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『特捜最前線』

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そう言えば、このブログで『特捜最前線』について語った事が無いんですよね。刑事ドラマ史において、渋いポジションですが非常に重要な作品の1つだと思います。

スタートしたのは1977年、終了が87年ですから、なにげに10年も続いた人気番組なんですよね。『太陽にほえろ!』以降、それ以外の刑事ドラマで10年のロングランに達したのは、唯一『特捜最前線』だけじゃないでしょうか?(『踊る大捜査線』や『相棒』も長いけど、何度も合間にブランクを挟んでますから、10年以上続いたとは言えません)

遡れば『特別機動捜査隊』という長寿番組があって、その後を受けて『特捜』がスタート、『太陽』や『Gメン75』等と共に刑事ドラマの黄金時代を築き上げ、やがてトレンディードラマの時代が来ても『はぐれ刑事純情派』そして『相棒』へと、地味だけど質の高い刑事ドラマの伝統を、同じテレ朝水曜夜9時の枠で継承してます。

しかし私は放映当時『特捜』を敬遠してました。正直言えば、ちょっと馬鹿にしてさえいたんです。理由はまず、地味であったこと。そして、刑事達の芝居が暑苦しかったw まだ子供だった私には、その良さが理解出来なかったんですね。

『太陽にほえろ!』がオールラウンドなポップスなら、『Gメン75』や『大都会』はとんがったロック、そして『特捜最前線』はド演歌の世界ですよw あくまでイメージの話です。

キャスト達の芝居も、『太陽』チームは石原裕次郎さんが中心なだけあって皆さん自然体でした。対して『特捜』チームのやたら気張った台詞回しや必死の形相は、当時の私の眼には下手っぴぃにしか見えなかったんです。

だけど最近になってCS放送等であらためて観てみたら、ものすごく面白いドラマだった事に気づいたんですよね。地味に感じたのはリアリズムを追求してたからだし、暑苦しく見えた芝居は、主役の刑事達が常に極限の状況に追い込まれてたから。つまりドラマの内容そのものが、他の刑事物よりハードだったんです。

つい最近、家庭教師を斡旋する会社のCMで、故・二谷英明さんが必死の形相で街を走ったり、男をぶん殴ったりする映像が使われてましたが、それが『特捜最前線』ですw

おそらくあの映像は、プルトニウムを盗んだ男が自作の核爆弾を街のどこかに仕掛けちゃったという『特捜』初期のエピソード(『太陽を盗んだ男』より前だったと思います)から引用されたものです。早く犯人を逮捕して爆弾の在処を聞き出さないと、東京が壊滅してしまう。だからあんな形相になってるワケです。

リアリズムを追求してると先に書きましたが、その反面、こういう思い切った内容のストーリーを大真面目に描き切っちゃうのも『特捜』の凄さなんですよね。『太陽』はもちろん、『西部警察』でさえ核爆弾まで登場させる程のアグレッシブさは無かったように思います。

かと思えば、故・大滝秀治さん(画像)はテレホンセックス魔と刑事生命を賭けて対決するし、藤岡弘さんは容疑者を吐かせるためにシャブ漬けにしてしまう! 刑事がシャブ漬けにされちゃう話は他の番組でもやってるけど、その逆は空前絶後ですよね多分w

ちなみに、西田健さんという役者さんが犯人役の常連で、当時にしてサイコパスな犯罪者を演じたら天下一品! 上記のプルトニウム爆弾魔もテレホンセックス魔も、共にこの西田さんが演じておられますw

特にテレホンセックス魔の話が絶品で、刑事生命を賭けてまでイタズラ電話を阻止しようとする大滝さんも凄いけどw、犯人側も人生を賭けて刑事と対決しますからね! たかがイタズラ電話ですよ?w

犯人が西田さんだと確信した大滝さんは「貴様!『奥さん、テレホンセックスしましょ』って、電話しただろ!?」って詰問するんだけど、証拠が無いから逮捕は出来ない。

するとその夜、被害者の家に電話がかかって来て、大滝さんの声で「奥さん、テレホンセックスしましょ!」ってw 密かに録音してたワケですね。これで奥さんは発狂しちゃうw こういう事をこの人達は毎週、必死の形相で真剣にやってたんです。

とにかく熱い! 暑苦しい!w でも、それは彼らが常に真剣で、どんな事にでも命懸けで取り組むからなんです。だから、我々も観る時には姿勢を正さなければなりません。

こういう熱いドラマは、時に笑えるけどw、同時に泣けるんですよね。『特捜』は号泣率がハンパじゃない。『太陽』にも泣けるエピソードは少なくないけど、号泣までさせられるのは『特捜』ならではの特色だと思います。

どうですか、観たくなって来ませんか? たぶん私と同じように、ド演歌チックなイメージで食わず嫌いしてた方も多いんじゃないかと思いますが、もし機会があれば騙されたと思って、一度ご覧あれ。

初期には西田敏行さんもレギュラー出演されてますし、藤岡さんはじめ荒木しげる、誠直也、夏夕介といった特撮ヒーロー出身の熱い役者さん達が刑事を演じてられるのも見所です。

だけど一番のオススメはやっぱり、大滝秀治さんですよね。どんな台詞を喋っても味がある上に、「あんたがオシメを着けてた時から私は刑事をやってんだ!」とか「こちとら伊達や酔狂でアタマ禿げ散らかしてんじゃないんだよ!」とか「昨日のビールも今日のションベン! 変わっちまうもんさっ!」等、数々の名言を残しておられます。関根勤さんのモノマネより面白いですよw

マニアックさについて。

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年末年始ともなると、最近は交流する機会がなかなか無い映画仲間からメールや年賀状を頂くのですが、複数の人からこのブログについて「久々に覗いたらえらくマニアックになってて驚いた」とか「最近はマニアック過ぎてついて行けない」とのコメントを頂きましたw

マニアックと言われる事に対しては、何の異存もありません。自分でもマニア体質である事は自覚してますし、誇りにさえ思ってますw だから文句を言うつもりは全然ないんだけど、「久々に覗いたら」「最近は」っていう部分に、どうも違和感があるんですよね。

素朴な疑問として思うのですが、以前の私は、そしてこのブログは、今ほどマニアックじゃなかったんでしょうか? マニアックって何なんでしょう? 誠意って、何かね?(by.菅原文太)←これが言いたかっただけw

このブログの初期と現在を比べれば、明らかな違いは確かにあります。そう、多部ちゃんについての記事が半数近くを占めるようになりました。オマケに去年はももクロちゃんまで加わりましたから、よりオタッキーなイメージで見られちゃうのは、まぁ解ります。

でも、実際のところ最近の私は、違う意味でちょっと恥ずかしいんです。何が恥ずかしいかと言えば、マニアックな筈の私が、多部未華子やももいろクローバーZといった今をときめく「メジャー」な人達について語ってる事こそが、照れくさい。

多部ちゃん以前に書いてた事と言えば、まず観た映画やドラマについての感想だけど、ほとんどアクション映画や刑事ドラマに限られてました。それが今や多部ちゃんのお陰で、ラブストーリーやジャニーズのドラマにまで幅が広がってる。

他に書いてた事と言えば、一般的には誰も知らないような、私が製作に関わったマイナーな作品の撮影裏話とか、百合(女子の同性愛)アニメの話ですよ!w 今とどっちがマニアックだと思います?

…いや、違うな。そんな屁理屈を言いたかったワケじゃないんですよね。私が言いたかったのは…

そうそう、これですよ。最近の私をマニアックだイケメンだハリソン・フォードだって言ってるのは皆、自主製作映画で知り合った人達ばかりなんです。私の知るかぎり、自主映画界ほどマニアックな世界も、なかなかありません!

「どの口が言うとんねん?」って事ですよw 「私ら同じ穴のムジナですやん、つれないこと言わんといてぇな」って、私は思うワケです。

そう言えば私が多部ちゃんの事ばかり書き始めた頃、「まるで多部未華子のファンサイトじゃないか!」「ついて行けない!」って言ったのが、私にさんざん百合アニメを勧めていっぱいDVDを送ってくれた、やはり自主映画で知り合った仲間達ですよ。

さらに昔、私がマジンガーZのフィギュア集めにハマってた時、「そんなもん集めて、あぶないヤツだと思われるよ」って忠告してくれたのが、ガンマニアの友人でしたw

それぞれ、言ってる事は間違えてないんだけど、どの口が言うねん?って、言いたくなりますよねw なんでみんな、自分の事は棚に上げちゃうのかなぁ? 自分もマニアだっていう自覚が無いのかなぁ?って、私はいつも思うワケです。

百合アニメとアイドル、フィギュアとモデルガンの、どっちがマニアックか?を比べても仕方がない。感じ方は人それぞれです。どっちにしたってマニアである事に変わりは無いワケですから、まさに目クソ鼻クソの世界です。

だから、なんか「アッチの世界に行っちゃった人」みたいな言われ方をすると、別に腹は立たないけど、ちょっとおかしくないかえ?って思っちゃう。

まぁ実際のところ私は映画作りの世界からすっかり遠のいたワケですから、お互い違う世界にいる感覚は、私の中にもあります。でも、ジャンルは違えど所詮、マニアはマニアじゃないですかw ただ、方向がそれぞれ違って来ただけの話です。

この歳になって自分の娘みたいな年齢の女優さんやアイドルグループにハマってるのを端から見れば、そりゃ奇異に感じるだろうってのも解るんですよ。でも、この歳になったからこそハマるっていう、なかなか理屈では説明出来ない心理があるんです。

あなた達にも、いずれ解るw ずっと解らないまま死にゆく人の方が圧倒的に多いのかも知れないけど、あなた達なら解る。だって、マニアだからw

ついて行けないとか言わないで、微笑ましく見守って下さいよ。明日は我が身なんだからさw

昨日のビールも!今日のションベン!!

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笑い話のつもりで書いた昨日の記事ですが、けっこうシリアスな空気を振りまいちゃったかも知れません。ネタにされた皆さん、もし気を悪くされてたらゴメンナサイm(_ _)m

こういう話は本来、直接サシでする方が良いのでしょうけど、ホントに何人もの映画仲間達が「マニアック」って言葉を使ってたもんだから、そういう共通の認識があるんだろうなと思い、面白い話にもなると思って記事にしちゃいました。

悪気が無いのは分かってるんです。映画仲間達にとって多部ちゃんやももクロちゃんの事は「よく知らないジャンル」であり「興味の対象外」だから、楽しみを共有しづらいって事を言いたいんですよね?

でも、自分がよく知らないジャンルや興味が持てないものを「マニアック」って言葉で括っちゃうのは、私の感覚からするとどうしても違和感があるんです。第一、それはあまりに自己チューな考え方ですよ。

それに「マニアック」って、決して褒め言葉じゃなくて、ちょっとヘンなものを偏愛する行為を指してるイメージがあるじゃないですか。だけど多部未華子やももいろクローバーZは、個性的ではあるけど、ちっともヘンなものじゃない。

だから、それをマニアックって言われるのがイヤなんです。一番言いたかったのは、これです。だって両者とも、一流の表現者として一般的にも一目置かれてる人達なんだから!

とっくの昔に終わった番組である『太陽にほえろ!』や『マジンガーZ』をいまだに偏愛してる事をマニアックと言われるのは仕方がないけど、多部ちゃんやももクロちゃんは違う。全然マニアックじゃないですよ!

いや、解るんですよ。ええ歳して「多部ちゃん」「ももクロちゃん」なんて単語を堂々と書いてること自体が、昔から私を知ってる仲間から見ればそりゃ、たいそう気持ち悪い事でしょうw で、そこまでストレートには言いづらいもんだから、マニアックって言葉を便利に使っただけの話なんだろうと思います。

だけど、ヤだ。多部ちゃんやももクロちゃんにハマる事は、断じてマニアックなんかじゃない。全国のタベリストとモノノフを代表して、愛すべき映画仲間達にレッドカードを通達します。

映画仲間達に言いたかった事は以上です。その件とは切り離して、ここからはマニア体質というものについて、もう少しだけ掘り下げてみたいと思います。

昨日も書きましたように、私自身も含めてマニアって人種は、どうも排他的な気質があるようで、そこんとこは実に宗教の世界と似てるなぁと思います。カリスマを崇める構図が全く同じだし、自分が崇める対象以外のカリスマやその信者を認めず、バカにしたりする傾向もソックリです。

あおきさんがコメント欄に書き込んで下さった「仮面ライダーのマニアをバカにするガンダムマニアの人」なんか、その典型ですよねw 「自分自身がマニアである事を自覚しようとしないマニア」の典型でもありましょう。

かく言う私も、ももいろクローバーZにハマる事とAKB48にハマる事とは、全く意味が違うと思ってますからね!w 多部未華子にハマる事と堀北真希にハマる事も、全く違う。

だけど、興味ない人から見れば一緒なんですよね。仮面ライダーもガンダムも大雑把に「子供向け番組」だし、ももクロもAKBも同じ「アキバ系のアイドルグループ」でしかない。

私がいくら「全然違う!」って主張しようが、興味ない人にとっちゃ『太陽にほえろ!』も『西部警察』も見分けがつかない、「石原裕次郎が電話番してる刑事物」でしかないでしょう。それは認識しとかなくちゃいけません。

だから上に書いたメッセージも、映画仲間達の心には全く響いてないんですよね、きっとw 『デカワンコ』にハマってから丸2年、なんとか多部ちゃんの魅力を興味ない人にも解ってもらいたくて、とてつもない文字数を費やして記事を書き続けて来たというのに、「マニアック」ってw、たったの5文字で片付けられちゃうんだから! て言うか、そうしていっぱい書けば書くほど「マニアック」なんですよ!

びびびび、ばびでぶぅーっ!!

やっぱり腹が立って来ましたw でも、彼らが悪いんじゃなくて、そういうもんなのですよね。『つばさ』のレビューだって、観てない人にもその面白さを伝える為にあれだけ詳細に書いたのに、結局はディープな『つばさ』ファンの人しか読んでなかったみたいだし…

ばびでぶぅーっ!!!

だから「ガンダムは違う!」とかいくら喚いたところで「痛い人」って思われるだけなんですよ。何がどう違うのか、一度ゆっくり聞かせてもらいたいですけどねw でも何時間しゃべったところで、観てなかった人の心には何も響かない。それで普通なんです。

あと、自分がマニアである事を自覚しようとしない人が多いのは、マニアの特質というより人間全般が共通して持ってる性質だろうと思います。

こないだテレビで「人はなぜ防災対策を後延ばしにしちゃうのか?」を検証してて、「人は自分が死ぬ場面を想像する事が出来ないから」っていう結論が出されてました。なぜ想像出来ないかと言えば、自分の死をイメージすると不安に押し潰されちゃうから、想像しないようあらかじめ脳にインプットされてるんだそうです。

自分をマニアだと認めないのは、それと同じかも知れませんw マニア=死ぬ事なんですよw

私は普段から自分がマニアだ変態だってアピールしてますけど、それとて他者からそう言われたくない心理の裏返しかも知れません。人から言われるのは、やっぱイヤですよね。だから、あんまり言わないでくださいw

とは言え、私はマニアが大好きです。これはホントにホントで、『探偵!ナイトスクープ』とか観てても色んなジャンルの相当ディープなマニアが出て来るんだけど、すごい愛おしくなっちゃいますからね。

だから私自身も、とことんマニア道を突っ走りますよ。ついて来いとは申しません。ただ、微笑ましく見守って頂ければ嬉しいです。

以上!

マニアって、何かね?(by 菅原文太)

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マニア話のついでに… 多部ちゃんもよく観てるという『探偵!ナイトスクープ』は関西ローカルからスタートした深夜バラエティーですが、関西では夜11時台の放送にも関わらず視聴率30%を稼ぐ超人気番組だったりします(関西以外は深夜1時とか2時に放送なんで、知らない方も多いかと思います)。

一般視聴者が日頃疑問に思ってる事や叶えたいと思ってる夢を、西田敏行さんが局長(初代は上岡龍太郎さん)を務める探偵局に依頼し、探偵の間寛平さんや松村邦洋くんらが何とかするw、といったシンプルな内容です。

どんなにバカバカしい依頼でも面白そうなら何でも引き受けるし、決して感動を押し売りしない(だからこそ泣ける回も多い)、とにかく「笑い」が根底にあるのが最大の魅力かと思います。

それともう一つ、あらゆるジャンルのマニアに対して、すごい愛情を持って接する姿勢が、私はたまらなく大好きなんです。どんなにディープなマニアが登場しても、まぁある程度は引きながらもw、受け入れるんですよね。

だからと言って無理に理解しようとしたり、共感するフリをしたりもせず、正直に「それ、解らんわ」と言いながら面白がるんですよ、この番組のキャスト達は。絶対に見下したりはしない。人に対する愛情が深いんだろうと思います。

だからホントに、普通は表に出て来ないマニアの人も、この番組には気兼ねなく登場しちゃえたりする。そんなジャンルのマニアがいたの!?って、ちょっとしたカルチャーショックを受けたり、こんな無駄な事にそこまで情熱を注げる人がいるのか!って、感動して泣いちゃう時もあったりします。

私が印象に残ってるのは、軍事オタクの旦那さんが自家製の戦車をコツコツ作ってるのをやめさせて欲しいっていう、奥さんからの依頼です。

戦車と言ってもさすがに実物大ではないんだけど、オトナ1人がギリギリ乗り込んで操縦出来る本格的な乗り物で、相当なお金と時間が費やされてる。近所からヘンな目で見られるでしょうし、そりゃ奥さんとしてはやめて欲しいですよね。

第一そんなもん作って、いったい何の役に立つの?って、理解の範疇をはるかに超えてる。男の私には旦那さんの気持ちがいくらか解るんだけど、女性にはこんな無駄な物にお金と時間と労力を費やす気持ちは全く理解出来ないんじゃないでしょうか?

だから、息子さんでもいれば味方になってくれたかも知れないのに、あいにく子供は確か娘さん2人でしたからw、四面楚歌もいいとこですよ。それでも小遣いをやりくりして、休日は1日車庫にこもって戦車を作り続ける旦那さんに、私は半笑いながらも涙が止まりませんでしたw

なぜこんな無駄な物を?という疑問はナンセンスです。無駄な物だからこそ夢中になれるんですよね、マニアってやつは。これがお金の為だったら、多分ちっとも楽しくない筈です。世のため人のためでも面白くない。ひたすら自己満足あるのみ! そこがマニアの醍醐味です。

だから嫌われるんでしょうね、マニアってw 今書いてて腑に落ちましたよw なるほど!

番組としては、お父さんに共感しながらも家族からの依頼に応えないといけないから、何か妥協案を出して丸く収めてましたけど、詳しい事は忘れましたm(_ _)m とにかく私は、その戦車の出来栄えの凄さ=お父さんの情熱と、文句を言いながらも見守ってる奥さんや娘さん達に感動したんですよね。

かと思えば、こんな私ですら理解の範疇を超えてると言わざるを得ない、想像を絶するマニアも堂々と登場して来ます。つい最近は匂いフェチの若い女子が「もっと凄い匂いを嗅ぎたい」っていう依頼を寄せて来ました。

何の匂いかと言えば、オナラですよオナラw そこそこ可愛いルックスの20歳前後の女子がですよ?w 仕込みやヤラセではありません。実際に観て頂ければ、この番組にそういう小細工が一切無い事は画面から伝わって来る筈です。

その依頼に応えるべく、松村探偵と数人の男性スタッフ達が、それぞれ前日にニンニクとか匂いの強い食べ物をたらふく食べておいて、彼女の顔にお尻を向けて屁をこぎまくるワケですw で、どの食べ物から熟成された屁が一番クサいかを競いながらw、彼女に至福のひとときを味わってもらう。そりゃもう、凄まじい映像でしたねw

とは言え、どんなフェチにも必ず原因がある筈で、そのオナラフェチの彼女は確か、家族と過ごした幼少時の楽しい思い出の象徴が、くさい屁の匂いだったかと記憶します。

私がいまだに『太陽にほえろ!』や『マジンガーZ』にこだわるのも、その背景にある当時の思い出が根底にあるのは間違いないでしょう。多部ちゃんやももクロちゃんにハマったのも、突き詰めて行けばそこに辿り着くのかも知れません。

年間300本近くの映画を映画館で観てる友人も、幼少期に家の事情により1人で映画館にこもるのが日常だったそうで、そこにいるのが今でも一番落ち着くんだそうです。たぶん私が『太陽にほえろ!』を観ると心が癒やされるのと、似たような心理じゃないでしょうか。

人生は十人十色で、人それぞれの生い立ちが、人それぞれのフェチシズムを生み出していく。自分と全く違う趣味、理解の範疇を超えたマニアが存在するのは当たり前であって、それを否定するのはすなわち、その人の人生を否定するのと同じ事なんですよね。

だから、人の趣味嗜好には出来るだけ共感か静観する姿勢で、私はいたいと思います。チョメチョメ。

『宇宙人ポール』

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ホントにたまたまなんですけど、実にタイムリーな内容の映画を(レンタルですが)観ました。前からグッドな評判は聞いててDISCASの予約リストに入れてたのですが、先に観たい作品が色々あって後回しになってました。日本公開はちょうど1年位前だったかと思います。

イギリスの田舎町からアメリカのコミックコンペ(マニアの祭典)に参加しにやって来た、素朴なSFオタクのオッサン2人がw、エリア51から逃げ出した宇宙人のポールと出逢い、故郷の星へと帰る手助けをする内に、人種を越えた友情を育むコメディです。

何がタイムリーかと言えば、SF愛と映画愛、そしてお察しの通り、マニア愛に溢れた作品なんですよね。SFコメディの金字塔『ギャラクシー・クエスト』や、日本映画だと『キサラギ』の系譜に入る作品かと思います。

SF小説のネタは全然詳しくない私にはチンプンカンプンなんだけど、映画に関しては『E.T.』や『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』『エイリアン』『メン・イン・ブラック』等、誰もがよく知ってる作品がネタになってますので、マニアでなくとも楽しめます。

しかも単なるパロディに止まらず、オリジナルと全く同じ構図やカット割りで、いわゆる「完コピ」されてる場面が随所に出て来て、その徹底ぶりに感動しながら、あまりの凝りようにまた笑っちゃうw

それがまた、決してストーリーの流れを止めないのがミソなんですよね。全ての場面にちゃんと意味があり、一本のドラマとしてスムーズに流れて行きますから、元ネタを知らなくても全然大丈夫なように出来てます。

そして傑作なのが、宇宙人ポールのキャラクターです。映画で描かれる宇宙人と言えば、昔は普通に地球の言語を喋ったりしてたのが、どんどんリアル志向になって言葉は喋らなくなり、無感情だったり無表情だったり、地球人とは生活習慣もまるで違うっていうのがいつしか常識になりました。ところがポールのキャラ設定は、それをもう一回ひっくり返してるんですよね。

例えばポールは英語がペラペラどころか、アメリカのスラング連発の下品さで、感情も表情も豊かだし、スナック菓子みたいなジャンクフードが大好物で、コーヒーも酒も飲むわ、おまけにヘビースモーカーで大麻まで持ち歩いてるw 上半身は裸だけどちゃんとズボン穿いてるしw

なんでそんな設定になったのかと言えば、たぶんポールはイギリス人から見たアメリカ人のイメージを凝縮したキャラクターなんだろうと思います。異邦人のオッサン2人から見れば、ポールは二重の意味で「エイリアン」なんですよね。もしこれが日本でリメイクされたら、ポールは間違いなくコテコテの大阪人みたいに描かれる事でしょうw

そして、ポールがそんなコテコテのヤンキーになっちゃったのにも理由があって、60年前にUFOのトラブルで不時着した彼は、ずっとエリア51でアメリカ人の軍人や研究者達と交流し、スピルバーグ監督に宇宙人映画のアイデアを提供したりwしながら過ごして来たもんだから、すっかり染まっちゃったワケです。

イギリス人オタクから見た宇宙人を通して、我々はアメリカ文化を知るというw、ややこしい構図で自由の国=アメリカを描いた映画なんですね。実際、引っ込み思案なオッサン2人と、途中から道連れになる厳格なカトリック信徒のヒロインが、ポールのお陰で良くも悪くも解き放たれて行く成長ドラマにもなってます。

もちろんMIBとか色んな追っ手から逃れるサスペンスにもなっており、意外な展開もあって最後まで全く退屈させません。笑って笑って、ホロッと泣かされる上質のエンターテインメント、これはオススメです。

オススメついでに、前述の『ギャラクシー・クエスト』も未見の方には今一度、猛烈にプッシュさせて頂きます。

往年の人気TVシリーズ『ギャラクシー・クエスト』(架空の番組)にはいまだに熱狂的なファンがいて、今や輝きを失った出演スター達も年1回のファンイベントでは超人気者。これは明らかに初代『スター・トレック』の事ですねw

で、そんな冴えない落ち目スター達がファンイベントの当日、UFOに拉致されて宇宙戦争に巻き込まれちゃう。てっきりイベントのサプライズ演出と思って苦笑いしてたら、本当に本物の宇宙戦争だった!

実は番組の再放送を傍受したエイリアン達が、彼らを本物の宇宙戦艦クルーだと思い込んで、助けを求めて来たワケです。もちろんそんなもんに命を懸ける義理も無ければ勇気も無い。だけどエイリアン達の善良さにほだされ…

輝きを失ったスター達が、かつて番組の撮影で身につけた宇宙戦争のスキルを活かしw、番組ファンのオタク青年達の協力も得て、邪悪な敵エイリアンの軍団に立ち向かい、過去の絵空事がいつしか真実になって行く。

こうした「なりすまし物」の話は、設定や展開の強引さにシラケる事がままあるんだけど、これは根本が荒唐無稽なSF活劇ですから、かえって気になりませんw マニアの存在を内心バカにしてた主人公たちが、戦いを通して彼らと熱い絆を育んでいくドラマも微笑ましくて、泣けます。

あと、『宇宙人ポール』と『ギャラクシー・クエスト』には共通のキャストが1人いまして、それはSF映画の歴史を語る上でとても重要なポジションにいるハリウッド女優さんだったりします。特に『ポール』の方じゃ出オチみたいなゲスト出演で、大女優なのにシャレが解ってる素敵な人です。

マニアへの風当たりは日本よりアメリカの方がキツそうなイメージがあるんだけど、こういうチャーミングなマニア映画も少なくないんですよね。日本じゃ『キサラギ』位しか思い浮かびません。

かなり前に『七人のおたく』なんて映画もあったし、『阪急電車』でもオタクどうしの可愛い恋が描かれたりしてたけど、オタクをヘンに美化したような作品に対しては、かえって拒否反応を示すのがオタクですからねw

その点、アメリカ映画はオタクの駄目さ加減をちゃんと描きながらも、実にチャーミングなんですよね。それはオタクをよく理解してるからと言うより、創り手自身がオタクだからかも知れませんw スピルバーグ監督を筆頭に、オタク上がりの大監督が多いですからね。

日本にもそういう土壌があれば、私の人生も変わってたかも?w いつまで経っても体育会系の古い体質から脱皮できない日本映画界では、かようにチャーミングなマニア映画はなかなか生まれないでしょうね。

マニア問題のまとめ

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このしつこさこそがマニアックなんだよ!って言われそうだけど、自分でも意外なほどに、今回は色んな事を考えさせられたし、中途半端で終わっちゃいけない気もするので、もうちょいマニア問題を突き詰めたいと思いますm(_ _)m。

今にして思うと、マニアックって単語に私が過剰に反応してしまったのは、私自身の中にマニアへの差別意識が強くあるからなのかも知れません。

自分自身がマニアである事はよく自覚してる筈なのに、人から言われると嫌な気分になっちゃう理由は、それ以外に考えられないですよね。でもそれって、ごく普通の感覚とも言えるし…

このブログでは自分の趣味嗜好をあけすけに書いてる私ですが、ももいろクローバーZにハマってる事を、職場では口が裂けても言えませんw それ位の分別は持ってますw 多部未華子ファンである事は公言してるんだけど、端から見れば同じかな?

それはともかく、何人かの同僚に、今回のいきさつは何も説明しないで、人からマニアックって言われたらどう感じるか尋ねてみました。やっぱりみんな「言われたくない」「傷つく」と答えました。

そこで気になるのが、コメント欄であおきさんやサントラさんが言われてた、東京と大阪ではマニアとかマニアックって言葉の捉え方が違うのかも知れない、っていう考え方です。

マニアに対する風当たりは、東京よりも大阪の方が強いという実感。もし本当にそうだとしたら、今回の話題に出た映画仲間達はほとんど東京在住なので、マニアックって言葉にネガティブなニュアンスは全く込められてなかった可能性があります。

これも同僚に尋ねてみたら、確かに大阪だとちょっとマニアックな面を見せたら、みんなからボロカスに突っ込まれるそうです。ただし、本気で嫌悪してるかと言えばそうでもなく、ネタとして面白がってるだけじゃないか、とも。

もしかすると東京の人は、大阪人に比べて本音を言わないだけかも知れません。言わないって事はつまり、言うと相手が傷つくと思ってる。傷つくと思うのはすなわち、マニアをネガティブに捉えてるからって事になります。

まぁしかし、私自身は大阪と東京と両方に住んだ事がありますが、そんなに違いは感じませんでした。いや、どちらかと言えば東京の人の方が私にズケズケ言って来て「あんたに言われたくないよ」って言い返す機会が多かったような気がするw

かと思えば、サントラさんみたいに「褒め言葉だと感じる」人もいたりして、同じ言葉でも感じ方が千差万別なんですよね。これは難しい!

だからここは多数決に頼るしかありません。たぶんマニアやマニアックって言葉は、ネガティブに捉える人の方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。大阪と東京以外にお住まいの方、いかがでしょう?

もう1つ考えさせられたのは、人がマニアックと感じるライン、同じマニアックでも許容出来るリミットはどこにあるのか?って事です。まぁ、これも十人十色と言っちゃえばそれまでなんだけど…

勤め先に30代の女性がいまして、役職的に私と二人きりになる時間が多く、黙ってるのも気まずいんで色んな話をするんだけど、どこまで本当の自分を出して良いものか、いまだに分からないんですよね。

今回の話も、大阪と東京の違いについて尋ねたらえらく食いついてくれたんで、つい調子に乗ってマニアの在り方について熱く語っちゃったんですよね。ふと気がつけば引かれてましたw

こんな事がしょっちゅうあるんです。「ああ、あそこで(話を)やめとけば良かった…」って、いつも後悔しちゃう。相手がマニアであろうが無かろうが、その人の興味や理解を越えた所まで突き詰めて語っちゃうと、引かれてしまう。気持ち悪いと思われちゃうんですね。

そのボーダーラインを的確に読めないのが、マニアでありオタクなんだろうと思います。途中で気がつくだけ、私はまだマシかも知れませんw でも、どうせなら相手の反応なんか気にせず語り尽くせる位になれないものか、とも思います。中途半端なんですよ、私は何をやっても! 死にたくなって来ましたw

そこでふと気がついたんだけど、映画仲間達が「最近の私」をマニアックだと表現したのは、ハマってる対象が多部ちゃんやももクロちゃんである事よりも、私がかつて彼らに見せて来なかったような「熱さ」が、理解の範疇を越えてるからなのかも知れません。

思い返せば、刑事ドラマを語るにせよ百合アニメを語るにせよ、以前の私はもっと冷静でした。一観客であると同時に、元クリエーターとしての分析的な視点も入るから、同じマニアックでも客観的だったんですよね。

それが今はどうでしょう、ナマ多部ちゃんに会う為に大阪や東京まで飛んでいき、目が合ったと言っては舞い上がり、ももクロちゃんの紅白を観て涙ぐんだりしてるワケですよw

だから「ついて行けない」って事なんでしょう、たぶん。誰もついて来いとは頼んでないんだけどw

まぁしかし、それは感覚として最初から分かってました。映画仲間達は面白がって噂してるんだろなぁって思ってました。だけどそこでマニアックっていうね、ネガティブなニュアンスを含んだ表現がね、どうしても…

「えらく情熱的で驚いた」「熱すぎてついて行けない」って、言って欲しかったなぁ。それが結論です。

些細なことをグダグダと、すみませんでしたm(_ _)m

愉快な映画仲間達へ

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マニア問題シリーズはもう打ち切ったつもりでしたが、コメントのやり取りの中で新たに気づいた事がありましたんで、最後に映画仲間達へのメッセージとして書かせて頂きますm(_ _)m

最初から分かってたような気もするんだけど、この結論に辿り着くのを僕は無意識に避けてたのかも知れません。

詰まるところ、マニアックっていう言葉をポジティブに捉えるもネガティブに捉えるも、全ては自分自身の心の問題なんですよね。土地柄とか年齢、性別とか、そんなの関係ないんです。

自分が、自分自身の事をネガティブに考えてるから、言われた言葉もネガティブに聞こえてしまう。ただそれだけの事だったんだと思います。

でも、今の僕は多部ちゃんやももクロちゃんのマニアになる事を心底から楽しんでる筈なんです。だから、なんでマニアックと言われた事がこんなに引っ掛かるのか、なかなか分かりませんでした。

たぶん、やっぱり映画仲間のみんなが言うからこそ引っ掛かかったんだと思います。僕はみんなに対して、コンプレックスというか、後ろめたさがあるんですよね。

あの頃、あんなに映画創りが好きで、先頭に立ってプロの世界に飛び込んだというのに、僕は勝手に挫折して勝手に満足して勝手に脱落しちゃいましたから…

本来なら根性で業界に居座ってある程度の地位を築き、みんなが仕事しやすい環境を作って行ければ良かったんだけど(そんな力があったかどうかは置いといて)、船長(一応カントクでしたから)が真っ先に船から降りちゃったみたいな形になってしまい…

で、漂流の果てに多部ちゃん丸に拾われて、そこでまた新たな仲間達とマニア航行を楽しんでるのが、今の僕なんです。

まぁ、これも僕の勝手な自意識に過ぎなくて、みんなは全然なんとも思ってないのかも知れません。だけど僕自身は、今の自分を映画仲間達は一体どう受け止めてるのか、ずっと気にしてたんですよね。温かく見守ってくれてるのか、もしかすると冷笑してるのか?

まぁこれも、みんな自分が生きて行くのに精一杯で、脱落者のその後まで気にしてられないってのが真実だと思うんだけど、ブログは読んでくれてるワケだから、何かしら思ってる事はあるんだろうなと。

で、そこで複数の仲間からマニアックっていう言葉を聞いて、自分には後ろめたさがあるもんだから、どちらかと言えば冷笑されてる感じに受け止めちゃったんですよね。

実際のところはポジティブでもネガティブでもなく、ただ単に「ついて行けない」ことの理由としてマニアックって表現が一番手軽だった、だけの話だろうと思います。

だから、完全に僕の一人相撲です。映画仲間からのリアクションも無いしw

多部ちゃんやももクロちゃんにハマってること自体に恥じる気持ちは全然無いけど、一緒に映画を創ってた仲間のみんなに対してだけは、僕は勝手に気まずさを感じてしまう。

それが今回、ふとした弾みで露呈しちゃったワケです。誰のせいでもない、100%僕自身のせいです。もし気を悪くされてたら、ホントごめんなさいm(_ _)m

ただし、どの口が言うとんねん?っていう最初のリアクションだけは、訂正しませんw お互いジャンルはどんどん離れてるとしても、好きなのものに注ぐ情熱や深さは変わりませんよ。

それをポジティブに受け止めるのもネガティブに受け止めるのも、自分次第ですw

『96時間/リベンジ』

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面白い! 文句なく面白いです。いや、ホントは文句ないこと無いんですよw でも、それは前作があまりに面白すぎたからであって、続編は正編と同じ事が出来ないという制約があるワケですから、比べると見劣りしちゃうのは当たり前なんです。

だから、正編はここが良かったのに今回は…っていう不満が出ちゃうのは避けられないですよね。その点に目をつぶれば、そんじょそこらのアクション映画じゃ太刀打ち出来ない位に、これは面白いですよ。

前作をご存知ない方は、カテゴリー「外国映画」の最初の方でレビューしてますのでご参照下さいm(_ _)m 近年のアクション映画の中じゃ『キック・アス』と並んでダントツに大好きな作品です。

その前作でリーアム・ニーソン扮するスーパーダディ=ブライアンは、パリで人身売買組織に拉致された愛娘を救う為にアメリカから単身乗り込んで、救出可能なリミット96時間をフルに使ってあらゆる手を尽くします。

とにかく娘を救う為なら何でもしちゃう盲目さがブライアンの魅力で、情報を聞き出す為ならどんな拷問でも躊躇なくやっちゃうし、必要とあらば無関係なオバサンでも撃てる(さすがに殺しはしないけど)という迷いの無さ。

それだけに、敵はとことん悪い人間として描かれ、その背景は一切無視されてました。それで良いのです。どんな悪党だって誰かの息子であり父親であるかも知れないのに…なんて、少しでも意識しちゃったら主人公に肩入れ出来なくなりますから。私は、アクション映画の悪役に人間性は一切不要だと思ってます。

ところが今回は、前作でブライアンに息子を殺された父親の「リベンジ」がストーリーの軸になってるんですよね。冒頭から、葬式で涙を流す家族の姿が紹介されちゃうもんだから、「行け! やっちまえ!」っていう気分には、さすがの私でもなれないですよw

私の不満点はそれに尽きます。悪党どもは容赦なく皆殺しにしてスカッとするのが正しいアクション映画の在り方だと思ってますから、敵に同情の余地を与えちゃったのは頂けない。

でも、続編としてはこうするしか無いんですよね。安易に同じ事を繰り返すシリーズ物も少なくないけど、そうしないで違った視点からストーリーを構築したのは、創り手の良心だと私は思います。でなければリーアム・ニーソンも出演しなかった事でしょう。

そんなワケで私みたいに「行け! ぶっ殺せ!」な映画を観たい人からすれば、やや期待外れになるかと思います。でもね、それでも充分に楽しめたんだから、やっぱりこれは凄いですよ。(以下、ネタバレありです)

別れた妻娘との絆を前作で取り戻したブライアンは、仕事先のイスタンブールに2人を招待します。そこを狙う敵は、ブライアンの生命を奪うだけじゃなく、その家族を目の前で惨殺する事を目的にしてますから、まずは拉致しないといけない。

このシリーズの原題は『TAKEN(拉致)』ですから、今回は96時間というリミットはありません。邦題をつけた人は、まさかシリーズ化されるとは思ってなかったんでしょうねw

で、まずは夫婦(まだ復縁はしてないけど)が狙われ、元妻が人質にされて抵抗出来なくなったブライアンは、絶体絶命の状況下で、ホテルにいる娘に電話するんですよね。「パパとママ、これから拉致されるから」ってw

前作では娘と電話中に異変を察したブライアンが「お前はこれから拉致されるぞ」って言って、僅かな時間内に犯人の特徴を聞き出したりする場面が最高にスリリングでした。今回はその立場が逆転してるのが面白いw

で、全く普通の女子大生である娘が、前作で人生の全てを賭けて自分を救ってくれたパパを救出する為に、危険を承知で指示を仰ぐんです。「それでパパ、私は何をすればいいの?」って。ここで私の涙腺は決壊しましたw

戦闘に関して素人である娘が活躍する展開に、不満を洩らす人もいるみたいだけど、私はこれこそが本作の肝だと思いました。パパに救われた娘が、今度は自分の全てを賭けて恩返しする物語なんですよね。

それに、ブライアンが無敵である事はもう観客みんなが知ってますから、前作みたいに彼が突っ走るだけじゃハラハラ出来ないですよね。それが今回、運転免許の試験を2回落ちてる娘が運転する車で、敵から逃げる羽目になったりしますからねw

そんな感じで、前作とは違った見所を作る為に、脚本が練りに練られてるんです。敵の連中がいまいちマヌケなのが残念なんだけど、それとて今回はプロの犯罪組織とは違うワケですから、実は理にかなってるんですよね。

前作ファンは賛否別れるかと思いますが、私は絶賛します。比べるとそりゃ前作の方が好きですけどもw あれを基準にするのは酷ですよ。

娘役のマギー・グレイスちゃんは、成長して可愛さがダウンしちゃったけど、そのぶんビキニ姿で走り回ったりして頑張ってます。嫌な女だった元妻ファムケ・ヤンセンも、今回はパパに負けない位に娘への愛を見せてくれて、好感度大幅アップでした。

夫婦がこれで復縁するのは間違いなさそうで、もうパート3で描く事は無いでしょうね。大好きだけど、このシリーズは今回で有終の美を飾って頂きたいです。

こないだ公開スタートしたばかりですから、アクション・スリラーがお好きな方は、是非とも映画館へ!

『ラストホープ』#01

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なんだかんだ言ってる間に、もう多部ちゃんの新ドラマがスタートしちゃいましたよ。ファンとしてはホントに嬉しい限りです。感謝あるのみですね。

都内大学付属病院の「高度先進医療センター」の優秀な医療チームが、いくつもの病院をたらい回しにされて来た、治癒の見込みが無い重病患者たちを救って行く。

「ラストホープ」ってタイトルは、主人公の存在が病院にとって最後の(唯一の)希望って意味かと思ってたら、他の病院で見放された患者にとっての最後の希望が、このチームって事だったんですね。

それを知って安心しました。ジャニーズをやたらヒロイックに描くだけのドラマだったらどうしようかと思ってましたから。相葉雅紀くん(嵐)は主人公ではあるけど、あくまでチームの一員でしかない事に好感を持ちました。

とは言え初回を観た限りだと、良くも悪くも「普通に面白い」「普通に感動できる」ドラマだなぁという感想を抱きました。ものすごく悪い言い方をしちゃうと、『GM〜踊れドクター』から悪フザケの要素を取り除いただけ、みたいなw まぁ手堅い作りですよね。

ファン歴の浅い私が言うのも僭越ですが、これまで多部ちゃんが出演して来た連ドラと言えば大抵「おいおい、大丈夫なの、そんなのに出て」って、実際に観るまでは心配せずにいられない、野心的な企画が多かったですよね?

それが『デカワンコ』や『大奥』みたいなホームランだったり、『つばさ』みたいに最後までハラハラさせられたりw、『ジウ』みたいに微妙さを増して行ったりと、結果がどう転ぶか予測出来ない番組だからこそ多部ちゃんが呼ばれる、みたいな構図があったように思います。

それが今回は、番組の紹介記事を見ただけでだいたい想像がついちゃったし、それを裏切るようなサプライズも今のところは無い感じです。手堅いですよね、ホントに良くも悪くも。ジャニーズだし。

この番組に限らず、今期の連ドラ全体を見渡しても「おっ、これは?」って、私の興味を引いてくれるような番組が、ほとんど皆無なんですよね。常連ばかりのキャスティングといい、どれもこれも手堅く小じんまりした印象の企画ばっかりで…

『妖怪人間ベム』とか、企画を知った時は「また有名漫画の実写化かよ、どんだけ保守的やねん」って嘆いたもんだったけど、今の状況に比べればよっぽど野心的なチャレンジでしたよね。大失敗するリスクも伴ってますから、少なくとも「どんなもんになってるか、観てみようかな?」っていう興味は引かれました。

それが今期のドラマ達はどうでしょう、三振にもホームランにもなりようが無い、送りバントか敬遠策みたいな「置きにいく」企画ばっかじゃないですか?…って、いきなり激辛レビューになっちゃってますけどw

いや、良かったんですよ『ラストホープ』第1話は。手術成功の瞬間にはちゃっかり泣かされましたし。でも、ただ普通に良いドラマってだけじゃ満足出来ない体質になってませんか、タベリストの皆さん?w

もっと、いつもみたいにハラハラさせて欲しくないですか? それがあってこその救世主=宿命を背負った女優の多部未華子が光り輝くんじゃなかったですか? ホントおかしな体質にされちゃったもんですよ我々はw(私だけ?)

というワケで、良いドラマだと思うけど、多部ちゃんを起用した割には物足りない。それが初回を観た私の率直な感想です。芸達者なキャスト達による掛け合いは見応えあるけど、難しい医療用語の羅列で誤魔化された気もするしw

相葉雅紀くんは人柄の良さが滲み出てて好感度大だけど、暗い影を背負ってるキャラクターがちょっと似合わない気がしました。その影が何なのかまだ分かんないから、これからですね。

田辺誠一さんはチャランポランな人物をやらせると輝く人ですねw でもこのシリアスなドラマじゃ、あんまりチャランポランにもなれない辛さがありそう…

小池栄子さんは地に近い(?)癒し系おやじキャラで、刑事ドラマで言えば「長さん」とか「おやっさん」みたいな存在w 多部ちゃんが小池さんの事を「大好きで、ついじっと見ちゃう」って言ってましたけど、同感です。タモリ氏も言ってましたね。

北村有起哉さんはキャラを作らなくても存在感あるのが強みですよね。あの顔はズルいw そうそうたるメンバーの中でも決して埋もれない個性。

小日向文世さんと多部ちゃんの絡みは、ついこないだまで校長先生と新米先生の間柄でしたから、タメ口で話す多部ちゃんにすごい違和感がw

高嶋政宏さんはヘンな芝居をしますねぇw でも『クライマーズ・ハイ』を観た時は「くっさい芝居しやがって」って思ったけど、今となってはそれも馴染んで来てる感じがしました。色んな意味で過渡期なんでしょうかね。

桜庭ななみちゃん、可愛いですね。あんな感じの子、好きですw

そして我らが多部未華子さん。上司が相手でも呼び捨て&タメ口で話しちゃうクール・ビューティーって事だけど、『GM』の桃子の方がよっぽど失礼な女でしたよね?w 今の多部ちゃんなら余裕じゃないですか?

マニア向けのアニメ作品に出て来そうなキャラクターで、実写だと本来なら不自然に見えちゃうでしょうね。それを全く違和感なさげに見せちゃうのが多部ちゃんの凄さなんだけど、もはや我々は驚きませんねw

そんなワケで、否定的な印象のレビューになっちゃったかも知れませんが、別に欠点は無いんです。その欠点の無さこそが欠点って言うくらい、手堅いドラマだと思います。

まだ始まったばかりで、それぞれワケありなメンバー達の過去が明かされて行く、これからを観ないと評価も出来ないですね。

願わくば「手堅いなんて言ったボクが大バカ乳首でしたm(_ _)m」って言わせられるようなサプライズも期待しつつ、これから見守って行きたいと思います。

火曜夜9時、フジTV系列です!

『007/スカイフォール』

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『96時間/リベンジ』と同じ日に同じシネコンで観ました。前回(エヴァンゲリオンQ)の時に書くつもりだった事ですが、しばらく行かない間に最大手のシネコンは、発券が完全にオートメーション化されてるんですよね。驚きました。

自動販売機で映画のタイトルや座席を選んだりと、色々ボタン操作しないといけないんで、最初はかなり戸惑います。まぁそれはすぐに慣れるでしょうけど、じゃあチケット売り場で働いてた人達は何処へ?

聞いた話だけど、かなりの人員が削減されたそうです。クビですよクビ。チクビ。全ては経費節減が目的なんですよね。何でもかんでも効率第一で金銭的な無駄を省き、どうして一番でなきゃいけないんですか二番じゃ駄目なんですかっ!?っていう考え方になってる。その内、映画なんていう娯楽自体が無駄だから映画館廃止!なんて事になりかねませんよマジで。

上映される作品のラインナップも、全ては数字による判断で、初日の動員数が少なければ即座に上映回数や日数を減らされ、内容の良し悪し関係なく打ち切られちゃう。

これじゃあ口コミでじわじわ動員を増やすようなヒット作は、絶対にシネコンからは生まれなくなります。大金かけて宣伝した者勝ちですよ。テレビ局製作の日本映画ばかりヒットしてるのは、決して面白いからじゃなくて初日に客を呼び易いからってだけの話です。

そうなるともう、創り手も「良い作品」より「客を呼べる作品」を生産する事に固執せざるを得ませんよね。そりゃ商売だから仕方がない。

この「仕方がない」っていう空気が蔓延したら、もうお終いです。現場にいる人達もどんどんモチベーションが下がっちゃう。

最近「こんな脚本がなんでOKになっちゃうの!?」って、ホントに我が眼を疑うような酷い内容のメジャー映画やドラマが多くなってるのは、そういう事だろうと思います。良い作品なんかいらない、客を呼べりゃ何でもいいんだよって言われたら、そりゃ現場は投げやりになりますよ。

状況はどんどん悪くなってます。破滅です。絶望です。ああチョメチョメ。 …おっと、今回は007のレビューでしたねw 世界的な不景気ですから映画界の衰退は日本だけの話じゃないんだけど、ジェームズ・ボンドはますます元気みたいです。

ダニエル・クレイグ(画像左)主演版の3本目になる今回は、シリーズ初のアカデミー賞(『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデス)監督による作品だけあって、ボンドの生い立ちや上司M(ジュディ・デンチ、画像右)との関係が深く掘り下げられ、実にシリアスで格調高いドラマになってます。

良かったです。見応えありました。ただ問題が1つだけ。これがジェームズ・ボンドの映画と呼べるのか?って事ですw

まぁそれはダニエル版の1作目『カジノ・ロワイヤル』から常につきまとって来た問題なんだけど、今回はいよいよ別物になっちゃった感じですね。ロジャー・ムーアの軽妙なボンドがジョーズ(リチャード・キール)とのどかに闘ってた映画と、同じシリーズにはとても見えませんw

もう一度言いますが、これがジェームズ・ボンド映画なのか? …答えは、イエスなんです。

そう、これこそが新世紀のジェームズ・ボンドであり、過去のボンド映画とは違うのだ。お前らええ加減、過去作へのこだわりを捨てんかい!…っていう、これは製作者の宣言なんだと私は解釈しました。

それを象徴するかのように、大きな区切りとなる事件が最後に起こるんです。我々観客もそれを見て「ああ、なるほど」と。ダニエル版007が登場してから3作品を費やして、製作者はジェームズ・ボンド映画を完全リニューアルしたかったんだ、って事に気づくんです。

このシリーズ、なんと生誕50周年だそうです。そりゃ作風も変わって当たり前なんですよね。これに比べりゃ『太陽にほえろ!』なんてたったの15年だけど、初期と後期じゃかなり作風が変わってました。時代の変化に対応する柔軟性こそが、長寿の秘訣ってワケです。

もしかすると、ロジャー・ムーアの時代に「こんなマンガ映画、もうええわ」って、見限っちゃった方もおられるかも知れません。そういう方にこそ、この激シブ007を是非ともお試し願いたいですね。ホントにねぇ、まるっきり別世界になってますからw アクションも見違えるほどハード&リアルになってます。

でも私個人としては、やっぱダニエル版はシブ過ぎるかな… これはこれで好きですけど、そして今の時代にロジャー版みたいなマンガ映画になっちゃうのも困るんだけど、でもちょっとは砕けたユーモアも欲しい気がします。

だから、前任者のピアース・ブロスナンが一番好きですね私は。こないだ「ユーモアと殺気」の話を書きましたけど、ロジャーはユーモアに走り過ぎで、ダニエルは殺気が充満し過ぎ。

両方のバランスが絶妙だったのが、初代のショーン・コネリー御大とピアースなんですよね。さらにアクションの切れ味も加わったピアース・ブロスナンのボンドが、私にとって理想的な007だと思います。

スーパーな2 本立て

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別にマニアックと言われたから意地になってメジャー映画ばかり観てるワケではありませんw なんとなくスイッチが入って映画ばっかり観たくなる、そういう波がたまに来るんですよね。

せっかく新しい連ドラが色々始まったというのに、『ラストホープ』と『コドモ警視』以外の番組に興味が沸かないしw 『八重の桜』も観てますけどね。

☆『SUPER 8/スーパーエイト』

『ミッション・インポッシブル』や『スター・トレック』等のシリーズをアグレッシヴにリニューアルした才人=J.J.エイブラムス監督による『クローバーフィールド/HAKAISHA』に続くSFモンスター映画。

製作がスティーブン・スピルバーグ御大で、そのスピルバーグに憧れて映画を撮るようになったエイブラムス監督の、スピルバーグ映画への思い入れがギッシリ詰まったトリビュート作品でもあります。

1979年のアメリカ郊外の町を舞台に、8ミリフィルムで自主映画を撮る少年達が活躍する話ですから、完全に監督自身の少年時代が投影されてます。(スーパー8ってのはコダック社製8ミリフィルムの名称です。ああ懐かしいw)

そしてそれから約3年後に、私自身も8ミリフィルムで映画創りを始めてるんですよね。まぁ、本作の主人公達が撮るゾンビ映画のクオリティーに比べると、お恥ずかしい限りですがw(エンドクレジットでその8ミリ映画が流れるんだけど、本編より面白いw)

だけど好きな女の子をヒロイン役にキャスティングしたり、やってる事はだいたい一緒ですよw ビデオカメラ世代でも自主映画野郎なら誰でも共感出来るんじゃないでしょうか。

ただし、自主映画やスピルバーグ作品へのノスタルジーだけが突出してて、肝心のモンスター(正体は宇宙人)映画としての出来は、凡庸でちょっと退屈でした。

この手のジャンルはもう、やり尽くしましたよね。『宇宙人ポール』位に捻りを加えないと、なかなか楽しめるもんじゃありません。

☆『スーパー!』

冴えない中年労働者フランク(レイン・ウィルソン)が、これまでの人生で唯一輝いた瞬間が、美しい妻(リヴ・タイラー)をめとった時。ところがその妻を町のヤクザ(ケビン・ベーコン)に奪われ、どん底に堕ちたフランクは、神の啓示を受け(たと思い込んで)スーパーヒーローになる決意をする。

冴えない男が手製のコスチュームで悪者退治しようとする設定や、過激な少女(エレン・ペイジ=画像)が相棒になってくれる展開が、私のイチオシ作品『キック・アス』と酷似してます。敵が身近なヤクザだったりするのも似てますね。

ただし『キック・アス』がファンタジックな面もあったのに対して、こちらは徹頭徹尾リアルです。主人公が悪者退治に使う武器が金属製の大型レンチだったりするし。それって普通に凶器ですよねw

行列に割り込んで悪びれもしない奴を見たら、そりゃ私だって腹が立つし退治してやりたいと思うけど、そいつをレンチで殴って頭から血を噴き出させてる光景を見たら、痛快を通り越して恐ろしいですよホントにw

だから主人公はたちまち犯罪者として警察にマークされるし、彼の相棒役に志願する少女(と言っても23歳の立派なオトナ)も、ちょっと頭がプッツン気味のアメコミおたくだったりします。

でも、その少女を演じるエレン・ペイジって女優さんの、迷いの無い弾けっぷりが素晴らしいんですよね。主人公は自分の行動がただの通り魔じゃないかと悩んだりするんだけど、彼女はヒーローという大義名分を利用して、完全に暴力を楽しんでたりするw

友人の新車にイタズラで傷を付けたと思われる犯人(証拠なしw)の頭を鈍器で殴ろうとしたのを主人公に止められて「えっ、殺しちゃ駄目だったの?」とか言ってるしw

さらに彼女、若いカラダを持て余して、ヒーローのコスチュームのまま主人公(中年)を逆レイプしたりもしちゃう! 皆さん、これをヒーロー映画だと勘違いして子供に見せては断じてなりませんw

で、彼女にレイプされて大いに傷ついた主人公(中年)はw、そこで気づくんです。自分がヒーローになりたかったのは、世の中の為なんかじゃない。ただ、ヤクザに奪われた妻を取り戻したかっただけなんだと。

そう、これはヒーロー映画なんかじゃなくて、自暴自棄になった中年男とイカレた少女がヤクザの住処に殴り込みをするバイオレンス映画であり、一途なラブストーリーでもあるんですね。

だから、異色だけど根本的にはヒーローの王道を行く『キック・アス』とは、似てるように見えて全く違う映画だと思います。『キック・アス』みたいな爽快感は皆無で、とてつもなく切ない映画です。

切ないし、実に生々しい映画でもあります。ヒーローになるには自己犠牲が伴うことは、他のノーマルなアメコミ映画でもよく描かれてますが、もし現実社会で実行したら、行き着く先は破滅しか無いぞっていうシュミレーションですね。

でも、決して暗い映画ではないです。全ての場面が乾いたユーモアでコーティングされてるし、何よりエレン・ペイジ嬢の弾けっぷりがキュートで、萌えますw(ただし彼女には天罰が下りますので、感情移入は控えめに)

『エッセンシャル・キリング』

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yamarineさんのオススメ映画シリーズ第4弾です。いや、第5弾だったかな?w

何やら、乳首にまつまる衝撃的な描写があるとの事で、これは何を置いても真っ先に観なければ!とw 私は別に乳首フェチってワケでもないんですけどね。いやホントにw

アフガニスタンで米軍に捕まった、アラブ人らしきテロリスト(ヴィンセント・ギャロ)が、護送車の事故を契機に逃走、多数の米兵や追跡犬に追われながら、雪山をひたすら逃げる、逃げる、逃げる!

ストーリーは、それだけw 本当にそれ以外、お伝え出来る情報が何も無いんです。主人公の名前も国籍も最後まで不明のまま、とにかく彼の壮絶なサバイバルだけが描かれてる。

主人公は一言も台詞を喋らないし、BGMもほとんど無し。それでも立派に映画は成立するんだって事を教えてくれてます。

とにかく、彼は必死に生き延びようとします。待ってる家族がいるのか否かも分からないし、何らかの使命を負ってるのかどうかも分からない。たぶん、そんな事はどうでもいいんです。

作者はあえて、そういう背景を何もかも切り捨てて、とにかく生き延びたい!っていう、動物としての本能に突き動かされる人間の姿のみを描きたかったんだと思います。

生き延びる為には、追っ手を殺さなくちゃいけない。タイトルの『エッセンシャル・キリング』ってのは「必然的な殺人」、やむにやまれず人や犬を殺さなきゃいけない状況を意味するらしいです。

主人公はそれを躊躇なく実行します。相手には何の恨みも無いし、これといって目的も無い。まして殺生を楽しんでるワケでもない。ただただ生き延びたいだけ。

もちろん何か食わなきゃ生きられませんから、木の皮やアリまで食べて彼は飢えをしのぎます。そしてそして、問題の乳首ですが…

これは確かに、衝撃の乳首でした。意表を突く乳首でしたね。こんな乳首を思いつくのは、亡くなられた伊丹十三監督ぐらいでは?w

でも、この乳首はあり得る。現実にこんな状況に追い込まれたら、充分にあり得る乳首だと私は思います。さて、乳首が一体どうしたのか? 以下にネタばらししちゃいますので、これから観る予定の方は読まないで下さいね。

自転車に赤ちゃんを乗せた恰幅の良い女性が、泣き止まない赤ちゃんにオッパイを飲ませる為に、道端に自転車を停め、腰を下ろします。それを見た主人公は…

もうお分かりですね。赤ちゃんにオッパイを飲ませてるその女性に銃を向けて、主人公は歩み寄ります。イッちゃったような彼の眼、その視線の先にあるのは… そう、乳首です乳首。乳首。乳首。乳首なんです。

主人公は女性の乳首にしゃぶりつき、一心不乱に母乳を飲み始めるのでした。見知らぬ男にいきなり乳首を吸われた女性はあまりの恐怖に失神、見知らぬ男に乳首を横取りされた赤ちゃんは泣き叫びます。そして主人公もハッと我に返り、泣き崩れちゃう。

乳首は時に「性」のシンボルにもなりますが、その前に「生」のシンボルなんですよね。乳首は生命の源なんです。こんなに大事なものは他にありません。だから私はいつも言うんです。乳首、乳首、乳首、乳首って。解りましたか? 乳首の意味が。乳首の偉大さが。乳首をバカにするな!(怒)

この乳首には本当にビックリさせられたけど、yamarineさんが書かれた通り、なんだか崇高で美しい場面でもありました。主人公の生きる事への執念がピークに達した瞬間でしたね。

この後、主人公は餓死寸前のところを聾唖の女性に助けられ、何とか生き延びます。その女性は言葉を発しませんから、主人公も最後まで喋りません。礼の一つぐらい言えよ!って思いましたけどw

そしてラスト、彼女から貰った白い馬の上で、主人公は真っ赤な血を吐きます。その後どうなったのかは分かりません。この辺りの描写は何やら象徴的でしたね。

アマ○ンのカスタマーレビューを読むと、聾唖の女性は主人公を天国に送る天使みたいな存在ではないか?って解釈されてた方がおられました。でもあれだけ人を殺しちゃってますから、逆に地獄の使者かも?

何にせよ、作者が描きたかったのはそういう事じゃなくて、ただ生き延びる為に必死にもがく人間の姿、単純にそれだけだろうと私は思います。それと、いかに乳首が尊いものかって事ですね。

主演のヴィンセント・ギャロは『バッファロー’66』等で注目された映画監督で、本作の監督さんが同業者としての意見を聞くために脚本を渡したら「この主人公は絶対オレがやる!」って、猛烈に出演をアピールして来たんだそうです。よっぽど乳首が吸いたかったんですね。

この映画、どう評価すればいいんでしょうね?w 私はどんな作品であれ「面白いか面白くないか」で評価する…と言うかそれでしか評価出来ない人間なんだけど、この映画はそういう観点じゃ測れないですよね。面白いものを創ろうなんて意図は微塵も無さそうでw

とりあえず、凄いもん見たなぁと。そして、自分はあの主人公みたいにサバイバル出来るだろうか、あそこまで生きる事に執着出来るだろうか、いきなり通りがかりの女性の乳首に吸いつけるだろうかって、いろいろ考えさせられました。

私に限らず現代の男衆は、生きる事への執着が弱くなってるかも知れませんね。実際、自ら命を絶つ人が増える一方だし…

これじゃあ世界は衰退して行くしかない、お前らもっと必死に生きてみろ! そしてお前らもっと乳首を敬え!っていう、力強いメッセージ映画なのかも知れません。

『最高の離婚』etc.

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なんだかんだ文句言いながらも、もし面白いドラマを見落としたら悔しいので、その可能性が少しでもある番組はチェックしてます。

☆『八重の桜』

幕末のジャンヌダルクを綾瀬はるかちゃんが演じる、言わずと知れた今年の大河です。第1話の冒頭、彼女が撃ったカービン銃の空薬莢が画面に向かって飛んで来てメインタイトルがバーン!という、NHKらしからぬマニアックな描写に鳥肌が立ちました。

そして彼女の幼少期を演じた子役の女の子が素晴らしかった! 会津弁がまたキュートなんですよね。さらに、鉄砲を撃ちたくて仕方がない女の子という設定にも親近感がw

昨日の第3話は、西島秀俊くんの「脱いだら凄い」マッチョな肉体に驚愕。『朝イチ』にゲストで出てた時の好青年ぶりといい、イケメンがそこまで完璧だとイヤんなっちゃいますw

☆『ビブリア古書堂の事件手帖』

たまたまテレビつけたら第1話をやってました。これはgonbeさんが観たら気に入るだろなぁって思いながら観てましたよw

剛力彩芽ちゃんとエグザイルがそれぞれ、淑やかだったり地味だったりする人物像を演じてるのが、新鮮ではありますね。古書堂っていう舞台設定も悪くないです。

でも、おばあちゃんの遠い過去の恋愛をエグザイルが知りたがるセンチメンタルさに、エグザイルなだけに何だか白々しさを感じずにいられませんでした。

どうやら私向きのドラマじゃないようです。エグザイルなだけに。つくづくフジの月9とは相性が悪いです。

☆『最高の離婚』

題材自体には興味が沸かないんだけど、『それでも、生きてゆく』の脚本家さんと瑛太くんの組み合わせ、相手役が尾野真千子さんって事で、チェックしないワケには行かないですよね。

独特な台詞回し、掛け合いの妙はさすが、期待を裏切りません。それと、男と女が根本的に全く違う生き物である事を、すごくリアルに描いてると思いました。

特に先日の第2話、瑛太くんが昔の同棲相手である真木よう子さんに、あの頃が人生で「最高」だった事を前提に話をしてたら、ずっと優しく微笑んでた彼女が「私にとっては最悪の時期だったのよ」ってw あの気まずさったらw

男ってのはホント、めでたくて未練がましくて滑稽な生き物ですよ。そして女は怖い! 男と女、そして夫婦にまつわる「あるある」は、やっぱ女性が観て喜ぶもんでしょうね。男は現実よりもロマンを見たがる…もんだと私は思うけど、昨今は違って来てるかも知れません。

内容的にはいつ視聴をやめても悔いは残らない感じですが、やっぱ瑛太くんとオノマチさんは見てて飽きない。それだけで最後まで観ちゃう可能性はあります。

あと、桑田さんによるエンディング曲は良いとして、美男美女がドレスアップして踊るみたいなビジュアルは、なんだか苦手ですw

『ラストホープ』#02

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手堅くて何が悪い!?w 手堅いからこその良さがある事を、あらためて教えられました。どうもすみませんでしたm(_ _)m

そもそも私は王道に弱いんですよ。忘れてましたw 田辺誠一さんが奥さんか恋人かの延命治療を絶っちゃう回想場面、瞬時に涙腺が決壊しましたw 定番中の定番なのに!w

でも、これは言い訳させてもらうと、創り手が安易にお涙頂戴を狙ってるだけなのか、あるいは真摯に登場人物の背景を構築しようとしてるのか、観れば判るんです。例え一瞬の場面であっても、伝わって来るものが全然違うんですよ。

と言いながら初回ではピンと来なかった私ですが、登場人物たちに愛着が沸いて来たせいか今回はビンビン伝わって来ました。このドラマ、良いですよ!w

これはやっぱり、多部ちゃんのお陰かも知れません。彼女の芝居にリアリティが無ければ、同じ脚本でも単なるお涙頂戴にしか感じられなかった気がします。

だから多部未華子が必要だったワケですね。彼女だけじゃなく、あれだけの俳優達を揃えたからこそ、思い切って直球の内容で勝負出来る。そこに不安がある作品ほど、やたら捻りを加えたがるものかも知れません。

彼女が「マシーン」と呼ばれる事についてですが、実はそれほど私は違和感を抱いてませんでした。マシーンと呼ばれる人=無表情とか冷たいとかっていう先入観が無かったんですよね。

何かのドラマで舘ひろしさんあたりが演じる刑事に「刑事マシーン」ってあだ名がついてたような記憶があり、それは別に冷血漢だからじゃなくて、捜査になると熱中して周りが見えなくなり、歯止めも利かなくなっちゃう、そういう生き方しか出来ない人だからなんですね。

全身役者と呼ばれる俳優さんもおられますが、刑事マシーン=全身刑事、多部ちゃん扮する橘歩美も全身ドクターっていう意味での「マシーン」なんじゃないでしょうか?

とは言え、一般的にはマシーンと聞くとターミネーターみたいに無感情、無機質なイメージを抱いちゃうのが自然かも知れません。実際、多くのブロガーさんが「あだ名と実際のキャラが矛盾してる」と書かれてました。

そこで私が思い出したのが、『ジウ』における美咲刑事(多部ちゃん)につけられたあだ名「カンヌ」ですw うそ泣きの名人→女優賞もの→カンヌっていう由来からして無理があるけど、物語の中で彼女は一度たりともうそ泣きをしないというw、凄まじく設定倒れなネーミングでした。

たぶん作者は「カンヌ」っていう名詞の響きが好きで、先にその名前ありきで由来はテキトーに後付けしたんじゃないでしょうか?(私が『乳首』を連発するのも、ただ響きが好きなだけなのだ!)

「マシーン」の呼び名もそんな感じで、プロデューサーやスポンサーなど会議室の連中がテキトーに設定して、だけど現場の脚本家や演出家は「そんなキャラじゃドラマにならねぇよ」ってんで、注文に従ってるフリして実際は独自に、あるいは多部ちゃんサイドと相談しながらキャラクターを創って行ったのかも知れません。

だから第2話にして早くも「マシーン」ってあだ名は忘れ去られてますよねw 普通なら浸透するまで無理してでも「マシーン」って呼ばせますよ。

現場スタッフも多部ちゃんも、役作りに「マシーン」は全く、確信犯的に意識してないんだろうと私は推測します。たぶん「カンヌ」の時もw 頭の良い多部ちゃんが、その矛盾に気づいてないハズが無いですもんね。

それにしても、無謀とも言えるオペに敢然と立ち向かう橘歩美=多部ちゃんが、言葉に出来ない位に格好良かった。もうねぇ、抱かれたいですよw

特に画像の場面、キャップとマスクに加えて眼鏡までしてても、全く威力を失わないこの眼力! 普通、こんな扮装されたらパッと見ただけじゃ誰だか判んないと思うんだけど、多部ちゃんだけはファンならずともすぐ見分けられます。そんな人、他には的場浩司ぐらいしかいませんよw

歩美がただ単に人格者だったり、天才ドクターだったりするんじゃなくて、患者を救う事で自分自身をトラウマから救おうとしてる背景が描かれてるのが、本当に素晴らしいと思います。マシーンどころか、孤独や弱さを抱えた人間味溢れるドクターですよ。

だからこそ我々は共感し、感動出来るんですよね。彼女以外のメンバー達も今後そういう風に描かれるんでしょうけど、主役の相葉くんよりも先にトップバッターとして多部ちゃんが活躍しちゃうこの始末w いかに創り手から頼りにされてるかって事だと思います。

馴染んで来ると、メンバーどうしの掛け合いも楽しくて仕方ないです。特に小日向文世さんが面白すぎる!w 桜庭ななみちゃんが小日向さんにそそうをしてチョー論理的なお説教を食らうのが、どうやら毎回のお約束になりそうですね。こういうの大好きですw

やっぱり、多部ちゃんのドラマにハズレ無しですね。いやー良かった良かったw

『プロメテウス』

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いきなり強烈なビジュアルの画像ですが、あの首はアンドロイドですのでご安心を。『エイリアン』シリーズではお馴染みの光景ですね。アンドロイドに乳首はあるのでしょうか?

巨匠リドリー・スコット監督が『ブレードランナー』以来、約30年振りに取り組んだSF映画であり、出世作『エイリアン』の前日談となる作品でもあります。

映画ファン、特にSFマニアは期待しまくり、ハードルが上がりまくったワケですが、いざ公開されてからの評判は「がっかり」って声が多かったみたいです。

私の感想としては「普通に面白いやん。乳首は出ないけど」って感じなんだけど、やっぱり『エイリアン』と『ブレードランナー』はSF映画史に燦然と輝く金字塔ですから、「普通」じゃファンは納得出来ないですよね。

雑誌「映画秘宝」では2012年公開作品のワースト2位になってました(ベストのランキングでも11位に入ってますが)。ちなみにワースト1位は『ダークナイト・ライジング』で、やっぱり前作が良くて期待値が高い作品には、評価もより厳しくなっちゃいますね。

その映画秘宝の評者によると『プロメテウス』は、ホラー映画としてはアリだけどSF映画としてはデタラメ過ぎる!との事でした。考証や辻褄の点で穴が多すぎると。

例えば今回、リドリーさんは『エイリアン』前章としての要素だけじゃなくて、人類の起源まで具体的に描いておられ、それは知能の発達した異星人によって人類は創造されたっていう仮説に基づいてるんだけど、その人類創造の方法が科学的に絶対あり得ない、と。

私は科学に…というか乳首以外の全ての事に疎いのでよく分かんないのですが、『エイリアン』という作品の創造主であるリドリーさんが「人類はこうして創られたんだ」って、そう仰ってるんだから仕方がない、あるんだから仕方がない、と思ってその辺りは受け入れてました。

もう一つ評者に突っ込まれてたのが、最後のクライマックスで細長い宇宙船が墜落して、地面に突き刺さった状態からゆっくり倒れて来る場面。それで地上にいたヒロインと悪役のシャーリーズ・セロンが慌てて逃げるんだけど、縦長の物体が倒れて来るんだから横に逃げればいいのに、二人はなぜか縦の方向に一生懸命走るんですよねw

これは確かに、私も「なんかマヌケやなぁ」と思いながら観てました。ヒロインは途中で気づいて横に逃げるんだけど、セロンちゃんは縦に走り続けたばっかりに、宇宙船の下敷きになって死んじゃうんですよねw

シャーリーズ・セロンって、アカデミー賞女優ですよ?w この場面に限らず、わざわざ彼女をキャスティングするような役とは思えなかったです。なんか薄っぺらいキャラクターで。

いや、彼女だけじゃなくて、登場人物がみんな薄っぺらかったなぁ… 思い返せば『エイリアン』も『ブレードランナー』も、ビジュアルは天才的なんだけど人物描写は薄っぺらかったですよね。そういう要素にはあまり興味が無い監督さんなのです。

あと、エイリアンの子供を妊娠させられたヒロインが、産まれる寸前で自動手術装置に駆け込み、自ら帝王切開して凶暴なそれを取り出す場面がすこぶるスリリングで、私はそれを観て「これは凄い、普通に面白いやん!」って思ったワケですが

それもシリーズのファンからしてみれば「そんな事が可能なら今までのは何だったんだ?(なんで誰もやらなかったんだ?)」って言いたくなるみたいです。まぁ確かに、本作は『エイリアン』第1作より何十年(何百年?)も前の時代を描いてるワケですからねぇ。

やっぱこの映画、ワースト2位でも仕方ないかもw 整合性を気にされる方にはオススメ出来ないですね。深い人間ドラマが観たい方もダメ。観る価値があるのはビジュアル面だけかも…

とりあえず人類と、あの凶暴極まるエイリアンがどうやって、何の目的で創造されたのかが、この作品を観れば分かります。

でも、そういうのって分からないままの方が面白かったかも知れません。やっぱオススメ出来る要素がありませんねw

多部ちゃん、いくよ…

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『VS嵐』に再び多部ちゃん登場、今回は嵐チームと『ラストホープ』チームが対決しました。

相葉雅紀くんは嵐の一員でもあり『ラストホープ』の主演俳優でもあります。『太陽にほえろ!』対『大都会』の野球大会における石原裕次郎さんみたいw (古い話ですいません)

この番組はいつ観ても楽しいけど、今回の楽しさは格別でしたね。相葉くんの素朴なお人柄と、多部ちゃん&小池さんの仲良しぶり、小日向さんや北村さんの可愛い親父キャラに加えて、高嶋さんの天然ぶりが絶妙なスパイスになって、画面からほのぼのムードが溢れ出てました。『ラストホープ』、いいチームだ…

それにしても、多部ちゃんとペアを組んでゲームに興じる相葉くん、羨まし過ぎます。いいなぁ…

「多部ちゃん、いくよ! いくよ! いくよ!」って… 雅紀くんw

『コドモ警視』

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『コドモ警察』シリーズ第2弾となる30分ドラマがスタートしました。キー局のTBSでは火曜の深夜ですが、近畿では木曜深夜の放送となります。

楽しみにされてたひささんには申し訳ないのですが、今回はやや辛口のレビューになっちゃいそうですm(_ _)m

個人的に一番残念なのは、『コドモ警察』に溢れてた’70〜’80年代の刑事ドラマへのオマージュが、今回はすっかり無くなっちゃった点です。でもそれは、毛色を変える為の意図的な方針だろうと思いますので、まぁ仕方ありません。

だけど、前作がなぜあんなに面白かったのか? その理由を、創り手の人達が自分で理解してないような気がしてなりません。(スタッフの顔ぶれが違うのかも知れないですが)

『コドモ警察』の面白さは何と言っても、刑事部屋のいかついデカ達という大人の世界を、子供達が大真面目に演じてるという、良い意味での学芸会的な楽しさに尽きると思います。

ところが今回の『コドモ警視』、舞台が小学校なんですよね。優秀な刑事が悪い組織の罠によって子供の身体にさせられたっていう設定は『警察』と同じなんだけど、今回は主人公が身分を隠して小学生をやっている。(元ネタは『スケバン刑事』?)

小学生の身体で小学生を演じても、普通に小学生だから違和感がないw さらに、主人公の警視くんはクラスメートから「大人っぽい」って言われ怪しまれたりするんだけど、演じるマリウス葉くんが飛び抜けて身長が高い(先生より大きい)もんだから、大人っぽく見えて当たり前なんですよ!w

大人っぽい小学生が小学校の中にいて「大人っぽい」って言われても、そりゃそうやろってw 『コドモ警察』最大の魅力である「ギャップ」が完全に無くなっちゃってるんですよね。単に頭の切れる大きな小学生が、クラス内で起こったトラブルを解決する、ありふれた学園ドラマにしか見えないんです。

だから、ゲストで『コドモ警察』のデカ長・鈴木福くんが出て来て、ちっちゃな身体でブランデーグラスを揺らしながらキザな台詞を吐いたら、途端に面白くなるんですよねw このシリーズは本来、そこが肝なんですよ絶対!

創り手の人達がそれを解ってない筈が無いと思うんだけど、主演のマリウスくんがジャニーズの子って事ですから「You、マリウスはただの子役と違うんだからピンで活躍させちゃいなよ!」的な、抗えない政治的事情があるのかも知れませんねぇ…

とは言え、マリウスくんのキャラクター自体は面白いですから、本作が『コドモ警察』シリーズである事を意識せずに観れば、けっこう楽しめるかと思います。彼を売り出す為にこのシリーズが利用された感じはしますけど…

『コドモ警察』のファンとしては、刑事部屋の面々が交替でゲスト出演するのが見逃せないし、公開が迫る劇場版に出演されてるらしい殿下=小野寺昭さんの登場もあり得るので、私としても観ないワケにいかないですね。

いや、小野寺さん以上に、あの色っぽい本田望結ちゃんと再会するのが楽しみでなりませんw

PS. 今夜、0:10からNHKのBSプレミアム『音楽熱帯夜』で、昨年クリスマスのももいろクローバーZのライブ「ももクリ2012」が放映される模様です。ファンはもちろん必見ですが、それ以外の方で少しでも興味のある方、アイドル鑑賞に抵抗のない方は、ももクロの真骨頂はライブにありますから、是非一度ご覧下さいませm(_ _)m

『アジョシ』

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韓国映画です。韓流と言えば美男美女のメロドラマってイメージが強いかも知れませんが、もう一方では「激辛」と称されるリアルなバイオレンスやダークなホラー映画も多いのです。

もちろんヨン様が胸に手を当てて微笑むような映画を私が観る筈もなく、韓国映画ならば激辛しか選択肢はありません。

でも今回の『アジョシ』はプロットだけ読むと甘口の内容なんですよね。人身売買組織に拉致された少女を、隣の家に住むアジョシ(=おじさん)が命懸けで救出しに行くアクション映画ですから。

てっきり叔父と姪の関係かと思いきや、たまたま隣に住んでるおじさん…と言うよりお兄さんなんですよね。演じてるのはいつぞや徴兵されて話題になった、イケメン俳優のウォンビンですから。

アバズレの母親と二人暮らしの少女は、隣家で質屋を営む無口な男・ウォンビンになついてるんだけど、母親が麻薬組織の取引現場からヤクをくすねて来たばかりに、拉致される羽目になる。

それを知ったウォンビンは、麻薬組織と人身売買組織というヤバ過ぎる二つの組織を敵に回して大暴れ。これがまた異常に強い! それもその筈、彼はなんと、元特殊工作員だったのでしたw

さすがの私も「またかよ!」って思っちゃいましたがw、もはや普通のアクションじゃ観客は満足しませんから、物凄いアクションを見せるには非常に便利な設定なんですよね、元スパイってのは。これは明らかに『96時間』の影響を受けた企画だと思いますし。

その『96時間』と決定的に違うのは、拉致されたのが主人公の娘じゃなくて、ただのご近所さんって所ですね。しかも、まだ10歳にもならない小学生なんです。これはウォンビンくん、ロリコンと言われても仕方ありませんw

とは言え妊娠中の妻を殺された過去が示されてましたから、会えぬまま逝った我が子への想いも含まれてるかも知れません。でも私は、そんな設定は不要だと思います。いいじゃないですかロリコンでw それこそ究極の純愛ですよ!

だからアクション映画としては非常にシュガーな物語なんだけど、そこは激辛の韓国映画ですから、描写がいちいち陰惨なんですよね。暗くてリアルで残酷なんです。

主人公にせよ敵にせよ、殺し方がいちいち痛々しいw 銃も使うけど、ナイフで切り刻んだり骨をへし折ったりの接近戦が多いんですよね。だから血もよく出ます。

その上、敵が同じ人身売買組織でも『96時間』は売春目的だったのに対して、こっちのは臓器売買が目的ですから、やる事が冷酷なだけじゃなくグロテスクだったりもする。ホラー映画じゃないから直接的な撮り方はしてないけれど…

娯楽映画にも毒は不可欠だと思いますが、あまり残酷なのは好きじゃありません。『キック・アス』がギリギリのラインですね、私にとっては。

そして、暗くて重苦しいのはもっと好みません。同じような筋立てでも、韓国映画は暗くて重苦しいですね。自分と同じアジア人が演じてるせいもあり、生々しくもある。やっぱ私はハリウッド映画の明るさや虚構性にこそ惹かれます。

だって、元特殊工作員が1人の少女の為に何十人ものヤクザを殺しまくる映画ですよ? そんなリアルに生々しく描くような話かよって思いませんか?

評判は良くて「映画秘宝」でも一昨年のベスト10に入ってましたけど(だから観たんだけど)、この映画はちょっと陰惨すぎました。それをどの程度まで許容するかは個人差があるでしょうから、あくまで私の物差しで見ればって事ですが。

でも、子役のキム・セロンちゃん(画像)は素晴らしかったです。私が目を引かれたのは彼女だけ。主役のウォンビンはちょっとイケメン過ぎましたねぇw

それと、敵の中にエグザイルっぽいイケメンがいて、こいつがまたストイックで格好良すぎるんですよね。最後にちょっと泣かせるような粋な事もしてくれるし。気に食わないですw

ハリウッド映画って、けっこうイケメンが馬鹿だったり性悪に描かれたりする事が多いですが、アジア映画は二枚目がとことん二枚目に描かれる傾向がありますよね。三枚目はとことん道化だし、なんだかステレオタイプ。

アクション映画はやっぱハリウッドに限りますね。ヨーロッパも悪くない。日本はもう、現状だとこのジャンルに期待するだけ虚しいです。

そんなワケで『ダイ・ハード5』を楽しみにしておきますw

『ももクリ2012 』

『太陽にほえろ! PART 2 』

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本屋さんで雑誌「昭和40年男」を立ち読みしてたら、寺尾聰さんの大ヒット曲『ルビーの指環』をプロデュースした人の談話が載ってました。

寺尾さんは元々グループサウンズで音楽活動をされてた方ですが、当時(’80年代)は俳優として『西部警察』の松田刑事役(なぜ愛称が『リキ』だったのか未だに謎w)で人気沸騰中でした。

ミュージシャンとしての才能と当時の人気に目をつけた氏は、タイミングを見計らって3曲連続のシングル・リリースを仕掛けた上、一番売れそうな『ルビーの指環』をあえて三番目に出す等の狙いをパーフェクトに的中させ、あの社会現象とも言えるヒットを生み出したんだそうです。

棚ボタ的なイメージだったあの大ヒットが、実は全て計算づくだったってのが凄いと思うし、紅白歌合戦のリハーサルを寺尾さんがボイコットして危うく出場取り消しになりかけたエピソード等も語られてて、非常に興味深く面白い記事でした。

その3曲を含むアルバム『Reflections』も100万枚を超える大ヒットで、私は買わなかったけどクラスメートにダビングしてもらい、ほとんど毎日聴いてました。格好良くて切なくて、何より唄い易いのが魅力でした。

寺尾さんの父親である名優・宇野重吉さん(故人)は「あんな鼻歌みたいなもん、どこがいいんだ」との名言を吐かれたそうですがw、その鼻歌みたいに唄える所こそが良かったんですよね。

当時は買わなかったけど、近年になって寺尾さんが全曲セルフカヴァーされたアルバムは購入し、今でも時々聴きながら口ずさんでます。ホントに良いですよ、寺尾さんの曲は。

…とまぁ、寺尾さんの事をあれこれ思い出してる内に、『太陽にほえろ! PART 2 』の事を書きたくなりました。いずれCS放送かDVD発売の折に書くつもりだったけど、一体いつになるやらメドが立たない現状ゆえ、ならばこの機会にと。

ご存知でしたか、この番組の存在を? 知ってても観た事がないって方が大半じゃないでしょうか? なにしろ全12話、つまり1クールしか放映されなかったドラマですから…

今でこそ1クール(3カ月)放映が標準になってますけど、当時の連ドラは短くても2クール以上が常識でしたから、12話で終わりとなると「視聴率の低迷により打ち切り」って思われちゃうんですよね。

でも、違うんです。前作『太陽にほえろ!』はボス=石原裕次郎さんが体力の限界で急遽終了が決まった為、裕次郎さん以外のレギュラーキャスト陣の出演契約が、まだ1クール分残ってたんですよね。

日テレとしては新しいボスを迎えて番組を継続したかったんだけど、石原プロが終了を強く望んだ為、新しいドラマ(やはり刑事物の『ジャングル』)に切り替える事が決定、でも準備期間が要るしキャストの契約もあるから、苦肉の策として『PART2』を創る事になったワケです。(ファンはみんな、代理ボスを務めてた渡哲也さんの続投を望んでたと思いますが、まぁ出来ない事情が色々あったのでしょう)

だから、最初から1クール限定が前提だったワケですね。しかしそれにしても、パート1が全718話あるのに、パート2が12話って… どんなバランスやねんw 違うタイトルに出来なかったの?って思うけど、まぁ他にどうしょうも無いですよね。事情が事情だけに仕方がない、あるんだから仕方がない。

そうして製作されたパート2の最大の特徴は、メジャーな連続物の刑事ドラマでは恐らく初だったと思うのですが、ボスの役目を務めたのが女性だった事ですね。演じたのは、裕次郎さんが最も尊敬されてたと云われるベテラン女優・奈良岡朋子さんです。

これには賛否両論あろうかと思いますが、私は大正解だったと思ってます。もし、候補に挙がってたとされる加山雄三さんや後に『刑事貴族』でボスになる松方弘樹さんみたいな男性スターがボスになってたら、どうしても裕次郎さんと比べちゃいますからね。そして裕次郎さんに遠く及ばないのは目に見えてます。

ならば思い切って全く違った角度から人選した方が良いし、到来する女性の時代をいち早く先取りしてた点でも、実に鮮やかな舵取りだったと私は思います。ここまで大胆に改革されたら、ファンもかえって文句が言えなくなります。

そしてもう一つの目玉が、寺尾聰さん扮する喜多刑事でした。『太陽にほえろ!』の中だとスコッチ刑事(沖雅也)からの流れを汲む「クールな一匹狼キャラ」のポジションだけど、同じクールでも肩肘張らない飄々とした軽さも備えた、全く新しい刑事像を築かれてたのがもう、さすがとしか言いようありません。

何があってもウェットにならない、とことん乾いた感じが実にハードボイルドで、犯人をサラリと射殺しちゃうような所も『太陽』じゃ異色のキャラでした。ニックネームも無し!ですからね。たぶん、そうして『太陽』色に染まらない事こそが寺尾さんの希望というか、出演の条件だったんだろうと思います。

後のメンバーは前作から続投のドック(神田正輝)、マミー(長谷直美)、ブルース(又野誠治)、マイコン(石原良純)、DJ(西山浩司)、トシさん(地井武男)、さらに4年ぶりに現場復帰の長さん(下川辰平)と、総勢9名の大所帯。

そんな中でも寺尾さんは全く埋もれないどころか、ピカイチの存在感を示しておられました。これは私だけの感覚かも知れないですが、それまでチームの中心にいたリーダー格の神田正輝さんが、寺尾さんが加入した途端に影が薄くなっちゃったんですよね。

ベテランと若手の中間にいるポジションと、キャラ的にも少し被る部分があって、そうなると圧倒的に寺尾さんのカリスマ性とか男の色気が、神田さんを食っちゃったように私は感じました。

それだけ寺尾聰という俳優の持つパワーが凄いって事で、今でも主役級で活躍されてる所以ですよね。実際、粒揃いなパート2全話の中でも、寺尾さんが主役を務めた3本は特に面白かったです。武骨なブルース刑事とのコンビが、軽妙で凶悪で実に最高でした。

寺尾さんは『大都会PART3』以降、数々の刑事ドラマに出演されてますが、その中でもこの『太陽2』で演じられた喜多刑事こそが最高に魅力的だったと、贔屓目を抜きにしても私は思ってます。たった12話しか無いのが実に惜しい!

現時点では幻のドラマになってる『太陽にほえろ! PART 2 』ですが、一見の価値ありです。その存在を皆さんも是非、頭の片隅に置いて頂ければと思います。





 
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