この第15週は、私にとって特別なエピソードになりそうです。メジャーになり損なった自称芸人のロナウ二郎(脇 知弘)は、そのまんま元・自称映画監督&脚本家の、私そのものだからです。
よって今回は、手前味噌なレビューになっちゃう事をお許し下さいませm(__)m
☆メジャーからの誘い
前週、真瀬がつばさを女性として意識する兆候が見られましたが、今週になるとそれが、顕著なものに進化してました。次週、何やら嵐が巻き起こる模様です。
「たたた、大変でございます!!」
↑どうやらこの台詞、浪岡正太郎の十八番になってるみたいですね(笑)。今回の大変でございますな出来事は、人気DJ・ベッカム一郎(川島明)がパーソナリティーを勤める全国ネット番組でラジオぽてとが紹介され、町中の噂になってるという話。
ベッカム一郎と言えば、つばさは毎朝その声を聴いてる憧れのDJであり、ぽてと仲間の芸人・ロナウ二郎の元相方でもあります。
一郎がちょっとネタにしただけで、超ローカル局であるラジオぽてとがにわかに注目を浴びますが、二郎はその波に乗る事が出来ません。
「ベッカム一郎の元相方として名前を売ったって、そんなのは僕の実力じゃない」
二郎にだって意地がある。プライドがある。そんな二郎を見て「これに便乗して自分を売り込む位の図太さが無きゃ駄目だろ」と吐き捨てる真瀬ですが、その言葉の裏には、ある想いが隠されてる事が、週のラストで明かされます。
その真瀬による営業効果で、一郎の番組にぽてとメンバーが1週間限定で出演する事が決まり、一郎はつばさを指名して来ます。二郎は動揺を隠せません。
つばさは、ラジオぽてとがメジャーになる必要なんか無いと言いつつも、他のメンバーと違って自分だけ、ラジオをやる事の目的が見えてないって自覚があり、一郎の番組に出る事でそれが見えるのでは?と考えます。
余談ですが、朝ドラと言えば国民的番組であり、出れば全国に顔が知れ渡ります。レギュラーで出てる二郎役の脇くんと、今週限りのゲストである一郎役の川島さんって、現実には立場が逆ですよねw 川島さんはここで顔を売らねば!って、内心ドキドキだったかも知れません。
☆自分にしか出来ないこと
つばさが全国放送に出演!と聞いて、まずは母・加乃子が大喜びします。ここで、加乃子がかつて出演した殺虫剤ミドルシュートのCM映像が初めて登場w
夢を抱いて上京したものの、そんなチープなCMで主役を張っただけの結果しか上げられず、実家に戻って来た加乃子。そんな彼女にも私は、自分自身を重ねてしまいます。(だから加乃子には、他に重い理由を背負って欲しくないってワケです←前回14週のコメント欄参照)。
「誰にも真似出来ないつばさらしさに、スポットライトが当ったって事よ!」
つばさにしか出来ない事… それはまさに、今のつばさが見つけたい答えなのです。
☆メジャーの罠
人にお節介を焼くような性格では全くない私には珍しい事ですが、今回ばかりは、つばさにも自己投影しちゃいましたw
つばさは、自分ならではの個性を買われて一郎の指名を受けたワケで、その個性を発揮する事=まさにつばさにしか出来ない事と言えましょう。
ここから手前味噌な話になって行きますが、映画や脚本… つまり作品を創る行為もまた、それと似たようなものなんです。かわたの作品は、かわたにしか創れない。同じストーリーを扱っても、他の誰かが創れば違ったものになる。
今回、つばさは初めてメジャーな舞台に立ち、それが評価されて、珍しく慢心します。いい気になっちゃうんです。
全国放送に出れば、翔太が宮崎に戻っても声を届けられる。それがメジャーに惹かれた一番の理由であるのは確かでしょうけど、自分にしか出来ない事が評価されれば、自分にはもっと大きな可能性が秘められてるんじゃないか? マイナーな世界でくすぶってるのは間違いなんじゃないか?って、人間ならば思っちゃいますよ、絶対。
そう、私自身、プロデビューが決まった当時はすっかり慢心しちゃったんです。作品を創るという行為は同じでも、自分でお金を出す自主製作と、ギャラという形でお金が入って来る商業作品とでは、自分自身の価値がまるで違って感じられちゃう。
そればかりか、手作りパッケージのビデオを見せるのと、商品として発売されたものを見せるのとでは、相手の反応もまるで違って来る。「ふーん」が「うそーっ、凄い!!」に変わるんです!
このギャップを経験しちゃうと、それまで自分がいた世界が物凄くちっぽけなものに見えちゃう。自分が数段、上の世界に来たって、思っちゃうんですよ、それが人間なんです! 自分はそんなちっぽけな世界で終わる器じゃなかったんだエッヘン!って、あの時の私は確かに思ってました。
つばさの場合は「ラジオぽてとみたいな(小さい)所で…」なんて一郎に言われるとムッとしたりする、基本的には愛のある娘ですから、私ほど愚かな慢心はしないにしても、脚光を浴びる快感に、心が大いに揺れたのは確かでしょう。なにしろ、あの加乃子さんの娘なんだしw
ちょっと話が逸れましたm(__)m つばさが東京出張に張り切る事で、優花との約束を破ってしまったり、ぽてとのリスナーから心配の投書が届いたり、未だリハビリ中の翔太が焦りを募らせ乳首を見せなくなってしまったりと、様々な「さざ波」が起きて来ます。
煽りを一番食らったのが父・竹雄で、自分が和菓子職人として「メジャー」になれば、加乃子に愛してもらえるに違いない!と新たな菓子作りに熱中するあまり、常連客からの大口注文を忘れるという大失態をやらかし、千代さんから大目玉を食らっちゃいます。
「華やかな菓子を作るのに気を取られ、いつもの当たり前の菓子を楽しみにして下さるお客様をガッカリさせては、本末転倒です!」
その言葉は、例によって立ち聞きしてる(笑)つばさにも突き刺さります。千代さんは、つばさにも地に足を着けて欲しかったのですが、今のつばさにはまだ、イマイチ響きません。「どうせなら、沢山の人に届いた方がいいに決まってる」…それも確かに正論ではありますが…
☆自称芸人と自称Jリーガー
リスナーからの投書については、つばさに責任を感じさせるかも知れないから黙っておいてと翔太に言う、二郎の優しさ。
「若いんだし、もうちょっと自分の事だけ、考えてればいいのにね」
その言葉は、まんま二郎自身にも言える事で、彼はその優しさゆえに相方から愛想を尽かされたのです。
今や、自分を芸人だと思ってるのは自分だけ…と卑下して笑う二郎に、「俺だって、自称Jリーガーです」って、乳首のくせに泣かせる事を言う翔太。
「俺、つばさに頼ってばかりで… うかうかしてると俺、置いてかれますね」
足踏みしっ放しの自分を置いて、恋人がどんどん先に進んで輝き始めたら… 今回ばかりは、乳首にまで共感せずにはいられません(笑)。
☆「羨まし過ぎて吐き気がするよ」
↑一郎との共演を楽しそうに話すつばさに、何げに凄い台詞を言う二郎w 彼にとっても、一郎との漫才はこの上無く楽しい体験だったのです。
ところが、偉いプロデューサーへの売り込みよりも老人ホームの慰問を優先した二郎のお陰で、コンビは大きなチャンスを逃してしまった。そんな二郎の優しさは、プロのショウビジネスには不向きだと、一郎は判断したのでした。
「なんで俺じゃなくて、つばさちゃんなんだよ…」
本当は、一郎とのコンビに未練ありありの二郎なのですが、折しもラジオぽてとに一郎がやって来て、つばさに正式なレギュラー出演を依頼。それはイコール、ぽてとのレギュラーを降りる事を意味します。
さらに一郎は、かつて見限った筈の二郎に「番組の1コーナー、お前にやるよ」と言い出します。あくまで、つばさを引き抜いたお礼として、との事ですが…
☆相方こそ一番のライバル
「僕はお断わりです!」
さて、また手前味噌になりますが、私が監督としてデビューした時、同じ大阪のインディーズで活動してたT監督も同時期にデビューされました(これ、読んでます? またネタにしてゴメンナサイ)。
時期だけじゃなくて、最初にオファーを受けた作品では二人で共同監督、次に受けたオムニバス映画では偶然にも新人枠の二つに彼と私が選ばれ、お互いの監督作にスタッフとして参加。ほとんど相方と言える関係だったんです。
で、監督としては泣かず飛ばずの私は脚本家に転向し、やがて脱落。その一方でTさんは、監督として着実に作品を重ね、現在も活躍中です。
私は業界にかじり付いて生きる道よりも、普通の仕事で地道に生きる事を選択し、それを後悔はしてません。やるだけやって、自分の限界を知った上で下した結論だから。
でも、元相方みたいな存在のT監督が活躍するのを見て嫉妬を感じなくなるまでには、かなりの時間を要しました。そこはやっぱり、私も男ですから、同じスタートを切った相手の背中が遠ざかって行くのを見るのは、悔しいって言うより、切なかったです。
T監督は気を遣う人ですから、一郎みたいに上から物を言うような真似はされませんが、もしこうして私が情けをかけられたとしたら、やっぱり素直には受けられないだろうと思います。
だから、二郎の気持ちはよーく解るし、逆に一郎の立場になって考えたら、わざと高飛車な態度を取る気持ちも理解出来ます。それこそが一郎の優しさなのでしょう。
☆素直になれなくて
一郎の誘いを断った二郎に対して憤るつばさに、慢心を感じた翔太は、ぽてとリスナーからの投書の件を彼女に教えます。
それは、つばさの声が聴けないと調子が狂って、趣味の折り鶴がはかどらない、といった内容の、いわばファンレターなのでした。
二郎が一郎の依頼を断ったのは、つばさが引き抜かれたら、誰かがその後を継いで、この手紙の主みたいなリスナーをガッカリさせないようにしなければ、っていう想いもあったようです。
甘玉堂に帰れば、竹雄が初心に戻って甘玉を一つ一つ、真心をこめて作ってる。自分にとって本当に大切なものは何か? つばさは、結論を出します。
☆やっと見つけた、やりたいこと
それは、リスナーのささやかな生活、当たり前の毎日に寄り添って行く主婦のような、ラジオぽてとの「おかん」になること。そう言ってつばさは、一郎の依頼を断ります。
チャンスをみすみす逃す不器用さに元相方の姿を重ねたのか、思わずつばさに対して声を荒げる一郎。その一郎に「いい加減にしろ!」と詰め寄る二郎。二人の言い争いはやがて、息ピッタリの漫才みたいになって、気がつけば楽しんでる自分にハッとする、元漫才コンビw(涙)
「僕は埋もれてるなんて思ってない。僕のやりたい事は此処にある。だから僕は、ずっと此処でやって行く」
堂々と言い切った元相方に、「洒落で言ったのに本気にしたのかよ? お前には此処が似合ってら」と憎まれ口を言って出ていく一郎。
一郎は、本当はつばさが欲しかったワケじゃなくて、二郎ともう一度やり直す為にスカウトに来た。さっきの掛け合いを見てそれを見抜いたつばさは、一郎の後を追って言います。
「どうして素直に、本当のこと言わなかったんですか?」
「…いいんだよ。空気読むのが商売だから」
それはつまり、二郎の居場所がちゃんと此処にあるって事を、彼は察したのですよね。
更につばさは、真瀬が東京まで売り込みに行ったのは、実は二郎を何とかしてあげたかったからだって事も見抜いちゃいます。どいつもこいつも、どこまで優しいんだ!(笑)
今回、手前味噌な話と平行しながらレビューを書いてて、自分が如何に小さい人間であるかを思い知らされましたよ、まったくw みんな素直になれないのは、優し過ぎるからなんですよね。嫉妬や意地だけじゃないんです。
しかし、度を過ぎた優しさが、悲劇を生む時もある。つばさから激励の折り鶴を受け取った、翔太の乳首がまた震えます。やばいぞ乳首、噴火寸前!(笑)
PS. 自分と重なる部分が多々あるこの週は、号泣というより、終始しんみりと泣かされた感じです。
ちなみに今の私にとっては、このブログが、二郎にとってのラジオぽてとみたいな存在です。
よって今回は、手前味噌なレビューになっちゃう事をお許し下さいませm(__)m
☆メジャーからの誘い
前週、真瀬がつばさを女性として意識する兆候が見られましたが、今週になるとそれが、顕著なものに進化してました。次週、何やら嵐が巻き起こる模様です。
「たたた、大変でございます!!」
↑どうやらこの台詞、浪岡正太郎の十八番になってるみたいですね(笑)。今回の大変でございますな出来事は、人気DJ・ベッカム一郎(川島明)がパーソナリティーを勤める全国ネット番組でラジオぽてとが紹介され、町中の噂になってるという話。
ベッカム一郎と言えば、つばさは毎朝その声を聴いてる憧れのDJであり、ぽてと仲間の芸人・ロナウ二郎の元相方でもあります。
一郎がちょっとネタにしただけで、超ローカル局であるラジオぽてとがにわかに注目を浴びますが、二郎はその波に乗る事が出来ません。
「ベッカム一郎の元相方として名前を売ったって、そんなのは僕の実力じゃない」
二郎にだって意地がある。プライドがある。そんな二郎を見て「これに便乗して自分を売り込む位の図太さが無きゃ駄目だろ」と吐き捨てる真瀬ですが、その言葉の裏には、ある想いが隠されてる事が、週のラストで明かされます。
その真瀬による営業効果で、一郎の番組にぽてとメンバーが1週間限定で出演する事が決まり、一郎はつばさを指名して来ます。二郎は動揺を隠せません。
つばさは、ラジオぽてとがメジャーになる必要なんか無いと言いつつも、他のメンバーと違って自分だけ、ラジオをやる事の目的が見えてないって自覚があり、一郎の番組に出る事でそれが見えるのでは?と考えます。
余談ですが、朝ドラと言えば国民的番組であり、出れば全国に顔が知れ渡ります。レギュラーで出てる二郎役の脇くんと、今週限りのゲストである一郎役の川島さんって、現実には立場が逆ですよねw 川島さんはここで顔を売らねば!って、内心ドキドキだったかも知れません。
☆自分にしか出来ないこと
つばさが全国放送に出演!と聞いて、まずは母・加乃子が大喜びします。ここで、加乃子がかつて出演した殺虫剤ミドルシュートのCM映像が初めて登場w
夢を抱いて上京したものの、そんなチープなCMで主役を張っただけの結果しか上げられず、実家に戻って来た加乃子。そんな彼女にも私は、自分自身を重ねてしまいます。(だから加乃子には、他に重い理由を背負って欲しくないってワケです←前回14週のコメント欄参照)。
「誰にも真似出来ないつばさらしさに、スポットライトが当ったって事よ!」
つばさにしか出来ない事… それはまさに、今のつばさが見つけたい答えなのです。
☆メジャーの罠
人にお節介を焼くような性格では全くない私には珍しい事ですが、今回ばかりは、つばさにも自己投影しちゃいましたw
つばさは、自分ならではの個性を買われて一郎の指名を受けたワケで、その個性を発揮する事=まさにつばさにしか出来ない事と言えましょう。
ここから手前味噌な話になって行きますが、映画や脚本… つまり作品を創る行為もまた、それと似たようなものなんです。かわたの作品は、かわたにしか創れない。同じストーリーを扱っても、他の誰かが創れば違ったものになる。
今回、つばさは初めてメジャーな舞台に立ち、それが評価されて、珍しく慢心します。いい気になっちゃうんです。
全国放送に出れば、翔太が宮崎に戻っても声を届けられる。それがメジャーに惹かれた一番の理由であるのは確かでしょうけど、自分にしか出来ない事が評価されれば、自分にはもっと大きな可能性が秘められてるんじゃないか? マイナーな世界でくすぶってるのは間違いなんじゃないか?って、人間ならば思っちゃいますよ、絶対。
そう、私自身、プロデビューが決まった当時はすっかり慢心しちゃったんです。作品を創るという行為は同じでも、自分でお金を出す自主製作と、ギャラという形でお金が入って来る商業作品とでは、自分自身の価値がまるで違って感じられちゃう。
そればかりか、手作りパッケージのビデオを見せるのと、商品として発売されたものを見せるのとでは、相手の反応もまるで違って来る。「ふーん」が「うそーっ、凄い!!」に変わるんです!
このギャップを経験しちゃうと、それまで自分がいた世界が物凄くちっぽけなものに見えちゃう。自分が数段、上の世界に来たって、思っちゃうんですよ、それが人間なんです! 自分はそんなちっぽけな世界で終わる器じゃなかったんだエッヘン!って、あの時の私は確かに思ってました。
つばさの場合は「ラジオぽてとみたいな(小さい)所で…」なんて一郎に言われるとムッとしたりする、基本的には愛のある娘ですから、私ほど愚かな慢心はしないにしても、脚光を浴びる快感に、心が大いに揺れたのは確かでしょう。なにしろ、あの加乃子さんの娘なんだしw
ちょっと話が逸れましたm(__)m つばさが東京出張に張り切る事で、優花との約束を破ってしまったり、ぽてとのリスナーから心配の投書が届いたり、未だリハビリ中の翔太が焦りを募らせ乳首を見せなくなってしまったりと、様々な「さざ波」が起きて来ます。
煽りを一番食らったのが父・竹雄で、自分が和菓子職人として「メジャー」になれば、加乃子に愛してもらえるに違いない!と新たな菓子作りに熱中するあまり、常連客からの大口注文を忘れるという大失態をやらかし、千代さんから大目玉を食らっちゃいます。
「華やかな菓子を作るのに気を取られ、いつもの当たり前の菓子を楽しみにして下さるお客様をガッカリさせては、本末転倒です!」
その言葉は、例によって立ち聞きしてる(笑)つばさにも突き刺さります。千代さんは、つばさにも地に足を着けて欲しかったのですが、今のつばさにはまだ、イマイチ響きません。「どうせなら、沢山の人に届いた方がいいに決まってる」…それも確かに正論ではありますが…
☆自称芸人と自称Jリーガー
リスナーからの投書については、つばさに責任を感じさせるかも知れないから黙っておいてと翔太に言う、二郎の優しさ。
「若いんだし、もうちょっと自分の事だけ、考えてればいいのにね」
その言葉は、まんま二郎自身にも言える事で、彼はその優しさゆえに相方から愛想を尽かされたのです。
今や、自分を芸人だと思ってるのは自分だけ…と卑下して笑う二郎に、「俺だって、自称Jリーガーです」って、乳首のくせに泣かせる事を言う翔太。
「俺、つばさに頼ってばかりで… うかうかしてると俺、置いてかれますね」
足踏みしっ放しの自分を置いて、恋人がどんどん先に進んで輝き始めたら… 今回ばかりは、乳首にまで共感せずにはいられません(笑)。
☆「羨まし過ぎて吐き気がするよ」
↑一郎との共演を楽しそうに話すつばさに、何げに凄い台詞を言う二郎w 彼にとっても、一郎との漫才はこの上無く楽しい体験だったのです。
ところが、偉いプロデューサーへの売り込みよりも老人ホームの慰問を優先した二郎のお陰で、コンビは大きなチャンスを逃してしまった。そんな二郎の優しさは、プロのショウビジネスには不向きだと、一郎は判断したのでした。
「なんで俺じゃなくて、つばさちゃんなんだよ…」
本当は、一郎とのコンビに未練ありありの二郎なのですが、折しもラジオぽてとに一郎がやって来て、つばさに正式なレギュラー出演を依頼。それはイコール、ぽてとのレギュラーを降りる事を意味します。
さらに一郎は、かつて見限った筈の二郎に「番組の1コーナー、お前にやるよ」と言い出します。あくまで、つばさを引き抜いたお礼として、との事ですが…
☆相方こそ一番のライバル
「僕はお断わりです!」
さて、また手前味噌になりますが、私が監督としてデビューした時、同じ大阪のインディーズで活動してたT監督も同時期にデビューされました(これ、読んでます? またネタにしてゴメンナサイ)。
時期だけじゃなくて、最初にオファーを受けた作品では二人で共同監督、次に受けたオムニバス映画では偶然にも新人枠の二つに彼と私が選ばれ、お互いの監督作にスタッフとして参加。ほとんど相方と言える関係だったんです。
で、監督としては泣かず飛ばずの私は脚本家に転向し、やがて脱落。その一方でTさんは、監督として着実に作品を重ね、現在も活躍中です。
私は業界にかじり付いて生きる道よりも、普通の仕事で地道に生きる事を選択し、それを後悔はしてません。やるだけやって、自分の限界を知った上で下した結論だから。
でも、元相方みたいな存在のT監督が活躍するのを見て嫉妬を感じなくなるまでには、かなりの時間を要しました。そこはやっぱり、私も男ですから、同じスタートを切った相手の背中が遠ざかって行くのを見るのは、悔しいって言うより、切なかったです。
T監督は気を遣う人ですから、一郎みたいに上から物を言うような真似はされませんが、もしこうして私が情けをかけられたとしたら、やっぱり素直には受けられないだろうと思います。
だから、二郎の気持ちはよーく解るし、逆に一郎の立場になって考えたら、わざと高飛車な態度を取る気持ちも理解出来ます。それこそが一郎の優しさなのでしょう。
☆素直になれなくて
一郎の誘いを断った二郎に対して憤るつばさに、慢心を感じた翔太は、ぽてとリスナーからの投書の件を彼女に教えます。
それは、つばさの声が聴けないと調子が狂って、趣味の折り鶴がはかどらない、といった内容の、いわばファンレターなのでした。
二郎が一郎の依頼を断ったのは、つばさが引き抜かれたら、誰かがその後を継いで、この手紙の主みたいなリスナーをガッカリさせないようにしなければ、っていう想いもあったようです。
甘玉堂に帰れば、竹雄が初心に戻って甘玉を一つ一つ、真心をこめて作ってる。自分にとって本当に大切なものは何か? つばさは、結論を出します。
☆やっと見つけた、やりたいこと
それは、リスナーのささやかな生活、当たり前の毎日に寄り添って行く主婦のような、ラジオぽてとの「おかん」になること。そう言ってつばさは、一郎の依頼を断ります。
チャンスをみすみす逃す不器用さに元相方の姿を重ねたのか、思わずつばさに対して声を荒げる一郎。その一郎に「いい加減にしろ!」と詰め寄る二郎。二人の言い争いはやがて、息ピッタリの漫才みたいになって、気がつけば楽しんでる自分にハッとする、元漫才コンビw(涙)
「僕は埋もれてるなんて思ってない。僕のやりたい事は此処にある。だから僕は、ずっと此処でやって行く」
堂々と言い切った元相方に、「洒落で言ったのに本気にしたのかよ? お前には此処が似合ってら」と憎まれ口を言って出ていく一郎。
一郎は、本当はつばさが欲しかったワケじゃなくて、二郎ともう一度やり直す為にスカウトに来た。さっきの掛け合いを見てそれを見抜いたつばさは、一郎の後を追って言います。
「どうして素直に、本当のこと言わなかったんですか?」
「…いいんだよ。空気読むのが商売だから」
それはつまり、二郎の居場所がちゃんと此処にあるって事を、彼は察したのですよね。
更につばさは、真瀬が東京まで売り込みに行ったのは、実は二郎を何とかしてあげたかったからだって事も見抜いちゃいます。どいつもこいつも、どこまで優しいんだ!(笑)
今回、手前味噌な話と平行しながらレビューを書いてて、自分が如何に小さい人間であるかを思い知らされましたよ、まったくw みんな素直になれないのは、優し過ぎるからなんですよね。嫉妬や意地だけじゃないんです。
しかし、度を過ぎた優しさが、悲劇を生む時もある。つばさから激励の折り鶴を受け取った、翔太の乳首がまた震えます。やばいぞ乳首、噴火寸前!(笑)
PS. 自分と重なる部分が多々あるこの週は、号泣というより、終始しんみりと泣かされた感じです。
ちなみに今の私にとっては、このブログが、二郎にとってのラジオぽてとみたいな存在です。