☆竹雄のいない甘玉堂
とうとう玉木家を出てってしまった竹雄さん。その苦しみにずっと気づいてあげられなかった加乃子、千代、つばさは「自分のせいだ」と言い張り合って口論になっちゃう(普通なら人のせいにしますよねw)のですが…
「今、考えなきゃならない事は、お父さんの為に何が出来るかでしょ!?」
こういう時、にわかに存在感が増すのが知秋で、冷静に喧嘩を諫める姿は、肉体のマッチョ化と相まって、実にたくましい。見られて恥ずかしい体はしてねーぞ、っとw
つばさはあらためて、父・竹雄がこれまでしてくれた事、言ってくれた事を思い返します。10年間も家出して帰って来た母・加乃子とのわだかまりが溶けたのも、竹雄のフォローがあればこそでした。
この家が自分の居場所じゃなくなった切なさに耐えられず出て行った、加乃子の気持ちを誰よりも理解してたのは竹雄でした。だから10年も待っていられたんです。そんな竹雄が、今度は自分の居場所を見失い、出て行った。
「本当は竹ちゃん、自分の昔の事を、みんなに話したかったんだと思う。一人で抱え込んで生きて来たんだもの…」
今度は加乃子が、竹雄の帰りを待つ番です。
☆物騒だから…
ラジオぽてと内じゃ、竹雄の話題はタブーになってます。「物騒だから」と無邪気に言い放つw爆弾娘・優花に、言葉を失うつばさ。
世間の目とは、そんなもんです。私だって、友人や同僚が元極道だったなんて知ったら、やっぱ「物騒だな」って思う事でしょう。そんな視線を受ける事に「父は、ずっと耐えて来たんですね」と、真瀬に洩らすつばさ。
「取材に行って来い」と、真瀬はつばさの背中を押します。取材とは勿論、竹雄の居場所、そして竹雄の知られざる顔についてです。
「家族の事を理解するのに、ここ迄でいい、なんて事はないんだ」
過去を知られて、家族に迷惑を掛けた。それだけの理由で竹雄は、みんなが悲しむ事を分かってて出て行ったのだろうか? 他にも何か、深い理由があるんじゃないのか?
それを知るのが怖い。でも、知っておかなければ、竹雄を心から受けとめられないかも知れない。つばさは覚悟を決め、取材を開始します。
☆心の闇
ずっと竹雄がひた隠しにして来たのは、物騒な過去の身分や出来事…だけではなかったようです。
「それは想像も出来ないような、暗くて深い、心の闇みたいなものかも知れない」
…と、つばさの取材に答える和製モンロー麻子さん。心の闇… それは竹雄だけじゃなくて、誰でも隠し持ってるものかも知れない… 胸を揺らしながらそう言う麻子さん自身も、父親のぶざまな死に様をその眼に焼き付けようとしてた人なんです。ボインボヨヨ〜ン!!
誰もが隠し持つ、心の闇… プチバストのつばさは無意識の内に、かつて自分と弟を置いて母が去って行った、川沿いの一本道を歩いていました。
『つばさ』の物語が始まって以来、何度となく回想される、あの場面。ただ泣きながら母にすがろうとした知秋とは対照的に、泣きもせず、悲しみでも淋しさでもない眼差しで、じっと母の後ろ姿を凝視してた、10年前のつばさ。
番組も終盤になろうというこの週で、10歳のつばさがそんな風に描かれた事の理由が、ようやく明かされます(!)。よくもまぁ引っ張りました、21週間!(笑)
この道には小さなバス停があり、そこは加乃子と竹雄の出会いの場所でもありました。
26年前、秀樹との仲を引き裂かれて絶望の一歩手前にいた加乃子は、のたれ死に寸前の竹雄をここで見つけたのです。
若き竹雄の深く絶望した眼、まるで世界を丸ごと恨んでるような眼差しを見た加乃子は、この町に自分よりも絶望した人がいた事に妙な嬉しさを覚えて、たまたま持ってた甘玉を彼に食べさせました。
嬉しそうにニッコリ笑った竹雄は、そのまま玉木家まで加乃子にくっついて行ったのです。捨て犬か!w
加乃子と竹雄、二人それぞれの人生が、この場所から大きく変わりました。
☆人生の分岐点
つばさの取材を受けた秀樹は、捨て犬みたいに佇む翔太を拾った日の事に言及します。その時の翔太も恐らく、深く絶望したかつての竹雄と同じ眼をしてたのでしょう。
「自分にとって、人生の分岐点でしたから」
直立不動でそう言うチクビッティーですが、頭皮は動きっぱなしです。
「分岐点は一つじゃない。不幸の始まりになった場所もある筈だ。行き場を見失った人間は、とかく分岐点に戻りたがる」
そう言う秀樹がラジオぽてと=川越キネマにこだわり続けるのは、あの場所が秀樹にとっての分岐点だったからでしょうか?
ヒントを貰ったつばさは、次に谷村鉄次を取材し、彼が初めて竹雄と出会った場所を聞き出します。その場所こそ、竹雄が極道の世界に足を突っ込んだ第一歩、つまり人生の分岐点。竹雄は、そこに戻ってるかも知れない…
鉄次の曖昧な記憶による情報を頼りに、つばさは上野駅近くの安旅館をしらみ潰しに当たります。そうして着実に竹雄の居場所へと近づいて行くつばさは、ワンコ刑事よりよっぽど優秀な捜査官になれそうですw
そしてつばさは、遂に竹雄を見つけてしまうのでした。
「来るな! 顔を見られたくない!!」
まさに、世界を丸ごと恨んでるような、深く絶望したような眼差しの竹雄が、そこにいたのでした。(つづく)
PS. この第21週のレビューはなんと、年を跨いでしまう模様ですw
とうとう玉木家を出てってしまった竹雄さん。その苦しみにずっと気づいてあげられなかった加乃子、千代、つばさは「自分のせいだ」と言い張り合って口論になっちゃう(普通なら人のせいにしますよねw)のですが…
「今、考えなきゃならない事は、お父さんの為に何が出来るかでしょ!?」
こういう時、にわかに存在感が増すのが知秋で、冷静に喧嘩を諫める姿は、肉体のマッチョ化と相まって、実にたくましい。見られて恥ずかしい体はしてねーぞ、っとw
つばさはあらためて、父・竹雄がこれまでしてくれた事、言ってくれた事を思い返します。10年間も家出して帰って来た母・加乃子とのわだかまりが溶けたのも、竹雄のフォローがあればこそでした。
この家が自分の居場所じゃなくなった切なさに耐えられず出て行った、加乃子の気持ちを誰よりも理解してたのは竹雄でした。だから10年も待っていられたんです。そんな竹雄が、今度は自分の居場所を見失い、出て行った。
「本当は竹ちゃん、自分の昔の事を、みんなに話したかったんだと思う。一人で抱え込んで生きて来たんだもの…」
今度は加乃子が、竹雄の帰りを待つ番です。
☆物騒だから…
ラジオぽてと内じゃ、竹雄の話題はタブーになってます。「物騒だから」と無邪気に言い放つw爆弾娘・優花に、言葉を失うつばさ。
世間の目とは、そんなもんです。私だって、友人や同僚が元極道だったなんて知ったら、やっぱ「物騒だな」って思う事でしょう。そんな視線を受ける事に「父は、ずっと耐えて来たんですね」と、真瀬に洩らすつばさ。
「取材に行って来い」と、真瀬はつばさの背中を押します。取材とは勿論、竹雄の居場所、そして竹雄の知られざる顔についてです。
「家族の事を理解するのに、ここ迄でいい、なんて事はないんだ」
過去を知られて、家族に迷惑を掛けた。それだけの理由で竹雄は、みんなが悲しむ事を分かってて出て行ったのだろうか? 他にも何か、深い理由があるんじゃないのか?
それを知るのが怖い。でも、知っておかなければ、竹雄を心から受けとめられないかも知れない。つばさは覚悟を決め、取材を開始します。
☆心の闇
ずっと竹雄がひた隠しにして来たのは、物騒な過去の身分や出来事…だけではなかったようです。
「それは想像も出来ないような、暗くて深い、心の闇みたいなものかも知れない」
…と、つばさの取材に答える和製モンロー麻子さん。心の闇… それは竹雄だけじゃなくて、誰でも隠し持ってるものかも知れない… 胸を揺らしながらそう言う麻子さん自身も、父親のぶざまな死に様をその眼に焼き付けようとしてた人なんです。ボインボヨヨ〜ン!!
誰もが隠し持つ、心の闇… プチバストのつばさは無意識の内に、かつて自分と弟を置いて母が去って行った、川沿いの一本道を歩いていました。
『つばさ』の物語が始まって以来、何度となく回想される、あの場面。ただ泣きながら母にすがろうとした知秋とは対照的に、泣きもせず、悲しみでも淋しさでもない眼差しで、じっと母の後ろ姿を凝視してた、10年前のつばさ。
番組も終盤になろうというこの週で、10歳のつばさがそんな風に描かれた事の理由が、ようやく明かされます(!)。よくもまぁ引っ張りました、21週間!(笑)
この道には小さなバス停があり、そこは加乃子と竹雄の出会いの場所でもありました。
26年前、秀樹との仲を引き裂かれて絶望の一歩手前にいた加乃子は、のたれ死に寸前の竹雄をここで見つけたのです。
若き竹雄の深く絶望した眼、まるで世界を丸ごと恨んでるような眼差しを見た加乃子は、この町に自分よりも絶望した人がいた事に妙な嬉しさを覚えて、たまたま持ってた甘玉を彼に食べさせました。
嬉しそうにニッコリ笑った竹雄は、そのまま玉木家まで加乃子にくっついて行ったのです。捨て犬か!w
加乃子と竹雄、二人それぞれの人生が、この場所から大きく変わりました。
☆人生の分岐点
つばさの取材を受けた秀樹は、捨て犬みたいに佇む翔太を拾った日の事に言及します。その時の翔太も恐らく、深く絶望したかつての竹雄と同じ眼をしてたのでしょう。
「自分にとって、人生の分岐点でしたから」
直立不動でそう言うチクビッティーですが、頭皮は動きっぱなしです。
「分岐点は一つじゃない。不幸の始まりになった場所もある筈だ。行き場を見失った人間は、とかく分岐点に戻りたがる」
そう言う秀樹がラジオぽてと=川越キネマにこだわり続けるのは、あの場所が秀樹にとっての分岐点だったからでしょうか?
ヒントを貰ったつばさは、次に谷村鉄次を取材し、彼が初めて竹雄と出会った場所を聞き出します。その場所こそ、竹雄が極道の世界に足を突っ込んだ第一歩、つまり人生の分岐点。竹雄は、そこに戻ってるかも知れない…
鉄次の曖昧な記憶による情報を頼りに、つばさは上野駅近くの安旅館をしらみ潰しに当たります。そうして着実に竹雄の居場所へと近づいて行くつばさは、ワンコ刑事よりよっぽど優秀な捜査官になれそうですw
そしてつばさは、遂に竹雄を見つけてしまうのでした。
「来るな! 顔を見られたくない!!」
まさに、世界を丸ごと恨んでるような、深く絶望したような眼差しの竹雄が、そこにいたのでした。(つづく)
PS. この第21週のレビューはなんと、年を跨いでしまう模様ですw