『太陽にほえろ!』が15年の歴史にピリオドを打ち、以降『ジャングル』『NEWジャングル』『もっとあぶない刑事』『ハロー! グッバイ』と続いた、金曜夜8時=日テレ伝統の刑事ドラマ枠。
そのラストを飾ったのが『刑事貴族』シリーズでした。日テレ+東宝製作による『太陽』の血を引く最後の刑事ドラマでもあり、フィルムで撮られた連続ドラマとしても最終グループに入るかと思います。
先々週からCSのファミリー劇場で放映が始まりました。観るのは本放映以来で、約20年ぶり。『太陽』や『西部警察』に感じる懐かしさとは違って、私の中では一つの時代の終焉を象徴する番組ですね。
主演は舘ひろし。『西部』『あぶ刑事』を経て、ちょっと大人の役者にシフトしようとしてた時期で、いつも通りの刑事役をいつも通りに演じてるように見えてw、実はいくつかの変化が見られます。
まず、バイクに乗らない事。代わりにボロボロのムスタングを乗り回すという、むしろバイクより派手になってる気がしないでもないけどw、なかなか渋いです。
ファッションもアルマーニだか何だかのダブルスーツをやめて、普通の高級スーツwを着用。さらに『西部』からのトレードマークだった二丁拳銃を廃止、ホルスターも胸から腰に移動しました。
そうやって形から入るのが舘さんらしくて微笑ましいのですがw、ドラマの内容もよりシリアスなハードボイルド・タッチになって、無駄口は一切叩きません。
舘さんご自身はコメディーも人情ドラマも自分には合わないと思ってて、数ある出演作の中でも『刑事貴族』が一番、肌に合っててお気に入りなんだそうです。
そして紅一点の女刑事に黒木瞳。宝塚歌劇の娘役出身で線が細いイメージだけど、なかなかどうして堂々たる刑事っぷり、カッコイイです。舘さんと互いに異性を意識した関係も、大人のムード作りにひと役買ってます。
猪突猛進型の典型的熱血刑事に、当時脂が乗ってた布施博。この布施さんとは後に『GUN CRAZY episode3』という映画の撮影でご一緒しました。
その時も刑事役で、犯人逮捕の芝居なんか手慣れたもんでしたが、もう身体がついて来ないんだと言って笑っておられました。笑うと五木ひろしの眼になるのがチャームポイントですねw
新米刑事にシブがき隊のフッくんこと布川敏和。刑事物における「ジャニーズ枠」のハシリとも言えますが、いつもドジ踏んで仲間の足を引っ張るダメっぷりには、かえって好感が持てました。
ベテラン枠に、先日亡くなられたばかりの地井武男さん。『太陽』のトシさんと同じポジションながら、サボる時はサボるしやたら愚痴っぽい、口うるさい等の人間味が加味されたキャラクターでした。
そしてボスが松方弘樹。もし『太陽』があのまま続いてたら、松方さんがこんな感じでボス役を継承されたんだろうなぁと感じさせる、まさにそのまんまな役どころ。
でも私は個人的に、松方さんのボス役はどうも肌に合わなかったです。どこか少年の面影を残してた裕次郎さんや渡さんと違って、松方さんには大人の嫌らしさが充満してる感じがして…w 裕次郎さん的な芝居がシラジラしく見えちゃったんですよね。
あと、イケメンの若手刑事が二人いるんだけど、なぜかこの二人、いつも「いるだけ」でロクに台詞も喋らせてもらえない。ただ人数合わせの為に「いるだけ」で可哀相な気もするけど、まぁイケメンだからどーでもいいですw
第1話の2時間スペシャルには寺尾聰さんも他署の刑事役で参加しており、舘さんと『西部』以来の名コンビぶりが見られましたが、中盤であっけなく殉職。オープニングタイトルにちゃんとレギュラーとして出てましたから、これには意表を突かれた視聴者も多かったかと思います。(私はTVガイドの記事で知ってましたw)
刑事ドラマがすっかりコメディー化してたあの当時、あくまでシリアスな集団刑事物としてスタートした『刑事貴族』。『あぶ刑事』ファンだった友人は「真面目すぎてつまらん」とか言って切り捨ててましたけど、私は好きでしたね。
やっぱ人の生命を扱うドラマですから基本的には真面目であるべきだし、どっしり構えたボスがいて、ベテラン、中堅、若手、紅一点がいるスタンダードな集団物スタイルが、私には一番しっくり来るんですよね。
ただし、それも役者次第。一匹狼の刑事が似合う最後のアクション俳優・舘ひろしがいればこそ成立する世界だし、文句言いつつも松方さんには、ボスとしてのオーラがちゃんとありました。
現存の俳優では、もうこんなドラマは成立しないでしょう。ましてフィルム撮影も出来ない、街中の銃撃戦やカーチェイスも許されない現状ですから、もはや幻の世界ですね。だからやっぱり、懐かしいです。
ちなみに舘さんは石原プロ作品主演の為、『刑事貴族』は半年で降板。その後は郷ひろみ、水谷豊と主演が引き継がれて行きます。
郷さんは歌手としてあれだけのオーラを放つ人なのに、刑事役となると意外に地味で、正直つまんなかったです。根が生真面目なんでしょうね。
その点、水谷さんの存在感と独自性は追従を許さないものがあり、『刑事貴族』はすっかり軽妙酒脱な水谷カラーに染まって行きました。
それはそれで楽しかったけど、私としてはやっぱ、最初の舘ひろしバージョンが一番良かったです。刑事物はやっぱ、拳銃がサマになるスターがいてナンボですよ!
そのラストを飾ったのが『刑事貴族』シリーズでした。日テレ+東宝製作による『太陽』の血を引く最後の刑事ドラマでもあり、フィルムで撮られた連続ドラマとしても最終グループに入るかと思います。
先々週からCSのファミリー劇場で放映が始まりました。観るのは本放映以来で、約20年ぶり。『太陽』や『西部警察』に感じる懐かしさとは違って、私の中では一つの時代の終焉を象徴する番組ですね。
主演は舘ひろし。『西部』『あぶ刑事』を経て、ちょっと大人の役者にシフトしようとしてた時期で、いつも通りの刑事役をいつも通りに演じてるように見えてw、実はいくつかの変化が見られます。
まず、バイクに乗らない事。代わりにボロボロのムスタングを乗り回すという、むしろバイクより派手になってる気がしないでもないけどw、なかなか渋いです。
ファッションもアルマーニだか何だかのダブルスーツをやめて、普通の高級スーツwを着用。さらに『西部』からのトレードマークだった二丁拳銃を廃止、ホルスターも胸から腰に移動しました。
そうやって形から入るのが舘さんらしくて微笑ましいのですがw、ドラマの内容もよりシリアスなハードボイルド・タッチになって、無駄口は一切叩きません。
舘さんご自身はコメディーも人情ドラマも自分には合わないと思ってて、数ある出演作の中でも『刑事貴族』が一番、肌に合っててお気に入りなんだそうです。
そして紅一点の女刑事に黒木瞳。宝塚歌劇の娘役出身で線が細いイメージだけど、なかなかどうして堂々たる刑事っぷり、カッコイイです。舘さんと互いに異性を意識した関係も、大人のムード作りにひと役買ってます。
猪突猛進型の典型的熱血刑事に、当時脂が乗ってた布施博。この布施さんとは後に『GUN CRAZY episode3』という映画の撮影でご一緒しました。
その時も刑事役で、犯人逮捕の芝居なんか手慣れたもんでしたが、もう身体がついて来ないんだと言って笑っておられました。笑うと五木ひろしの眼になるのがチャームポイントですねw
新米刑事にシブがき隊のフッくんこと布川敏和。刑事物における「ジャニーズ枠」のハシリとも言えますが、いつもドジ踏んで仲間の足を引っ張るダメっぷりには、かえって好感が持てました。
ベテラン枠に、先日亡くなられたばかりの地井武男さん。『太陽』のトシさんと同じポジションながら、サボる時はサボるしやたら愚痴っぽい、口うるさい等の人間味が加味されたキャラクターでした。
そしてボスが松方弘樹。もし『太陽』があのまま続いてたら、松方さんがこんな感じでボス役を継承されたんだろうなぁと感じさせる、まさにそのまんまな役どころ。
でも私は個人的に、松方さんのボス役はどうも肌に合わなかったです。どこか少年の面影を残してた裕次郎さんや渡さんと違って、松方さんには大人の嫌らしさが充満してる感じがして…w 裕次郎さん的な芝居がシラジラしく見えちゃったんですよね。
あと、イケメンの若手刑事が二人いるんだけど、なぜかこの二人、いつも「いるだけ」でロクに台詞も喋らせてもらえない。ただ人数合わせの為に「いるだけ」で可哀相な気もするけど、まぁイケメンだからどーでもいいですw
第1話の2時間スペシャルには寺尾聰さんも他署の刑事役で参加しており、舘さんと『西部』以来の名コンビぶりが見られましたが、中盤であっけなく殉職。オープニングタイトルにちゃんとレギュラーとして出てましたから、これには意表を突かれた視聴者も多かったかと思います。(私はTVガイドの記事で知ってましたw)
刑事ドラマがすっかりコメディー化してたあの当時、あくまでシリアスな集団刑事物としてスタートした『刑事貴族』。『あぶ刑事』ファンだった友人は「真面目すぎてつまらん」とか言って切り捨ててましたけど、私は好きでしたね。
やっぱ人の生命を扱うドラマですから基本的には真面目であるべきだし、どっしり構えたボスがいて、ベテラン、中堅、若手、紅一点がいるスタンダードな集団物スタイルが、私には一番しっくり来るんですよね。
ただし、それも役者次第。一匹狼の刑事が似合う最後のアクション俳優・舘ひろしがいればこそ成立する世界だし、文句言いつつも松方さんには、ボスとしてのオーラがちゃんとありました。
現存の俳優では、もうこんなドラマは成立しないでしょう。ましてフィルム撮影も出来ない、街中の銃撃戦やカーチェイスも許されない現状ですから、もはや幻の世界ですね。だからやっぱり、懐かしいです。
ちなみに舘さんは石原プロ作品主演の為、『刑事貴族』は半年で降板。その後は郷ひろみ、水谷豊と主演が引き継がれて行きます。
郷さんは歌手としてあれだけのオーラを放つ人なのに、刑事役となると意外に地味で、正直つまんなかったです。根が生真面目なんでしょうね。
その点、水谷さんの存在感と独自性は追従を許さないものがあり、『刑事貴族』はすっかり軽妙酒脱な水谷カラーに染まって行きました。
それはそれで楽しかったけど、私としてはやっぱ、最初の舘ひろしバージョンが一番良かったです。刑事物はやっぱ、拳銃がサマになるスターがいてナンボですよ!