販売もレンタルもされてませんので、個人的にやり取りしないと観られない作品である事を、ご了承下さいませm(__)m
タイトルの綴りが「i」だけ小文字なのは、ロゴをデザインしてくれた人の感性です。なんとなくオシャレかな?とw 決して誤植ではありませんw
これは2006年、私が最後に監督した自主製作映画です。と言ってもスタッフ・キャストの大部分はプロの人で、撮影スケジュールもTVドラマ並みにタイトな、限りなく商業作品に近い体制で創られた自主映画です。
自主製作というのはつまり、製作費を頂いて創るのではなく、自分達で負担するという事ですね。それがお金儲けに繋がる場合も稀にありますが、大抵は持ち出しっ放しの赤字です。
せっかくプロになったのに、わざわざ自主製作で映画を撮るメリットがあるのか?と思われそうですが、そこはやっぱり「表現すること」に意味があるって事ですね。根本的にはブログと同じです。
自主製作の最大のメリットは、誰の指図も受けず、何ら制約も無く、100%自分が創りたいように創れる事です。だからプロになっても、自由な作品創りを求めて、あえて自主製作をする人は少なくありません。
あの『スター・ウォーズ』シリーズだって、ジョージ・ルーカスが最初の作品で得た収入を元に創った、壮大なる自主映画なんですよ。だから良くも悪くも、ルーカスのやりたい放題にやった作品。
ただし『VOiCE』の言い出しっぺは私じゃなくて、『ストーンエイジ』の監督・白鳥哲さんでした。
白鳥さんは本来、文学座に所属する俳優さんであり、声優さんでもある人です。監督業で心身共に消耗し、疲れて、自分の原点=役者に立ち返ってリフレッシュしたい、ってな思いがおありだったのでしょう。
そこで、主演・白鳥さん、監督・かわたで撮る前提のプロットを、私に差し出されたのでした。
記憶がおぼろげなんですが、自殺をしに山へ来たヒロインが、そこに住み着いてる不思議な青年と出会い、彼に導かれて、大きな杉の木に耳を当てる。かすかに聞こえる息吹の音に感動し、生きる気力を取り戻していく…というようなストーリーでした。
かなり前にNHKで放映されたドラマを元にしたとの事でしたが、私には意味がよく解りませんでした。
木の音を聴いたからって、死ぬ気だった人が生きる気力を取り戻すだろうか? その青年が何者なのかもよく分からないし、私の作品の主人公としては、格好良過ぎるのが気に食わないw
このお話のままじゃ撮れない、書き直しさせて欲しい、とワガママを言う私w だって、映画を創る作業は、とても骨が折れるんです。お金もかかるし、時間もかかる。その作品を心底から愛せなければ、とても勤まるもんじゃないんです。私はそれを、よく知っているw
スピリチュアルは別に嫌いじゃないけど、やっぱ理屈の裏付けが欲しい。木の音を聴いて、なぜヒロインは立ち直るのか?
当時、私はセラピストの人とたいへん親しくしていました。私自身も実験台としてw、ヒプノセラピー(催眠療法)ってやつを受けてみた事があるんです。
その中で私は、カブトムシの幼虫の映像が頭に浮かび、なぜか涙が止まらなくなりました。なぜ、カブトムシで私は泣いたのか?
やがて、それは私が小学生の時に、親戚の兄ちゃんからお土産に貰ったカブトムシ(成虫)の記憶に繋がってる事が判り、さらに涙が止まらなくなったんです。
私は両親からそういう事をしてもらった記憶が無く、「愛されてる」という実感を味わった事があまり無い為に、そのカブトムシに込められた親戚の兄ちゃんの愛情が、潜在意識に深く刻まれてたワケです。
ただし、催眠状態の中で私が見たのは幼虫であり、それがお土産のカブトムシに繋がったのは、ある意味こじつけかも知れません。でも、それで私が癒された事実に変わりはありません。
そんなセラピーの過程が、ちょっとした謎解きミステリーみたいで、すごく映画的で面白いなと私は思ってました。これはネタに使えるなと。
で、私にとってのカブトムシを、ヒロインにとっての杉の木にアレンジしたワケです。ヒロインの見た夢に小学生の時の同級生が現れ、その同級生と再会し、記憶を辿っていく内に、二人は杉の木に辿り着く。
ヒロインは両親と不仲で、仕事や恋愛もうまく行かない現状の中で、自己嫌悪に陥ってました。それが、その杉の木と出会う事で、潜在意識に刻まれてた「両親の愛を感じた瞬間」の遠い記憶を取り戻す。そして自分自身の存在価値を見いだし、癒されると。
こうなると、話は完全にヒロインの「心の旅」になりますから、白鳥さんが演じる予定の二枚目青年が、すっかり脇役になっちゃいます。
しかも私は、その青年を「昆虫マニア」という、ちっとも格好良くないキャラクターに変更しちゃったw ラブストーリーの匂いを消したかったし、そんな山に住み着いてるような男は、まぁよほどの変人に違いなかろうwと思ったからです。
それと、以前『探偵ナイトスクープ』で紹介された、昆虫博士と呼ばれる男子中学生が、とても印象に残ってた影響もあります。
ただのマニアと思いきや、その子は環境問題を真剣に憂いてて、虫を通して地球を見てる。そのギャップが面白いし、感動させられたんです。
ちょうど、私がこの映画にヒプノセラピーの要素を取り入れるきっかけになった「カブトムシ」とも、見事にリンクするキャラクターです。
趣味である昆虫についての記事執筆で生計を立て、俗世間を避けて独り、仙人みたいな暮らしをしてる青年は、私にとって実現不可能な理想像です。
一方、女優としてデビューしたもののパッとせず、中途半端な自分に嫌気が差してるヒロインは、当時の私の「現実」ですね。いつもながら、自作の登場人物は皆、私自身の投影です。
この二人に、今風の若いカップルが絡んで話は進んで行くんですけど、私がなぜ、そのカップルを登場させる気になったのか、きっかけが思い出せませんw 暗くなりがちな話に、ユーモアを入れたかっただけかも知れませんね。ひたすら暗いばかりの話は苦手なんです。
ヒロインを演じてくれたのは、文学座の当時は研究生だった、高安智実さん(画像)。白鳥さんの紹介で、面談だけで決めちゃいましたが、素晴らしかったと思います。
yamarineさんがブログに書いて下さった通り、尾野真千子さんに似てますねw サッパリ男前なご性格で、監督にとって非常にやり易い女優さんでした。
白鳥さんは、主役の筈が相手役になって、しかも博士役でw、制作進行的な役割までこなして頂いて、なんだか申し訳なかったです。でも、この役は白鳥さんにすごく合ってると私は思ってます。
このブログの読者さんの中に、本作を手伝ってくれた方も何人かおられると思います。あらためて、有難うございましたm(__)m なかなか…いや、かなりハードな撮影でしたねw
この作品、私がセラピーの世界と近く接してた時期に創ったもので、今の気分とは少なからずズレがあったりします。が、観るたびに「いやいや、なかなか良い映画やん」と思ったりもしますw
でも、一般に公開するのは難しい作品ですね。「売りは何だ?」と問われると、返答に困ります。売る為に創った作品じゃないですから。
ヒプノセラピーを宣伝するような意図もまったく無いです。面白いと思ったから題材に使わせてもらっただけの話で。
ただ、常に自分自身の為に映画を創って来た私が、初めて他の誰かの為に…白鳥さんの依頼で取り組み、行き詰まってる全ての人を癒せればいいなと思って…創った作品なので、もっと沢山の人に観てもらえる機会があればいいなぁ…とは思ってます。
でも、癒しの映画なんて、マルコチクビッティーな私にはやっぱ、似合わないですねw
タイトルの綴りが「i」だけ小文字なのは、ロゴをデザインしてくれた人の感性です。なんとなくオシャレかな?とw 決して誤植ではありませんw
これは2006年、私が最後に監督した自主製作映画です。と言ってもスタッフ・キャストの大部分はプロの人で、撮影スケジュールもTVドラマ並みにタイトな、限りなく商業作品に近い体制で創られた自主映画です。
自主製作というのはつまり、製作費を頂いて創るのではなく、自分達で負担するという事ですね。それがお金儲けに繋がる場合も稀にありますが、大抵は持ち出しっ放しの赤字です。
せっかくプロになったのに、わざわざ自主製作で映画を撮るメリットがあるのか?と思われそうですが、そこはやっぱり「表現すること」に意味があるって事ですね。根本的にはブログと同じです。
自主製作の最大のメリットは、誰の指図も受けず、何ら制約も無く、100%自分が創りたいように創れる事です。だからプロになっても、自由な作品創りを求めて、あえて自主製作をする人は少なくありません。
あの『スター・ウォーズ』シリーズだって、ジョージ・ルーカスが最初の作品で得た収入を元に創った、壮大なる自主映画なんですよ。だから良くも悪くも、ルーカスのやりたい放題にやった作品。
ただし『VOiCE』の言い出しっぺは私じゃなくて、『ストーンエイジ』の監督・白鳥哲さんでした。
白鳥さんは本来、文学座に所属する俳優さんであり、声優さんでもある人です。監督業で心身共に消耗し、疲れて、自分の原点=役者に立ち返ってリフレッシュしたい、ってな思いがおありだったのでしょう。
そこで、主演・白鳥さん、監督・かわたで撮る前提のプロットを、私に差し出されたのでした。
記憶がおぼろげなんですが、自殺をしに山へ来たヒロインが、そこに住み着いてる不思議な青年と出会い、彼に導かれて、大きな杉の木に耳を当てる。かすかに聞こえる息吹の音に感動し、生きる気力を取り戻していく…というようなストーリーでした。
かなり前にNHKで放映されたドラマを元にしたとの事でしたが、私には意味がよく解りませんでした。
木の音を聴いたからって、死ぬ気だった人が生きる気力を取り戻すだろうか? その青年が何者なのかもよく分からないし、私の作品の主人公としては、格好良過ぎるのが気に食わないw
このお話のままじゃ撮れない、書き直しさせて欲しい、とワガママを言う私w だって、映画を創る作業は、とても骨が折れるんです。お金もかかるし、時間もかかる。その作品を心底から愛せなければ、とても勤まるもんじゃないんです。私はそれを、よく知っているw
スピリチュアルは別に嫌いじゃないけど、やっぱ理屈の裏付けが欲しい。木の音を聴いて、なぜヒロインは立ち直るのか?
当時、私はセラピストの人とたいへん親しくしていました。私自身も実験台としてw、ヒプノセラピー(催眠療法)ってやつを受けてみた事があるんです。
その中で私は、カブトムシの幼虫の映像が頭に浮かび、なぜか涙が止まらなくなりました。なぜ、カブトムシで私は泣いたのか?
やがて、それは私が小学生の時に、親戚の兄ちゃんからお土産に貰ったカブトムシ(成虫)の記憶に繋がってる事が判り、さらに涙が止まらなくなったんです。
私は両親からそういう事をしてもらった記憶が無く、「愛されてる」という実感を味わった事があまり無い為に、そのカブトムシに込められた親戚の兄ちゃんの愛情が、潜在意識に深く刻まれてたワケです。
ただし、催眠状態の中で私が見たのは幼虫であり、それがお土産のカブトムシに繋がったのは、ある意味こじつけかも知れません。でも、それで私が癒された事実に変わりはありません。
そんなセラピーの過程が、ちょっとした謎解きミステリーみたいで、すごく映画的で面白いなと私は思ってました。これはネタに使えるなと。
で、私にとってのカブトムシを、ヒロインにとっての杉の木にアレンジしたワケです。ヒロインの見た夢に小学生の時の同級生が現れ、その同級生と再会し、記憶を辿っていく内に、二人は杉の木に辿り着く。
ヒロインは両親と不仲で、仕事や恋愛もうまく行かない現状の中で、自己嫌悪に陥ってました。それが、その杉の木と出会う事で、潜在意識に刻まれてた「両親の愛を感じた瞬間」の遠い記憶を取り戻す。そして自分自身の存在価値を見いだし、癒されると。
こうなると、話は完全にヒロインの「心の旅」になりますから、白鳥さんが演じる予定の二枚目青年が、すっかり脇役になっちゃいます。
しかも私は、その青年を「昆虫マニア」という、ちっとも格好良くないキャラクターに変更しちゃったw ラブストーリーの匂いを消したかったし、そんな山に住み着いてるような男は、まぁよほどの変人に違いなかろうwと思ったからです。
それと、以前『探偵ナイトスクープ』で紹介された、昆虫博士と呼ばれる男子中学生が、とても印象に残ってた影響もあります。
ただのマニアと思いきや、その子は環境問題を真剣に憂いてて、虫を通して地球を見てる。そのギャップが面白いし、感動させられたんです。
ちょうど、私がこの映画にヒプノセラピーの要素を取り入れるきっかけになった「カブトムシ」とも、見事にリンクするキャラクターです。
趣味である昆虫についての記事執筆で生計を立て、俗世間を避けて独り、仙人みたいな暮らしをしてる青年は、私にとって実現不可能な理想像です。
一方、女優としてデビューしたもののパッとせず、中途半端な自分に嫌気が差してるヒロインは、当時の私の「現実」ですね。いつもながら、自作の登場人物は皆、私自身の投影です。
この二人に、今風の若いカップルが絡んで話は進んで行くんですけど、私がなぜ、そのカップルを登場させる気になったのか、きっかけが思い出せませんw 暗くなりがちな話に、ユーモアを入れたかっただけかも知れませんね。ひたすら暗いばかりの話は苦手なんです。
ヒロインを演じてくれたのは、文学座の当時は研究生だった、高安智実さん(画像)。白鳥さんの紹介で、面談だけで決めちゃいましたが、素晴らしかったと思います。
yamarineさんがブログに書いて下さった通り、尾野真千子さんに似てますねw サッパリ男前なご性格で、監督にとって非常にやり易い女優さんでした。
白鳥さんは、主役の筈が相手役になって、しかも博士役でw、制作進行的な役割までこなして頂いて、なんだか申し訳なかったです。でも、この役は白鳥さんにすごく合ってると私は思ってます。
このブログの読者さんの中に、本作を手伝ってくれた方も何人かおられると思います。あらためて、有難うございましたm(__)m なかなか…いや、かなりハードな撮影でしたねw
この作品、私がセラピーの世界と近く接してた時期に創ったもので、今の気分とは少なからずズレがあったりします。が、観るたびに「いやいや、なかなか良い映画やん」と思ったりもしますw
でも、一般に公開するのは難しい作品ですね。「売りは何だ?」と問われると、返答に困ります。売る為に創った作品じゃないですから。
ヒプノセラピーを宣伝するような意図もまったく無いです。面白いと思ったから題材に使わせてもらっただけの話で。
ただ、常に自分自身の為に映画を創って来た私が、初めて他の誰かの為に…白鳥さんの依頼で取り組み、行き詰まってる全ての人を癒せればいいなと思って…創った作品なので、もっと沢山の人に観てもらえる機会があればいいなぁ…とは思ってます。
でも、癒しの映画なんて、マルコチクビッティーな私にはやっぱ、似合わないですねw