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『VOiCE』

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販売もレンタルもされてませんので、個人的にやり取りしないと観られない作品である事を、ご了承下さいませm(__)m

タイトルの綴りが「i」だけ小文字なのは、ロゴをデザインしてくれた人の感性です。なんとなくオシャレかな?とw 決して誤植ではありませんw

これは2006年、私が最後に監督した自主製作映画です。と言ってもスタッフ・キャストの大部分はプロの人で、撮影スケジュールもTVドラマ並みにタイトな、限りなく商業作品に近い体制で創られた自主映画です。

自主製作というのはつまり、製作費を頂いて創るのではなく、自分達で負担するという事ですね。それがお金儲けに繋がる場合も稀にありますが、大抵は持ち出しっ放しの赤字です。

せっかくプロになったのに、わざわざ自主製作で映画を撮るメリットがあるのか?と思われそうですが、そこはやっぱり「表現すること」に意味があるって事ですね。根本的にはブログと同じです。

自主製作の最大のメリットは、誰の指図も受けず、何ら制約も無く、100%自分が創りたいように創れる事です。だからプロになっても、自由な作品創りを求めて、あえて自主製作をする人は少なくありません。

あの『スター・ウォーズ』シリーズだって、ジョージ・ルーカスが最初の作品で得た収入を元に創った、壮大なる自主映画なんですよ。だから良くも悪くも、ルーカスのやりたい放題にやった作品。

ただし『VOiCE』の言い出しっぺは私じゃなくて、『ストーンエイジ』の監督・白鳥哲さんでした。

白鳥さんは本来、文学座に所属する俳優さんであり、声優さんでもある人です。監督業で心身共に消耗し、疲れて、自分の原点=役者に立ち返ってリフレッシュしたい、ってな思いがおありだったのでしょう。

そこで、主演・白鳥さん、監督・かわたで撮る前提のプロットを、私に差し出されたのでした。

記憶がおぼろげなんですが、自殺をしに山へ来たヒロインが、そこに住み着いてる不思議な青年と出会い、彼に導かれて、大きな杉の木に耳を当てる。かすかに聞こえる息吹の音に感動し、生きる気力を取り戻していく…というようなストーリーでした。

かなり前にNHKで放映されたドラマを元にしたとの事でしたが、私には意味がよく解りませんでした。

木の音を聴いたからって、死ぬ気だった人が生きる気力を取り戻すだろうか? その青年が何者なのかもよく分からないし、私の作品の主人公としては、格好良過ぎるのが気に食わないw

このお話のままじゃ撮れない、書き直しさせて欲しい、とワガママを言う私w だって、映画を創る作業は、とても骨が折れるんです。お金もかかるし、時間もかかる。その作品を心底から愛せなければ、とても勤まるもんじゃないんです。私はそれを、よく知っているw

スピリチュアルは別に嫌いじゃないけど、やっぱ理屈の裏付けが欲しい。木の音を聴いて、なぜヒロインは立ち直るのか?

当時、私はセラピストの人とたいへん親しくしていました。私自身も実験台としてw、ヒプノセラピー(催眠療法)ってやつを受けてみた事があるんです。

その中で私は、カブトムシの幼虫の映像が頭に浮かび、なぜか涙が止まらなくなりました。なぜ、カブトムシで私は泣いたのか?

やがて、それは私が小学生の時に、親戚の兄ちゃんからお土産に貰ったカブトムシ(成虫)の記憶に繋がってる事が判り、さらに涙が止まらなくなったんです。

私は両親からそういう事をしてもらった記憶が無く、「愛されてる」という実感を味わった事があまり無い為に、そのカブトムシに込められた親戚の兄ちゃんの愛情が、潜在意識に深く刻まれてたワケです。

ただし、催眠状態の中で私が見たのは幼虫であり、それがお土産のカブトムシに繋がったのは、ある意味こじつけかも知れません。でも、それで私が癒された事実に変わりはありません。

そんなセラピーの過程が、ちょっとした謎解きミステリーみたいで、すごく映画的で面白いなと私は思ってました。これはネタに使えるなと。

で、私にとってのカブトムシを、ヒロインにとっての杉の木にアレンジしたワケです。ヒロインの見た夢に小学生の時の同級生が現れ、その同級生と再会し、記憶を辿っていく内に、二人は杉の木に辿り着く。

ヒロインは両親と不仲で、仕事や恋愛もうまく行かない現状の中で、自己嫌悪に陥ってました。それが、その杉の木と出会う事で、潜在意識に刻まれてた「両親の愛を感じた瞬間」の遠い記憶を取り戻す。そして自分自身の存在価値を見いだし、癒されると。

こうなると、話は完全にヒロインの「心の旅」になりますから、白鳥さんが演じる予定の二枚目青年が、すっかり脇役になっちゃいます。

しかも私は、その青年を「昆虫マニア」という、ちっとも格好良くないキャラクターに変更しちゃったw ラブストーリーの匂いを消したかったし、そんな山に住み着いてるような男は、まぁよほどの変人に違いなかろうwと思ったからです。

それと、以前『探偵ナイトスクープ』で紹介された、昆虫博士と呼ばれる男子中学生が、とても印象に残ってた影響もあります。

ただのマニアと思いきや、その子は環境問題を真剣に憂いてて、虫を通して地球を見てる。そのギャップが面白いし、感動させられたんです。

ちょうど、私がこの映画にヒプノセラピーの要素を取り入れるきっかけになった「カブトムシ」とも、見事にリンクするキャラクターです。

趣味である昆虫についての記事執筆で生計を立て、俗世間を避けて独り、仙人みたいな暮らしをしてる青年は、私にとって実現不可能な理想像です。

一方、女優としてデビューしたもののパッとせず、中途半端な自分に嫌気が差してるヒロインは、当時の私の「現実」ですね。いつもながら、自作の登場人物は皆、私自身の投影です。

この二人に、今風の若いカップルが絡んで話は進んで行くんですけど、私がなぜ、そのカップルを登場させる気になったのか、きっかけが思い出せませんw 暗くなりがちな話に、ユーモアを入れたかっただけかも知れませんね。ひたすら暗いばかりの話は苦手なんです。

ヒロインを演じてくれたのは、文学座の当時は研究生だった、高安智実さん(画像)。白鳥さんの紹介で、面談だけで決めちゃいましたが、素晴らしかったと思います。

yamarineさんがブログに書いて下さった通り、尾野真千子さんに似てますねw サッパリ男前なご性格で、監督にとって非常にやり易い女優さんでした。

白鳥さんは、主役の筈が相手役になって、しかも博士役でw、制作進行的な役割までこなして頂いて、なんだか申し訳なかったです。でも、この役は白鳥さんにすごく合ってると私は思ってます。

このブログの読者さんの中に、本作を手伝ってくれた方も何人かおられると思います。あらためて、有難うございましたm(__)m なかなか…いや、かなりハードな撮影でしたねw

この作品、私がセラピーの世界と近く接してた時期に創ったもので、今の気分とは少なからずズレがあったりします。が、観るたびに「いやいや、なかなか良い映画やん」と思ったりもしますw

でも、一般に公開するのは難しい作品ですね。「売りは何だ?」と問われると、返答に困ります。売る為に創った作品じゃないですから。

ヒプノセラピーを宣伝するような意図もまったく無いです。面白いと思ったから題材に使わせてもらっただけの話で。

ただ、常に自分自身の為に映画を創って来た私が、初めて他の誰かの為に…白鳥さんの依頼で取り組み、行き詰まってる全ての人を癒せればいいなと思って…創った作品なので、もっと沢山の人に観てもらえる機会があればいいなぁ…とは思ってます。

でも、癒しの映画なんて、マルコチクビッティーな私にはやっぱ、似合わないですねw

『聖白百合騎士団』

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手前味噌なレビューが続く事をお許し下さいm(__)m

先日『ケータイ小説家の愛』をレビューさせて頂きましたが、ほぼ同時期にリリースされた『聖白百合騎士団』も、実は私が脚本を担当してまして、これはこれで思い入れがありますので、この機会に紹介させて頂きます。

ただし、良くも悪くもアクの弱い『ケータイ小説家…』と違って、こちらは相当にアクが強く、かなりお客を選んでしまう作品だったりします。

まず、もし太平洋戦争で日本がアメリカに勝利していたとしたら?(つまり軍国主義のまま現在に至る日本)というパラレルワールド的な世界観。あり得ない設定だと感情移入出来ない、という方にはオススメ出来ません。

そういった設定は、日本人がガンアクションを演じる事に説得力を持たせる為の、まぁ苦肉の策でもあるんですね。

現実そのまんまの日本でガンアクションをやるとなると、お定まりの刑事物かヤクザ物にならざるを得ない。定番ジャンルはスターが出てこそ面白いんであって、マイナーはマイナーならではのアイデアで勝負するしか無いワケです。

そして、高貴なお嬢様ばかりが集う女子校、という舞台設定。「お乳首を弄ぶのは、およしになって」とか「まぁ、なんて躍動的なお頭皮なのでしょう」みたいな言葉遣いに、拒否反応を示す方もおられるやも知れません。

さらに、タイトルが示してる通り、つばさと万里みたいな?女子どうしの恋心が描かれますので、アブノーマルに耐えられない方も脱落しちゃう事でしょう。

とどめは、必要以上に血糊が飛び散る残酷描写ですね。タベリストの大半が苦手とされる要素であろうと思います。

でも、私自身、自分の監督作ではほとんど血糊を使わず、撃たれた人はなぜか煙をモクモク出すというギャグにしちゃう位、血しぶきだの人体破壊描写だのは好まない人間です。

その私が観ても不快な感じがしない、様式美としての血糊の使い方なので、決してグロテスクなものではありません。美少女の顔やセーラー服が血で汚れる様を見せて萌えさせるという、変態趣味ですねw なお悪い?

そういった特殊な設定と、昭和初期の雰囲気を残すレトロな世界観。それら全て、監督・田渕寿雄さんの、趣味ですw いや、これは本当にそうなんです。

私が一から構築した『ケータイ小説家の愛』と違って、本作は田渕監督があらかじめ用意した、かなり詳細な設定書と、言わせたい台詞、やらせたいアクションを箇条書きしたメモに基づいて、あるいは取捨選択し、解りやすいストーリーに再構築するっていうのが、私に与えられた役割でした。

以前「大○田さんとの思い出」ってタイトルで記事にした『Monja』と同じパターンですね。大○田さんの場合は具材に統一感が無くて、料理するのに大変苦労しましたがw、田渕監督の場合は筋の通った変態趣味なのでw、そういった苦労は無かったです。

でも、最初にそれらの具材を提示された時には、正直なんじゃこりゃと思いましたw 高貴なお嬢様達が淑やかに銃を撃ちまくり、侵攻して来た男子校の連中を皆殺しにして、そんな中で女子どうしの純愛を育み、なんとなくハッピーエンド。

倫理的にけしからんとか、そんな事は別にいい(私も人のこと言えない)んだけど、共感出来るキャラクターがいないじゃないかと。世界観が優先されて、人物が殺戮ゲームの駒扱いされてるのは厭だなぁと。

だから最初はあまり乗り気になれなかったのですが… そんな私をアッサリ心変わりさせたのは、監督から「これを参考にして」と渡された、とあるアニメ番組のDVDでした。

それが、知る人ぞ知る百合アニメ『マリア様がみてる』です。やはり高貴な女子校のお嬢様たちが女子どうしの純愛を育んでいくお話なんだけど、これが観てみると、メチャクチャ面白かったw

まぁやっぱり世界観そのものに拒否反応を示す方もおられるでしょうけど、それさえ乗り越えたら非常にウェルメイドな青春ドラマであり、けっこう深い人間ドラマでもある。私はハマっちゃいました。

もちろん、百合の世界に萌えてしまったというw、新たな変態道への目覚めでもあったんです。いやぁ、百合って、本当にいいもんですねw

それも、思春期の少女(処女)たちが繰り広げる百合が良いんですw 多分それは、はかないから。

ただでさえ初恋ってはかないのに、まして女子どうしとなると、学校卒業までの期間限定の恋になると思うから。つまり絶対に成就しない事が、最初から分かってる恋だと思うから。

それでも健気に片思いしたり惹かれ合ったり、時には傷つき、相手を想う事で成長し、大人に近づいていく。そんな、甘美で切ない百合の世界に、萌えましたw

それと、お嬢様言葉にも魅力があるんです。最近は女子でも男みたいに汚い言葉を使うのが普通になっちゃってますから、お嬢様達の美しい日本語が、かえって新鮮に感じられるんです。何だかレトロな感じもして、郷愁までもたらしてくれる。

多部ちゃんにも、そういう魅力がありますよね? だから、もしかするとタベリストは『マリア様がみてる』に萌える素質を皆さん、秘めておられるんじゃないかと思うのですが、どうでしょう?w

とにかく私は『マリア様がみてる』を観て、監督のやりたい事を理解すると同時に、共感する事が出来たんです。

レトロ趣味や残酷描写は、私にとっては単なる味付け、調味料みたいなもんです。それはもう、シェフである監督にお任せして、女子どうしのはかない恋にこそ、自分の想いをこめて脚本を書かせて頂きました。

主演は、AKB48の秋元才加さん。AKBがまさかの大ブレイクを果たす直前の出演でしたが、既に風格みたいなものを感じさせたし、格闘技もこなせるそうなので、このジャンルでの活躍が期待出来る人材かと思います。

私は特に、彼女が対戦車ライフルをぶっ放す時の、「凛とした」どころじゃ済まない、精悍で力強い、要するにオットコマエなw面構えにシビレまくりました。カッチョエエ!の一言です。

だから、彼女が何人もの女子から慕われる展開に、映像としての説得力があるんですよね。そこが本作の肝だと思ってたので、このキャスティングは大成功だったんじゃないかと思います。ブラボー、田渕監督!

ただし、秋元さんが恋のお相手に選ぶ女子(あいか)が、あまりに天然キャラなのは、私的にはイマイチ共感しかねる部分です。これも田渕監督の、趣味ですねw

ついつい私も、コメディー作家の虫が疼いて、監督の指定に輪をかけてアホキャラにしちゃった負い目はあるのですがw あんなおバカさんに、あの才加様が萌えるだろうか?w

他にも、若手女優やグラビアアイドル、現場スタッフの女子に至るまでw、様々なタイプの女の子が登場します。

個人的にオススメなのは、才加様に次ぐNo.2のお姉様を演じてる、長澤奈央さんの淑やかさと、副生徒会長を演じてる高松いくさんの、捉えどころの無い怪しさです(『ケータイ小説家の愛』にもTVキャスター役で登場されてます)。

他にも、ボーイッシュや眼帯サディスト娘など、あらゆるマニアのニーズに応えるw趣向が凝らされてます。うーん、やっぱり変態w

でも、これほど監督の偏った趣味がストレートに反映させられるのは、マイナー作品ならではの楽しさじゃないでしょうか?

誰が観ても当たり障りの無い、無個性で何の主張もしないメジャー作品より、よっぽど見応えがあるんじゃないかと、私は思います。

『つばさ』26 (前)

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ふと、横矢みちる=山本未來さんの顔が頭に浮かび、未來さんと言えば平成ゴジラ映画でメカゴジラを操縦してなかったっけ?とか、ワケの分からない連想をして…

実際にメカゴジラに乗ってたのは、未來さんじゃなくて中川安奈さんですがw、もし多部ちゃんがそんな役をやったら?って妄想したら、なぜだか涙が出て来ちゃいましたw

もし多部ちゃんが、命懸けでメカを操縦して悪と戦うような役をやったら、私は感情移入し過ぎて泣いちゃいそうです。やらないかなぁ、そんな役w

多部ちゃんとSFの組み合わせと言えば『ルート225』『ヒノキオ』=日常的な世界観のSFばかりですが、例えば『ヒノキオ』の続編を私が創るとしたら…

雅俊さんのロボット技術を、悪の権化=マルコ・チクビッチ博士が悪用してw、巨大ロボット=メカ乳首を開発。博士は世界征服を目論み、雅俊さんは殺されちゃう。

で、雅俊さんの息子が遺志を継いで正義のスーパーロボット=桃色クローバーZを開発し、でも身体が弱いから、操縦は工藤ジュンが引き受けるワケです。

もちろん、堀北真希さんには必然性なく脱いでもらいます。裸の真希ちゃんに「抱いて」と迫られ、困惑するジュン。黒木メイサ(もちろん全裸)との三角関係も描かれ、多部ちゃんの困り顔が存分に堪能出来るって寸法です。

劇場版『家庭教師のミカ』と二本立てで、大ヒット間違いなしですね!w

☆帰って来たよ!
さて、いよいよ『つばさ』レビューも最終週まで辿り着きました。こんな大作レビューになるなんて、最初は夢にも思ってなかったですw

未見の方にも『つばさ』の面白さが伝わるように、なんて目標を掲げたものの、このドラマの魅力はストーリーを詳細に解説し、解析しないと伝わらないんですよね、きっと。

だから文章が長くなるばかりか、台詞の一言一句も正確に印す必要があり、まるで研究本を執筆してるみたいな、とても骨の折れる作業になっちゃいました。

最初は無我夢中で楽しんでたけど、途中から私は何故こんな大変な事をやってんだ?ってw、正直しんどくなっちゃったのも事実です。

だからこそ、ゴールが目の前に近づいて来ると感無量ですね。ちょっとした仕事感覚で、ドラマを観客として純粋に楽しめてないのも事実だけど、普通に鑑賞するだけじゃ味わえない達成感があるんじゃないかと、期待もしてますw

それじゃ本末転倒じゃないかと叱られそうですが、私は別に悔やんでません。こうして解析しながら観る事によって、何度か観ないと気づかない事にも気づけたし、濃密なコメントのやり取りも楽しめて、1粒で2度も3度も美味しい鑑賞法だったんじゃないか、と思ってます。


房子様と和解し、蔵造り通りの店に戻れる事になった甘玉堂。大きい家→小さい家の引っ越しに比べて、その逆は楽に感じられる事を発見する、玉木ファミリーw

「帰って来たよ」

トロッコを押して縁側から居間に入り、台所へ行って、この台詞を言うまでの多部ちゃんが、なんでぇ〜こんなにぃ〜可愛いのかよぉ〜♪と来たもんだ。

「みんな、落ち着くべき所にようやく落ち着いたのよね」

…と、加乃子がしみじみ言いました。人は誰でも、何かにチャレンジして、挫折し、這い上がってを繰り返し、やがて自分の居場所を見つけていく。

それを描くのがドラマって事だけど、『つばさ』みたいに全てのキャラクターがそうして成長していく(最初から出来上がってる人物が一人もいない)ドラマを、私はこれまで観た記憶がありません。ところが…

「本当はまだ、片付いていない大事な問題が残っている事に、つばさは気づいていなかったのです」

前週のラストにも、そんなナレーションが入りました。この時点ではまだ、つばさの男選びの件だろうと私は思ってたのですが…

☆プロポーズ
温泉を掘り当てた伸子の旦那(太川陽介)がルイルイ♪と帰って来て、再び親子三人で暮らせる事になりました。

その幸せそうな光景を、母のいない優花がうらめしそうに見ています。折しも父・真瀬に、佐賀県から新しいコミュニティー・ラジオ局の立ち上げに参加して欲しい、とのお誘いが。

「つばさが一緒じゃなきゃ、優花いかない」

優花は今でも、つばさがお母さんになってくれる事を望んでるのです。

「優花が本気なら、お父さんもちゃんと決めなきゃな」

静かに、穏やかにそう言う、番組初期とは別人の真瀬・後期バージョンw

伸子が復帰し、正太郎と二郎のイレギュラー参加も決まったラジオぽてと。真瀬は安心して、社長の座を伸子に譲り、佐賀へ移転する事を宣言します。勿論つばさは納得しません。

「だからって、ぽてと辞めなくても! だって、ぽてとは千波さんの夢だったんですよね?」

「お話の木は、一本とは限らないだろ?」

お話の木っていうのは、亡き妻・千波の書いた童話に出てくる、みんなの広場=ラジオを象徴するアイテムです。半年近く前に出てきたエピソードで、基本「ながら見」の朝ドラ視聴者は忘れてますって!w

「優花と俺と一緒に、ついて来てくれないか?」

それはすなわち、真瀬からつばさへの、二度目のプロポーズ。いや、違う? 前回はみちるの罠で告白させられただけで、正式には今回が初めてでしたっけ?

「お前には不思議なパワーがある。人を羽ばたかせる力だ。お前と関わる人間は、自分が抱える様々な悩みやコンプレックスと、お前を通して向き合う事になる。そして気づいたら、それが克服出来るようになってる。要するに、成長するって事だ」

ちょっと説明的なw、真瀬の台詞。最終回が近づき、まるで『つばさ』という番組を総括してるかの様です。

「この先の俺の人生に、お前がいて欲しい」

さらに優花が駄目押しします。

「つばさも一緒に行くんだよね? そうなんでしょ? 行くって言って! お願い、言って!」

☆それとも乳首か?

「俺もやりたい事、やっと見つけられた。俺にはサッカーしか無いんだ」

コーチの資格を取って、子供達にサッカーの魅力を教えたいと、つばさに新たな目標を語る翔太(スティーブン・チクビルバーグ)。ふりだしに戻っただけとも言えますw

「つばさには不思議なパワーがあるんだ」

真瀬と同じような事を言われて、ドキッとするつばさ。さらに「サッカーで人と人を繋げたいんだ」と、つばさと同じ目標まで持つようになったチクビルバーグ監督。

そんな監督に、真瀬からプロポーズを受けた事を率直に話すつばさ。真瀬がどうこうよりも、優花の気持ちに応えてやりたい気持ちで、つばさは揺れてる模様です。

「誰かの為じゃなくて、自分がどうしたいか、じゃないかな」

これもいつぞや、真瀬がつばさに言った台詞に似てますね。じゃあチクビルバーグ監督、君は一体どうしたいんだい? 平静を装っても、頭皮は戦火の馬みたいに駆け巡ってるぜ?w

そんな頭皮を守る為にヘディングは控えながら、生き生きと子供達にサッカーを教えるチクビルバーグ監督を、これまたいつぞやの様に、二人で眺めるつばさと万里。

「つばさと別れた後、大人になろう、いい男になろうって頑張って来た。それって大谷君の、長い、長ーい、プロポーズだったりして」

本当にそうですよね。どん底に堕ちてからの翔太は、それまでのチャラさを捨て、いつも真剣でした。口の締まりも良くなった。モミアゲは相変わらずだがw

いい男になる為の方法が、秀樹に弟子入りっていうのは、ちょっと頭皮のズレを感じたけどw、それまでとは全く違う自分になりたい!っていう、強い想いだけは伝わって来ました。

私ほど翔太に注目しながら『つばさ』をレビューした人間はいないだろう、と自負しますがw、それ位、チャラさを捨ててからの翔太は良かった…というより、面白かったですw

☆解決してない、あの問題
真瀬は、つばさに断らせる為にプロポーズしたのでは?と、加乃子&竹雄は推理します。そうしなければ、つばさは優花の為に、佐賀へ行かなきゃいけないと思い詰めてしまうから。

そして、つばさが区切りをつけられないのは、そうすれば優花を見捨てる事になってしまうと思ってるから、ではないかと加乃子は心配します。

「私と同じ事はしたくないって、そう考えてるのかも…」

加乃子と同じ事とはつまり、親が子を見捨ててしまう行為です。かつて、父・真瀬に見捨てられた状態だった優花に、つばさは母・加乃子に見捨てられた自分自身を重ねてました。

つばさの心には、今でも母に見捨てられた心の傷が残ってて、そのトラウマがつばさ自身の「羽ばたき」を邪魔している…

浮かない顔の娘を心配する母に、「何でも無いってば」と笑顔を見せるつばさ。

「何でも無い筈ないよね。お姉ちゃん、何かある時ほど笑顔になるから」

いつだって、何でもお見通しの天使・知秋ですw

「こんな性格、なりたかったワケじゃない。優花ちゃん、寂しい目してた。きっと、私に見捨てられたと思ってる」

「それ、母さんにぶつけたら?」

知秋は、10年振りに帰ってきた母に対して、拒絶する気持ちを早い段階でぶつけてました。ところが姉のつばさは…

思えば、加乃子に対して恨みの気持ちがあった事を、つばさが告白しかけた時、加乃子は「いいのよ、言わなくて」って、遮ってましたよね?

それは、可愛い娘にそんなダークサイドを晒させたくないっていう親心もありつつ、分かっていながらも本人の口から聞くのが怖いっていう、加乃子のエゴが働いたのかも知れません。

つばさは、知秋にはいろんな事を愚痴っても、加乃子には決して愚痴らない。

「それって、心の底では母さんのこと受け入れてないんじゃないの?」

マ、マルコチクビィーッチ!! なんと、唯一片付いてなかった大事な問題とは、つばさと加乃子の母娘関係だったのです!(つづく)

『つばさ』26 (中)

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☆リターン・オブ・千代さん
朝一、階段を降りて来たつばさが、体重計に乗って「よし!」…第1話はじめ何度となく描かれた恒例行事ですが、蔵造り通りを離れてからは、確か描かれてなかったですよね?

さりげない描写で、帰るべき場所に帰って来た事を我々に実感させる為に、あえて見せなかったんでしょうか。実際は向こうでも毎朝やってたんでしょうけど、つばさはw

さて、甘玉堂は大口注文への対応で大わらわ。かつての従業員である職人さん達も駆けつけ、総動員で甘玉づくり。

何だか見覚えのある光景だなぁと思ったら、第1話と全く同じパターンで、加乃子…の代わりに千代さんが帰還!

「私がいると、やはりはかどりますね」

この台詞も、あの時の加乃子と同じw あらゆる場面が、番組初期と合わせ鏡になってるみたいですね。

千代さんは、あの時の加乃子と同じ事をして、娘の気持ちを理解しようと思ったそうですが、ちょっと無理があるなぁw

そこまで理由付けしなくても、単なるギャグって事で良いのでは? まぁ千代さんは堅物キャラだから、理由無しでこんな馬鹿はやらないかw

「家に戻る時の敷居は、出ていく時の何倍も高いものだという事が、よーく解りました」

葛城さんは、静かに旅立って行かれたそうです。最期の時を最愛の女性と過ごして、思い残す事は無かったでしょう。

「戻って来ました」

千代さんは亡き夫・梅吉にも帰還のご挨拶。そう言えば最終週、梅吉さん(の幽霊)は登場しませんでしたね。出て来ても良かったと思うのですが、小松さんのスケジュールが合わなかった?

それとも、千代さんが内面的に羽ばたいた以上、もう出てくる必要が無くなった? つまりラジオの男と同じで…って、そのへんの話は次回ですねw

☆あんの野郎ぉーっ!
翔太(アルフレッド・ヒッチクビコック)が斎藤興業を退職し、ブラジルに行くと言い出しました。 サッカー指導者の養成学校で、コーチの資格を取ろうという魂胆です。つばさは動揺を隠せません。

玉木家でもそれが話題に上り、「あんの野郎ぉーっ!」と理由もなくトロッコに乗って翔太を殴りに行こうとする、竹雄さんがとってもラブリーw 「あ、条件反射かな?」ってw 

その気持ち、よーく解りますw 何をやっても何を言っても、何となくオジサンをイラッとさせちゃう。それが乳首人間なのですw

「佐知江さん、淋しくなるわねぇ」

「まぁ、あの親子も色々あったからな」

よその親子の話なのに、なぜかつばさと加乃子の間に、ピリピリッと微妙な緊張感。治ったとばかり思ってた病の症状が、長い長い潜伏期間を経て、再び顕れて来たような感じです。

「俺、親父をおふくろに会わせようと思ってるんだ」

巨匠・ヒッチクビコック監督が、そんな事をつばさに言いました。あんの野郎ぉーっ!

自分にとって、父と母は唯一の家族だから…と、監督は言うのです。親父みたいには絶対なりたくない!なんて言ってたクセに、あんの野郎ぉーっ!

「どうして、許すこと出来たの?」

「良くも悪くも俺が此処にいるのは、親父とおふくろのお陰なんだなって分かったから」

あの嵐の夜、俺が此処にいるのは親父のせいだろ!とか言ってたヒッチクビコック監督が、「せい」を「お陰」に言い換えました。

あの時、台詞としてはちょっと変な言い方だなぁと思ってたのですが、なるほど、ここでこんな風に言い換えさせる為の前振りだったワケですね!? あんの野郎ぉーっ!

「子供は、例えどんなに望んでも、親とまるで違う生き方は出来ない。俺は、親父がいたから、親父を見て育ったから、今の俺になれたんだ」

驚くべき事に、ヒッチクビコック監督の頭皮が、微動だにしません! 監督は、つばさよりも先に、壁を乗り越えたのです。あんの野郎ぉーっ!

今の監督と同じような事を、つばさが加乃子に言える時は、果たして来るのでしょうか?

☆あべこべ母娘
加乃子も、つばさと同じように、そのきっかけが掴めずに悩んでる様子です。

「つばさは、私の前ではいつも笑顔で強がって見せる。娘じみた真似して甘えてんのは私の方… こんないい歳した娘なんておかしいわね」

そもそも『つばさ』のキャッチフレーズは「あべこべ母娘」でした。つばさが加乃子に正座させて説教したりする場面もありましたねw それがとても自然な光景に見えちゃう所が、多部未華子ならびに高畑淳子、おそるべしですw

「つばさに頼ってばかりじゃ駄目。早く卒業しなきゃ…」

その「卒業」って言葉を聞いて、竹雄が何か閃いた模様です。はげちゃび〜ん!

一方、ラジオぽてとで市民パーソナリティーを務める佐知江さんに、乳首の父こと康一(永島敏行)が会いにやって来ました。もちろん、ヒッチクビコック監督の手引きがあっての事です。あんの野郎ぉーっ!

「有難う。今日、久しぶりに翔太に会って、見違えた。あいつを、あんなに立派に育ててくれて…」

「まだまだ一人前なんかじゃない。だって、半分はあなたにそっくりなんだから」

残りの半分は勿論、佐知江さん。この言葉は、何を意味するんでしょうか? 別れても、康一は乳首の父であり、佐知江さんは乳首の母、つまり家族である事に変わりは無いってこと?

ボールを蹴り合う父と息子を、つばさと二人、いつぞやみたいに河川敷で眺める佐知江さん。

「親子って、つくづく不思議だよね。愛しているのに憎くなる。憎しみが深まるほど、愛したくなる。厄介だよ」

いつぞやも、似たようなこと言ってましたよね? いくら拒んだところで、血は争えないのが親子だ、みたいな事を。

「だから、許せない事なんて無いのかもね。だって、家族なんだから」

まんま、つばさと加乃子の問題にもリンクする言葉です。「カノン」が『つばさ』作劇の一貫した手法とは言え、つばさと翔太は、それぞれ母、父に見捨てられた傷を背負う者どうし、理屈を超えて共鳴し、惹かれ合うものがあるのかも知れません。あんの野郎ぉーっ!(エクセレント・ハイパー激怒←うそw)

「私たち、結婚する事にしました」

突然そんな事を言いだしたのは、なんと竹雄&加乃子の夫婦です。竹雄がはげちゃび〜ん!と閃いた、とっておきの秘策とは!?

☆二度目の結婚式

「ほんと、色々あり過ぎだよね」

竹雄と二人、しみじみと玉木家のこの1年を振り返る、つばさ。連ドラのお約束ですねw

和菓子作りで一番大事なのは、小豆が炊けて行くのを待ってる時間だと竹雄は言います。

「見守ってるって言うべきかな。硬くて噛めない位の小豆が、時間をかけてゆっくりと柔らかくなってくのを、ただ、じーっと見守ってる」

思えば竹雄の師匠である梅吉さんも、フォトフレームからじーっと、玉木ファミリーを見守り続けてるんですよね。

「固まってる心が、時間をかけて溶けていく。それを見守ってるのが、僕の役割だ。僕は、いつでもつばさの事、見守ってるよ」

「ありがと…」

この時の多部ちゃん、泣くつもり無かったのに泣いちゃった感じですね。クランク・アップ=もう一つの家族とのお別れが、目前に迫ってる現実を意識しないではいられなかったのでしょうか。

「永らくお世話になりました。今日まで育ててくれた恩、決して忘れません」

…と、娘に挨拶する母w あべこべ母娘の究極形って感じですが、それを卒業する為の儀式が、この二度目の結婚式なのでした。

「お嫁に行く日ってホラ、娘が、親から巣立つ日でしょ? それって、娘である事を捨てる日だから」

結婚式は、娘を「卒業」する儀式でもある。それが竹雄さんの閃きだったワケですね。「こちとら、伊達や酔狂で頭禿げ散らかしてんじゃねぇんだ!」←by大滝秀治in『特捜最前線』w

「今日の日を迎えられたのは、つばさのお陰です。有難う」

竹雄ともう一度やり直せた事、千代と向き合えた事、知秋に拒まれて家を出た時に連れ戻してくれた事、加乃子の借金が原因で手放した蔵造り通りの店に、こうして戻って来られた事…

本当に色々あり過ぎな母ですがw、こうしてしっかり言葉にして、懺悔と感謝の気持ちを自分の娘に言える母親も、なかなかいないんじゃないでしょうか?

「ううん、私は… 今の私が好き。お母さんが帰って来る前の私より… やっと、自分の名前に追いつけた気がする」

「つばさ… この名前の本当の意味を教えてくれたのは、あなたよ。家を飛び出さなくても、羽ばたく事は出来るんだって」

母として、妻として、女将として、加乃子はこの場所で羽ばたこうとしてます。かつて、自分の居場所を求めて飛び出した、この家で…

「10年放浪しても見つからなかった幸せは、こんな近くに転がってたのね。ずいぶん遠回りしちゃった」

「おかえりなさい」

「ただいま」

そんな当たり前の挨拶を交わすまで、丸一年かかりましたw でも、10年分のわだかまりがそうさせたワケで、1年は決して長くない…というか、それを乗り越えられたこと自体が奇跡かも知れません。

ただ、この二人はとっくに乗り越えたように見えていたし、お互いの気持ちは解ってるんだから、わざわざこんな儀式しなくても…なんて思ったりするのは、私が男だからでしょうか?

サントラさんがコメントされてたように、ちゃんとした言葉で相手に伝えないと(もしくは相手から伝えてもらわないと)前に進めないのは、女性ならではの性質かも知れないですね。

「ありがとう、帰って来てくれて」

つばさはようやく、やっと、母の胸で泣く事が出来ました。加乃子が家出してからの10年間はもちろん、それ以前にもあまり出来なかった行為かも知れません。

「ありがとう、ありがとう、ありがとう…」

「好きなだけ泣きなさい。本当に、この子は…」

私は最初に『つばさ総集編』を観た時、レビューに「あべこべ母娘が、1年かけて正常な関係に戻って行く様を描いたドラマですね」みたいな事を書きました。

まぁそれは、別に間違ってはいないんだけど、表層的な結果論に過ぎないんですよね。数ある要素の一つでしか無い。

そこに至るまでに描かれた、キャラクター達が自分自身のダークサイドと向き合い、必死に克服する姿こそが重要なのであって。そのへんはやっぱ、ダイジェストじゃ伝わらないです。

全編を通して観て来た上で、今回あらためてこの場面と、次回にやって来る衝撃の別れの場面を見直してみて、ある結論に辿り着きました。

『つばさ』というドラマが、いったい何だったのか? 創り手は何を目指して本作を創ったのか? 私は確信しましたよ! その答えは、レビュー前編の中に隠されてます。

次回、それを発表したいと思います。いよいよ、完結です。あんの野郎ぉーっ!w

『つばさ』26 (完・前)

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まぁ案の定なんですがw、一度に投稿出来る文字数を遥かに越えちゃいましたので、(完)を更に前後編に分けさせて頂きますm(__)m

☆大カーニバル
竹雄&加乃子・二度目の結婚式当日、お馴染みのレギュラー陣が玉木家に大集結、いちおう親族である紀菜子(斎藤由貴)も駆けつけました。

見られて恥ずかしい躰はしてない旦那の富司(山下真司)は、残念ながら多忙につき欠席。本当に残念そうな知秋ですが、私も残念ですw

つつがなく式も終わり、11年ぶりの丈比べをするつばさ&知秋。つばさ10歳の時の印を、加乃子は感慨深げに見つめます。あの時から今まで、母娘の時間は止まってたんですよね。

と、そこで合図の笛が鳴り、本場ブラジルのサンバダンサー軍団と共に、秀樹が久々に登場!

「あらまぁー!」と驚き喜ぶ加乃子ですが、あらまぁーなんて普通言わないですよねw

「今日は無礼講だ。みんな、踊れぇーっ!」

娘でいる事を捨てた筈の加乃子も、あの堅物・千代さんまでも、町中の人々が蔵造り通りに溢れ、踊り狂う大スペクタクル!

どさくさにまぎれて、斎藤清六さんも満面の笑顔で踊ってる! あんた、もう出所したのか?w ていうか、よく此処に顔が出せたもんだなw

永島敏行さんや太川陽介さん、斎藤由貴さんの再登場にも驚きましたが、清六さんは極めつけですね。コアな視聴者しか気づかないでしょうw

加乃子の投げたブーケが、つばさの手に。おっ!と彼女を見る、みんなの眼が暖かいですね。これは近い未来を暗示してるのでしょう。あんの野郎ぉーっ!!w

JUST MARRIEDと書かれたトロッコに加乃子が乗り、竹雄が押して、幸せ絶頂の二人は線路をどこまでも進んで行きます。今回の式はつばさの為だった事を忘れてますねw

そんな二人が辿り着いたのは、なんと新宿駅! もう深夜です。あんた、どんだけ走ったんだ竹雄さん!?w

「どうやって帰ればいいの?」

☆「そんなワケだから、バイバイ」
帰る手段の無い両親を心配する素振りも無くw、自室に戻ったつばさは、いつものようにラジオの男(イッセー尾形=画像)を呼び出します。

「ま、やっと片付いたな」

ラジオの男はしみじみと、つばさとの歴史を振り返ります。これはまぁ最終回のお約束でもありますから、視聴者はまだ油断してますよねw

つばさが10歳の時、加乃子が家出した夜に、初めて姿を現したラジオの男。深く傷ついたつばさの心を癒すべく、彼は毎晩のように話し相手を務めました。

でも、つばさのオカン業が忙しくなるにつれ、出て来なくなった。それが10年ぶりに加乃子が帰って来たと同時に、また現れるようになり…

「俺は、あんたの心の影だから。おふくろさんとの歪んだ関係が、心の中で軋んだり抱え切れなくなった時にだけ、慰めたり、癒してあげる為に現れた」

「茶化してるだけだった気もするけど」

「まぁ何でもいいや。そんなワケだから、バイバイ」

「えっ?」

母とのわだかまり=過去のトラウマをつばさが克服出来た以上、彼はお役御免だと言うのです。

誰もがこのシーンを見て、滝の涙を流さずにいられないのは、ここで彼とお別れになるなんて、全く予想してなかった事が大きいと思います。しかも、絵に描いたような大団円の直後に!

「そんな! そんなのヤだよ、いなくならないで!」

「これはね、おめでたい事なの。羽ばたけた証なの」

そう、これはつばさへの卒業祝い…というより「退院祝い」なんだと私は思います。えっ、退院? そうです、退院なんです。その理由についてはまた、後ほど。

「出て来てくれるんだったら、何でもするから! だから、いなくならないで! お願いっ!」

そう懇願しながらつばさは、全くあらぬ方向に顔を向けてます。

「えっ、もう見えてないの?」

それぞれの存在する世界が分断されて行くような、『つばさ』らしく容赦のないw別れの演出。そして一枚の羽根が、ヒラヒラ… 千波さんの花びらを思い出させますね。

「行っちゃったんだ… ありがとう…」

「おめでとう、つばさ」

その声はもう、つばさの耳には届きません。淋しさと切なさと暖かさが入り交じり、しかも意表を突かれたお陰で、私もあえなく涙腺大決壊でしたw

放映当時、朝っぱらから嗚咽して泣かされた皆さんは、そのあと出勤したり登校したり、無事に出来たんでしょうか?w

☆『つばさ』とは何ぞや?
さてさて前回、この別れの場面をあらためて見直して、『つばさ』というドラマが何であったか、一つの結論に辿り着いたと書きました。加えて、その答えはレビュー前編に隠されてます、とも。

まず、それが何であったかを明かしますと、真瀬がつばさに言った、例の説明的な台詞なんです。答えにあたる部分だけを抜粋しますと…

「お前と関わる人間は、自分が抱える様々な悩みやコンプレックスと、お前を通して向き合う事になる。そして気づいたら、それが克服出来るようになってる」

…私は、まさにそれを仕事にしてる人と、たいへん親しくしていました。そうです、セラピストです。

やっぱり『つばさ』は、セラピーなんですよ! 創り手は意識的に「セラピーの朝ドラ」を目指して、『つばさ』を創ったんです!

「なんだ、結局またそれかよ」と失笑するなかれ、今回はそう断定するだけの、根拠があるんです。これはもう、間違いないです。

つばさは、心に深い傷を負った人達の話を聞き、癒し、前向きな気持ちを取り戻せるように導く、セラピストなんです。いや、もっと広い意味で「カウンセラー」と呼ぶべきでしょうか。

私が最初に「『つばさ』はセラピーに似てる」って言いだしたのは、つばさと翔太の破局騒動で「どん底」がキーワードになった時かと思います。

さらにその疑惑が深まったのが、竹雄さんの失踪騒動です。その理由は後ほど解説させて頂くとして、『つばさ』=セラピーの疑惑は、万里がフルマラソン完走に挑むエピソードで、いったん白紙に戻されちゃったんですよね。

あのエピソードで、つばさは万里に対して「がんばれ」を連呼しました。カウンセリングに「がんばれ」は禁句ですから、これはやっぱ違うな、と。

だーがしかし! あれはトリックだったんです! 私はまんまと、作者の陽動作戦に引っ掛かったんですよ!w

万里には、つばさや翔太や竹雄みたいな、過去の傷=トラウマがありません。つまり万里の苦しみは、他のキャラクター達とは種類が違う。あの週だけ何となく異質に感じたのは、そのせいですよ!

万里は心に深い傷を負った患者ではなく、誰もが必ずぶつかる壁の前でもがいてる、ごく普通の若者なんです。だから万里には「がんばれ」って言っても構わないワケです。

あの回で不自然なほど「がんばれ」が連呼されたのは、セラピー説を否定する為というより、その真実を隠蔽する為だったんですね(なんの為にやw)。いやー、騙されましたよホントに。

☆重症患者・つばさ
さて、そんな私に「やっぱり『つばさ』はセラピーだ!」と確信させたのが、誰あろう「ラジオの男」です。

なぜ、ラジオの男というキャラクターを登場させる必要があったのか? なぜ、つばさの心の影=つばさの分身であるにも関わらず、事もあろうにイッセー尾形さんなのか!?w

カウンセラーになる人って、自身も心に深い傷を負った人である事が多いそうです。震災で救命士に助けてもらった子供が、将来は自分も救命士になろうと決意するのと似てますね。

私と親しかったカウンセラーもそうでした。でも、心の傷は完全に消えて無くなるものじゃありません。患者さんを癒しながら、自分の心は疲弊して「私のことは誰が癒してくれるの?」なんて、その人はこぼしてました。

そう、カウンセラー自身にもカウンセラーは必要なんです。つばさの心の傷は、周りにいるどのキャラクターよりも深刻ですよね?

母親に見捨てられる… その悲しみ、痛み、恐怖に匹敵するトラウマは、なかなか無いんじゃないかと思います。

例えば秀樹の傷なんか、ぶっちゃけ「たかが失恋」ですよ!w お相手の加乃子の場合は、その背景にある「母との確執」こそが真のトラウマなのに対して、秀樹は失恋以上でも以下でもない。

これ以上言うとhyoutangaidenさんに叱られそうだけどw、最後だから言っちゃいます。青春期の失恋を20年も30年も引きずって、今だに悲劇の主人公を気取ってる秀樹こそ、究極の乳首人間ですよ!w

だから、乳首が乳首の後を継いだのは必然ですねw もちろん、だからこそ我々一般の乳首人間はw、秀樹や翔太に共感して泣いちゃうワケですけど。

マスター・オブ乳首は秀樹。そしてグランド・マスターが寅さんなのでしょう、きっと。乳首人間第一号は、車寅次郎。つまり、愛すべきロクデナシ・キャラの系譜ですね。

おっと、話がつい乳首方面に逸れてしまいましたm(__)m 言いたかったのは、つばさの心の傷が、どれほど深いものだったかって事です。

でも、つばさ自身を癒してくれるカウンセラーはいない。だから… つばさは、もう一人の自分を創作したんだと思います。そう、無意識に…

ラジオの男は、妖精でも幽霊でもなく、心を病んだつばさが見る、いわば幻覚。言い方を替えれば、多重人格(分裂症)の症状だったワケですね。つばさこそが、一番の重症患者だった。

それなのに彼女は、周りにいる患者達を放っておけず、自分は陰で血を吐きながら、健気にみんなを治療してたワケです。そう思うと涙が出ちゃいませんか?

『つばさ』の企画は当初「こんなの通せるワケないだろ!」と上司を激怒させた位、ダーク過ぎる内容だったそうですが、恐らくその辺りの事がもっとストレートに表現されてたから、だろうと思います。

心を病んだ、多重人格の女が主人公の朝ドラ。空前絶後ですよね! そりゃ上層部は怒るでしょうw 怒るけど、朝ドラのマンネリを打ち破る起爆剤にはなりそうだってんで、オブラートに包むならOKって事になったと。

だから、つばさ自身の底はかとなく暗い影が、「ラジオの男」だなんていう、ひょうきんなオッサンの姿にw変貌して行った。にしても何故、あんなオッサンでなければならなかったのか?

理由は二つあると思います。まず一つは、ラジオ局→憩い(癒し)の広場→診療所、であると仮定するなら、ラジオの男→広場の主→診療所の院長先生、っていうイメージなのかも知れません。

そしてもう一つの理由が、これまた『つばさ』=セラピー説を裏付ける、証拠にもなるんです。

それも含めて、『つばさ』とセラピーとの共通点を、ズラッと列挙させて頂きますね。(後編につづく)

『つばさ』26 (完・後)

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※この記事は後編です。(完・前)から順にお読み下さいませm(__)m

☆カウンセラー・つばさ
さて、この際ぶっちゃけますが、私は1年ちょっとの間だけ、カウンセラーを職業とする女性と同居生活をしてました。

だから、私はカウンセラーの裏の顔も見てきたワケです。その仕事の難しさ、大変さ、要は苦労話を、まるでラジオの男みたいに私は聞かされてました。聞くだけで、私が彼女を癒してあげる事は出来ませんでしたが…

そんな私が、こうして『つばさ』を解体研究するようなレビューをする事になったのって、なんだか運命的なものを感じずにはいられません。

では『つばさ』=セラピー説を裏付ける証拠…になるかどうか分かりませんが、両者の共通点を列挙したいと思います。

○共通点その1「傷を受けた場所に戻る 」

カウンセラーの仕事は、クライアント(つまり患者さん)の話を聞いて、現在の悩みに繋がってる過去の出来事…つまりトラウマを探って行くのが最初の課題となります。

それは大抵の場合、幼少期に受けた心の傷であり、クライアント本人も忘れてたりする。だから催眠療法とかで、クライアントの潜在意識を掘り起こす必要があるワケです。

で、拙作『VOiCE』でも描いた通り、クライアントは心の傷を受けたその場所に戻って、その時の自分に「大丈夫だよ。あなたはちゃんと愛されてるし、存在する価値はあるんだよ」みたいなメッセージを伝えるワケです(『VOiCE』の場合は逆に、過去の自分からメッセージを受け取る形でした)

だから、竹雄さんのダークサイドが描かれた回で「その場所に戻れば、答えが出るかも」みたいな台詞が出た時、私はセラピーを連想したワケです。

竹雄さんに限らず、加乃子も事あるごとに例の一本道に戻り、そこから再出発してました。つばさにとっても、あの一本道はトラウマの原点です。だから監督さん達は競って、あの場所をことさら丁寧に撮られてたんでしょう。

○共通点その2「カウンセラーは背中を押さない」

カウンセラーは、あくまでクライアントの話を聞くことが仕事で、答えを出してはいけないんです。クライアント自身が答えを出すように、ヒントを与えながら導いて行くだけ。

それは、患者さんにプレッシャーを与えたら逆効果になっちゃう事が、まず一つ。だから素人が誰かの心の傷を癒そうとあれこれ言うのは、とても危険な行為だったりします。

もう一つは、人が自分を変えて行くのって、並々ならぬ強い意志が無ければ不可能だって事です。自分の意志で答えを見つけて、自分自身で道を選ばなきゃ、人は変われない。

だから、つばさは悩める人達に「こうしなさい」とは絶対に言わなかった筈です。ラジオを使って間接的に、ヒントやきっかけを与えてただけですよね?

もっと判り易いのが、ラジオの男です。彼がつばさに対して言ってた事、やってた事は全て、まさにカウンセリングそのものだったと思います。

○共通点その3「身内をカウンセリングしてはいけない」

カウンセラーには、家族や恋人をカウンセリングするべきじゃないっていう、暗黙のルールがあるみたいです。

お互いを知り過ぎてると、余計な感情が入って集中出来ないし、つい力も入ってしまい、「背中を押す」っていうタブーを犯したり等、失敗する可能性が高いからだと思います。

つばさは一度、大失敗してますよね? そうです、乳首人間第三号=翔太です。彼を愛するあまり、つばさは世話を焼き過ぎるわ背中を押しちゃうわで、思いっきりプレッシャーを掛けちゃった。

お陰で翔太は、どん底を突き破って底無し沼にはまり、気が狂った挙げ句に乳首道場入門ですよw 翔太は、つばさ唯一の失敗作w だから羽ばたくまで異常に時間が掛かりましたよね。

親友である万里は、前述の通り患者とは違いますから例外として、じゃあ兄弟である知秋はどうなの?って事になりますが…

知秋はつばさと同じ傷を負ってる割に、けっこう早い段階で癒されました。それは多分、彼自身の性格に救われたんだと思います。

心の傷にも個人差がある。知秋はああいう、まるで天使みたいな、極端に大らかな性格だからこそ、軽傷で済んだんじゃないでしょうか? 彼がああいうキャラに設定されたのは、それが理由かも知れません。

じゃあ、知秋より更に近い存在…つばさ自身はどうだったか? そこで、イッセー尾形さんの出番になるワケです。

つばさ自身を癒すカウンセラーは、それが自分の分身である事をつばさが忘れちゃう位、全くかけ離れた容姿でなければならなかったワケです。

○共通点その4「信じない患者は癒せない」

カウンセラーにとって一番厄介なクライアントは、カウンセラーを信じない人です。心を開いてくれなきゃ、その傷の原点なんか探りようが無いですから。

つばさが最も苦戦した相手は、城之内房子様でした。人を信じようとしない房子様には、取りつく島も無かったですよね。カウンセラーにとって、あれほど厄介な相手はいないでしょうw

○共通点その5「クライマックスは大量の涙」

『VOiCE』のレビューにも書きましたが、セラピーのクライマックスは、クライアントが大量に流す涙です。心の中に蓄まった膿というか毒素が、涙と共に浄化されるみたいな感じです。

ラジオの男との別れでつばさの流した涙は、多部ちゃん史上においても類を見ない粒の大きさ、だったように私は感じました。

あと、これは私も経験した事ですが、セラピーをこれから受けようという時、利尿作用がハンパじゃなかったんです。不思議と、受ける前から浄化が始まってる実感がありました。

多部ちゃんは別れの場面を撮る日、セットに入る前から涙が止まらなかったとの事ですが…って、これはちょっと、こじつけ過ぎ?w

以上、如何なものでしょうか? 傷ついた人の心を癒すドラマなら、同じ目的で開発されたセラピーと似ちゃうのは、まぁ当然なのかも知れないけど、それでも状況証拠がこれだけ揃えば、クロでしょう?w

ただ、クライマックスは大量の涙ってのは『つばさ』に限った事でもないから、ある意味、全ての「泣けるドラマ」はセラピーである…と、言えなくもないですね。

☆さらなる別れ
それにしても『つばさ』には、クライマックスがいったい何回あるんだ!?w 今度は、真瀬&優花の父娘とお別れですよ。ラジオ男のインパクトに隠れがちだけど、これも相当に淋しくて切ない別れです。

母・加乃子とのトラウマを克服したつばさは、今度は自分が母親の立場になって、優花とケジメをつけなければなりません。

「私は、優花ちゃんの事が大好きです。だけど、優花ちゃんのお母さんにはなれません。私はラジオぽてとのオカンだから、此処を離れるワケにはいかないの」

「やだ! やだ! お手紙書いてくれなきゃやだ! お花の絵も描いてくれなきゃやだ!」

…『つばさ』の全キャラクターの中で、もしかしたら優花が一番たくましくて、賢い人なのかも知れません。千波さん譲りでしょうか?

彼女は、つばさの辛い立場をちゃんと理解して、つばさと離れ離れになる前提でワガママを言ってる。どうか本当に、幸せになって欲しいです。

翌朝にはもう、佐賀へ旅立つと真瀬は言います。

「開局の準備にはイモの手も借りたい位だが、ま、大丈夫だ。お前がいなくても何とかなる」

相変わらずの真瀬節ですが、佐賀行きを引き受けたのはもしかしたら、手の届かないつばさとこれ以上一緒にいるのがツライ、っていう想いもあったかも知れないですね。

そして翌朝、ぽてとメンバーに見送られて、真瀬と優花は旅立ちました。

☆二度目の春
そして数カ月が過ぎ、ラジオぽてとがいつの間にか観光スポットに、そしてつばさは今や「川越のおかん」と呼ばれるようになりました。

「えっ、川越のおかん!?」って台詞を言ってた、あのふくよかな女性、誰でしたっけ?w 意味ありげに寄りで撮られてましたけど…?

一方、玉木家には房子様が訪れ、観光物産館の建設工事が始まった事を千代さんにご報告。

「良かったわ、あなたの夢が叶って」

「ありがと。まぁね、つばささんのお陰だわ」

…なんて、ずいぶん謙虚になられたと思ったのも束の間…

「それに、隠居したあなたがさぞかし退屈してるんじゃないかと思って、来てあげたのよ」

それでこそ房子様!ですねw

その傍らでは知秋が、愛しの万里からサッカー観戦のお誘いを受けて、有頂天。この二人にも春がやって来るのでしょうか?

「はぁ… いいわね、若いって」

その頃、社長が復帰した斎藤興業では、乳首マスター=秀樹が、なんだか意味不明の除幕式w そこには、燦然と輝く玉木つばさの写真パネルが。

「川越の、新しい女神だ」

その秀樹の台詞に続いて流れだす、アンジェラ・アキさんによる主題歌『愛の季節』… 鳥肌が立ちますね。

ぽてとの仲間はじめ、川越中のみんなに見守られながら、つばさは今日もDJブースのマイクに向かいます。

「私はこうして、マイクに向かってお話してると、不思議な事に、高い高い空から、川越の町を見下ろしてるような気持ちになる事があるんです」

そこに、高台から町を見下ろすつばさのイメージ・ショットが入るのも又、第1話との合わせ鏡ですね。

「そんな時、私は思います。町を吹き抜ける風のように、私のこの声が、町のあちこちでラジオに耳を傾ける人に、届いてくれたらいいなぁと」

甘玉堂には、いつぞや(福祉施設の回でしたっけ?)つばさから貰った甘玉の味が忘れられない、あのご夫婦が来店。すっかり女将らしくなった加乃子が迎え入れます。

「甘玉堂はどこへ行っても、一意専心でございます」

千代さんの精神をしっかり継承してる、加乃子です。

調理場では知秋が、竹雄に教わりながら職人修業。一時期かなりふっくらしてた顔も見違えるように引き締まり、見られて恥ずかしい躰はしてねーぞとw

万里は相変わらず元気に出勤、「こえど」ではなぜか着物姿の秀樹に身を寄せる、ボインボイ〜ンボンヨヨヨヨ〜ン!な、なぜか洋服姿(いつも和服だったのに)の麻子さん。このチグハグさは、何かを暗示している?w

「私は、女神じゃなくてもいいんです」

渋い顔でミルクを呑む、秀樹。うーん、やっぱりこの人… 乳首だw

そして乳首道場を卒業し、海外での活躍が期待される、翔太(チクビッシュ有)。

「今度こそ、つばさに負けない位、強くなって帰って来るから」

「やっぱり翔太だ」

「やっぱりつばさだ」

これは「あなたらしさが戻った」と「やっぱりあなたが好き」の、ダブル・ミーニングですよね。あんの野郎ぉーっ!w

まぁしかし、つばさに次いで深い心の傷を負ってたのは、このチクビッシュ投手です。父との確執もさる事ながら、大きな夢を掴んだ瞬間にそれをもぎ取られ、諦めるしか選択肢が無かったという不運。

あの底無し沼から、さんざん乳首呼ばわりされながらw、よくぞ此処まで這い上がったもんです。その頑張りに免じて、まぁ許してやらなくも無いよ、チクビッシュ。

悪い意味で「やっぱり翔太だ」って、つばさに言わせる事の無いよう、これからも口を引き締めて頑張れ! はよモミアゲ剃れ!w

佐賀では、優花に顎で使われながら周波数探しする、真瀬の姿が。そして、優花が駆け寄る先にいたのは、横矢みちるです。きっと新たな家族が生まれるのでしょう。

翔太の押すトロッコに乗って、新宿へ向かうつばさw ブーケに続いて、二人の近い未来が暗示されてますね。うーんやっぱり、あんの野郎ぉーっ!!w

第1話と同じく、いや、あの時よりもずっと晴れやかな表情で、川越ジオラマの上空を飛翔する、つばさ。よかった… 本当によかったね、多部ちゃん!

皆それぞれ、心の傷を癒して、今、羽ばたきました。言わば、やっとスタートラインから第一歩を踏み出したばかりです。

だから、めでたしめでたしは、まだまだ先のこと。いつか又、心に傷を受ける時も来るでしょう。だからこそ、つばさがいるんですよね。

そして、つばさ自身が傷ついた時には、きっとラジオの男が又… いや、その時のつばさには、世界のチクビッシュがついてるか…

ホントに頼んだぜ、翔太。「やっぱり、乳首だ」って、言わせないでおくれよ? 心配だなぁw

「つばさは今日もラジオの電波に乗せて、川越の人々に、笑顔と幸せを届けています」(完)

魂の救済ドラマ

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創り手自身が、救われたかった… そこが出発点だとしたら、『つばさ』はセラピーのドラマじゃなくて、「魂の救済ドラマ」とでも呼ぶべきでしょうね。

スタッフそれぞれが己のトラウマを吐き出して、さてそれをどうやって救おうか?って事で心理学を勉強する内に、セラピーという手段に辿り着いた。きっとそんな流れだったんでしょうね。

魂の救済ドラマは『つばさ』以前にも、色んな形で創られて来たと思います。いや、実は大半のドラマ・映画が、根っこにそういう要素を含んでるとは思うのですが…

トラウマの克服そのものがメインに描かれるドラマが、最近増えて来たのは確かですよね。『それでも、生きてゆく』と『家政婦のミタ』が、その代表例になるかと思います。

さて、『つばさ』超大作レビューを終えて(完)の文字を書き込んだ時、私がどんな心境だったかと言いますと…

万感の想いでしみじみと…って感じではなくて、嬉しくてハイになってましたねw

それは「やっと解放される!」って意味の嬉しさじゃなくて(それもちょっと有るけどw)、最後に『つばさ』=セラピー説という、大きな見せ場と言いましょうか、クライマックスが演出出来て本当に良かったなぁ!っていうw

これは、自分が創り手の端くれだったせいかも知れないですが、そういう大きな山場が無いまま、ストーリーをただなぞるだけで終わってたら、きっと不完全燃焼な感じで達成感も無く、どちらかと言えば徒労感ばかりが残った気がするんですね。

年末年始を境にレビューのペースを落としたのは、やっぱ正直なところ、モチベーションが下がってたからです。

視聴者としては『つばさ』を存分に楽しんでましたけど、レビュアーとしては、最初の頃の新鮮な驚きや発見、疑問が、ドラマの構造を知れば知るほど薄れて来ちゃって、あんまりワクワク、ドキドキしなくなってたんですよね。

繰り返しますが、視聴者としてのテンションはキープしてたけど、書き手としてダウン傾向にあったワケです。多分これも自分がストーリーテラーだった名残りで、自分の文章にマンネリを感じてたんですね。

だから、翔太の呼び名がコロコロ変わるようになったのもw、少しでもマンネリを払拭したい気持ちの表れだったんだと思います。無意識ですけど。

実は最終週の前編を書いてる段階では、セラピー説は白紙になったままだったんです。このまま、まるで一般的な朝ドラの典型みたいにw「尻すぼみ」で終わっちゃうのかなぁって、ついこないだまで思ってました。

それが中編を書く前に、確認のため最後の4話を観直して、はげちゃび〜ん!と閃いたw

で、検証すればするほど面白いように辻褄が合って、まるで『鹿男あをによし』や『フィッシュ・ストーリー』のラスト・シークエンスみたいなカタルシス!w

そこからはもう、早く書きたくて書きたくて仕方がない位、テンションが急上昇したんですよね。

いやぁホントに、この山場を作れてなかったら、今みたいな達成感は得られなかったと思います。ここまで詳細かつ膨大なレビューを書いて来ながら、発見したのが「つばさと万里は百合だった!」だけじゃあねぇ…w

というワケで、皆さんのコメントへのレスを、此処で書かせて頂きますm(__)m

>清六さん
あっ、逮捕はこれより後だったんですね!w 総集編と記憶がごっちゃになってました。

>急転直下
『つばさ』の作劇にはいつも意表を突かれましたし、だけど決してあざとくも無く、そこは本当に見事でした。

自分は感情に任せて書くタイプだったので、序破急とかはあんまり意識したこと無いです。

>一発本番
多部ちゃんとイッセーさんなら、自分が監督だとしても安心して任せられますね。技術スタッフは大変なプレッシャーでしょうけどw

>特別な時しか観ない
自分もボロ泣きした映画やドラマは、何度も観たら感動が薄れていく気がして、あえて見直さない事が多いです。

>『おしん』とは別の苦難
おっしゃる通り、現在を背景にすると、内面的な苦難でなければリアルにならない時代ですよね。それを避けるには、最近の朝ドラみたいに昭和初期を背景にしなきゃしょうがないのでしょう。

>かさぶた
『つばさ』を観てると知らず知らず、我々もセラピーを受けてるような状態になるんですよね。

竹雄さん失踪の回のレビューで、僕も普段は書かない自分の親の話をしちゃってましたから。書かずにいられなかったんですよねぇ、なぜか…

>心象風景
リアルとノンリアルが混在するドラマのヒロインは、まさに多部ちゃんだからこそ違和感なく演じられたんでしょうね。あの若さで両方を同時に表現出来る女優はいない! 男優にはもっといない!w

『つばさ』のリアル面を突き詰めて行ったのが『それ生き』で、ノンリアルを突き詰めて行ったのが『ミタ』になるんでしょうけど、松嶋さんにつばさは演じられないでしょう。満島さんは、ちょっと興味深いですね。

>秀樹が失恋を引きずる理由
自分の無力さを思い知らされた事のトラウマ… それはあるかも知れないですね。ナルシストだから、なおさらw いや、大好きなんですよ秀樹w

>第8週
空き地で遊ぶ少女時代のつばさ… どんなシーンだったか憶えてないのですが、つばさの潜在意識の中で、少女時代のつばさがメッセージを伝えに来た、みたいな裏設定があったかも?

>長瀞の週
そう言えばラジオの男は登場しませんでしたね。ラジオが関係しない場所に現れたら、視聴者が混乱するだろうっていう配慮だったかも知れませんね。

>『サイコ』
見るからに平穏そうな家族が、実は母が娘を虐待し、娘は元ヤクザと結婚してw、自分の子供を捨てて家出、残された子供は分裂症になって… なかなか恐ろしい話ですよね、『つばさ』ってw

>おじいちゃんのラジオ
なるほど、梅吉さんが使ってたラジオなら、梅吉さんにもラジオの男が見えて然るべきですね!…って、それでも理屈が合わないんですけどw

あのラジオの男は、つばさの内面にしか存在しないんだから…

だからつまり、梅吉さんと話してたラジオの男は、つばさの中にいるラジオの男とは別の存在って事ですね! 梅吉さんの内面にいるラジオの男が、たまたま画面に映っただけって事だ!w

梅吉さんは幽霊になっても尚、幻覚を見てるんでしょうか?w

>梅雀夫人
納得ですw もしかしたら梅雀さんには内緒のサプライズだったりしてw

>心を失ったヒロイン
心が空疎だから、他者へのお節介で無理やり心を満たそうとするけど満たせず、また繰り返す。そうだったかも知れないですね!

それもまた典型的な心の病ですから、セラピー説と矛盾しないどころか、ドンピシャ!じゃないですか?

最後の最後に、つばさは優花よりも自分自身の生きる道を優先しました。自分の心を取り戻した証であり、あの瞬間こそが、本当の意味でつばさの卒業=退院だったのかも知れません。

>『つばさ』を気に入らない人は幸せ
そういう事なんだろうと思います。その言葉の意味するものも、アンチ『つばさ』の人には解らないでしょう。

言い換えれば、幸せな人に『つばさ』は必要無いって事ですね。別に、我々が全員不幸だと言いたいワケじゃなくてw 癒えない傷があるかどうかって事ですよね。

>お姫様だっこ
そうそう、あの時の多部ちゃんは何だかぎこちなかった! チクビッシュがアドリブでだっこしたからかな?と思ってたのですが、多部ちゃんだって緊張する事はありますよね、そりゃw

>カテゴリー分け
そうですよね、した方がいいに決まってますよね。長文は書くクセに、そういう所は不精なものでw

近い内に整理しますね。

>本に…
どなたかして下さい、ホント。私も買いますから!w

痛恨のミスですm(__)m

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ブログ記事をカテゴリー分けしようとして、取り返しのつかないミスをしちゃいましたm(__)m

我が家のPCはあまりに型が古い為に、以前は閲覧出来たのに今は開けなくなったサイトがいくつもありまして、このブログも実は2年近く前から、我が家のPCでは見られなくなってしまい…

なので、今は書き込みも閲覧も全て、携帯電話で行ってるのですが、過去の記事をカテゴリー分けするには、編集画面でそれぞれの記事のカテゴリー設定を(例えば『日記』を『つばさ』に書き替えて)一つ一つ投稿し直すという手段しか無いのです(PCならもっと簡単なのかも知れません)。

で、最新記事から一つ一つ、地道に書き替えて行ったワケなのですが…

私はうっかり忘れていました。携帯の編集画面から投稿すると、文字数制限を超えた文章が自動的に削除されてしまう事を!

それがあるから、私はいつも編集画面から投稿するのではなく、携帯でメールの形にして投稿してるんです。それだと、編集画面よりも文字数が多く打てるし、もしオーバーしても書いてる時点で判りますから…

つまり、メール投稿ならオーバーしてなかった文字数が、編集画面からの投稿だとオーバーになって、その分だけカットされちゃう。文章が途中で終わっちゃうワケです。

最新記事から『ライアーゲーム-再生-』レビューの記事まで作業を進めた所で、はたと気づいたのですが、もう後の祭りです。削除された文字を再生する事は出来ません。

残された方法は、もう一回メールで投稿し直す以外にありません。幸い送信済みメールは携帯に残ってますから、それを再送信するだけで済むのですが、既に携帯から削除しちゃった画像は無しになっちゃいます。

で、編集画面から送ったオリジナル記事(文章が途中で切れている)は削除したい所ですが、それをするとせっかく書き込んで頂いたコメントも一緒に消えちゃいます。

なので、それも残しておくしかありません。ややこしくなるから、新しく設定したカテゴリーも削除するしか無いですよね? ネットカフェに行ってPCを使えば、何とかなるんでしょうか?

でも、携帯から投稿してる限り、そのつどネットカフェに行かないと、カテゴリー分けは出来ません(メール投稿だと一つのカテゴリーにしか入らない)。そんなにしょっちゅう行けないし…

申し訳ありませんm(__)m そんなワケで、カテゴリー分けは新しいPCを買わない限り、無理みたいです。あぁ情けない。

何か方法が見つかるかも知れないので、カテゴリー設定はしばらく残しておきます。が、そこに入ってる記事は文章が途中で切れている事を御了承下さいませm(__)m

やれやれ…

病弱なボクちゃん

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実は今週、著しく体調不良です。2週間前から血尿が出ており、今週に入って背中がシクシク、時に激しく痛みます。

経験された方なら、この痛みの恐ろしさを解って頂けるかと思うのですが、私は腎臓結石と約15年来の付き合いなんです。

経験された方でも大抵は一度きりかと思うのですが、私の場合は流れても流れても、まぁ1年も経てば大きな石が次々と育っちゃう、どうも異常体質みたいです。

この痛みがピークに来た時には、のたうち回る激痛にのたうち回る羽目になります。今は鎮痛剤で抑えてるから、文字の書き込みをする余裕もありますが、痛みが右肩上がりになってる状況で戦々恐々、脂汗が滲んでおります。

通常はこうして鎮痛剤で痛みを誤魔化しながら、オシッコと一緒に石が流れるのを待つしか無いのですが(石が動き始めた時に痛みが出るんです)、今回は長引いており、たぶん石が大き過ぎてつかえてる為、手術が必要になるかも知れません。

手術無しで自然に流れるのを待つのと手術するのとでは、経済的な負担に雲泥の差がありますから、とても迷う所なのですが、このデカイ石が尿道あたりで引っ掛かった時の痛みを想像すると恐ろしくて、手術する方向でお医者さんに相談すべく、病院の待合室ナウです。

手術と言っても切るのではなく、外部からレーザー光線を当てて石を砕くのが結石手術の主流で、過去に一度経験はしてますが、あれも結構な激痛を伴いますから、まぁどのみち地獄ですねw

痛みが出ない間も身体は常にダルく、『つばさ』レビューが終わった燃え尽き症候群と相まって、今週はブログを書く気力が湧きませんでしたm(__)m 特に書きたい事も無かったんですよね。

今朝、朝ドラ『カーネーション』が最終回でしたが、ヒロインの生涯が朝ドラ化されて第1話(つまり本作の冒頭)が放映される場面で締め括るラストシーンが面白かったです。朝ドラ内朝ドラってのは前例無いでしょうね。

ヒロインの死去まで描かれるのも朝ドラでは珍しいかと思いますが、やっぱり長らく馴染んできた小原糸子(尾野真千子)と晩年の糸子(夏木マリ)とでは全くの別人にしか見えませんから、もひとつ感情移入出来ないんですよね。

ヒロインの死すらさりげなく、視聴者の予想をかわしながら描く『カーネーション』作劇は大好きなだけに、やっぱ尾野さんの糸子で見たかった!っていう思いが、どうしても付きまといます。

ヒロインの娘達はお馴染みの顔触れなのに、肝心のヒロインが別人だなんて、どう見たってヘンテコですよね。その違和感が、せっかくの感動を妨げてます。返す返す勿体ないと言うか、残念です。

朝ドラと言えば、秋元才加さん主演の『朝ドラ殺人事件』は知らない内に放映されちゃったみたいで、来週にあるらしい再放送を観るしか無さそうです。

それにしても、この冬に続いて春の連ドラも「おっ、こりゃ観なければ!」って思うものが全然無いですね。そんな中にも大穴がある事を願いますが…

検査の結果、泌尿器科のある別の病院に月曜日、行く事になりました。最初からそっちに行っときゃ良かったぜ、マルコチクビィーッチ!!

今日、明日は鎮痛剤で耐えるしか無いみたいです。もうやだ、こんな身体… まぁ結石とも長い付き合いですから、慣れたと言えば慣れてるんだけど、今回の石は1cmを超えるBIGサイズとの事ですから、恐ろしいです。

さて、午後はフリーなので、ネットカフェに行ってカテゴリー分けを何とかしたいと思ってます。

『GM踊れドクター』#01

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今回も病院のロビーからお届けしますw 未華子まつりはまだまだ終わりません!

多部ちゃん『デカワンコ』直前のお仕事である、TBS系の連ドラです。順番としては映画『君に届け』の次になるんでしょうか?

私はこのドラマについて、ほとんど前知識がありませんでした。東山紀之くんが主演で、多部ちゃんが桃子という名のヒロインで、病院が舞台のコメディーであるらしい…程度の事は知ってましたが、タベリストの間でもあまり話題に上がらないので、評判が良かったのか否かも分かりません。

なので全話レビューするか否かは、観てみて、探りながら判断したいと思います。ともあれ、病院のドラマを病院のロビーで診察を待ちながら書くってのも、なかなか乙なもんですねw

「GM」とは総合診療医の事だそうです。治療よりも、その患者をどの科で処置するのか、つまり診断が難しい病気を、例えば「これは乳首はげちゃびん病だ」とか「移動性頭皮開口病に違いない」とか判断する医者たちの話…みたいです。

舞台は名峰総合病院で、その総合診療科に研修医の小向桃子(多部ちゃん)が派遣される場面からドラマは始まります。

その科にいる医者達は、エリートながら不真面目で人間性に問題ありの椎名桔平、耳年増のオバチャン・キャラ=生瀬勝久、対人恐怖症の吉沢悠、冷めたギャル・キャラの小池栄子と、まぁ刑事ドラマでもお馴染みの「はぐれ者の寄せ集め」「お荷物の窓際部署」ですね。

そういう部署が主役だと、必ず上層部に彼らを目の敵にする嫌味なエリートがいるのもお約束で、八嶋智人、大和田伸也といったメンツがそのポジション。

あ、昨今のドラマには欠かせない若手イケメン・ポジション(ジャニーズ・ポジションとも言い換え可能)には、『ヤスコとケンジ』に続いて多部ちゃんと共演の、大倉忠義くん。相変わらずの無機質イケメン人形ぶりで、当ブログに欠かせない「乳首ポジション」は、早くも彼に決定ですねw

そんな濃いメンツに囲まれながら、視聴者目線で物語を引っ張る多部ちゃんは、『デカワンコ』で立場が逆転する迄の定番ポジション。ワンコ以前の多部ちゃん集大成とも言えるキャラクターが、この小向桃子かも知れません。

そういったお馴染みの設定が並びつつ、主人公=ファイヤ後藤(東山くん)と桃子の初対面が、移動中の飛行機内における急患の治療ってのも、これまた定番ですよねw

でも、捻りのない世界観の中でユニークなキャラクター達がぶつかり合う、つまり設定よりも、あくまで人間ドラマの面白さで楽しませる手法は、かなり私好みかも知れません。

その手法だと確かな演技力やセンスを持ったキャストが必要不可欠なワケですが、この作品のレギュラー陣なら申し分なしですよね、乳首以外はw

優秀なキャスト陣の中でイケメン乳首が一人で足を引っ張るのは、L君の消息が心配なw『ジウ』と同じ構図ですから、当レビューにおいてはイジリ甲斐のある、非常にやり易いパターンと言えましょうw

そして、私としては非常に気になる「笑いのセンス」ですが、これも今のところ上々かと思います。

爆笑するような場面はほとんど無いんだけど、失笑するような場面も無い。病院が舞台ゆえ、あまり悪フザケ出来ない事を考慮すれば、くすぐり程度の笑いが随所にある位でOKなんじゃないでしょうか?

あ、でも、多部ちゃんの日本人形的なお顔をネタに、しつこく笑いを取ろうとした所は、笑うに笑えなかったですよねw

「大丈夫? 眼が腫れてるよ」だの「奥二重桃子?」だの「殴られたの? 眼」だの…

別に私がタベリストだから許せないってワケじゃなくて、多部ちゃんの眼は笑いのネタに出来るほど腫れぼったくないですから、ちょっと無理があるんですよね。

多部ちゃんの顔を見てそんな事を言うのは有り得ない。100%有り得ない事では、人は笑えないですよ。ネタとしては滑ってると思います。

私のツボにフィットしたのは、ファイヤ後藤=東山くんのダンスですね。タイトルが『踊れドクター』だからって、本当に踊る医者が登場するとは予想外でしたw

かつて少年隊に憧れてwダンス・ユニットを組んで芸能界デビューしたものの泣かず飛ばずで、仕方なくアメリカで医師免許を取り、世界的なGMとして名を馳せるも少年隊が忘れられずw、再デビューする為に日本に帰って来た。

で、赴任先の実態に絶望した桃子が、そんなファイヤ後藤をアルバイトとして雇っちゃう。まぁ無茶苦茶な話ですが、とにかく事ある毎に、意味なく華麗なダンスを見せる東山くんは、面白いですw

「ついにファイヤした!」

「え?」

東山くんの意味不明なノリを受ける、多部ちゃんのリアクションも絶妙なんですよね! この「え?」の一言に、戸惑いと嘲笑が入り混じった普通人としての感情が、見事に凝縮されている!

これで多部ちゃんは「笑ってもらおうと意識して演じた事は一度もない」って言うんだから、やっぱり天才、あるいは幼少時から吉本新喜劇で英才教育したw、ご両親の努力?の賜物ですね。

100%有り得ない事じゃ笑えないって書きましたが、東山くんがいくら有り得ない事をやっても、それを受ける多部ちゃんの芝居がリアルだから、有り得そうに見えちゃう。だから笑えるんですよね。

狙ってる感じがしないのもポイント高いですよね。東山くんはただ格好良く踊ってるだけだし、多部ちゃんも一切笑いを狙ってない。狙ってる感じが少しでも伝わって来たら、このドラマは寒い空気に包まれた事でしょう。

そんなワケで、初回の感触は上々です。多部ちゃんの見せ場がもっとあればいいなぁとは思うけれど…

新鮮な驚きや涙の感動シーンは無いけど、そのぶん気楽に安心して楽しめるドラマかと思います。

PS. ところで診療の結果、来週の月曜日にまた別の病院で(!)レーザー手術を受ける事になりました。此処の病院は今ちょうど、その設備がリニューアル中で使えないんだそうです。

たらい回しですわ。その度に検査してお金取られて、とほほ…

丸一週間、この痛みに耐えられるかどうか、不安でたまりません。何も悪い事してないのに、なんでこんな目に遭わなきゃいけないのか… 何の為の試練なのでしょうか?

『GM踊れドクター』#02

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別れた妻(別居してるだけ?)に未練たらたらの椎名桔平さんが、こっそり彼女の写真にキスなどしてて、ふと視線を感じて横を向いた先にいたのが、上の画像の桃子です(笑)。

多部ちゃんで遊んでますねぇ、このドラマw 前回の奥二重ネタは滑ってると思ったけど、今回はやられましたw

これは多部ちゃんが直前に撮ってた『君に届け』の爽子→貞子のパロディーなんでしょうか? 多部ちゃんの不気味な佇まいが、なんか手慣れてるというかw 演出する側はラクでしょうねw

多部ちゃんでこんなに遊べるディレクターが羨ましいです。嬉々として遊ばれてる感じの東山くんと違って、多部ちゃんは「はぁ、そうですか」ってなもんでしょうけどw

多部ちゃんの眼力もさる事ながら、人の顔をかっちり半分隠すと不気味さが倍増する、映像マジックの面白さもありますね。まぁしかし、桃子のキャラクターからは隔離してますけどw

さて、第2話まで観て、このシリーズの基本的なフォーマットが分かったと同時に、なんで私が即座に馴染めたのか、その理由もよく分かりました。

これは明らかに、刑事ドラマのフォーマットを医療ものに持ち込んだ作品なんですよね。創り手は意識的にそうしてると私は思います。

はぐれ者を寄せ集めた窓際部署の医者(刑事)達が、患者(被害者)の証言を元に推理を働かせ、検証し、正式な病名(真犯人)を突き止め、実証(確保)するまでのドラマ。

治療がメインならそんな事は思わなかったけど、このドラマは推理と検証こそがメインだから、やってる事はまるで捜査活動なんですよね。

各レギュラー・キャストの配置、キャラクターづけも、通常の病院ドラマより刑事ドラマに近い気がします。だから私は特に馴染み易かったと。

人を助けたいっていう当初の志をすっかり忘れて、やっつけで淡々と治療をこなし、とにかく検査、検査で患者から金を搾り取る。患者は二の次、三の次で経営こそが命。

病院関係者の読者さんがおられたら申し訳ないけど、私は今回病院をたらい回しにされて、つくづくそう感じましたよ。なんて冷淡な連中かと。事務的かつ官僚的で、まるっきりお役所仕事にしか見えません。

それは警察にも言える事ですよね。本来は市民の安全を守る事こそが任務なのに、助けを求めたストーカー被害者を、慰安旅行に行ってる間に死なせちゃった事件も記憶に新しいです。

横柄で上から目線で、温かみのカケラも感じられないのが、ほんと病院も警察もよく似てます。俺たちゃ一体、誰を信じたらいいんだい? 誰に助けを求めたらいいんだい?

まぁ全部が全部そうじゃないのも分かってるけど、荒廃が進んでるのも間違いないでしょう。破滅です。

なんかまた唐突に毒を吐いてますがw、『GM』は初志や情熱を見失った医者達が、それを取り戻して行く話でもあり、そこがまた警察が舞台でも通用する点だよね、と言いたかったワケです。

その「初志」「情熱」を象徴するものが、なぜかダンスw そこがこのドラマの普通じゃないところ。

そして、その伝導師となる…のかどうか分からないけど、桃子を介して彼らに心を取り戻させる=波風を立てる男、ファイヤ後藤のキャラクターがまた、私には非常にとっつき易かったです。

あのキャラを一言で例えるなら、バカボンのパパですよね(笑) 楽天家で単細胞で動きが機敏w 医療においてのみ発揮される天才的な頭脳はまぁ、息子・ハジメちゃんも兼ねてる感じですが、パパだってバカとハサミは使いようで、植木を切らせりゃ天下一品でしたからw

私は創作活動において『太陽にほえろ!』のみならず『天才バカボン』からも、多大なる影響を受けてますから、その部分でもストライク・ゾーンど真ん中なんです。

『KILLERS』を御覧になられた方、ダンディー中尾はファイヤ後藤に似てると思いませんか?w 同じアメリカ帰りだし。まぁ東山くんみたいなハンサムじゃないですけどw

だから、仮に多部ちゃんが出てなくても、私はこの『GM』を好きになってたと思います。多部ちゃんが出てなきゃ観ること無かったですけど。

多部ちゃんと東山くん以外の役者さんも、みんな良いですね、乳首(大倉忠義)以外はw

椎名さんは意外に三枚目がハマってるんで見直しました。あのキャラもファイヤに負けず劣らず、バカですねw

ボインボイィ〜ン小池栄子さんは、以前から好きでした。女性として好みというワケじゃないけど、いると妙に安心させてくれる存在です。

生瀬勝久さんはまぁ、いつも通りな感じですが、八嶋智人さんがシリアスに撤してるのが良いですよね? この人のエキセントリックな芝居は好きじゃないんだけど、このドラマでは受けの芝居に撤してて、かなり好感度UPです。

例えば八嶋さんがドアを開けたらファイヤが踊ってる、みたいな場面でも、ドアを開けるタイミングとか勢いとか、再び閉めるまでの間とか、さすがコメディーを解ってる人やなぁとw

押すばかりじゃなくて、引いてもちゃんと笑いが取れる。そして共演者を引き立てる。この人が売れっ子である理由が解った気がします。

それに比べてまぁ、しょっぱいねぇ乳首はw 『ヤスコとケンジ』からちっとも進歩してない。能面みたいに動かない表情、魚の腐ったような眼…

役者がつまらないと、演じるキャラも自然とつまんなくなる。今のところ、彼が存在する意味が全く見えません。お飾りにしちゃ中途半端なルックスだし。

単にスポンサーを安心させる為の、いわばジャニーズ保険ですね。そこに置いときゃそれでOKっていう。たまたま彼のスケジュールが暇だったのが、選ばれた理由でしょう。

なんでそこまで言われなきゃならないかと聞かれれば、そりゃキミがイケメンだからとしか答えようがないw 運が悪かったのさ。

悔しければ、努力して頭皮の一つでも動かしてみたまえ。そうすればいつか、夢のヒッチクビコック監督にまで昇格出来るかも知れない。まぁ、1クールやそこらじゃ絶望的だがねw

そんなワケで『GM』にはハマりつつあります。ただし一昨日観た第2話の内容は、もうほとんど忘れてますけどw そういうドラマです。

梅ちゃんのスペック

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頻繁に襲い掛かる激痛に耐えながら、今日も働きました。これはまさに生き地獄ですね。頼みの綱である鎮痛剤も、あまり効かなくなって来てます。

その痛みがずっと続くなら、そりゃさすがに耐えられないけど、痛みに波があるので、引いてるスキに仕事して、痛み出したらうずくまり…の繰り返しで、なんとか1日しのぎました。

それでも途中、1時間ほど動けなくなってしまい、こりゃもしかして救急車を呼ぶ最悪の展開か?と冷や汗タラタラの場面もありました。

どう考えても仕事は休むべきなんですけどw、そうしちゃうと入院を避けてレーザー手術を選択した意味が無くなっちゃう。

レーザー以外にもう一つ、内視鏡を使った手術という選択肢もあり、そっちの方が手っ取り早いのですが、入院しなきゃならなくなるし、費用も倍かかるしで、リスキーなんです。

医者には「痛みが我慢出来ないなら内視鏡手術しか無いよ」って突き放すような言い方されて、こっちも意地になって「じゃあ我慢します」って言っちゃった手前、今さら変更はしたくない。

手術日まであと4日、こうなったら意地でも耐えてやる! でも、地獄だ…

☆『梅ちゃん先生』
新しい朝ドラ、始まりましたねー。昭和初期、終戦の日からスタートの、女医を目指して頑張る女の子=梅子(堀北真希)の物語。

正直なところ、『てっぱん』を挟んで4作も戦中・戦後の話が続くと「うーん、またか」って、思っちゃいますよね。

前作『カーネーション』は、そこんとこを巧みに「あえて外す」作劇を徹底してたゆえ新鮮に観られたのですが、今回はかなりの正攻法なんで、ちょっと分が悪いですねぇ。

でも、焼けの原になった東京・蒲田をリアルに再現したセット&CGは見応えあるし、私は堀北さん好きなんでw、観てて苦痛な事はありません。

しかし今の所、その2点ぐらいしか見所が…w まぁ、まだ始まったばかりです。

☆『SPEC〜翔〜』
劇場版新作に先駆けての2時間スペシャル。もうすっかりエスパー物ですねw 主人公が刑事である意味が無くなって来ました。

それはそれで面白いんだけど、だんだん興味が無くなって来ました。劇場版はまぁ、テレビ放映されれば観ると思いますが。

陰謀だとか黒幕だとか、話が設定遊びに終始しだすと、私は興醒めしちゃいます。最後、宅間孝行さんの顔の皮を剥いだら、下から椎名桔平さんが出て来ましたけど、それが何やっちゅーねんw

まるで『つばさ』→『GM』のレビュー交代を象徴するようで、私だけが楽しい場面でしたけどw あれも「なんじゃそりゃ」って突っ込ませる為のギャグ?

そう言えばTVシリーズのラストで時が止まったのは、戸田恵梨香ちゃんが「死んだ超能力者を呼び出せる」スペックの持ち主で、神木隆之介くんを呼び出して時を止めさせた事が、今回明かされました。

なんか、回りくどいなぁw 私はてっきり、戸田ちゃんは神木君の姉だから同じスペックを持ってたんだと思ってました。それで話が成立しちゃうから、今さら別の理由を示されても、何だかなぁ…w

戸田ちゃんと加瀬亮くんとの関係も、信頼を結んだと思ったらまた切れての繰り返しで、それは現実にはありがちな事だとしても、ドラマだとクドく感じちゃう。

堤幸彦さんのお遊びにつき合うのも、ちょっと飽きて来たなぁw

『ゴーヤーちゃんぷるー』

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宅配レンタル・システムを導入したお陰でw、ようやく観る事が叶いました。2005年公開ですから、多部ちゃん15〜16歳頃に撮影された映画です。

こうして一気に時を遡ると、多部ちゃんの顔も随分と変わって来たんやなぁと実感しますね。

10代半ばの多部ちゃんは中性的な顔立ちだし、どちらかと言えばキツネ顔に分類出来ると思うのですが、今はタヌキ顔に近いですよね?

もう中性的とは言わせない女性らしさが滲んで来ました。私はどっちの多部ちゃんにも萌えますがw まぁタベリストは皆さんそうでしょう。

そんな多部ちゃんの作品歴の中でも、本作はなぜかマイナーな扱いをされてますね。何を基準にそう述べるかと言えば、その辺のレンタル屋さんに置いてあるかどうか?ですね。

でも実際観たら、いい映画だったなぁ… 確かに地味ではあるけど、多部ちゃんが主演で、風吹ジュンさんや美木良介さん、下條アトムさん、北村和夫さんといった実力派が脇を固めて、沖縄ロケで…

そうそう、北村和夫さんは私が脚本を書いた『ストーンエイジ』にも、似たような頑固親父の役で出演されてるんです。

これで『ストーンエイジ』のキャストで多部ちゃんと共演した人が、佐藤藍子さん、柴田理恵さん、北村有起哉さんに次いで4人目ですよ。

『ストーンエイジ』も沖縄ロケだし、どちらもスピリチュアルな要素があるし、主人公が「ひきこもり」である点も共通してる。どうしても不思議な縁を感じちゃいます。

多部ちゃんがイジメられっ子の引きこもり… 『対岸の彼女』でもイジメの標的にされた多部ちゃんでしたが、あちらは内心は傷つきながらも我が道を行くキャラクターでした。そこがまた、多部ちゃんの持味にマッチしてましたね。

ところがこちらでは、新たな標的に選ばれたクラスメイトを殴れば許してやると言われて、殴り、そんな自分に絶望して引きこもっちゃう。

ちなみに『ストーンエイジ』の主人公は、全く同じシチュエーションで殴られる側の立場でした。どちらにしても人間の残酷さと自分の弱さに絶望し、引きこもりたくなる気持ちは痛いほどよく解ります。

『対岸の彼女』の超然としたキャラ=魚子役が鮮烈だっただけに、ここで多部ちゃんが殴っちゃうのは、かえって意表を突かれました。「鈴木ひろみ」って役名が示してるように、今回の多部ちゃんはごく普通の女の子。

私自身があんなシチュエーションに巻き込まれたら、断固拒否して孤立を選択する…のが理想ですけど、やっぱ殴っちゃうでしょうね、残念ながら。まぁ、それが普通なんだろうと思います。

物心つかない内に両親は離婚し、これまで育ててくれた父親が事故死して祖父母に面倒を見てもらってる。温かみのある家庭環境とは言えず、学校ではイジメられ…

普通の女の子とは言え、そんな境遇じゃ引きこもりにもなりますよね、そりゃ。まだ中学生で自立する事も出来ない立場だし。

そんなひろみの心のオアシスが、インターネットの掲示板で知り合ったメル友の青年。沖縄でサーフィンのインストラクターをやってて「遊びに来なよ」なんて言われて、ひろみは動揺し、行動を起こす。

で、沖縄・西表島に飛んだひろみは、すんなり青年と会えるわ割りとイケメンだわでw、うっかり女子向けの甘いラブストーリーかと誤解しちゃいそうなんだけど、さすがは多部ちゃんですw

「ほんとは、君に会いに来たんじゃないの」って、はっきり言っちゃう。じゃあ、ひろみは誰に会いに来たのか?

それが、風吹ジュンさん扮するお母さん。ひろみが2歳の時に出ていった彼女は、再婚する事もなく、西表島で福祉の仕事をしてたのでした。

狭い島だから難なく見つかるワケだけど、ひろみは自分が娘だと言い出せない。祖父母からさんざん悪口を聞かされて、自分の境遇は母のせいだと思って来たから。

でも、メル友の青年が良いこと言いましたね。イケメンのくせにw

「俺が信じるのは、自分の眼で見て感じた事と、尊敬出来る大人」

献身的に働き、島の子供達に愛を注ぎ、愛されてもいる母を自分の眼で見て、ひろみの気持ちが変わって行きます。

そして知り合った島民の人の静かな死を目の当たりにして、父の死を想い、いても立ってもいられなくなって、母の元へと走って行く。

実はお母さん、最初に出会った瞬間から、娘が会いに来た事に気づいてた。まだ赤ちゃんだったひろみしか知らなくても、匂いですぐに判ったと言う。

本当にそういう事があり得るかどうか分からないけど、私は涙が止まらなくなりました。ひろみが来てくれたお陰で、お母さんの心も救われた事でしょう。

ひろみは、一人じゃない。離れた場所にこうして母がいるし、島民のお婆ちゃんには、ひろみを見守るお父さんの霊も見える。

人間も自分も、捨てたもんじゃない。「別に死んだっていい。生きてるよりマシ」って言ってたひろみが、人の死にゆく様を間近で見た経験が、何より大きかったかも知れません。

何かを変えられるかも知れない。自分にも出来る何かが見つかるかも知れない。ひろみはきっと、そんな漠然とした自信を得て、東京に戻って行くのでした。

エンドロールには、ひろみがクラスメイト達と仲良く写ってる写真が見られ、彼女が状況を変えたであろう事が示されてます。

沖縄や島民のイメージと、都会のイジメっ子達や祖父母との対比が極端な気もするし、全体的に話がうまく運び過ぎかも知れないけど、キャスト陣の素晴らしい演技に救われてるし、創り手の温かいメッセージがよく伝わって来ました。

こういう作品は王道、正攻法で構わない…というか、そうであるべきだと私は思います。いやぁ良かったです。

それにしても多部ちゃん、今回も見事でした。ちゃんと引きこもりの女の子に見えましたもんね。

さすがに新人ならではの固さが伺えるし、その初々しさにまた萌えるとは言えw、あの若さでこんな抑えた芝居が出来ちゃうのはやっぱ、驚異的としか言いようありません。

若さ溢れる多部ちゃん走りもたっぷり見られて、代は満足ぢゃw

出来たぴょーん。

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昨日はオフ日で、再びネットカフェでカテゴリー分け作業。ようやく昨日までの全記事をカテゴリー分けする事が出来ました。

新たに加わったカテゴリーは『GM』と「アニメ」です。多部ちゃんのドラマについては放映の新しい順に並べ替えましたので、結果的に『つばさ』がトリになってます。

カテゴリー化されてない多部ちゃんの出演ドラマや映画、バラエティー等は「多部ちゃん」のカテゴリーにまとめて入ってます。

アニメに関しては、一時期「百合アニメ」にハマりまして、悪い仲間達がw色々と作品を送ってくれたんですよね。

百合以外のジャンルもありますが、まぁアニメに関する記事に対してはコメントが付かない事この上なかったですw みんなに引かれてるのをヒシヒシ感じながら書いてました。アニメもちゃんと観れば面白いですよ?w

カテゴリー分けだけで3時間以上かかっちゃったんで、記事をゆっくり読み返す余裕が無かったのですが、1年以上前…いや、半年前の記事でも、今読むと恥ずかしいですね。

やっぱり時が経つと微妙に考え方が変わってたりするし、文章の癖一つにしても、例えば過去の記事はやたら「(笑)」が多いのが目についたり、変にハイテンションだったりするのも恥ずかしいですね。

後はタレントや番組に対する評価も、当時と今とでは違ってたりするし… ノリピーの逃走劇にうろたえたり、芦田愛菜ちゃんに最初はメロメロだったりしたのはまぁ仕方ないとしても、大河ドラマ『江』の初回を絶賛してたり、実写版『ヤマト』や『ヤッターマン』に妙に感動してたりするのも、なかなか恥ずかしい。

亀山PやL君に激怒してたりするのは、微笑ましいですけどw 乳首へのこだわりだけは一貫してるのも、実に微笑ましい!

今後の記事に関しては、たぶん月一回のペースでカテゴリー分けする予定ですので、『GM』の#03以降も含めて、しばらくは全部「日記」カテゴリーに入ります。

さて、明日やっと手術です。昨日も今日も痛みが出たのは朝だけだったんで助かりました。どうかスンナリ行きますように!

ファイヤ!

『GM踊れドクター』#03

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今回も病院のロビーから、病院ドラマのレビューをお届けしますw これも不思議な縁ですねぇ、ちっとも有難くないですけど。意図してやってるワケじゃないんです。

前回、各レギュラー・キャストの印象を書かせて頂きましたが、一人だけ忘れてました。対人恐怖症の医者に扮した吉沢悠くん(画像右)です。

地味で目立たない存在ゆえに私もうっかり忘れちゃったワケですが、なんと第3話にして彼がメインのエピソードですよ。そして、これがまた良かった。

吉沢悠くん(くん呼ばわりするような年齢かどうか不明ですが)と言えば『山田太郎ものがたり』のインテリ教師役が印象的ですが、イケメン俳優の部類に入る人だと思ってたら、オタク役もハマってるんで驚きました。

まぁその芝居がリアルなのかどうかは置いといて、木梨憲武さんがコントでよくやってたみたいなオタクキャラが、板についてるんですよね。頑張って演じてますって感じがしないから、違和感なく観られます。

なにげにこの俳優さんは上手な人なんだなと、見直しました。どんな役やっても乳首にしか見えない乳首(大倉忠義)とは大違いw

刑事ドラマのフォーマットを持ち込んでる以上、各レギュラーが主役を持ち回るのは必然とは言え、3番目に彼の回が来るとは、しつこいようですが意外ですw

いや、最初の2回は桃子とファイヤを中心にチーム全体が主役でしたから、単独でクローズアップされたのは実質、彼が最初じゃないですか? オタクですよ?w

でも残念ながら、私が一番自己投影し易いキャラは誰かと言えば、やっぱ彼になるんですよね。自分はあそこまで極端なキャラじゃないにせよ、その心情はよーく解ります。だから今回、けっこうウルウル来ちゃいました。

患者もオタク青年なんです。31歳にして初めて出来た彼女とのキスがきっかけで発症し、その彼女がオタク狙いの詐欺師だったり… 不運だからネガティブなのか、あるいはその逆なのか、いずれにせよオタクは何かとツイてないワケです。

そんなオタク患者の気持ちが解ってあげられるのは、吉沢君しかいない。アニメ・キャラクターを通じて結ばれる、二人の友情…とまではいかなくとも、即座に解り合える感覚は、我々タベリストも同じ穴のムジナですw

ところで、そのアニメ・キャラクター。「月に代わって駄目出しよ!」ってw、明らかに『セーラー・ムーン』のパロディーですけど、やっぱ多部ちゃんがデビュー当時にセーラームーンのミュージカルに出演したからでしょうか?

今回も顔半分隠しのネタが登場してたし、多部ちゃんで遊ぶのが本当にお好きなんですなw 次は多部ちゃんがどうイジられるのか、毎回の楽しみになって来ました。

それと、聞いた事も無い病名が毎回登場するのも、本当に面白いです。いちいち名前が憶えられないのですが、今回は感染症の一種でした。

誰でも持ってるような菌だけど普通は発症しないのに、初めてのキスという彼にとって非日常的な出来事と、蚊アレルギーが重なった事で発症したというミステリー。

私も、幼少時のおたふく風邪の菌が体内に残ってて、それが大人になってからヤケドみたいな形で発症する「帯状胞疹(たいじょうほうしん。漢字は違うかも)」になった事があって、あれも腎臓結石の痛みで著しく体力が落ちたのがきっかけでした。病弱やなぁ…

ところで今回の乳首は、患者が蚊に刺されて異常な腫れ方をしてるのを発見しました。活躍と言えば、それだけw

看護師だけに、そういう第一発見者的な役割を毎回担ってる模様ですが、そこから先は全て、医者達の見せ場。ちょっと気の毒な気もするけど、それもこれもイケメンに生まれてしまった罰だから、我慢したまえ。

乳首の事はどーでもいいとして、まぁハッキリ言って今回は、オタクってそんな可愛い生きものと違うぞとw、ちょっとオタクを美化してる気がしなくもなかったけど、珍しくオタクの良い面にスポットを当てた内容に、拍手を贈りたいです。

映画『キサラギ』を思い出しましたね。小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雄、香川照之の5人がC級アイドル歌手の熱烈なファン=オタクに扮して、彼女の死の真相を推理するという話です。

オタクの気持ち悪さや滑稽さをコミカルに見せながら、その純粋さや、涙ぐましい程の一途さも描かれて、笑って笑って最後は泣けて、更にミステリーとしての面白さも堪能出来る、実に楽しい作品でした。イケメン小栗旬くんのオタクぶりも笑えますw

不満な点も無くはなかったですけど、マニア…特に一人の女性タレントをこよなく愛してる方…要するにタベリストにはw、是非ともオススメしたい作品です。

オタクをことさら陰湿に描いて悪役に使うドラマや映画が多い中で、良い面もしっかり描いた『GM』や『キサラギ』は、自分がオタクか否かは関係なく、実に真っ当な作品だと私は思います。

さて、手術の時間が迫って来ました。切らずにレーザーを当てるだけだから楽なイメージがありますが、実はメチャクチャ痛いんですよね、あれって。

担当医が冷淡な感じの人だし、まぁだからこそ腕は確かだと信じたいですが、緊張しないではいられません。がが、頑張ります。ファイヤ!

☆☆☆☆☆☆☆

終わりました。手術自体は痛くなかったです。技術の進歩でしょうか? ただし、予告されてた通り、1回でサッパリ解決とはいかないみたいです。

あの特大石が砕け散ったような感触は無かったそうで、2週間後に再手術となりました。この場合、手術費が追加される事は無く、検査費だけで済むとの事。

まぁ想定内です。じっくり取り組むしかありません。ただ願わくば、あの激痛がこれで少しでも和らいでくれますように… あれを2週間も耐え抜く自信がありません。

『GM』のレビューが終わる頃には全快!となって欲しいもんです、本当に。

ファイヤ!!

『マリア様がみてる』

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『聖白百合騎士団』の脚本執筆の際、参考として観たらメチャクチャ面白くてハマっちゃったアニメシリーズ『マリア様がみてる(通称=マリみて)』の、実写映画化版を観ました。

『マリみて』がきっかけで百合(女子どうしの恋が描かれる)アニメ作品をいくつか観まして、それぞれ面白かったのですが、決して『マリみて』を超える事は無かったんですよね。

『マリみて』は別格でした。アニメ作品としてのクオリティーでは、明らかに『マリみて』を凌駕してる『青い花』みたいな良作もあったけど、それでも『マリみて』で得られた感動には及ばなかったです。

なぜ『マリみて』は特別なのか? なぜ、あんなに深く感動出来るのか? 同じ百合を扱ってる他の作品群と、いったい何が違うのか?

その答えが今回、実写版を観てやっと解りましたよ! これは半年掛かりの『つばさ』レビューを終えた、今だからこそ出せた答えです。

それだけ言えば、『つばさ』レビューを最後まで読んで下さった方には、ピンと来るんじゃないかと思いますが…

原作は今野緒雪さんによるティーン向けの小説(いわゆるライトノベルズ)で、映画はその第1巻目(アニメだと最初の3話分)の内容がほぼ忠実に映像化されてます。

簡単に説明しますと、舞台は現代、高貴な家柄のお嬢様たちが集うカトリック系のミッションスクール=私立リリアン女学院。この学園では昔から、上級生が下級生と1対1の「スール(姉妹)」関係を結ぶというしきたりがあるんです。

それは厳しい校則で縛ること無く、生徒達が自主的にモラルを保てるように設けられた、つまりジェダイ騎士の師弟関係みたいなもんで、昔は実際にそんな風習のある女子校が存在したそうなんですね(今も?)。

でも、そこは思春期の女の子ですから、好きな相手、尊敬出来る相手、相性の良い相手を選べば、友情はもちろん、恋愛感情だって生まれちゃうワケです。

で、主人公の祐巳(ゆみ)は庶民派の下級生なんだけど、憧れのスター上級生・祥子(さちこ)からいきなりスール関係を結びたいと、まぁ言わば告白されちゃうんです。

まるで安物のケータイ小説みたいじゃないかとお思いでしょうがw、まぁ最後まで聞いて下さいm(__)m

スター・祥子様が一見凡人の祐巳にいきなり告白したのには理由がありまして、演劇部も兼ねる生徒会の役員である彼女は、学園祭の出しもの『シンデレラ』のヒロイン役に選ばれたんだけど、どうしてもやりたくなかった。

それで他の役員達と口論になり、自分のスールも見つけられないような人が生意気を言わないで、みたいな売り言葉に、買い言葉で「じゃあ今すぐ見つけて来ます!」と啖呵を切って飛び出した所で、祐巳とぶつかった。

ここで、祥子はビビッと来たんだと思います。祐巳に何かを感じて、即座に「この子をスールにします」と決めちゃう。

でも、祐巳からすれば、たまたま自分がそこにいたから選ばれただけ、としか思えない。憧れの人、本当に好きな人だからこそ、こんな形でスール関係を結びたくはない。

相手からロザリオを受け取った瞬間にスール関係が成立する習わしなんだけど、祐巳はそれを拒否しちゃう。

最終的にはもちろん、祐巳が祥子からロザリオを受け取るワケですが、そこに至るまでの葛藤や人間模様が、今回の実写版=アニメ3話分=小説第1巻で描かれてます。

私があらためて注目したのは、祥子がなぜ、祐巳と出会ってビビッと来たのか?についてです。一目惚れと言ってしまえばそれまでだけど、そんな単純なもんじゃないんです。

まず祥子がなぜ、シンデレラ役をやりたくなかったか? その理由は、相手役にありました。隣町の名門男子校のイケメンがゲスト出演で王子を演じるのですが、祥子は極度の男嫌いなんですね。

その「男嫌い」にこそ、祥子の抱える「心の闇」が隠されてる。彼女の父親も祖父も、余所で女を囲うような男であった事が原因らしいけど、どうもそれだけじゃ無さそうなんです。

祥子にも上級生のスールがいて、彼女もなんとか祥子の男嫌いを克服させたいと思い、あえてこんなキャスティングをしたワケだけど、うまくいかない。

ところが祐巳は、自然と祥子の心を開かせてしまうんです。祐巳自身は全く無自覚なんだけど、彼女の天然さ、謙虚さ、優しさが、プライドの高い祥子の分厚いバリアを、少しずつ溶かしちゃう。

実は相手役のイケメン、祥子の許婚だった事が判明するんだけど、なぜ彼女が頑なに彼を避けるのか、誰にも分からない。

でも祐巳と二人きりになった時、祥子は決して人前では見せなかった涙を流して、真相を打ち明けるんです。

祥子はそのイケメンが実は好きなんだけど、相手はそうじゃなかった。彼はゲイなんです。(←アニメではそこまで語られてなかったのですが、原作ではどうなんでしょう?)

なのに、彼は祥子との結婚を望んでる。要するに、彼女をカモフラージュの道具としか思ってない。それを知って、祥子は心に深い傷を負ったワケです。

好きな相手から、好きでもないのに求められる事の辛さ… それは祐巳の心情にもリンクしてます。でも実は祥子、本当に祐巳に惹かれてるんですよね。

象徴的な台詞が二つありました。一つは、真相を祐巳に告白した後で祥子が言った、

「聞いてくれて有難う。懺悔と一緒よ。誰にも言えなかったから辛かったの」

もう一つは、祥子が祐巳と出会う前にスール関係を申し出て、それを断っちゃった女の子・志摩子が、その理由を祐巳に問われて言った台詞…

「私達は、相手に求めるものが違うの。だから、与えられるものも違うわ」

…それぞれが相手に求めるものって、何なのか? 祥子が求めてたものって?

それが、懺悔=救済だったんじゃないでしょうか? そうです。『マリみて』もまた、『つばさ』と同じ「魂の救済ドラマ」なんですよ! 教会でやる懺悔って、要するにカウンセリングみたいなもんですよね?

トラウマを抱える祥子は「救われたい人」であるにも関わらず、常に優等生であるように躾けられ、実際に学園のスターになったばかりに、誰にも救いを求める事が出来なかった。

志摩子も優等生で、どちらかと言えば救われたい人であり、救われたい者どうしが絆を結んでもうまくいかない事を、本能的に察知したんじゃないかと思います。

だけど、祐巳は… ドジだけど純真で無垢な天使、マリア様の使いみたいな慈悲深い女の子です。

出会った瞬間に、もちろん無意識でしょうけど、祥子は天使=祐巳に救いを求めたんじゃないでしょうか?

そして祐巳は、救いたい人なんです。これが、相手に求めるものが一致するって事だと思います。相性っていうのは、そういうものなんでしょう、きっと。

祥子は祐巳にトラウマを吐露=懺悔する事で迷いを吹っ切り、見事にシンデレラの舞台を演じて、呪縛から解き放たれます。そして純粋な気持ちの証としてロザリオを差出し、祐巳はそれを受け取るのでした。

『マリみて』は宗教的な世界を背景にしたラブストーリーだと今まで思ってたけど、実際はその逆で、ラブストーリーの形を借りた救済のドラマだったんですよね、少なくとも小説の第1巻目は。

『つばさ』にも又、千手観音が象徴的に登場しました。多部ちゃんの画像を見て、サントラさんが「観音様みたいに見える」ってコメントしてくれた事がありましたけど、もしかしたら多部ちゃんがつばさ役に選ばれた一番の理由は、それだったりするのかも!?

私が『マリみて』実写版を観始めてまず思ったのは、祥子役の女優さんが地味やなぁと。祐巳役の子(画像)の方が明らかに華があるのは、ちょっと問題やなぁって事だったのですが…

でも観終わったら、それで正解だと思えました。トラウマを抱えて救いを求めてる女の子がキラキラ輝いてたら、本質的なテーマが伝わらないですから。

実際、実写版の祥子は祐巳と出会ってから、後半になるにつれ輝いて見えるよう変化して行きました。これは祐巳じゃなくて祥子の成長物語なんですよね。

ライトノベルズって、連載漫画と同じで人気が出たらどんどん延長されちゃうもんだから、『マリみて』も第2巻以降は普通のラブストーリーになって行きます。

アニメ版はそれを踏まえてか、救済ドラマとしての描写は控えめになってた印象です。実写版は逆に、救済ドラマとしての根幹にこそ、的を絞って創られた感じがします。だから本質に気づけたんですよね(全く見当外れかも知れないけど)。

アニメ版の最終章(第4シーズン)では、祐巳が下級生のスールを選ぶ立場になるんですが、相手はやっぱり心に傷を負って、簡単には心を開かない(そして本当は救いを求めてる)女の子なんですよね。

原作でもそれが一応の最終章(でもたぶん終わらせてもらえない)ですから、今野さんは普通のラブコメになっちゃった『マリみて』を原点の救済ドラマに戻して、有終の美を飾りたかったんじゃないでしょうか?

凡百の百合アニメがどうしても『マリみて』の感動を超えられないのは、その本質が「魂の救済」にある事を見落としてるせい、かも知れません。

だからきっと『マリみて』なら、『つばさ』フリークスの皆さんにも楽しんでもらえそうな気がします。その本質的な魅力を知って頂くには、やっぱ原作小説の第1巻がオススメかと(私は読んでないんですがw)。

実写版ですが、前述の通り物語の本質を外すこと無く、アニメ版よりも伝わり易く創られてますので、充分に見応えがありました。

各キャストがイメージに合ってるかどうかは微妙ですが、生身の人間が小説やアニメキャラのイメージと合致するなんて有り得ないですから、そこを突っ込むのはナンセンスだと思います。

知る人ぞ知る存在の『マリア様がみてる』ですが、もっと広く認知されて然るべき作品だと、私は思います。

『朝ドラ殺人事件』

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変なドラマでしたねぇw 変なのは嫌いじゃないですよ。

まず「マルチチャンネル・ドラマ」という試み。リモコンの赤いボタンやら青いボタンを押すと、本編と同時進行で「ヒロインの妄想」とか「本音」等の、違った映像が観られる…らしいのですが、私は録画で観てるから意味がないw

これ、裏のチャンネルも同時に録画しとけば観られたりするのかなぁ? 別にそこまでして観たいとは思わんけどw

お話の骨格は、秋元才加ちゃん扮するNHK朝ドラ制作部アシスタント・プロデューサーの、実にありがちな成長物語なんだけど、なぜか六角精児さん扮する日本兵の幽霊が絡んで来て、何ともシュールなギャグが連発されちゃう。別に殺人事件、起こらないしw

そのあまりのバカバカしさにw、途中で視聴をやめちゃった人も多いんじゃないかと思われますが、私は好きですw

深夜枠、30分の前後編で合わせて1時間。寝る前に『サラリーマンNEO』でも軽く観る気分でなら、充分に楽しめるドラマだと思います。が…

この作品は、肝心な部分がスッポリ抜け落ちてるんですよねぇ…

『朝ドラ殺人事件』ってタイトルなら、朝ドラならではの舞台裏を見せてくれるもんだって、思いますよねぇ?

「朝ドラだからこういう場面を入れなきゃ駄目なんだ」とか「朝ドラだからこういう台詞はご法度なんだ」とか、そういう舞台裏を期待してたのに…

別に民放のゴールデンタイムのドラマって設定でも、普通に成立する話なんですよねぇ。ただ舞台がNHKってだけで。

朝ドラならではの特色と言えば、相変わらず昭和初期の家庭が描かれてた位のもんでw、でも別にそれを皮肉ってるワケでも無さそうだし…

せっかく朝ドラを題材に使うなら、もっと自虐的に朝ドラをおちょくったパロディーにすれば面白いのに、やっぱそれは局の体質上、無理なんでしょうか?

『朝ドラ殺人事件』っていうタイトルでなければ、普通に「あぁバカバカしかったw」で済んでたのに、ちょっと肩透かし感が残っちゃいました。

才加ちゃんはきっちり主役をこなしてたと私は思います。でも『聖白百合騎士団』における彼女の方が、ずっと魅力的でしたね。

『鈴木先生』#01

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昨年に放映されてたテレ東系の連ドラですが、CSの日本映画専門chでやってました。なんと、映画化が進行中だそうで!

yamarineさんがブログで推してられたのと、実写版『マリみて』の主演・未来穂香ちゃんが生徒役で出てるとの事で、まぁどんなもんかと軽い気持ちで初回を観てみたら…

驚きました。すんごい面白いですね、これ! クオリティー高いです。昨年は『デカワンコ』『それ生き』『ベム』『ミタ』に加えて『鈴木先生』と、連ドラの当たり年じゃないですか? それに比べて今年は…

まず、限りなくフィルム撮りに近い画面の質感。創り手のこだわりが感じられます。最初から映画化は意識されてたのでは?

そして、この後『家政婦のミタ』で大ブレイクする長谷川博己さんの芝居と、鈴木先生のキャラクター。こんな教師像は、今まで観た事ありません。

シリアスともコメディーとも分類出来ない、緩急自在な演出。どちらかと言えば緩いのがまた良いw 鈴木先生の心象風景が、つぶさにモノローグとテロップで解説されるのも楽しいです。

後は生徒役の子達の芝居。本放映時に敬遠したのは、中学生のガキの芝居なんか見たくもねぇってのが最大の理由だったんだけど、昔とは違いますね。みんな上手でビックリしました。

そして何と言っても、綺麗事を一切排した、人間の本質に迫る脚本です。要するに、リアル。

第1話は新学期のクラス分けを決める職員会議から始まるんだけど、まず生徒達の顔写真付きプロフィール・カードを成績順にまとめて、「この子とこの子は離した方がいいな」とか言って、かなり主観的な意見に基づいて振り分けられる。

現実にそんなやり方で決めるもんなのかどうか知らないけど、今思えばこういう感じでバランスを取ってたんだろなぁと納得させられました。

で、鈴木先生は飛び切りの美少女を選んで、自分のクラスに入れちゃう。それを同僚教師のぐっさんに冷やかされるんだけど、実は鈴木先生には別の思惑があるんですよね。

彼は完璧な「理想のクラス」を作ってみたいという、野望を密かに抱いてて、様々な実験を試みてるんです。

その美少女は決して周りの空気に流されない、まるで多部ちゃんみたいな独立心と思慮深さの持ち主で、それが後の場面で見事に活かされて、間違った方向に流れかけたクラスを救っちゃう。

かように鈴木先生は実に理論的に先の事を考えて、まるで将棋の駒みたいに生徒達を見てるきらいがあるんですよね。

そこがこのドラマの面白さで、「真心で生徒にぶつかれば、きっと心を開いてくれる」といった従来の学園ドラマの理念とは、大きく違ってます。ちっとも熱血じゃないw

実際、真心でぶつかれば何とかなるような、学校はそんな甘い世界じゃ今や無くなってるでしょうから、これはリアルだと思うし、教育現場におられる方には参考になるんじゃないでしょうか?

だから鈴木先生は、決して趣味で美少女を選んだワケじゃない…と見せかけて、その子が服を脱いで迫って来る夢を見て、なんと夢精しちゃうというラストシーンで、私はハートを鷲掴みにされましたw

自分のムスコに向かって「バカか、お前は!?」ってw しつこく冷やかして来るぐっさんに「そうとう溜まってますねぇ」とか言ってたクセにw 最高です!

夢精する教師、夢精する主人公。そういやぐっさんも「教師ほどイビツに(性が)抑圧される職業は無い」なんて言ってましたね。だから教師の性犯罪が後を絶たないんだって。

まぁ、夢精はともかくとして、クラスでは初回から大事件が二つ起こっちゃう。

一つ目は、クラスで面倒を見てたウサギがナイフで殺され、一人の生徒に疑惑が集中する事件。ここで例の美少女の存在が効いて来るんです。

そしてもう一つが、クラスメイトの妹=小学四年生の女子とセックスしちゃった男子(中2)の問題。

レイプなのか同意の上なのか? 同意の上だとしても中2と小4のセックスが許されるのか? 裁くにしても、どう裁けばいいのか? 鈴木先生は大いに悩みます。そして理論的に考える。

その男子生徒と来たら、小学生の時に初体験は済ませており、それから何人もの女子とセックスするも心が満たされず、相手が処女じゃないと興醒めするし、その小4の子で初めて愛を感じた、みたいな事を言うw

あのなぁ!w 私なんか、私なんか、まず「初めて」に行き着くまでに、いったい何年かかったと思っとる!? 処女じゃないと興奮しないって、お前… あほたれっ!w

でも、その男子生徒は真剣なんですよね。相手の女子もそうだけど、早くから変に老成しちゃってるような子供は、少なからず実在するんだろうと思います。

さて、この問題を、鈴木先生はどう解決したか? 老成してて、自分でも中身は大人だと自覚し、理屈で大人を言い負かす理知的な男子生徒を、裁く事が出来るのか? そもそも、彼のやった事は悪なのか?

鈴木先生は悩んだ末に、二人の関係がどうしてバレて、大きな問題になったのか?に着目しました。発端は、相手の女子が母親に詰問されて「ムリヤリ乱暴された」と嘘をついた事にありました。

つまり、身体は周りの子より大人でも、中身はやっぱり小学四年生。まだまだ自我は確立出来てない。そんな子供の貞操を奪う事は、合意の上と言えども卑怯な行為だし、相手を傷つける結果を、実際に招いてる。

理知的な生徒だからこそ、その罪深さを理解出来るだろうと鈴木先生は判断し、見事に的中。ジゴロ男子は大いに反省するに至るのでした。

こんな感じで、生徒との接し方が「熱血」とは程遠く、理論的な「駆け引き」なんですよね。だからって、心が無いワケじゃない。同じ男として共感もしつつ、相手の女子の気持ちもよく考えた上での戦略。

今回はうまくハマったけど、計算を間違う事も今後はあるでしょう。人の心はそう簡単に理論で割り切れない事も、このドラマならしっかり描いてくれそうです。

さらにもう一つ、鈴木先生の恋愛というサイドストーリーもあるのですが、お相手(臼田あさ美)は30歳目前にして処女。だから先生はあの男子に共感したのか?w 肉体関係を迫らないと約束した上での交際で、ここにもまた色んな波乱がありそうです。

それにしても、『家政婦のミタ』における駄目パパ役もしかりですが、漫画チックに感じかねないキャラクター(実際、原作は漫画)を、実在感と親しみ易さで見事に人間味を注入する、長谷川博己さんが素晴らしいですね!

多部ちゃんと同じ事務所の俳優さんとの事で、共通した資質を感じちゃいます。『ミタ』もこの人がパパ役でなかったら、もっと絵空事に見えたかも知れませんね。とにかく夢精が素晴らしいw

ぐっさん(山口智充)も良かったなぁ。冴えない平凡なオッサンを演じたらホントに冴えない平凡なオッサンにしか見えないしw 富田靖子さん、田畑智子さんと、同僚教師も充実してます。

教師達が、従来の学園物みたいに記号的なキャラクター分けをされてないのが又、いいですよね。みんな普通に実在しそうな先生ばかりです。

これは本当に面白くなりそう。未見の方には是非とも『鈴木先生』のタイトルを憶えて頂いて、再放送やレンタルで見かけたら、チェックして頂きたいです。

こりゃ、映画版も楽しみですねw

『たぶらかし〜代行女優マキ〜』

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これは現在放映中の新作ドラマです。若手演技派女優の谷村美月ちゃんが、代行女優業という、変装だけでなく心も他人になりきって潜入捜査をする、まぁ探偵みたいな役どころで連ドラ初主演。

手を変え品を変え、色んなバリエーションで探偵物は永遠に創り続けられるんでしょうけど、本作は深夜ドラマという事で、美月ちゃんが思い切ったお色気に挑戦してるのが見どころです。

とにかくオッパイの谷間を見せる。とりあえずオッパイを揺らす。揉ませる。なぜか乳首は見せません。

なんしか大きいんですね、美月ちゃんのオッパイは。お顔はあんまり好みじゃないけど、とてもシリアスな作品が多い女優さんで優等生なイメージがありますから、オッパイに意外性という名の有難みがあるんです。

最近は映画で仮面をつけたアクション・ヒロインを演じたり、『SPEC』では冷血な悪役と、意図的にこれまでのイメージから脱却を謀ってるみたいですね。

もちろんオッパイを見せるというのは実に素晴らしい行為なのですが、どうだボヨヨ〜ン!って、あんまり堂々と見せられるよりは、もうちょいチラリズムだとか、ジラすような演出も検討して頂けないでしょうか?

とは言え、藤原紀香より田畑智子の裸体に価値を感じた私ですから、谷村美月とオッパイの組み合わせってのは、なかなか楽しくてグッドだと思いますよ。

でも、意外とスポーティーというか、いやらしくないんですよね。いやらしい方がいいなぁw 大きいオッパイって、意外といやらしくないんですよね。まぁ個人的な感覚ですけどw

叶姉妹なんて、バケモノにしか見えませんw 迷惑です。思い返せば、巨乳のタレントさんに萌えた事は無いなぁ…

もちろん目の前に谷間があれば、ガン見しますけどw でも私は谷間より、横から見えるのが好きなんです。美月ちゃん、是非とも横乳をお願いしますm(__)m

こういう書き方をしてると、まるで美月ちゃんのオッパイしか見どころが無いみたいですけど、誰にオススメすべきか考えると、やっぱ優等生のオッパイが見たい人かなぁとw

だって、それを除けばちょっと変わった設定の探偵物でしかないですから… 美月ちゃんの演技力を、あらためて確認出来る作品ではあると思いますが。

後は、脇を固めるのが段田安則さん(ボス役)と山本耕史さん(代行男優役)という、多部ちゃんの夏ドラマ『浪速少年探偵団』にもご出演のお二人ですから、タベリスト的には要チェックかな?

しかしオッパイオッパイって、そんなにオッパイが見たいですか皆さん? 乳首あってのオッパイである事を、くれぐれも忘れないで頂きたいもんです。

木曜夜11:58〜、日テレ系です。

『都市伝説の女』

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長澤まさみちゃんが、都市伝説オタクの刑事に扮する捜査物。

『デカワンコ』のヒット以来、なんだか刑事の敷居が低くなってませんか?w 望めばどんなバカでも刑事になれちゃうw

谷村美月ちゃんのオッパイに対抗して?本作ではまさみちゃんの美脚がやたら強調されてます。でも乳首は見せません。

それには設定上の理由があって、美脚で気を引く事で、男社会である警察を器用に渡りつつ、男相手の聞き込みや尋問にも役立てる。

要するに女である事の利点を最大限に利用する、したたかなオタク女。安藤サクラさんあたりが演じたら、完全に悪役ですよねw

まぁセカチューの頃の透明感と瑞々しさは見る影も無いにせよ、それでも可愛いから許せます。その辺りは計算づくでしょう。

でもねぇ… ドラマとしては、一言で言えば、底が浅い。底の底まで考え抜かれた『つばさ』みたいなドラマを研究した後だけに、余計そう感じちゃう。

刑事物に流行りの都市伝説を絡めて、長澤まさみの美脚も売りにする。そこまでは良いと思うんだけど、そこで思考がストップしちゃってるように見えました。

要するにパッケージは一風変わってるけど、中身は従来の商品とちっとも変わってない。最近の捜査ドラマは、みんなそうですよね!

そこから更に突き詰めて、従来の刑事物の概念を覆してやろう!っていう、気概が全く感じられません。『デカワンコ』には気概を感じましたよ。

都市伝説にしたって、単なるネタにしかなってない。「ふーん、そんな都市伝説があるのか」っていうトリビアにはなるけど、別にそれほど興味無いし…

どうせなら徹底的に都市伝説にこだわって、刑事物の枠を超えた伝奇ロマンにまで昇華させて欲しかったです。祟りだ何だと無理くり思わせぶっといて、結局フツーの殺人事件にまとめちゃってる。

まさみちゃんの美脚にしたって、その程度で私が満足するとでも思ってるんでしょうか? 横乳ぐらいは見せてくれないと、合格点は出せません。甘ったれんなっ!

それと、基本的に会話劇の『相棒』が変に大ヒットしちゃったお陰で、刑事ドラマから躍動感がすっかり無くなっちゃいましたよね。

『相棒』とか『古畑任三郎』みたいなのは、前提として水谷豊や田村正和ありきの特殊な例であって、刑事ドラマの魅力はやっぱ躍動感なんです。走れ! 殴れ! 撃て! 壊せ!ですよホントに。

主人公が若者なら尚更です。長澤まさみが謎解きする姿を観て、何が面白い? ワンコの多部ちゃんがどれほどよく走り、よく転んでたか? あれこそが刑事物の醍醐味であり原点ですよ!

ヒロインの設定だけで思考停止しちゃってるもんだから、竹中直人、伊武雅刀、宅間孝行といった実力派たちが、まさみちゃんの引き立て役にしかなってなくて、実につまんなさそうに芝居されてるのが痛々しい程です。溝端淳平は相変わらずの乳首っぷりだしw

捜査物、謎解きミステリーって、どんなにヘボでもスカスカでも、一定の体裁は保てちゃう。そこに甘んじて、外装だけ塗り替えたような手抜き工事が多過ぎませんか、最近?

それでも、第一線のスターが身体を張って本気を見せれば、感動は生まれます。まさみちゃん、カモシカみたいな美脚を活かすなら、まず走りなさい。そして脱ぐのです。横乳を希望します。

やたら刑事物や探偵物の数だけ増えて、中身は薄味になる一方じゃ困りますよホントに。

本気と横乳を見せてくれ!
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