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『家政婦のミタ』(終)

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最終回の当日、日テレは朝から晩まで『家政婦のミタ』一色でしたねw 私は水曜日が定休日なもので、朝起きたらとりあえずワイドショーを観てみるのですが、ここ数週間の『スッキリ!』水曜日は毎週、ミタさん特集ですよw

今年全ての連ドラ中トップの平均視聴率を稼いでるらしく、更にプッシュして最高記録を出そうっていうTV局の目論みでしょうけど、過ぎたるは及ばざるが如しで、現場の創り手からすれば、結構ありがた迷惑だったんじゃないでしょうか?

いや、視聴者の立場からしても、あんまり『ミタ』の映像ばっか見せられると食傷気味になって来るし、まして「最終回の冒頭部分を独占公開!」とか、どうせ数時間後に観るもんを、先に観たいなんて思う人がいるんですかねぇ?

勿論すぐにチャンネル替えて、観ないようにしましたけど、『家政婦のミタ』という番組自体にまで、ちょっとだけ興醒めしないではいられませんでした。

TV局って、本当に馬鹿ですよね。どうせなら、視聴率で苦戦してる番組こそをプッシュしてあげりゃいいのに、乳毛めっ!

さて…

「三田さんではなく、お母さんです。いつまでも家政婦扱いしないように」

↑最終回で最も『ミタ』が『ミタ』らしい面白さを発揮したのは、この辺のくだりでした。ほとんど暴投に近い(笑)変化球の面白さです。星飛雄馬の大リーグボール1号みたいなもんですね(古っ)。

だから、いよいよ最後の勝負球=三田さんをどんなシチュエーションで笑わせるのか?を、一体どんな魔球を使って見せてくれるのか!?って、そりゃもうドキドキもので観てたのですが…

なんと、駄目パパ長谷川博己さんが「三田さん、笑ってください」ってw ど直球じゃないですか!?(笑) その球種が残っていたとは!

いや、良かったんですよ。数年ぶりに、ぎこちなく笑う松嶋菜々子さんの表情は素晴らしく、神々しいほど美しかったし、やっぱりそこは感動して泣いちゃいました。

でも、こっちは完全に変化球(を超えた魔球)を予想してバットを構えてたのに、来たボールはまさかの直球ど真ん中で(笑)、呆然と見送り三振アウトですよ。またもや、最後の最後までやられちゃいましたw

投げる側も最初は、どんな変化球を投げ込んでやるかって、あれこれ策を練ったかも知れません。考えに考えた末に「そうだ、まだ直球を使ってないじゃん!」って閃いた。もしくは、最後は真っすぐで勝負するってあらかじめ決まってて、それを最大限に活かす為に、今まで変化球を投げ続けてたのかも…

いずれにせよ、実に正しい選択だったように思います(何様やw)。ここ一番の勝負は、やっぱ直球に限ります。

ただし、その食卓の場面。阿須田ファミリーが三田さんに贈る言葉を一人一人言うんだけど、最後の長男と次男の台詞は余分でしたよね? 尺的にも冗長だし、二人とも同じこと言っててクドイったらありゃしない。

あの場面、実は全編アドリブだったそうです(『スッキリ!』で言ってましたw)。やっぱこういう時、男の子は駄目ですねw 同じ子役でも、女の子の方が冷静に客観的な判断をしてたように思います。

もう長谷川さんが次の台詞を言おうとして三田さんに向き直ってるのに、「まだ言うんかい、このクソガキどもめ!」って、松嶋さんは微笑みながら思ってたそうですよ(うそw)。

重箱の隅をつつくのは不粋な行為と知りつつも、あの余分な約30秒が無ければ、もっと素晴らしい場面になってたと私は思います。

この際、もう一つだけ重箱の隅をつつきますが、バス停の見送りの場面ですよ。末っ子のきいちゃんだけが来てない時点で、「えっ、まさか!?」って、ご覧になってた皆さん、思いましたよね?(笑) まさか『ミタ』でアレをやっちゃうの!?ってw

そう、主人公を乗せたバスが走りだして、しばらくしてから「三田さーん!」って声がして、窓の外を見たら、そこには!っていうw、泣かせ演出の王道中の王道ですよ。ど直球にも程があるでしょっていう(笑)。

私がこの場面に突っ込みを入れたくなったのは、多分こんな王道パターン、創り手は本来やりたくなかったんじゃないの?って思ったからです。

『南極大陸』の時に書いた、メジャーになればなるほど駄目になる方程式が、ここに来て作用しちゃったんじゃないか?と。つまり、会議室から「ここでもっと分かりやすく泣ける場面を入れなさい」っていう、絶対命令が下ったんじゃないでしょうか?

あそこまでしなくたって充分に泣けたのに、余計な事して水を差しちゃったなぁって、私はあれでちょっと『ミタ』の評価が下がりました。

視聴率が良過ぎるのも、そのぶん余計な注文や制約が増えちゃうという、弊害が生まれる原因になったりするんですよね。

上記の二点さえ無ければ、もう言うこと無しの最終回でしたね。理想的な結末だったと思います。

相武紗季ちゃん演じる「うらら」ですが、三田さんを救う鍵ではなく、彼女も三田さんに救われる側でしたね。三田さんが阿須田家のママに一旦なったのは、本当にファミリーにとって必要な存在がうららである事を、子供達に気づかせる為でした。

三田さんは何だかんだ言っても、やっぱ「どん底」から這い上がった人だけに、強いですよね。かつての自分ソックリなうららに「強くなりなさい」って、親身になって忠告してたし…

阿須田ファミリーを再生させた三田さんは、新たな喜び=生き甲斐を見つけたんじゃないでしょうか? 「人と人を繋げる」という生き甲斐を。

どん底からの復活によって繋がる、人と人の絆… 緻密に計算された作劇といい、こじつけでも何でもなく、このドラマは『つばさ』に似てたかも知れませんね。

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