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『つばさ』16 (前)

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上の画像を御覧下さい。この翔太の形相に、『嵐の中で』と題された第16週の内容が、全て集約されてると思います。

様々な悲劇が描かれてる『つばさ』全体を見渡しても、今回の乳首を超える悲劇は無いんじゃないですか? 今回ばかりはもう、乳首が不憫で不憫でたまりません。

だから上の画像を見ると涙が出そうになるんだけど、同時にちょっと、笑いもこみ上げちゃいますw 口、そこまで開けんでも!(笑)

今回は久々に、前後編に分けてレビューさせて頂きますm(__)m

☆愛情が足りてない
加乃子の手抜きによって生まれた、まずーい糠漬けに、玉木家一同からブーイング。

子育てにも似た気遣いが必要な糠漬けを失敗した加乃子に、「あなたには愛情が足りないんです」と言う千代さん。カチンと来た加乃子は「だったら母さん作れば?」と反撃、売り言葉に買い言葉で、千代さんは「これぞ玉木家という糠漬け、私が作ってあげます!」と宣言しちゃいます。

仕事に遅刻しそうになったつばさが河川敷を駆け抜けますが、この「多部ちゃん走り」はいつ見ても惚れ惚れしますね!

女優さんでこれだけ華麗な走りが出来る人は、なかなかいないんじゃないかと思います。本当に速そうで、そんな多部ちゃんが今、『デカワンコ』スペシャルで超鈍足なワンコをまた演じてると思うと、可笑しいですねw

そのつばさの走りを今回、わざわざ車で並走しての移動撮影。走る事にさほど意味のある場面じゃないですから、スタッフさん達も多部ちゃん走りを視聴者に、じっくり観てもらいたかったんじゃないでしょうか?

☆嵐の予感
さて、埼玉に台風が接近中で、何やら胸騒ぎがする様子の、つばさ。そう、この週はつばさ、翔太、真瀬に大きな嵐が吹き荒れるのですが、徐々に近づく台風の描写とのリンクが憎たらしいほど絶妙で、観ててドキドキさせられます。

その台風接近の描写が、木の揺らしや効果音、報道アナウンス等の定番メニューだけに止まらず、川越のジオラマを駆使した、まるで特撮映画みたいな演出がされてるのが、オンリー・ワン『つばさ』で素晴らしいですね!

その効果もあって第16週は、約90分の映画を観てるみたいな大作感がありました。『台風クラブ』なんかを思い出させます。

なお、ラジオぽてとの伸子さん母子に、青森から便りが届きます。別居中の旦那からの物ですが、その手紙と、添えられた写真がA0サイズはあろうかというジャンボさwなのに、誰もツッコミを入れない(笑)。

そこが、私が『つばさ』に惹かれる要因の一つになってると思います。昨今のドラマは大抵、そこで誰かに「でかっ!」なんてツッコミを入れさせる。「ここはツッコミどころですよ」って解説しちゃうんですよね。

言われんでも分かっとるわ、馬鹿にすな!っちゅー話です。そういう下世話な姿勢が、視聴者から感性を奪ってるんですよね。どこで笑うか、どうツッコミを入れるかを、視聴者自身に任せてくれる『つばさ』の姿勢が大好きです。

☆気になる竹雄さん
「ここんとこ、ずっとメイン取ってないから」と公私混同な発言をしながら(笑)、一家の大黒柱として防災に張り切る竹雄さんですが、ことごとく空回りしちゃいます。

ここ数週、そんな竹雄の空回りが毎回描かれており、私は先に総集編を観てるから、それが後に起こる失踪騒ぎの前振りである事が分かるのですが、普通に観てたら単なるギャグとしか思わないですよね。

ちょっと執拗なほどに用意周到な『つばさ』作劇ですが、今週起こる大悲劇もまた、かなり前から周到に蒔かれた種が絶大な効果を生み、結果、上の画像の顔です(笑)。

なお、竹雄さんの場面で、つばさは「かなづち」である事が示唆されます。勿論これも、悲劇へと繋がる重要な伏線です。

☆乳首の父
私の携帯は、「ち」の文字を打つと真っ先に「乳首」と変換されます(笑)。

さて今週、目蓋の母ならぬ乳首の父が登場しますが、その前に山本未來さん扮する横矢みちるが、蹴つまずきながら再登場します。真瀬の亡くなった奥さんの親友です。

第9週でつばさが示した「ラジオの力」に感化され、辞めるつもりだったキャスター業に再び本腰を入れ、ホームレスを取材してる内に辿り着いたのが、なんと行方不明だった翔太の父・福原(永島敏行)なのでした。

そうとは知らずにみちるが見せたホームレス=福原の写真を見て、普段から20%は開いてる翔太の口が、さらに30%まで開いてしまいます。

福原は、家庭を顧みない仕事人間だったがゆえに、翔太と遊んでやる事もせず、会社が傾くと妻の佐知江に八つ当りするようになり、最終的に離婚しちゃったのでした。

「結婚したのも、子供を作ったのも間違いだった」

福原が佐知江に言ったその言葉が、翔太にとっては決定的だったようです。翔太は、父を憎んでます。

思えば、真瀬も仕事人間であるがゆえに家庭を壊してしまった男です。父と似た真瀬が、翔太にとって恋のライバルになっちゃう。皮肉な運命です。

☆みちるの告白
恋のライバルと言えば、みちるにとっては、つばさがそうなります。みちるは、真瀬が結婚する前から彼を好きであった事をつばさに告白し、わざわざつばさに聞こえるように(?)真瀬本人にも愛を告白しちゃいます。

この時、何故みちるが、真瀬に「優花ちゃんの母親になる覚悟だってある」とまで、あえてつばさの前で言ったのか、私はイマイチ解ってませんでした。ある勘違いをしてたんです。

☆父親の本音
河川敷にある福原の住む小屋を、別れた妻・佐知江が訪ねます。仕事でしか自分の存在価値を示せなかった福原は、家族への接し方が分からなかった。

離婚が決まって「正直、ホッとしてる自分がいた」という福原の本音は、『家政婦のミタ』でも見られるように、もしかしたら多くの父親の本音なのかも知れません。

その会話を、得意の立ち聞きで(笑)聞いちゃうつばさ。佐知江はつばさに、翔太の不器用さは福原と自分を見て育った影響だと語ります。そして福原自身も、父親に遊んでもらった事が無い子供だった。

「子供って、ほんと親を受け継いじゃう。長所も短所も」

まったく、その通りだと思います。そして、福原から受け継いだ翔太の不器用さが、つばさを傷つけ、苦しめる事になる、これはその予言なのでしょうか。既に充分、苦しめられてますけどw まぁ一般的にも、恋は苦しいもんですよね?(今週だけは、乳首にも優しくしてあげますw)

☆人と人を繋げたい
つばさは、二度と親父には会いたくないと言う翔太に、たった一人の父親なんだから繋がってて欲しい、と訴えます。

「俺は絶対、親父みたいになりたくない。愛する人を傷つけたり… そんな事、絶対したくないから」

血は争えないな、乳首よ(笑)。福原さんの口は半開きじゃないけれどw(でも永島さんは小柳くんと似てますよね、顔の作りが)

二人の会話を聞いていたみちるは、つばさが去った後、「つくづく不思議な子よねぇ、つばさちゃんは」と、ジャーナリストならではの鋭い分析を翔太に聞かせます。

「ま、悪く言えば欝陶しいじゃない?」

お節介だけど、その行為には自分を良く見せたい下心みたいなものが微塵も無いから、決して憎めない。

そんなつばさは、真瀬をぞっこん愛した亡き妻・千波に似てる、というみちるの言葉に、翔太の口が40%まで開きます。薄々気づいてた翔太は「知ってたんですか? 真瀬さんの気持ち」と思わず言っちゃう。

この時、明らかに動揺したみちるの口が、20%ほど開きます。私はてっきり、みちるはとっくに気づいてるものと思ってたんですが、彼女は勘違いしてたんですね!

みちるは、千波と同じ様に、つばさの方が真瀬に惚れてると思ってた。で、千波の時は親友の想いを優先して、自分は身を引いちゃった。同じ事を繰り返したくなくて、みちるは焦ってたんですね。

だからわざわざ、つばさの前で真瀬に告白したワケです。これは完全にミスリードでした(私だけ?)。

また、新たなさざ波が起きました。翔太の乳首も震えが止まりません。いよいよ、嵐がやって来ます… (悲劇へと続く)

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