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『つばさ』16 (後)

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☆前回までのあらすじ
翔太の口は、40%まで開いています。

☆停電
台風直撃により、川越地区は大規模な停電に見舞われ、災害放送でラジオぽてとが本領を発揮し始めます。

玉木家では、自家発電(加乃子のダイエット器具w)による灯りの中で食事タイムですが、千代さんが愛をこめて作った筈の糠漬けが、なんと大失敗作! 老舗のお嬢様として大事に育てられた千代さんは、加乃子以上に家事が出来ない人だったのです。

「自分がちゃんとやって来なかった事の裏返しよね」と言う加乃子は、母・千代を皮肉りたいのではなく、共感出来て何だか嬉しそうに見えます。

でも千代さんは、娘を自分と同じに育てたくはなかった。「あなたをそんな風に育ててしまった、私自身が許せないのです」

夫・梅吉さんの件でもそうでしたが、千代さんは誰かを責めてるように見えて、実はいつも自分自身を責めちゃう人なんですよね。

孫であり娘でもある、つばさに支えられて来た、似たもの母娘。「相手の方が間違ってるって、角突き合わせるフリをして、本当はどうしょうもなくお互いを必要としてるのよね」と、加乃子。

甘玉母娘の確執が雪解けの兆しを見せる一方、乳首父子にも雪解けはあるのでしょうか? 乳首の父も今、誰よりも自分自身を責め、自分自身に絶望しているのです。何しろ彼は、一人相撲チャンピオンの父親なんだから…

☆乳首の震えが止まらない
緊急事態の中、さすがに冷静さを欠く真瀬の指示を、しっかり受けとめて的確な仕事ぶりを見せる、つばさ。

「あの二人、見事なコンビネーションよね」と翔太に耳打ちする、いやらしいみちる(笑)。そんなみちる自身も動揺してるワケだけど、翔太は今にも乳首がはち切れそうです(悲)。

でも、人と人を繋げたいという強い願いが、今のつばさを突き動かしてる。そんなつばさを見て、翔太の心にも変化が起こり始めます。

つばさは、翔太が福原と… つまり、乳首が乳首の父と繋がり合う事を、誰よりも願ってくれている…

その父が住む河川敷が、増水により避難区域に指定され、翔太の口がいよいよ50%まで開きます。いろんな意味で、危険ですw

「行って、お願い!」

DJブースの中から、唇の動きだけで翔太に懇願するつばさ。翔太は、嵐の中へ飛び出して行きます。

☆嵐の中で…
案の定、福原の小屋は川の真ん中まで流されてました。夢中で川に飛び込む翔太。親と子は、例え憎くても、どうしょうもなくお互いを必要としているのか…?

翔太が小屋に辿り着くと、父はなんと水にプカプカ浮かびながら、呑んだくれてました。さすがマスター・オブ・ザ・一人相撲!w 「親父!?」翔太の口が、60%まで開きます。

「ふざけるな! 俺が此処にいるのは、親父のせいだろ!!」

自暴自棄になってる乳首の父に、乳首が叫びます。私はこの台詞の言わんとする意味が、咄嗟にはよく解らなかったのですが、サントラさんの想いを代弁した翔太の叫びが、これだという事はすぐに判りました。

自分の存在価値を否定してる父親に、だったら俺の存在も無意味なのか!?と乳首は言ってるんだけど、「あんたのお陰で」とは絶対に言いたくないし、思ってもいないから自然と「あんたのせいで」になった、って事ですよね?>サントラさん

さらに私の解釈を加えると、翔太は自分自身の一人相撲な(愛する人を傷つけるような)性質を心底から憎んでる。父は、そんな自分の欠点が形になって目の前にいるような存在である、と。

加乃子は、母が自分を写す鏡であった事を喜びましたが、翔太にとっては死んでも認めたくない、けれど死ななきゃ消せない「受け継いだ血」の呪縛… というような事なんでしょうか?

奇しくも昨夜放映された『妖怪人間ベム』第7話も、父と息子の確執がテーマになってました。妻子に暴力を振るい、怪我をした幼い息子に「面倒くせぇ」と言い放ち、そのまま出て行った父親の役を、なんと佐戸井けん太さんが演じてました(笑)。

人間を一切信じなくなった息子は「裏切られる前に裏切れ」を信条に犯罪の道へと走り、ベム達と対決する事になります。

TVドラマは、時代を写す鏡です。現実にそんな未成熟な親が無責任に子供を作り、愛を知らない人間を増やして、やがて人類は破滅する…

っていうのが私の未来観だけど、昨夜の『ベム』は「それでも、人間(の善)に期待したい」と結ばれてました。それこそが番組のテーマなんでしょう。

確かに、未成熟な父親に育てられたって、ちゃんと『つばさ』に共感する優しい心を持った、大人の男に成長された方もおられるんですよね。

それはお母さんのお陰だったかも知れないし、本来、人間が持つ善の心の、強さなのかも知れません。人間は決して、捨てたもんじゃない。私もそう思いたいです。でも、やっぱ破滅なんですw

☆乳首、陥没!
憎いけど見捨てられない父を抱え、あと少しで川岸に辿り着こうという瞬間、翔太の口が70%まで開きます。そう、翔太はまだ、リハビリ中の身体だったんです。やっと治りかけてた、脚の靱帯が!(悲)

さらに、駆けつけたつばさが、お揃いで買った翔太のペンダントを拾おうとして突風に煽られ、川に転落! つばさは、かなづちなのです。

「助けて! 翔太!!」

翔太の口が、80%まで開きます。助けたくても、脚の激痛で動けない!(悲) ここで飛び込んでも、80%まで開いた口から水を呑み込み、自分が溺れ死ぬだけなのが目に見えている!(悲) と、その時!

「イモーっ!!」

硬直した乳首を尻目に、颯爽と川に飛び込んだのは、恋のライバル・真瀬! それを見て、翔太の口が一気に100%全開になります。その瞬間を見事に捉えたのが、上の画像(悲)。

「つばさ! 俺から絶対離れるなよ!!」

初めて真瀬が、つばさの名前を呼び、つばさは夢中で抱きつきます。つばさと真瀬の熱い熱い抱擁を、川岸から見学する翔太(悲!)。

やがて川岸に辿り着いた二人は、必死に手を差し伸べる翔太の横を、素通りして行きます(悲!!)。

気を失いかけてるつばさに、真瀬が人口呼吸するのを、背後で見学する翔太(悲!!!)

意識を取り戻したつばさと真瀬が再び、熱ーく抱擁するのを、背後で見学する翔太(悲悲悲!!!)。

翔太との愛の象徴であるペンダントが、つばさの手からポロリと地面へ…(悲悲悲悲悲悲悲〜っ!!!!)

どうですかっ、この、連鎖する悲劇、たたみかける悲劇のオンパレードは!? どうすれば翔太が悲惨になるか、スタッフ全員で考えに考えたシチュエーションを全部詰め込んだような、まるで悲劇の総合カタログです(悲)。

自分のダークサイドの根源となる人物を命懸けで助けた代償が、これですよ? 完全に脱力した翔太の口は、だいたい50%位の開き具合に戻ってました。

その一部始終を見ていた、みちるにとっても、これは悲劇です。歴史はまた、繰り返されるのか?

☆台風一過
つばさは無傷で助かり、真瀬は一躍ヒーローとして皆から喝采を浴びます。それを隅っこで見学する翔太(悲)。

「よかったな、つばさ」

それが、翔太から言える唯一の台詞です(悲)。でも翔太は、ただの乳首じゃなかったですね。ただのモミアゲでもなければ、半開きでもない。

彼は、つばさを助けてあげられなかった自分に関して、一言も言い訳をしませんでした。それどころか、靱帯損傷、全治2カ月という事実すら、つばさに言わないんです。

私だったら、言い訳はしないとしても、怪我の事実だけは告げて、そのせいで助けられなかった事に気づいてもらうのを期待しそうです。ホント生まれてすいませんm(__)m

乳首の父は、一から出直す為に東北へと旅立ちました。えっ、東北? 伸子さんの旦那が、やはり一から出直す為に青森にいますけど… このダメ親父二人が、同じ現場で働いたりする可能性も有りですか?

☆真瀬の告白

「ずっとそばにいて! 優花のお母さんになって!」
つばさを心配してた優花が、泣きながらつばさに訴えます。優花もまた、父・真瀬の想いに気づいてるのです。

「俺はあいつを失いたくない。俺は玉木つばさを愛してる」

巧みな誘導尋問(?)で、真瀬に本音を吐かせたみちる。DJブースという密室内って事で油断してた真瀬ですが、なんとみちるが、こっそりスピーカーのスイッチを入れていた! そう、ブースの外側にいた、つばさに聞かせる為に…

みちるは何故、そんな事をしたのか? 波乱を起こす事でライバルを蹴落とす目的と考えられなくもないけど、かつて親友の為に自分の愛を呑み込んだ人です。真瀬のラジオ開局に強く反対したのも、彼を自責の念から解放してやりたいってのが本当の理由でした。

どうせ、つばさ本人の前じゃ素直になれないであろう真瀬の想いを、自分の言葉で伝えさせる唯一の方法が、これだったんですね、きっと。

自分の幸せよりも、好きな人の幸せを本能的に優先しないではいられない、究極の優しさを持った女性… それが、横矢みちるの正体なのでしょう、きっと。

PS. 次週、つばさの優しさ、そして翔太の優しさが生む新たな悲劇が、今度はつばさを襲う模様です。

予告編にあった「そろそろ殻を破りなよ。お嬢ちゃん」っていう秀樹の台詞(声のみ)に、なぜか涙がこみあげて来ました。

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