、今回のエピソードに捻りやどんでん返しは不要でしょう。
万里を演じる吉田桂子さんは、本当にかなりの距離を走られたみたいですね。表情や身体の動きから、その苦しみと痛みが伝わって来ます。この説得力もまた、映像作品ならではですね。
とうに限界を越えて、精神力だけで前進する万里ですが、ついに倒れちゃいます。みんなの応援する声に混ざって、大輝くんの叫びも聞こえて来ます。
「お姉ちゃん、奇跡見せてよ! 僕に奇跡を見せてよ!」
だけども、起き上がる力すら残ってない万里。DJブースのつばさは、万里にはラジオの音が聞こえない事を分かっていながら、声援を送ります。
「万里、がんばれ。万里、がんばれ。万里、がんばれ。万里、がんばれ… 万里、がんばれ! がんばれ! がんばれ! がんばれ!」
知秋の機転により、イヤホンでその声を聞いた万里が、奇跡を起こします。僅かな力で立ち上がった万里は、ゴール地点であるラジオぽてとに向かって…
☆ふたりの絆
「うつーぎまーり! うつーぎまーり! うつーぎまーり!」
フルネームを連呼する応援コールは、いつぞや落ち込んだつばさを励ます為に、万里が始めたものです。それが真瀬を励まし、やがて万里自身に返って来たワケですね(涙)。
万里はついに、ゴールします。奇跡を起こしたんです。自分の為に、大輝くんの為に、やる前に諦めちゃう全ての人の為に、そして…
「ちっぽけなチャレンジだこと」
『ロッキー』で言えば「エイドリア〜ン!!」なこの場面に、房子様の吐き捨てるようなつぶやきを挿入しちゃう『つばさ』はやっぱ、普通じゃない(笑)。にしても房子様、しっかりラジオ聞いてらしたのねw
声援をくれた皆に、泣きながら感謝を述べる万里の姿には、演技を超えたものがありましたね。本気の涙だと思います。
この第22週は、女優・吉田桂子にとっても一世一代の晴れ舞台。全身全霊で演技した充実感と、支えてくれたスタッフ・キャスト全員への感謝の気持ちが溢れてるように見えました。
現在、たまに脇役で姿をお見かけするものの、つばさ=多部ちゃんとの格差は広がる一方である吉田さんの現状を思いながら観ると、この場面の万里がいっそう輝いて見えます。
「諦めるのは、やり切ってからでいいよね」
万里の想いは、大輝くんにも100%伝わりました。
「いい広場になったな。もう、思い残す事はない…」
秀樹、何を考えてる?
「俺も、チャレンジしたくなった」
なにを言う、君はもう立派なチャンピオンじゃないか、チクビッティー。主演男優賞だしw
…さて、わだかまりを払拭したつばさと万里は、また一段と絆を深めました。ただ、二人の間にある格差みたいなものが全部消えて無くなったワケじゃないから、今後もまた衝突する事はあるでしょう。
普通なら親友じゃいられなくなりそうなもんだけど、この二人なら大丈夫でしょうね。
嫌われるのを覚悟の上で、あえて万里に厳しい言葉をぶつけたつばさ。そんなつばさに怒りをさらけ出し、だけど背中を向けず、挑み、倒れて、つばさの声で立ち上がった万里…
そう、あの時。万里は両親を含む皆の声援や、大輝くんの叫びを聞いても立ち上がれなかったのに、つばさの声を聞いて、奇跡を起こしました。
それは何故でしょう? 単につばさが主役だから? いや、違う。私はふと思いました。これは、ありきたりな友情じゃないとw そう。愛です、愛。つばさと万里は、百合なんです!(笑)
今回、万里がつばさに激しくぶつけた怒り。大輝くんへの想いが共有出来ない、温度差があるからって、あんなに激しく怒るのは尋常じゃない。愛してるから怒るんですw
不可能と思える事に挑戦し、自分自身を向上させようとしたのは、つばさと精神的に対等な位置に立ちたかったから。
それは嫉みの感情を解消する為と言うより、例えば学校で成績の悪い子が、愛する異性(優等生)と同じ大学に合格する為に猛勉強する、みたいな事だったのかも知れません。いや、そうに決まってますw
万里はなぜ、マスコミの仕事を選んだのか? つばさがラジオ局に就職したからではなかったか? 万里がなぜ、あんなモミアゲを好きになっちゃったのか?w 愛する人が好きな相手は、自分も好きになっちゃうからじゃないですか? て言うか単に、カモフラージュでしょうw
そう思い込んで第22週を観直してみて下さい。きっとドキドキしちゃいますよw
私の場合、やるだけやったから未練は無いって思ってる反面、やろうと思えばまだまだやれたよな…っていう思いもあったりはします。
でも、創りたいものが無くなったんだから、やり続けてもしょうがない。←そう考える事は逃げなのかな?とも思うし、まだやれたと思う事こそが逃げ、なのかも知れないし…
どっちにしても、自分で考えて出した結論ですから、悔いはありません。でも、私の周囲にいる人達からすれば、やっぱ「勿体ない!」としか言いよう無いのかも知れないですね。
『つばさ』はセラピーに似てる… 何度かそう書きましたが、「癒し」の世界って基本的に、「どんな自分でも受け入れる」「そのままのアナタでいい」「頑張らなくてもいいんだよ」みたいな事だと思います。「頑張れ」は禁句なんです。
ところがこの第22週は、真逆の考え方を提唱してるんですよね! 何を言ってるんだ、本当にやるだけの事をやり切ったのか? 簡単に諦めないで、もっと頑張れよ!って。
それでも、『つばさ』の作劇がセラピーを意識してるって解釈は、決して見当違いじゃないと私は思います。意識してるからこそ、自分達は全面的に「癒し」を支持するワケじゃないからね、誤解しないでねっていう、創り手のエクスキューズだったんじゃないでしょうか?
だって、この週の最終日、「頑張れ」って言葉が一体、何回使われた事か?w あそこまで執拗に「頑張れ」を連呼するのは、普通じゃないですよね。普通じゃない事には、必ず何かの意味が込められてる。
そんな事まで想像させられた第22週は、本当に味わい深いエピソードだったと思います。
↑と、ここまで書いた所で皆さんのコメントを読んだら、やっぱセラピーは全然関係無いような気がして来ましたw
「頑張れ」の連呼は「頑張れ円谷」へのオマージュみたいだし、『走れメロス』とのリンクとか、女性ライターさんの「脚本協力」が通常の『つばさ』と違う空気を生んだとしたら、アンチ「癒し」とかっていう意識は別に無いですよね、きっと。
ま、どっちでもいいじゃないですかw 我々が勝手に解釈したり推理したりして書いてる事の、大半は「別にそこまで考えて創ってないよ」って作者さんに言われちゃうような事かも知れないし。それを言っちゃミもフタもないですがw
☆信じる力
ボインボイ〜ン麻子さんの店に、竹雄、鳶の頭、鈴本社長の三馬鹿トリオが久々に揃います。そこに秀樹がやって来た途端、オンナの顔になる判り易い麻子さんw
「信じて見守る。それも愛ですよ」
壁にぶつかり、もがいてる娘や息子達を心配する三人に、秀樹はそう言いました。
この週のサブタイトルは「信じる力」で、自分を信じるって意味もあるでしょうけど、どちらかと言えば見守る側の信じる力を指してる感じです。
当初は「元気をあげる」ってサブタイトルだったとの事で、それは万里の視点に立ってる感じなので、この変更はけっこう大きいなぁと思うのですが、どういういきさつだったんでしょうね。
「川越チャレンジ」に甘玉堂の職人になりたいって投書を出して、家族の反応を試した知秋ですが、「誰かに決めてもらうんじゃなくて、自分の中で答えを出さないと」と思い直した模様です。
「急がなくていいよ、知秋の人生なんだから。知秋の決めた道なら、お父さん応援するから」
秀樹にヒントを貰った竹雄は、知秋の事も信じて待つことにしました。まぁそれにしても、つくづく、つばさにしろ知秋にしろ、信じるに値するしっかり者によく育ったもんです。
☆無謀な挑戦
つばさは、軽率な発言で万里のプライドを傷つけた事を謝りますが、万里はもはや、自分自身に対して諦めムードです。
「無理だって、誰が決めるの? 万里自身が勝手に、自分の限界作ってるだけじゃない」
つばさは、いつになく厳しい言葉で、万里にゲキを飛ばします。反論されると考え込んじゃう事が多かったつばさですが、今回に限っては引きません。
「自分の限界だと思ってたのは、限界じゃなかった。飛べなかったんじゃなくて、飛ぼうとしなかっただけ」
自分自身の経験で得た実感を語るつばさですが、ますます火に油を注ぐ結果になり、万里の怒りはMAXに達します。つばさは万里を発奮させる為に、わざと痛い所を突いたのでしょうか?
つばさの言った事は、まさに正論だと思います。壁を乗り越えた人だからこそ言える事です。
でも、誰もが同じように乗り越えられるのか? あんたは出来る人だから、出来ない人間の気持ちが解らないんだよ!…って、私ならイジケて、それで終わっちゃうかも知れませんw
でも、万里は違いました。つばさへの怒りをバネにして、次の朝、万里は無謀な挑戦状を「川越チャレンジ」に叩きつけます。
それは、42.195kmのフルマラソンを完走すること。つばさは驚きます。万里は学校の5kmマラソンでも完走するのがやっとだった位、運動音痴の虚弱体質。下手をすりゃ、命の危険にも繋がりかねません。
「私の限界は、私が決める。奇跡が起こるかどうか、やってみなくちゃ分からないじゃない」
万里にそう言われては、つばさに返す言葉はありません。そのまんまの事を昨夜、つばさ自身が言ったんだから。
もちろん万里は、つばさへの対抗心だけで、こんな無茶を言い出したワケじゃないでしょう。
自分にだって、壁を乗り越えられるパワーがあると信じたい。それを確かめたい。仕事を続ける為に、これからの人生を恐れずに進んで行く為に。そして…
「人はさ、誰かのために強くなれるんじゃないか?」
ラジオの男がつばさに言った通り、大輝くんや、やる前に諦めてしまう全ての人のために、万里はチャレンジする。
それと、前回書かせて頂いたように、親友・つばさに対して抱いて来たコンプレックス、嫉みの感情をクリーンにするには、つばさでも簡単には出来ない事をやり遂げて、精神的に対等な位置まで自分を向上させるしかない。
勿論それは、これからもつばさと親友でいたい気持ちがあるから、なんでしょうけど、私はふと思いました。万里はつばさに対して実は、また違った感情を持ってるのではあるまいか?と。
私が何を思いついたのか、鋭い読者さんなら既にお見通しかも知れませんが、これについてはまた後ほど書かせて頂きますw
☆万里、頑張れ!
万里のチャレンジが決行される当日、現場の実況を浪岡に任せたつばさは、ラジオぽてとのDJブースから、万里の様子をリスナーに届ける役目を担います。
「離れていても伝わる。それがラジオですから」
まさに、秀樹が言った「信じて見守る」…つばさの愛ですね。そう、愛なんです。愛…
万里は走ります。汗を流して必死に走る姿、その映像から伝わるエモーションを、文字で表現するのは不可能です。ここはもう、想像にお任せしますm(__)m
ラジオぽてとに続々と届く応援メッセージ、足を運んで集まって来る市民達、信じて見守る万里の両親… 『つばさ』としては珍しい、王道の展開ではありますが、今回のエピソードに捻りやどんでん返しは不要でしょう。
万里を演じる吉田桂子さんは、本当にかなりの距離を走られたみたいですね。表情や身体の動きから、その苦しみと痛みが伝わって来ます。この説得力もまた、映像作品ならではですね。
とうに限界を越えて、精神力だけで前進する万里ですが、ついに倒れちゃいます。みんなの応援する声に混ざって、大輝くんの叫びも聞こえて来ます。
「お姉ちゃん、奇跡見せてよ! 僕に奇跡を見せてよ!」
だけども、起き上がる力すら残ってない万里。DJブースのつばさは、万里にはラジオの音が聞こえない事を分かっていながら、声援を送ります。
「万里、がんばれ。万里、がんばれ。万里、がんばれ。万里、がんばれ… 万里、がんばれ! がんばれ! がんばれ! がんばれ!」
知秋の機転により、イヤホンでその声を聞いた万里が、奇跡を起こします。僅かな力で立ち上がった万里は、ゴール地点であるラジオぽてとに向かって…
☆ふたりの絆
「うつーぎまーり! うつーぎまーり! うつーぎまーり!」
フルネームを連呼する応援コールは、いつぞや落ち込んだつばさを励ます為に、万里が始めたものです。それが真瀬を励まし、やがて万里自身に返って来たワケですね(涙)。
万里はついに、ゴールします。奇跡を起こしたんです。自分の為に、大輝くんの為に、やる前に諦めちゃう全ての人の為に、そして…
「ちっぽけなチャレンジだこと」
『ロッキー』で言えば「エイドリア〜ン!!」なこの場面に、房子様の吐き捨てるようなつぶやきを挿入しちゃう『つばさ』はやっぱ、普通じゃない(笑)。にしても房子様、しっかりラジオ聞いてらしたのねw
声援をくれた皆に、泣きながら感謝を述べる万里の姿には、演技を超えたものがありましたね。本気の涙だと思います。
この第22週は、女優・吉田桂子にとっても一世一代の晴れ舞台。全身全霊で演技した充実感と、支えてくれたスタッフ・キャスト全員への感謝の気持ちが溢れてるように見えました。
現在、たまに脇役で姿をお見かけするものの、つばさ=多部ちゃんとの格差は広がる一方である吉田さんの現状を思いながら観ると、この場面の万里がいっそう輝いて見えます。
「諦めるのは、やり切ってからでいいよね」
万里の想いは、大輝くんにも100%伝わりました。
「いい広場になったな。もう、思い残す事はない…」
秀樹、何を考えてる?
「俺も、チャレンジしたくなった」
なにを言う、君はもう立派なチャンピオンじゃないか、チクビッティー。主演男優賞だしw
…さて、わだかまりを払拭したつばさと万里は、また一段と絆を深めました。ただ、二人の間にある格差みたいなものが全部消えて無くなったワケじゃないから、今後もまた衝突する事はあるでしょう。
普通なら親友じゃいられなくなりそうなもんだけど、この二人なら大丈夫でしょうね。
嫌われるのを覚悟の上で、あえて万里に厳しい言葉をぶつけたつばさ。そんなつばさに怒りをさらけ出し、だけど背中を向けず、挑み、倒れて、つばさの声で立ち上がった万里…
そう、あの時。万里は両親を含む皆の声援や、大輝くんの叫びを聞いても立ち上がれなかったのに、つばさの声を聞いて、奇跡を起こしました。
それは何故でしょう? 単につばさが主役だから? いや、違う。私はふと思いました。これは、ありきたりな友情じゃないとw そう。愛です、愛。つばさと万里は、百合なんです!(笑)
今回、万里がつばさに激しくぶつけた怒り。大輝くんへの想いが共有出来ない、温度差があるからって、あんなに激しく怒るのは尋常じゃない。愛してるから怒るんですw
不可能と思える事に挑戦し、自分自身を向上させようとしたのは、つばさと精神的に対等な位置に立ちたかったから。
それは嫉みの感情を解消する為と言うより、例えば学校で成績の悪い子が、愛する異性(優等生)と同じ大学に合格する為に猛勉強する、みたいな事だったのかも知れません。いや、そうに決まってますw
万里はなぜ、マスコミの仕事を選んだのか? つばさがラジオ局に就職したからではなかったか? 万里がなぜ、あんなモミアゲを好きになっちゃったのか?w 愛する人が好きな相手は、自分も好きになっちゃうからじゃないですか? て言うか単に、カモフラージュでしょうw
そう思い込んで第22週を観直してみて下さい。きっとドキドキしちゃいますよw