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『つばさ』17 (前)

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情けは人の為ならず… いつも誰かと誰かを繋げる為に一生懸命だった、つばさが深く傷ついた時、今度は周りの人達が一生懸命になって、彼女を救うにはどうすればいいのかを考える。何よりそれが感動的な第17週でした。

唯一、恩を仇で返したのが、乳首。と言うより、乳首に流れる「一人相撲グランドマスター」の血ですね。乳首が素直に最初からつばさに甘えていれば、こんな悲劇は起こらなかった筈です。

だから今週、翔太はいよいよ「乳首」から「乳毛」に格下げ、場合によっちゃ、一気に「ち○毛」まで成り下がるかも知れません。下ネタが大嫌いな私に、そんな下品なことを書かせないで欲しいのですが、悪いのは私じゃなくて、乳首ですから。

…とまぁ、ご好評を頂いた(?)乳首いじりでウケを狙うのも、今週はこれ位にしときます。つばさの悲劇は乳首のと違って、いじるのは心が痛んじゃうもので…

☆新キャラ登場
みちるに誘導され、つばさへの想いを吐露しちゃった真瀬。それをつばさ本人ばかりか、ラジオぽてとのメンバー全員が整列して(笑)聞いてたというオチがつきました。

「あなたみたいな子を好きって言われても、私は変われない。もう、去るしか無いわね」

淋しそうに笑って、みちるは退場します。で、彼女に代わって?新たなセレブ女性キャラが登場しました。

「あーら、こちらは物置かしら?」

みちるも最初、そんなこと言いながら登場しませんでしたっけ?w 町内会の前会長で女社長の城之内房子(冨士眞奈美)がその新キャラですが、高飛車に見えて実は誰より優しかったみちるとは、もしかしたら正反対な曲者かも知れません。

現会長の鈴本スーパー社長も頭が上がらない権力者ゆえに、味方になれば心強い反面、敵に回したらこれほど厄介な相手はいません。

今のところ、つばさの放送がお気に入りって事で、強力なスポンサーになってくれそうなのですが…

☆「こえど」で女子会
つばさを囲み、ボインボイ〜ンな麻子さんと、脚の細さでROLLYを凌駕する万里が女子会です。真瀬の事で翔太があらぬ誤解をしてる可能性と、真瀬や優花を傷つけるのを恐れるつばさを、二人は心配します。

「恋愛は、誰かが幸せになったら、誰かが傷つくものなんだよ」

そう言う万里も、怪物乳首に傷つけられた多数の被害者の一人なんですが、だからこそ、二人には幸せになって欲しいのです。

「恋する時は、二十歳のおかんじゃなくて、乙女にならなきゃ」

そう、今週のサブタイトルは『さよなら、おかん』。つばさは「二十歳のおかん」という殻を破らないかぎり、自由には羽ばたけないのです。

☆すごいぞ知秋!
万里と麻子に励まされ、夜遅い時間なのに、翔太の部屋を訪ねると連絡して来たつばさに、玉木家一同は賛否両論で揺れますが、知秋だけは悠然としてます。

「お姉ちゃんは、家族を心配させるような事は出来ないからね。だから、いつまで経ってもおかんを卒業出来ないんだよ」

知秋の言葉に、父、母、祖母はハッとさせられます。つばさを「おかん」にさせてしまった犯人は、この人達ですからw

今週、何げに知秋が凄いんです。誰よりもつばさを理解してるのは、この少年なのかも知れません。

それに比べて、乳首はよ…(笑)。でも、それも無理からぬ事です。宮崎のチーム監督から電話で「いつまでもチームが待ってくれると思うなよ」って、ほぼクビと同然の通告を受けてしまったのだから。

そうとも知らず、真瀬との件での誤解を解きに来たつばさを、「一人にしてくれ」と追い返してしまう、乳首。気持ちは解るけど、この時に乳首がありのままを話してたら、悲劇は生まれなかったかも知れません。

つくづく、この男の「一人相撲」は殺傷能力バツグンのリーサル・ウェポンですよね。とんでもない血を受け継いでしまったものです。乳首怪獣モミアゲ出現!w(やっぱイジっちゃうんですよね、どうしてもw)

この男の頭皮がヒクヒク動きだしたら、危険信号です(笑)。速やかに避難しなければなりません。

☆翔太の頭皮が動くとき
新コーナー第1回のゲストに新スポンサーをお迎えしようって事で、房子様の豪邸で打ち合せをする真瀬とつばさ。

房子様の「イモはお好きですか?」って問い掛けから始まる、二人のドタバタ・ラブコメ劇場が実に楽しくて、どんどん重苦しくなる一方の乳首とつばさの関係とは、まったく好対照です。

房子様の仰るとおり、真瀬とつばさはどう見ても「息ピッタリ」で、つばさは怪獣の世話で苦労するより、真瀬とくっついた方がよっぽど幸せになれると思うのですが… 男と女ってのは、つくづく厄介なもんです。

その厄介な乳首怪獣が、本格的に暴れだすきっかけを与えてしまったのは、またもや竹雄さんでした。場所も再び「こえど」です。

翔太を呼び出した竹雄は、ずっと抵抗を感じてた二人の交際(引いては結婚)を、これからは応援する事にする、と言いだします。

「つばさが、おかんを卒業出来るなら、父親として誇らしく送り出そうって、決めたんだ」

ヒク、ヒクヒクヒクッ! 非常にやばい動きを見せる、翔太の頭皮。元より頭皮もへったくれも無い竹雄さんは勿論、翔太の靱帯損傷を知りません。知ってたら言わなかった筈です。乳首はこの期に及んでも尚、一人相撲をやめません。非常に危険です。

☆火を吹く怪獣
さらに加乃子が、翔太の部屋を新婚カップルの寝室みたいに模様替えし、そこでつばさが手料理を作って待ってたもんだから、翔太の頭皮は乳首と連動し、激しくバイブします。

つばさは病院の診断書を見つけて、ようやく現実を知らされました。

「もう、プロとしてやって行けないかも知れない」と言って落ち込む翔太を、なんとか元気づけようとして、一生懸命に励ますつばさ。「せっかく掴んだ夢なんだから、もう一度頑張ろうよ! 私も一緒に頑張るから」

「もういいよっ!」…ついに怪獣が、火を吹いてしまいます。翔太は初めて、つばさに対して「キレた」のでした。

「サッカーやってなきゃ駄目か? ガッカリしたか? 見損なったか? 諦めるなとか頑張れとか、簡単に言うなよ!!」

動揺し、焦ったつばさは、かえって火に油を注いじゃいます。「私に出来る事があったら、何でも言って? 翔太を支える為だったら私、ラジオぽてと辞めてもいいから!」

「そんなこと頼んでない! 俺の為に、仕事捨てるなんて言うなよ!!」

どうやら、一人相撲チャンピオンには一番言ってはいけない事を言っちゃったようです。つばさの手料理も食わず、怪獣は町へと飛び出して行きました。

一人残されたつばさは、茫然と立ち尽くすしかありません。おかんと言っても、実際は弱冠20歳の小娘です。今まで生きて来て、こんな事でキレる人間を見たのは初めてでしょうし、こんな事で愛が終わるとは夢にも思わなかった事でしょう。

でも今回ばかりは、怪獣の気持ちも少しだけ解る気がします。私が映像業界から身を引いて田舎に戻った時、多くの同級生から「なんで帰って来たの?(せっかくデビューしたのに)勿体ない」みたいな事を言われました。

そう言いたくなる気持ちは解るけど、誰より無念なのは私なんだし、でも自分なりに気持ちの整理をつけて、前向きな選択をしたつもりだったんです。そう説明しても、なかなか解って貰えなかった。

私の経験した事は、私にしか解らない。だから、解って貰えないのは仕方ないけど、解らないならせめて、黙っててくれるかな?って、言いたかったです。

だから私自身も立派な一人相撲レスラーではあるんだけど、乳首レスラーほど優しくもなければストイックでもないですから、そういう相手とは二度と絡まないっていう方法で、円満解決?しましたけれど。

「あんたはよく頑張った。サッカーだけが人生じゃないよ」

母・佐知江の、この言葉が今の翔太は聞きたかった。甘ったれてるのかも知れないけど、私も同感です。そう言ってくれた人は、一人もいなかったですね。

佐知江は、つばさにも「今は、黙って待ってて欲しいの」と忠告しますが、もし別れるにしても、頭皮を震わせて怒鳴られたまま終わるのは、つばさもそりゃあ嫌でしょう。今回はどっちの気持ちも解るだけに、とてもツライ展開ですね。

「(落ち込んでる時は)仕事に救われる事って、あるのよね」という伸子の言葉を聞いて真瀬は、落ち込むつばさにどんどん仕事を振ってやります。

しかし今回は、そんな真瀬の優しささえも裏目に出ちゃいます。つばさが担当した房子様へのインタビュー中継の仕事が、つばさを奈落の底まで突き落とす結果を招いてしまうんです。

☆殻を破るとき
「いつも助けてもらってばかりだけど、僕だって少しは力になれるんだから」と天使みたいに微笑む弟・知秋。「此処が、あなたの家ですからね」と静かに語り掛ける祖母・千代。「(翔太は)帰って来るわよ、帰る場所があるから出て行ったんだから」と自分の事と重ねて言う母・加乃子。「たまには僕たちにも心配させてよ」と言って甘玉を差し出す父・竹雄。本当に、いい家族だ…

そして1週間後、大家さんの秀樹が、翔太の荷物を引き取りに来ます。怪獣の潜伏先を聞き出そうとするつばさに「さすがカノンの娘、いい度胸だな。だが、愛の結末には責任持てないぜ」と、なぜか何でも知ってる秀樹w

「ま、堕ちる所まで堕ちたら、どん底を蹴って飛び立てばいい。カノンのように」

↑これがhyoutanさんの仰る、『つばさ』そのものを象徴する台詞ですね?

「そろそろ自分の殻を破る時だ。お嬢ちゃん」

そう言って秀樹は、怪獣が眠る東京のビジネスホテルを教えるのでした。

誰からも愛されて来たつばさが、恐らく生まれて初めて、自分の在り方を全否定されてしまう瞬間が今、目の前に迫ってます。

でも秀樹は、あえて試練を与えたのでしょう。つばさが殻を破って、いつか大空へと羽ばたく為に、どうしても乗り越えないといけない試練を…

(つづく)

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