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『カケラ』

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この映画に百合の要素がある事は知ってましたが、予告編でコメディーっぽい印象を受けてたんで、ネタ程度にしか描かれてないだろうと勝手に思ってました。

観たら違ってましたね。これは本格的な百合映画ですよ! ただし、我らヘンタイ男が妄想する甘美な百合世界とは全然違います。ヘロデ王の娘=安藤モモコさんの第一回監督作品って事で、確かにこりゃ、女性にしか撮れない映画です。

満島ひかりファンは、ちょっと覚悟をして観なければなりません。下着姿や、お尻が見えるシャワーシーン、女子どうしのラブシーンは良い(むしろ大歓迎)としてw、アパートの和式トイレにお尻をつけてオシッコしたり、公園のトイレでタンポンを入れたり等、男としてはあまり見たくない生々しい描写が多々あります。

特に衝撃的だったのは、ワキ毛です。アンダーヘアを見せた女優はいっぱいいても、ワキ毛を大スクリーンに晒した売れっ子女優は数少ないでしょう。男が女性に対して抱く幻想を、ことごとく打ち崩してやろうっていう監督の狙いがハッキリ判ります。

だーがしかし! 世の中、女性のワキ毛に顔をしかめる男ばかりだと思ったら、そりゃ大間違いですぜ安藤さんw 女性読者の方にも是非、この機会にお知らせしておきたい!

私は性に目覚め始めた中学生時代に、同級生女子の制服(夏服)の隙間から見えたワキ毛に衝撃を受けて以来、女性のワキ毛がチラッと見えるシチュエーションに、興奮するとまでは言わないけど、ちょっとばかし萌えるようになっちまったのですw

いや、往年のAV女優・黒木香さんみたいにボーボーなのは駄目なんです。ちょっと処理をサボってうっすら生えて来た位がちょうどいい。要するに、思春期に初めて見た女性の秘部、その時のドキドキが刷り込みになって、今だに残ってるワケです。

例えば夏場、電車の座席に座ってて、目の前に女性が立ち、吊り革を持ったとしましょう。私はつい、彼女のワキの下をチラ見しちゃうのであります。で、それが綺麗に処理されてた日にゃあガッカリしちゃうワケですよw お前、余計なことすな!って、次の駅に着くまで説教してやった事もある位です(うそw)。

だから安藤さん、皮肉にもあんたは、俺を喜ばせただけに過ぎないんだぜ? …って、話が思いっきり横道に逸れてますけどw 皆さんどいつもこいつも、ホントにド変態ですね。

満島さんがつき合ってる彼氏ってのがまた、ロクでもない乳首チョメチョメ野郎で、ただ会って泊まってチョメチョメするだけの、惰性かつ空疎な日々。

心の隙間を埋める何かが欲しい… そんな時に出会ったのが中村映里子さん。男とか女とか関係ない、自分は「人」を見て好きになるだけ。周りからどう見られようが関係ない。

そんな中村さんは格好良いです。レズだ変態だとバカにする乳首チョメチョメ野郎にキンテキを食らわし「キンタマ付いてりゃ偉いのか、グローバルな世の中について来れないだけだろ、バーカ!」なんて啖呵を切る場面には拍手喝采です。

だから満島さんも彼女に惹かれ、男も女も関係ない心の繋がりに、隙間を埋めてくれる何かを見いだすのですが…

いざ同棲生活を始めると、自由奔放に見えた中村さんが、満島さんを束縛するようになっちゃう。「男だとか女だとか考えるから苦しくなるんだよ」って言ってた中村さんなのに、満島さんがちょっとでも男と関わると嫉妬する様になっちゃう。

幸せを感じたのは束の間だけで、二人の心はすれ違い、再び孤独で息苦しい毎日が始まる。で、二人はこれからどうなっちゃうの?っていう観客の気持ちを置き去りにしたまま、突き放すように映画は終わっちゃいます。

「満月は綺麗だけど、それは一日だけで後はずっと欠けてるんだよ。でも、欠けてる月だって綺麗かも」

「好きなものは、いっぱい食べちゃ駄目だよ、気持ち悪くなっちゃうから。少しずつ食べた方が幸せだよ」

↑例によってうろ覚えですがm(__)m、作者のメッセージはこれらの台詞にこめられてるかと思います。

心が満たされず、息苦しい毎日… それって誰でも同じで、普通の事なんだよと。たまにしか満たされないからこそ、その瞬間が幸せに感じられるんだよと。

人は不完全な生きもので、常にパズルのピース=カケラが抜け落ちてる。それを拾い集め、埋めていく為に、人は生きてるのかも知れない。

なかなか全部は埋まらないけど、一つ埋める度に歓びがあるんだから、また頑張って次のカケラを探そうよって、そういう事を言ってるんだと私は解釈しました。

それにしても満島さん、『悪人』『川の底からこんにちは』に続いて、本作でも心が満たされずに苦しむ「中の下」女を、実に自然に演じておられます。

特に『川の底から…』の前半と、本作の満島さんはよく似てます。優柔不断で流され易く、ダメ男に振り回されちゃうダメ女。これがまた妙にハマってるw

多部ちゃんにも一度、そういう役を演じてもらいたいですねw 一見、気が弱い『君に届け』の爽子でさえ、芯は強い女の子でしたから、多部ちゃんにとって未開拓な分野かと思います。

ダメ男に振り回される多部ちゃん… まぁ、玉木つばさにその傾向はありましたけどw、自分を持てないダメダメな多部未華子は、とても新鮮に見えるかも知れません。

PS. ずっと前にgonbeさんが本作をレビューされた時の疑問点=棒アイスを物凄くいやらしいしゃぶり方で食べる、中村映里子さんの場面ですが…

『鈴木先生』で同様の描写があった時、それは女子どうしでくっついてても本音は男が好きである事を暗示してると、私は解釈しました。

でも今回の中村さんはその真逆で、男に全く興味が無いからこそ、ああいうしゃぶり方を(そういうしゃぶり方だとは知らずに)平気でしちゃう、って事なのかも知れません。

ただし、彼女が真性のレズなのは見てりゃ判る事ですから、わざわざあんな表現を付け加える意味は、やっぱりよく解んないですね。

いや、しかし中村さんが男に対して嫉妬してたって事は、もしかすると実は『鈴木先生』と同じ意味なのかも? 変態さでは負けないつもりの私でも、そのへんの心理はやっぱ解んないですねぇ…

全体的に、男に対する蔑みの感情がこめられてる様に感じましたから、これも監督から男全般に対する、上から目線の嫌味…とも取れます。まぁホント、よく解んないけどw

最悪だけどサイコーな映画(1 )

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あまりに低俗、下品過ぎて笑っちゃう映画を観ました。'95年、ハリウッドのラジー賞(最低映画賞)の各部門を総ナメにした『ショーガール』です。(コメディーではありません)

監督は『ロボコップ』や『トータル・リコール』での残酷描写で観客のド肝を抜き、『氷の微笑』でシャロン・ストーンをノーパンにして大ヒットさせた、あのポール・ウ゛ァーホーウ゛ェン。(←ウ゛が2つも入ってるw)

戦火のオランダで生まれた監督は、幼い頃から間近で暴力や死体を見て育った上、宗教家に騙されたトラウマがある事から、人間の醜悪な部分を露骨に描き、神を冒涜する反モラルな映画ばっかり撮って、オランダ映画界から干されてました。

そんなエログロ監督をハリウッドに呼び寄せたのは誰あろう、スティーウ゛ン・スピルバーグ御大です。エロ要素は皆無と言って良いスピルバーグさんだけど、残酷描写においてはハリウッドの最先端を走って来た人ですから、ビビッと感じるものがあったんでしょう。

田舎町からラスベガスに上京したダンサー志望の女の子が、根性でショウビジネス界をのし上がり、一流トップダンサーの座を勝ち取るサクセス・ストーリーが『ショーガール』です。

ただし、一流と言ってもストリップ劇場なんでw、喜んで良いのかどうか分かりません。ヒロインは娼婦扱いされると激しく怒るんだけど、やってる事がストリップ(別料金でヌキも有り)だからw、逆ギレしてるだけにしか見えないし。

とにかく百人単位で出てくるダンサーがみんな裸になりますから、すぐに飽食しちゃってエロくも何とも感じないw テレビで観たんでボカシが入ってましたが、ヘアも丸出しです。

それはいいとして、とにかく登場人物がどいつもこいつも根性悪くて、誰にも感情移入出来ない。ヒロインですら、ライバルの背中を蹴って階段から突き落とし、重傷を負わせてもトボケちゃう女ですからね!

でも、それすら普通の事に感じる位に、全員がまさに生き馬の眼を抜くハイエナ乳首チョメチョメ人間ばっかりなんで、不快感も麻痺して来ちゃうw 裸、セックス、暴力、ファック、罵詈雑言、チョメチョメ、裏切り、乳首のオンパレードですからね。

ミュージカルの『シカゴ』なんかも大筋は似たようなもんなのに、あれは登場人物がみんなチャーミングに見えて爽快感すらありました。それで確かアカデミー賞でしたからね。

対してこちらは最低映画賞総ナメw 話の筋は似てても、表現の仕方で観客の印象は180度変わっちゃうという見本です。信仰心の強い国ほどそうでしょうね。

その上、巨額の予算をかけてこの内容ですからねw 脚本料が史上最高額100億円とかですよ、確か。「売れたいならサッサと俺のチンコをしゃぶりやがれ!」とか「今すぐ脱いで乳首を立たせて見せろ!」みたいな台詞しか出て来ない脚本にですよ?(マジです)w

『氷の微笑』の大ヒットで調子に乗ってたカロルコ・プロが、本作の大コケで倒産しちゃったんですよね、確か。なぜこんな映画に社運を賭ける?w

でも、この映画がつまらないかと言えば、決してそんな事は無いんですよね。作者の人間性がビンビン(ウ゛ィンウ゛ィン)伝わって来る作品って、やっぱり面白いですよ。

人間、特に芸能界で成功するヤツなんて、どいつもこいつも一皮剥けばこんなもんだぜ!っていう、監督のメッセージがよく伝わって来ます。

その考え方を肯定するか否定するかは別にして、作品を鑑賞すること=作者とのコミュニケーションだと私は思ってますから、これだけハッキリ言われたらかえって気持ちが良いです。

実際、監督はラジー賞の授賞式に堂々と出席されたそうですからw 普通はしませんよ。こりゃもう、確信犯ですね。反感、総スカンは承知の上で創ってる。

だから私はこの映画、嫌いじゃないです。面白いと思います。本当につまらなくて、本当に軽蔑すべき映画は、こういうのじゃない。

私にとって本当に最悪な映画とは、作者とのコミュニケーションが成立しない作品です。それは人間関係でも同じこと。つまり、何が言いたいのかサッパリ解んないようなヤツが一番嫌い。

一生懸命に伝えようとするんだけど、口下手でうまく伝わらない。そういうのは良いんです。その気持ちさえ伝われば。

真の最低映画とは、例えば実写版『デビルマン』です。何かを伝える気が無い、伝える努力を放棄しちゃったような作品(人間)が一番嫌いです。

例えばアホの亀山が製作した『少林少女』。あれは言ってる事が支離滅裂で、なのに本人は面白いと思ってる本当の意味でのバカ映画。バカが創ってんだから仕方がないけどw

どちらも、複数のスポンサーからの勝手な注文を、全部言いなりに受け入れた挙げ句シッチャカメッチャカになっちゃう、現在のメジャー邦画(テレビも)を象徴する、ウルトラ駄作の代表例です。

特に『デビルマン』は、ウ゛ァーホーウ゛ェン作品にも通じる反モラルな主張と過激描写こそが原作の肝なのに、リスクをことごとく排除したがる会議室の連中に肝をすっかり抜き取られ、現場の人たちが完全にモチベーションを失った、世にも不幸な大作映画です。

↑上記のいきさつは私の推測でしかないんだけど、実際に観て頂ければ納得してもらえると思います。尋常じゃない無気力感がヒシヒシ伝わって来ますから!

同じ「サイテー映画」でも、そのサイテーさに自信を持って、全精力を注ぎ込んで創ったであろう『ショーガール』みたいな作品と、ただ「やっつけ」で形にしただけにしか見えない『デビルマン』や『少林少女』とでは、全く違います。

どんなに偏った主張でも情熱的に語られると耳を傾けるし、正しかろうが美しかろうが、ただ言わされてるだけのヤツの話なんか聞きたくもない。それも支離滅裂と来たらもう、ひたすら不愉快なだけです。

そういう意味じゃ『ショーガール』は観る価値のある作品だと思いますし、邦画メジャーの腐敗ぶりをかなり具体的に体感できる『デビルマン』『少林少女』も、このブログの読者さんには是非とも観て頂きたいです。

最悪だけどサイコーな映画(2 )

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本来なら受け入れ難い内容でも、ここまで徹底してやられたら、むしろ爽快。『ショーガール』はそんな作品でしたが、もう1本、最悪なんだけどサイコーな映画をご紹介したいと思います。

『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』に続く、スティーウ゛ン・キング原作+フランク・ダラボン監督コンビの第3弾『ミスト』です。既に観られた方は、このタイトルを聞いただけで悲鳴を上げられるかも知れませんw

アメリカ郊外の平和な町を嵐が襲い、主人公は幼い息子を連れて、食料を買い溜めする為にスーパーマーケットへと出向きます。

スーパーは同じ目的で買い物に来たお客で賑わってるんだけど、そこに血まみれのオッサンが飛び込んで来る。

「霧の中に何かいる! みんな外に出るな!」

にわかに迫って来る正体不明の深い霧(ミスト)。オッサンの警告を無視して外に出た若者が、巨大な触手に捕まり、身体を真っ二つに引き裂かれちゃう。

どうやら霧の中には見た事もない巨大生物がいて、人間を片っ端から食ってるらしい… 主人公を含む町民達は、スーパーから出られなくなっちゃいます。

そのモンスター以外にも、夜になると巨大な蚊みたいな昆虫が大量に飛来したり、人体の中で繁殖する蜘蛛に襲われたりして、町民がどんどん殺されていく。

…とまぁ、そんなシチュエーションだけ聞けば、ありがちなモンスター・ホラーだと思われるかも知れません。実際、設定自体は今どき目新しいもんでもありません。

これは事前に知ってても差し支えないと思うので、少しネタばらししますと、アメリカ軍の科学者チームが異次元への扉を開けてしまい、あっちの世界の生物が大量に侵入して来ちゃったワケなんですね。

設定はそんな感じでB級テイストなんだけど、なにしろ脚本・監督があのフランク・ダラボン。超一流の映画作家ですから、見せ方、語り口が抜群に巧い!

まったく未知の生物が迫って来る恐怖感、臨場感もさる事ながら、スーパーに閉じ込められた人々の心理描写がとてもリアルなんですね。ホントにどこにでもいる平凡な庶民達で、誰もが持ってる心の闇を奥底に秘めてるワケです。

特に恐ろしいのが、ちょっと精神を病んでる、宗教かぶれのオバサンの存在です。この状況は神の怒りによるもので、誰か生け贄を差し出さなきゃ許されないとか言い出すんだけど、最初はみんなバカにして耳を貸さないワケです。

ところが状況が悪化して死の恐怖が迫って来る…つまり心理的に追い詰められるにつれ、オバサンを崇拝し始める人が出て来て、しまいには大半の人々がオバサンに扇動されて行っちゃう!

大勢の人が集まり、閉じ込められた時にどんな事が起こって来るか? モンスター以上に恐ろしいのは、追い詰められて理性を失った隣人と、実にありがちな集団心理であるという現実が、説得力をもって描かれてるもんだから、ほんとリアルに怖いワケです。

さて、ここまでなら単にウェルメイドなホラー映画です。それだけなら、今回あらためてレビューする気にはなってません。この作品が特別な存在である理由は、結末にあるんです。

これは是非、皆さんにも体験して頂きたいと思いますので、ネタばらしはやめときます。

私がこれまでの人生で観て来た、あらゆる映画やドラマ作品の中でも、これに勝るバッド・エンディングは無かったと思います。よくもまぁ、こんな残酷な結末を思いついたもんですよ、ボンボンダラボン、ダラボンボンは!w(原作とは違う結末らしいです)

あまりに悲惨過ぎて、しかも語り口が巧いゆえ我々はすっかり主人公に感情移入させられてるもんだから、もうねぇ、ホント笑っちゃいますよw

人間って、本当に極限まで追い詰められると笑うらしいけど、それをバーチャルで味わえるのがこの映画です。凄い。本当に凄いエンディングです。

いくら頭を絞っても、これ以上に悲惨な結末は思いつきません。ここまでやられるとねぇ、ホントに、むしろ爽快ですよ!w

映像的にグロい描写はありません。その手の悲惨さなら、誰でも思いつきます。そうではなく、あくまで精神的に、これ以上の地獄はあり得ないだろうっていう終わり方です。

どうですか、気になるでしょう?w バッド・エンドが苦手な方でも、ここまで徹底的にバッドだと、かえって楽しくなるかも知れませんよ? 責任は一切とりませんけどw

まぁ、感情移入が激しくて影響を受け易い、精神的に引きずっちゃうタイプの方にはオススメ出来ませんが、そうでない方には是非、お化け屋敷や絶叫マシーンにチャレンジするつもりで、この映画史に残るエンディングを体験して頂ければと思います。

念押ししますが、私は一切の責任を放棄しますw

『浪花少年探偵団』#09

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いやぁー、切なかったですね。泣きますよ、そりゃあw

余命を悟った老女の自己犠牲による殺人と、少年の淡い初恋&お別れ… 「お婆ちゃん」と「初恋」という、特に中年男が弱いであろう要素が二つも入ってるんだもん!

ただでさえ昭和色の強いこのドラマに、懐かしの中原ひとみさんですよ。もうそれだけで我々は涙腺が弛んじゃう。住んでる部屋も昭和っぽいアパートだし!

中島ひろ子さんも昭和顔だし、その娘役の子も、いかにも純な少年が恋しちゃいそうな雰囲気なんですよね。男なら誰もが自分の初恋相手を想起させられる、そんな顔立ちと佇まい。キャスティングのセンスが素晴らし過ぎます!

そうなるとゲスト側の話に比重が偏っちゃいそうな所を、気づくべきではなかった真相に気づいてしまうしのぶセンセの苦しみ、さらに刑事・小池君との信頼関係が試される展開まで盛り込む作劇が、もうお見事!としか言いようありません。

それで二人の距離がバッチリ縮まったかと思いきや「10年早い!」と一蹴される、哀れな小池君もグッドですw 100年じゃなくて10年って言われちゃうのが、妙に現実味があって切ないですねw

いやーホント、言うこと無しですね。先週とは逆の意味で、もう書く事がありませんw 仕方がないから『梅ちゃん先生』の悪口でも書きますかw

今、私は午前中のみの勤務なんで、出勤前の朝食時に梅ちゃん、帰宅後の昼食時に梅ちゃんwと、毎日2回観なければならないワケです。輪をかけてウンザリしますよw

母親が楽しそうに観てるし、他に観たい番組があるワケでもないから、まぁ朝ドラ鑑賞としてはありがちな、垂れ流し状態です。でもホント、母はケラケラ笑いながら観てますから、本質はどうあれTV番組としては成功してるんですよね。

でもねぇ、私としてはどうにも我慢ならないのが、やたら「結婚」にまつわる話が多過ぎるんですよ、このドラマ。医者が主人公なのに、生命の話が1割、残りの9割は恋と結婚の話ばっか!

シーズン1は姉・松子の結婚、シーズン2は梅子の結婚、そして最終クールは兄・竹夫の結婚。その度に「そろそろ結婚しなきゃダメ」「結婚して幸せにならなきゃダメ」って、やかましいわっ!!w

時代背景が昭和前期ですから、現在よりも結婚にうるさくなるのは解りますよ。でも、半年間そんな話ばっかりだと本気でウンザリするし、出来れば息子に結婚して欲しいと思ってる母親と、結婚に何の理想も描けない息子が同じ空間でそれを観てるのが、どんだけ気まずいか少しは配慮せえよ!w

冗談抜きで、世の中には色んな事情を抱えた家庭があるんだから、結婚なんて言葉は聞きたくもない!って人も、決して少なくないんじゃないですか? 結婚=幸せって決めつける事はすなわち、結婚しない=不幸だって言ってるのと同じ事ですからね。

これも朝ドラの伝統ですかねぇ? 『つばさ』や『てっぱん』みたいにヒロインの結婚を描かない作品は少ないですよね。この2作にしたって、近い将来は結婚するであろう事を匂わせてたし。

だけど私の身の回り、離婚率がメチャクチャ高いんですよ。結婚して良かった、幸せだって言ってる人はほとんどいない。

離婚してない人でも、特に女性陣からは「旦那に愛なんて感じない」「もう同じ空気を吸うのもイヤ」「子供が独り立ちしたら絶対に別れる」みたいな声しか聞こえて来ないですよ、マジで。

ドラマの内容が浅かろうが、笑いのセンスがトホホだろうが構わないけど、偏った価値観をやたら押しつけるのだけは、ホントやめて欲しいですね。好きだった堀北真希ちゃんまで、顔を見ると欝陶しく感じて来ちゃいましたよマジで。

前作『カーネーション』はその点でも異色でしたね。結婚に興味がなく、結婚しても不倫しちゃうようなヒロインでしたから。かなりオブラートに包んではいましたけど。

そういう意味でも、恋にも結婚にも興味ナッシングな、我らがしのぶセンセは最高ですw 多部ちゃんが人妻を演じたのって、今のところ『源氏物語』だけですかね?

まぁ、多部ちゃんみたいな人が嫁になってくれるなら考えてもいいですけどw、どうせ無いから一生独りで構いましぇーん。

極めて遺憾です。

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中国人や韓国人に嫌われて、極めて遺憾です。領土がどうのこうのじゃなくて、マナーの悪さとか流され易い性質、事なかれ主義、クリエイティビティーの低下あたりを嫌って欲しいのに、極めて遺憾です。

でも、そのあたりは向こうの方が酷いかも知れないので、極めて遺憾です。隣どうしの小競り合い、格好悪くて極めて遺憾です。

前田敦子ちゃんのAKB48卒業を、NHKのニュースまでが大々的に取り上げて、極めて遺憾です。AKBも前田さんも嫌いじゃないけど、会場周辺に群がり、TVカメラに手を振る人々の軽薄な姿を見るのは、極めて遺憾です。

そんな風になればなるほど秋元康のよく肥えた懐に金が入るかと思うと、極めて遺憾です。

何かを好きになること、何かに熱狂すること自体は良いと思うんだけど、全てが秋元氏の計算通りに、何十万もの人々が操作され扇動されてるかと思うと、そら恐ろしくて極めて遺憾です。

イジメ問題が後を断たなくて、極めて遺憾です。それにしても、一人の少年の自殺をきっかけに、今さらイジメがここまでクローズアップされるとは驚きです。そう、何を今さらですよ!

とあるコメンテイターが「イジメはイジメられる側よりも、イジメる側が問題。アメリカではイジメっ子こそが心の病だと解釈し、片っ端から精神病院に放り込んで更正させてる」みたいな事をテレビで言ってました。

その方法が有効なのかどうかは分からないけど、根本的な考え方には賛同します。イジメっ子は他者の痛みを感じる事が出来ない欠陥人間です。カウンセリングすべきはイジメる側の連中ですよ。

いっそ皆殺しにしてやればいいってのが本音ですけど、とにかく世間がこの問題とようやく真剣に向き合い始めた事は良かったと思います。遅すぎますけどね、ホントに。

ただし、暴力など目に見える行為だけ裁いたところで、ヤツらは痕跡を残さない別の方法でイジメを続けるだけでしょうから、今の流れだと根本的な解決には全くならないと思います。だから極めて遺憾です。

☆『プレデターズ』

最近の新作バージョンですが、TV放映で観ました。やたら画面が暗くて何が映ってんだかよく判らずw、極めて遺憾です。

舞台を地球じゃない謎の惑星に移したものの、ジャングルだから地球と全然変わんないしw、ほとんどシュワちゃん版の焼直しでしかなくて、極めて遺憾です。

ただ、なぜか日本のヤクザが紛れ込んでて、プレデターも彼とだけは飛び道具を使わず日本刀で対決しちゃうのが笑えました。

そういうサムライ魂みたいなのがプレデターというキャラにはあって、そこが人気の秘密なのかも知れませんが、極めて遺憾ですw

☆『オールライダーvs大ショッカー』
『仮面ライダーディケイド』の劇場版ですが、過去のライダーが総出演するって言うから、『アベンジャーズ』に先がけて?CSで観ました。

主人公がいかにも今風の、ちょっと斜に構えてボソボソ喋るタイプのチャラい若造で、ちっとも感情移入出来やしない。

「変身」の掛け声もポーズも、棒立ちで面倒臭そうな動作で、このガキゃ、それがカッコイイとでも思ってんのかワレ!? そんなにダルイんだったら仮面ライダーなんかとっとと辞めやがれ!

極めて遺憾です!!

ストーリーも、主人公が実は敵の黒幕だったり、かと思えばその妹が実は黒幕だったりと、どんでん返しの為のどんでん返しの繰り返しで、いかにも最近のゲーム世代が書いたような、心情より展開優先の記号脚本で、極めて遺憾です。

それでも、歴代ライダーが勢揃い(30人近くもいる!w)して歴代の怪人達と闘うクライマックスには、条件反射的に胸が踊りましたよ。ライダーなのに.みんな徒歩で現れるのには笑いましたけどw

どうせなら藤岡弘さんや宮内洋さんにも登場して欲しかったけど、友情出演は倉田てつをさんだけ(もう一人いたけど知らない方です)という微妙さw

あ、でも死神博士に石橋漣司さん、地獄大使に大杉漣さんっていう、無駄に豪華なキャスティングは楽しかったです。半日位で出番撮っちゃった感じだけどw

いちいち熱い掛け声とポーズを決めまくる昭和ライダーと、無口で棒立ちの平成ライダーが、同じ空間で闘ってる光景はとってもシュールで、なんだかんだ文句言いつつも面白かったですw

さて、今日は腎臓の最終検査で隣町の病院に来てまして、近くの映画館で『アベンジャーズ』やってますから、うまく時間が合えば観ようかと思ったのですが、どうやら無理っぽくて極めて遺憾です。

でも検査の結果は異常無しでしたから、長い闘病生活ともひとまずお別れです。ただ、反対側の腎臓に石が残ってますので油断は出来ません。

足の怪我も、今週に入ってようやく回復の兆しが見えて来ました。でも完全復帰までには多分、まだ半月はかかりそうです。

とにかくこれ以上、状況を悪化させないこと! ネバー、ネバー、ネバー!! チョメチョメ。

あやや@スケバン刑事

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松浦亜弥主演の映画『スケバン刑事/コードネーム=麻宮サキ』をようやく観ました。

「あややでスケバン刑事を」っていう発想は良かったと思うんです。一応は刑事物である『亜弥のDNA』を僭越ながら撮らせて頂いた時から、女優としても天性の何かを持ってる人だと感じてましたし、そのアイドル・マシーン的な佇まいは活劇の世界でも映える筈だと思ってましたから。

そして画像を観て頂ければお判りのように、彼女の眼つきはなかなか鋭くて、睨まれるとけっこう怖いw(多部ちゃんには及びませんがw)

逆にスケバン役がハマり過ぎて、お嬢ちゃんが無理して凄んでるみたいな歴代のスケバン刑事達と比べて、ギャップが無くて逆につまんないかも?って思う位です。

ただ、鼻にかかった甘い声には笑っちゃう位のギャップがありますから、21世紀の『スケバン刑事』としては成立してると私は思います。ギャップがあればこそのスケバン刑事ですから。(ちなみに斎藤由貴さんの娘っていう設定です)

それよりも私が危惧してたのは、まず製作がセントラル・アーツ社である事。TV版『探偵物語』や『あぶない刑事』等、横浜を舞台にした軽妙酒脱なアクション物を得意とするプロダクションです。

『スケバン刑事』は極めてバカバカしい事を大真面目にやる、大映ドラマ的な泥臭さが面白かったのであって、危険な捜査を遊び感覚でオシャレに楽しむ『あぶ刑事』等とは、まるっきり真逆の世界観なんですよね。

さらに、監督が深作二世(健太)である事。デビュー作『バトルロワイヤル2』を観た限りだと、人物描写にもアクション演出にもセンスが感じられず、正直言ってお父上みたいな才能があるとは思えません。

その不安が見事に的中しちゃいました。あややという素材が活かされず、『スケバン刑事』ならではの魅力も破壊され、つまんなかったです。

まずアクションシーンが少な過ぎるし、それを補うドラマ部分にハートが感じられず、著しく中だるみして何度も途中で睡魔に襲われました。

原因はハッキリ判ります。前回ちょっとだけレビューした『仮面ライダー』の映画と同じで、キャラクターの心情よりもストーリーの展開が優先されてるから、感情移入しづらいんです。最近のメジャー邦画やTVドラマ全般にも言える事ですが…

どういう事かと言いますと、本来ならキャラクターがストーリーを引っ張るべきなのに、ストーリーがキャラクターを引っ張ってる。人物がチェスの駒みたいに扱われてるワケなんです。

例えば仮面ライダーの映画だと、途中で主人公が実は敵組織の黒幕だった!みたいなどんでん返しがある。もちろん敵に騙されてる設定なんだけど、別に洗脳されたワケでもないのに「ふっふっふ、死ね!」とか言って悪役になりきってて、完全にキャラが破綻しちゃってる。

そうなるともう、観てる我々は主人公がどういう人間なんだか解らなくなって、感情移入出来なくなっちゃうワケです。いくら仮面ライダーでも、支離滅裂な人間を応援する気にはなれませんからね。

今回のあややも、場面によってキャラが変わっちゃってて、一貫性が無い。キャラクターがストーリーを動かすんじゃなくて、ストーリー展開に合わせてキャラクターが動かされてるもんだから、色々と矛盾が出てくるワケです。

脚本はベテランの丸山昇一さんですから、計算の上でキャラクターを多面的に描かれたと思うんだけど、監督に演出力が無いもんだから、各場面のあややがスムーズに繋がってないんです。

演出力うんぬんよりも、監督さんは人物の内面を描く事に興味が無いのかも知れません。北村龍平を筆頭に、アクション映画しか撮らない監督にはそういう人が多いみたいです。

それならいっそ、ひたすらアクション、アクションで押し通してくれればいいのに、下手に友情とか恋愛、親子愛、社会問題まで、興味ないクセにやたら盛り込むから、全てが消化不良で中だるみしちゃう。

私個人の感想としては、かつてTVシリーズを撮られてたベテラン監督や脚本家にお任せした方が、(例え古臭くなったとしても)断然面白くなってたと思います。セントラル・アーツも深作二世も『スケバン刑事』には合わないですよ。

それを決定的に感じたのはクライマックス、「何の因果かマッポの手先…」でお馴染みの、麻宮サキが敵集団を前にして口上を述べ、啖呵を切るお約束の場面です。

それを聞いた敵(若造)の一人が「こいつ、バカじゃね?」ってな風にせせら笑うんだけど、深作二世の描くネットゲーム的な冷めた世界観だと、そうなっちゃうんですよね。口上や啖呵…つまり熱血チックな芝居が完全に浮いちゃう世界なんです。

だから観客の眼にも、麻宮サキがホントの馬鹿みたいに見えちゃう。それじゃ駄目でしょう? そのへんも、前回の仮面ライダー映画における、熱血昭和ライダーの浮きっぷりと似てますw

私は別に、昔のスケバン刑事にこだわってるワケじゃありません。新しい麻宮サキ像を描くなら描くで大歓迎です。でも、チグハグな世界観や一貫性の無いキャラに、魅力は感じられません。

なんか、意味不明な場面も多かったんですよねぇ。それは決して演出上の計算じゃなくて、単純に描き切れてない、伝えるべき事を観客に伝えるスキルが足りてないからだと、私は感じました。

まぁ「スケバン」って呼称も死語になりつつある今、この企画をやる意味があったかどうかも疑問ですが、あややとしては初の単独主演映画です。彼女の魅力と才能を120%活かせる監督さんに撮って欲しかったですねぇ…

アイドルの旬は短いとは言え、この映画を最後に彼女の目立った活躍が見られなくなったのは、とても残念です。

『決戦!南海の大怪獣』

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東宝の特撮映画も全盛期には、『ゴジラ』シリーズ以外の怪獣物を色々と創ってたみたいで、これもその中の1本、1970年の作品です。CSで観ました。

登場する怪獣はゲゾラ(イカ)、ガニメ(カニ)、カメーバ(カメ)という判り易いネーミングの3体で、モデルは海の生物ばっかりですね。

それには理由がありまして、宇宙で行方不明になってた無人探査ロケットが南国の島近くに墜落し、それに潜んでた宇宙生物がイカ、カニ、カメに寄生したという設定なんです。

宇宙生物の目的は、地球征服。つまり怪獣映画と宇宙人侵略SFとを合体させたような作品なんですね。これ、なかなか面白かったですよ!

舞台が南海の孤島だけに、市街地の破壊や軍隊との攻防戦など、良くも悪くも怪獣物でお決まりの描写が無いんです。兵器も無ければウルトラマンも登場しない。

怪獣と戦うのは、たまたま取材に来てた日本人ジャーナリスト4名と、なぜか日本語が喋れる原住民達wのみ。(戦時中に日本軍に占領された名残だという説明はありました)

かつて日本軍が残して行った武器と、ガソリン、後は勇気と知恵と団結力で、彼らは怪獣&宇宙生物と戦うワケです。『ゴジラ』よりも『ジュラシックパーク』に近い感じですね。

つまり、怪獣がそれほど強くないw 大きさも恐竜レベルですから、我々でも戦えそうな相手である所がミソ。近代兵器や神の力に頼らない怪獣物って、意外と少ないんじゃないでしょうか?

怪獣はどれも着ぐるみなんだけど、造形や動きにヌイグルミ感が無く、生物感に溢れてました。現在なら全部CGで片付けちゃう所を、これも創り手の知恵と情熱、汗と涙の結晶ですからね!

そう、CG時代に入る以前の特撮映画には、画面に映るもの全てにそれが込められてる。血が通ってると言いましょうか、温かみを感じるんですよね。

怪獣に破壊される民家のミニチュア一つ一つにも、凄い労力がかかってる。そういう事をいちいち意識して観なくても、胸にはちゃんと残るんですよね、手作りの温もりが。

CGにはCGならではの苦労があるんでしょうけど、残念ながらダイレクトには伝わって来ません。どんだけチャチくても、着ぐるみや人形アニメの怪獣、ミニチュアのセットや乗り物の方が、観てて心に響きます。

だから、CSで古い特撮映画をやってたら、つい観ちゃいますね。少し前には『宇宙大戦争』っていう東宝映画を(途中からだけど)観ました。製作はなんと1959年! アポロの月面着陸よりも前に、宇宙空間や月面における侵略宇宙人vs地球人の戦いが描かれてる。

あと、若き日の宇津井健さん(もっこりタイツ)が、たった一人で、しかもなぜか笑顔でw、何百人もの悪党どもを殴り倒していく、マトリックスも真っ青な『スーパージャイアンツ』の劇場版なんてのも観ました。

スピード感ゼロな立ち回り(しかも笑顔)が延々30分以上(体感時間)も続くクライマックスや、説教臭い上から目線のヒーロー像(昔のヒーローは皆そうだったんですね)には辟易しますけどw、味があって楽しかったです。

まぁ、そこまで行っちゃうと単なる懐古趣味になるかも知れないけど、洋邦問わず'60〜'80年代の特撮映画、SF映画は、いつ観ても楽しいもんです。

いやぁ、映画って本当に、チョメチョメですね!(笑顔で戦うタイツ姿の宇津井さん、不気味ですw)

『nude』

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AV女優・みひろの自伝小説を映画化した作品です。もちろんスケベ心も有りですが、それを抜きにしても私は、性を売る職業を選んだ女性達の心情や生い立ちに、なぜか興味を引かれてならないんです。

ゆえに以前レビューした本『名前のない女たち』みたいな、AV女優や風俗嬢のインタビュー集を好んで読んだりします。そりゃあもう、えげつない世界です。

いや、アダルト業界に限らず、元アイドル歌手のインタビュー集とか読むと、まず芸能界自体がえげつない世界である事がよく分かります。普通のアイドル歌手やグラビア・アイドルだって、相当な扱われ方をしてるみたいです。

毎日1〜2時間しか睡眠がとれない過酷な労働条件、そのくせ現金はほとんど事務所が巻き上げる巧みな契約、それが不満で移籍しようものなら、全力でそのタレントを潰しにかかる。

名の売れたアイドルでも、商品価値が下がると無理やり脱がされる。例えばある日、撮影現場に行ってみたら自分の事務所の人間が誰もいない。で、撮影スタッフから「今回は脱ぐ契約になってるから」と初めて聞かされ、自分が脱がなければ撮影が始まらない状態になり、泣く泣く脱いじゃうというパターンが常套手段として使われる、鬼畜な世界なんです。

そんな場合でも、カメラの前では笑顔でポーズをとったり、濡れ場を演じたりして見せる。当然ながら精神バランスを失い、心や体を病んでしまう。

ましてアダルト業界となると完全にヤクザの世界ですから、さんざん利用された挙げ句に使い捨てられ、廃人に追い込まれたり、中には殺されて密かに処分された娘もいたりする(らしい)。本当に恐ろしい世界です。

この映画を観る限りだと、みひろさんは極めて良心的な事務所に恵まれた様で、ちゃんと人間扱いされてます。基本的には女性向けの映画ですから、かなりシュガー・コーティングされてるだろうとは思いますが…

ヌード・グラビアからスタートして、それだけじゃ仕事が少ないからって事でVシネマに出て濡れ場を演じる様になり、それでも中途半端で、名前を売りたいならAVをやるしか無いよと言われ…という、たぶん最もスタンダードな過程を踏んでAV女優になられてます。

原作はどこまで描かれてるのか知らないですが、映画は彼女が悩みに悩んだ末にAVデビューを果たし、その世界で脚光を浴び始めた所で終わってます。

AV女優さんが本当の地獄を味わうのはこれからで、売れてる内はとことんチヤホヤされるんだけど、人気に翳りが見え始めると出演作の内容がみるみるハードになって行き、やがて「肉便所」扱いされる様になり、やはり心と体を壊して引退に追い込まれる。

出演作の内容の変化で自分の商品価値が下がってる事を実感させられるワケで、これほど残酷な仕打ちも無いでしょう。まぁ、そこまで映画で描かれたら、さすがに辛くて観てられないとは思いますが…

そういう現実の厳しさ、本当の恐ろしさが描かれてない事に目を瞑れば、『nude』は真摯に創られた良い作品だと私は思います。

新潟で育ったごく普通の女の子が、漠然と芸能界に憧れて上京し、スカウトされて「メジャーになる為のステップとして」みたいな常套句に騙され、ヌードの仕事を始めちゃう。

注目される事に充実感を覚えながら、心の支えである恋人や親友の理解は得られず、AVデビューした瞬間にそれら大切な人を同時に失っちゃう。その哀しみがよく描かれてて、私はちょっと泣いちゃいましたよ。

ただ、そうまでして彼女はなぜ、注目を浴びたいのか? 何が彼女をそこまで駆り立ててるのか?がよく解らず、共感出来そうで出来なかったです。はっきりした理由なんか無いのが、逆にリアルなのかも知れないですが…

主演の渡辺奈緒子さんは黒木メイサ似の美女ですが、身体を張ってよく演じてられると思います。みひろさんに顔は似てないけど、お乳のサイズは似てましたw

それより、彼女の親友を演じた佐津川愛美さんが良かった! 『ブレスト』で多部ちゃんとも共演してる人です(高校生ブレーンの一人、ブリッ子キャラの役でした)。

地道ながら着実にキャリアを重ねてるみたいで、親友を理解してあげたくても出来ない苦しみ、切なさをしっかり演じた彼女の存在が、この映画を支えてるように私は感じました。

業界内幕物として見れば甘過ぎると私は思いますが、夢と現実の狭間でもがきながら生きる、切ない女の子の物語として見れば、けっこう泣ける映画です。

『復讐捜査線』

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メル・ギブソン、久々の主演作です。『サイン』以来だとすると、実に10年ぶりですよ!(途中、監督作はあったけど)

醜聞と言わざるを得ない、数々の問題行動&発言で、出演作が決まっても共演者一同からボイコットされる等、もう映画スターとしては終わっちゃったかと思われてましたが…

かつてはハリソン・フォードやトム・クルーズと肩を並べるトップ中のトップスターで、日本での人気も相当なものだった筈。特に『リーサル・ウェポン』シリーズの大成功と、初監督の『ブレイブハート』がアカデミー賞受賞って事で、もう言うこと無しの映画人生だと思われたのが、まさかの急転落。

以前にも書いた事ですが、頂点に立った人間にしか分からない葛藤、苦しみがあったんでしょうね、きっと。後は落ちて行くしか無いワケですから…

見るからに健全なトム・クルーズだって、一時期はヤバかったですからね。その点、イメージを損ねること無くマイペースを維持してるハリソンは、さすがです。もっと凄いのがイーストウッド御大ですけど。

さて『復讐捜査線』ですが、このベタな邦題がいかにもB級アクションなんで、メルギブもステージを何段階か下げて再出発するのかと勝手に思ってました。(原題はエッジ・オブ・ダークネス)

観たら違ってましたね。製作会社こそマイナーだけど、監督は一流のマーティン・キャンベルで、かなり渋めのサスペンス・ドラマ、しかも感動作でした。良かったですよ!

目の前で愛娘を殺された老刑事が、職務を放棄して復讐に燃える!ってなプロットがまたB級っぽく聞こえるし、家族を殺されたヒーローの復讐アクションってのはメルギブの十八番でしたからね。

だから、泣き叫びながら敵を撃ち殺しまくる、あおきさん命名によるところの「メルギブのキレ芸」が、また相変わらず炸裂するんだろうと想像したのは、私だけじゃないでしょう。

でも、思えばあのメル・ギブソンも、とっくに還暦は越えてる筈です。実際、すっかり頭髪も薄くなって「さすがに老けたなぁ」ってのが第一印象です。

だから、娘が目の前で息絶えても涙は流さず、黙って独り、淡々と捜査を進めて行きます。立ち回りも多少ありますが、途中で心臓麻痺を起こしそうな感じで、別の意味でハラハラしますw(勿論、それも役作りです)

だからリーサル・ウェポンみたいな熱いアクションを期待すると、肩透かしを食らう事になります。だけどその分、敵の急襲を受けても顔色一つ変えずに反撃する、老練者ならではのクールなアクションが堪能出来ます。それはそれでカッコイイ!

事件の内容もC.ブロンソンやS.セガールの映画みたいに単純なものではなく、政府の極秘軍事開発が絡む複雑かつ厄介な事件で、スパイ映画的なスリルも味わえます。

それより何より、死んだ娘に寄せるメルの想いがとても繊細に描かれてて、これはねぇ、ホントに泣けます!

妻がどこにいるのか説明が無かった(私の見落としかも知れません)けど、たぶん早くに亡くなってるのでしょう。歳老いたメルにとって、娘は唯一の生きる希望だった筈です。

つまりこないだ観た『さまよう刃』の寺尾聰さんと境遇は同じなんだけど、さすがはメルギブです。中途半端なヒューマニズムでお茶を濁すような真似は決して致しません。落とし前はキッチリつけてくれますからご安心を。

予想してた内容とは違ってたけど、良い意味で裏切られました。地味だけど、すごく良いですよ、これ! じんわりと余韻が残る上質の作品です。

少なくともメルギブが好きだった人は必見です。晩年のマーチン・リッグス刑事(リーサル・ウェポン)の様でもあり、イーストウッド御大が『グラン・トリノ』で俳優人生にひと区切りつけたのと似たような味わいが、本作の結末にはあります。

メル・ギブソン、まだまだ健在です!

胸踊らない大捜査線

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確かに私は、亀山千広P(代表作=『西遊記(香取版)』『少林少女』等)が大嫌いです。現在の記号(パブロフの犬)的な作劇によるドラマや映画を代表するプロデューサーであり、それによって観客の感性や思考力を奪って来た、にっくき大罪人の一人だからです。

その中でも特に彼を嫌うのは、上記の様な批判に対してどう思うかをインタビューで問われた際に、こう答えたからです。

「それはハリウッドが先にやり始めた事で、我々はハリウッドの真似をしてるだけなんですよ(笑)」

常日頃から「ハリウッド映画の劣化コピー」と揶揄されてる事を踏まえた、小粋なジョークのつもりで言ったのかも知れません。だけど、それにしたって不誠実にも程があるでしょう?

商売人としては許せても、クリエイターの発言としては断じて許せません。それ以来、こいつの映画だけは(多部ちゃんが出てない限り)有料では絶対に観ないし、でもTV放映の際にはブログに悪口を書く為にどんどん観ようとw、心に誓った私です。

でもねぇ、『踊る大捜査線』だけは別格なんです。過去、何度となく書いて来ましたが、私は最初のTVシリーズにどっぷりハマり、『太陽にほえろ!』に次ぐ傑作がついに現れた!って、本気で思ってましたから。

それが映画になった途端、まるで魂を抜かれたみたいに空疎なイベント商品に変貌しちゃった。劇場版『3』を観た時、私は「やっぱり、駄目だこりゃ」ってサジを投げたんだけど、それでも、一度愛した作品の行く末はどうしても気になっちゃう。

『3』は亀山の問題発言を聞く前に観ましたから、私情を抜きにして冷静に判断出来ましたけど、あれはもう、本当につまんない映画でした。

例に挙げて申し訳ないですが、天下のアイドルだった天地真理さんが変わり果てた姿で芸能界に復帰した、あの時に味わった切なさを思い出したもんです。…って、この例えは古過ぎますか?w

『踊る…』って、こんなにつまんなかったっけ? 今あらためて最初のTVシリーズを観直したら、やっぱりつまんないのかな? 自分も詐欺師クソ乳首チョメチョメ野郎の亀山ビッチに、まんまと騙されただけなのか?…なんて、真剣に悩みましたよホントに。

で、こないだ、劇場版『ファイナル』に先がけて、TV版の新作スペシャル『踊る大捜査線 LAST TV』が放映されました。もう劇場へは断じて行かないけど、テレビはタダですから観てみる事にしました。

『踊る…』は本来、TVドラマです。もしかすると、映画館でお金を払って大画面で観るからつまんない(映画向きの内容ではない)のであって、テレビなら楽しんで観られるのかも?なんて、性懲りもなくw僅かな期待もしてたんですよ、私は。

どなたか御覧になった方、おられます? どう感じられました? もうねぇ、ホントにねぇ、超絶につまんなかったです! 回を重ねる毎に、輪をかけてつまんなくなってる!! これは一体、どういう事なんでしょうか?

亀山ビッチへの私憤は出来るだけ忘れて観ましたけど、スリルも感動も一切無く、コメディーとしてもセンス最悪でクスリとも笑えない、全く空疎な2時間でした。これ、映画の宣伝としては完全に逆効果じゃないですか?

かつて、あんなに面白いと私は感じた連ドラと、ほとんど同じスタッフ&キャストなのに、ここまで絶望的につまんないなんて事が有り得るのか!? ホントに悪夢を見てる気分でした。

そこまで印象が変わっちゃった理由を、今回は冷静になって考えてみました。まず『踊る』TVシリーズが始まったのは15年も前の事で、とっくに時代遅れになってる事が第一に挙げられます。

『太陽にほえろ!』も同じく15年(しかも休みなく)続いた番組ですが、あれは主役を交替させる事で巧みに時代の変化に対応し、最後まで新鮮味を失いませんでした。対して『踊る』は、多少のメンバー・チェンジはあったものの、世界観は全く変わってない。

そう、観てる我々がとっくに飽きちゃったという、ごく単純な理由が一番大きいかも知れません。特に、笑いの取り方がもう、あまりに古臭い!

思えば、全てが同じパターンの繰り返し。よしもと新喜劇だって15年も経てば内容変わってまっせ! 池乃めだかさんのイジリ方だって巧みに角度を変えてますよw

そのマンネリを象徴するのが、北村総一郎さんらの「スリー・アミーゴス」で、そういう愛称が定着すること自体、ドラマの本質を見失う原因の一つになってると私は思いますね。もはや、彼らが画面に映るだけで寒くなっちゃいます。

第二に、こないだの『仮面ライダー』や『スケバン刑事』と一緒で、キャラクターに魂がこもってない事。ただストーリー展開に合わせて動かされるチェスの駒だから、感情移入も出来ないし魅力も感じられない。

最初のTVシリーズは違ってた筈です。最大の魅力はキャラクターにありました。それはもう、TVシリーズで描き切っちゃったんでしょう。映画版の青島刑事には魂を感じられません。

それは創り手達の姿勢そのものを反映してると思います。TVシリーズの時は、『太陽にほえろ!』が築いた刑事ドラマの常識を全て覆し、全く新しい刑事物を創り上げる事に、彼らは夢中になってた筈です。

実際、脚本の君塚良一さんは「スタッフ一同、このドラマはカルトになるかも知れないけど、数字は取れないよねって言いながら創ってた」みたいな証言をされてます。TVシリーズの時は、覚悟を決めて「いいものを創る」事を最優先してたワケです。

そう、その時にはまだ、亀山ビッチにもクリエイターとしての気概があった。ところが予想外に視聴率が上がって来て、ヤツの中に商売人としての野心がチョメチョメと芽生えてしまった。

これも君塚さんの証言ですが「最終回で視聴率20%を超えたら映画化の許可が下りる」と亀山が言いだし、最終2話で彼らは反則を犯したんです。ユースケくんが撃たれて瀕死の重傷を負う… つまり、タブーにして来た筈の『太陽にほえろ!』的アプローチを取り入れてしまった。

君塚さんは迷ったそうです。それをやっちゃうと創り手としてのポリシーを曲げる、すなわち商売を優先して魂を売っちゃう事になりはしないか?って。

それでも、映画化の誘惑に負けて、彼らは決行した。観てる我々は確かに興奮しましたよ。特に私は嬉しかったです。『踊る』もやっぱり『太陽』の子供である事を実感出来ましたから。

だけど今思えば、その時から『踊る』は変わったんです。いいものを創る事よりも、数字を稼ぐ事を優先するようになった。狙いどおり最終回は20%を超え、映画化が決まりました。その時に亀山は、こう宣言したそうです。

「劇場版は当てに行きますよ!」

そして『踊る大捜査線』は、ヒットさせる事だけが目的で作られる「商品」に変貌したワケです。そういうのはねぇ、やっぱり画面から伝わって来るもんなのです。

劇場版の最初の2作を観た時、私は怒りました。怒り狂いましたよホントに。新しいもの、純粋にいいものを創ろうとする心意気が完全に消え失せて、あからさまに女性客やファミリー層が喜ぶエサをふりまくだけの、亀山の商売道具になり下がってしまったんだから。

本気で愛した女性が、ただお金の為に体を売っちゃったのと同じで、亀山はそれを斡旋するヒモみたいなもんですよ! つくづく許さんぞ亀山ぁーっ!!(超絶ハイパー激怒)

まぁ、そういう裏側の話は抜きにしても、『踊る』のTVシリーズで一番胸を打たれたのは、ノンキャリアの青島刑事(オダ・ユージ)と、キャリア中のキャリアである室井監査官(ギバちゃん)との確執が、対立を繰り返した末に熱い友情へと変化する、その過程でした。私は泣きましたよホントに。

だから、最終回で二人が固い握手を交わした時点で『踊る』は完結してるんです。いくら斬新であっても、根っこにスタンダードな熱い人間ドラマがあったからこそ、あの番組は大衆の心をつかんだのだと私は思います。

それが映画版ではあろう事か、後日談であるにも関わらず、ユージとギバちゃんの関係は振り出しに戻っちゃった! そりゃ犬猿の仲にもなるってもんですw

そう、映画をヒットさせる為に亀山が選んだ道は、TVシリーズの焼直しです。ユースケ君の代わりに、今度はユージ君が重傷を負いました。

『2』では深津さんが重傷を負い、まさかまさかの「劣化コピーのさらに劣化コピー」を敢行! プライドがあるなら、キャラクターに愛を感じてるクリエイターなら、こんな事は絶対に出来ませんよ。

私は本当に愕然としました。あんなに斬新な刑事ドラマを、数字を無視して生み出した熱いクリエイター達が、売る為だったら何だってやっちゃるぴょ〜ん!てな調子で完全に開き直ってる。

さらに愕然としたのは、そんな商品が日本映画史上に燦然と輝く、歴代1位のスーパー・ウルトラ大ヒット!という破滅的な現実ですよ。

お前もそれに乗っかった観客の一人じゃないかと言われそうだけど、それは断じて違う。私は『踊る大捜査線』が本気で好きだったから、今度こそあの興奮を再び…ていう希望を抱いて、劇場に足を運んだワケです。

そういう観客に罪は無い。どちらかと言えば被害者ですよ、サノバ亀山ビッチ詐欺師のクソ乳首チョメチョメ野郎に騙された、哀れな被害者です。

だけど、そんな根っからのファンだけじゃ、あんな異常なヒットにはなりません。大半は『踊る大捜査線』というブランド名に食い付いただけの、便乗客です。内容はどーでも良くて、ただイベントに参加したいだけのお祭り大好き人間の皆さんです。

そして亀山はもはや、そういう人達にしか眼を向けてない。残念ながら君塚さんも、ここまで来れば同類でしょう。クリエイターとしての誇りは、TVシリーズ最終2話の時点で捨てちゃったワケです。好きなライターさんだったのに、本当に残念でなりません。

劇場版2本で劣化コピーを繰り返したワケですから、3作目になると違う事をするしか無い。でも、君塚さんなら分かってた筈です。『踊る』で描ける事はもう、何も残ってない事を。今回のTVスペシャルを観て、私はそれを確信しました。

ユージ君たちは本当に、これが面白いと思って演じてるんでしょうか? それが不思議でなりません。脚本を読み取る力があれば、いい作品になりようが無い事はすぐに判ると思うのですが…

出演してる役者さん個々は好きな人ばっかりなのに、この映画で演じてる姿はもはや、ただの馬鹿にしか見えないです。まぁ、生活の為には仕方のない事なんでしょう。皆さん大人ですからね…

でも「『踊る』を愛してくれたファンの皆さんの為に」なんて台詞だけは、絶対に聞きたくないです。あなた達のやってる事は全くの逆で、裏切り行為に等しいし、恥の上塗りですよ。

お祭り大好きチョメチョメ人間の皆さんも、いくら何でも気づいて下さいよ、今度こそホントに。歴代1位の記録更新!なんて事に万が一なった日にゃあ、わたしゃ風俗にでも行ってチョメチョメしちゃいますからね。

祈・大ヒット!(笑)

『浪花少年探偵団』#10

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非常に奇想天外なミステリーで、先の展開が全く読めませんでした。真相を聞いたら、そりゃ読めんよ!って言いたくなるw、オリジナリティー溢れ過ぎのトリックで…

あんな手のこんだ自殺をする人がいるとは!w それを見破るしのぶセンセも凄すぎます!w

でも、必ず発覚する事を前提に仕組んである点に、自殺者の切ない想いが込められてる所が良かったですね。強引な設定にも、ドラマとしての(心情の)裏付けがある。

いやぁ、本当に切ないですよ。結局、男女に関わらずモテる奴はモテるし、モテない奴はとことんモテない。現実の厳しさがしっかり描かれてて、ぼかぁ涙が出そうですw

例え性格がクソ乳首でも、やっぱりイケメンに女は惹かれるワケですよ。そのイケメンが他の女子に気があっても、なおかつ自分に惚れてる地味男の誠実さに気づいても、結局やっぱりラーメン、ソーメン、僕イケメン。

それは男の側も同じですからね。例え多部ちゃんがヨカナーンに夢中であっても、なおかつ安藤サクラさんが自分に惚れてくれて、彼女の性格が素晴らしかったとしても、やっぱ多部ちゃんに目がいっちゃうのは仕方がない。

今朝、ワイドショーを観たら「佐川男子」っていう写真集がバカ売れしてるんだとか。佐川急便に勤めるイケメン配達員ばかりを撮った写真集で、仕事で自然に出来た肉体美がたまらないんだとか。

死ねっ!!w

私の勤める運送会社は佐川さんじゃないんだけど、助かりましたよ。佐川の配達員さんでイケメンじゃない大半の人達にとっちゃ、ハタ迷惑な話です。佐川=イケメンみたいなイメージが定着しちゃったら、配達先で「いやぁ、こんな顔でごめんなさい」「こんなオッサンでごめんなさい」って、肩身の狭い想いをせにゃならんですからね。同じ制服を着て、同じ仕事をしているというのに!

本当にイケメンってヤツは害毒ですよね! そして地味男は、どこまで行っても哀れなもんです。それが現実。

「どうしてこんな悲劇が起こってしまうんだ?」って、段田さんは言いました。その答えは、この世にイケメンが存在するからですよ。

そんな段田さんに対して、一応イケメンに属する小池くんが言いました。「段田さんとは対極にいる存在ですからねぇ」…これだからイケメンって奴は、今すぐ皆殺しにせにゃならんとですよ!

ちなみに、今回の最低クソ乳首チョメチョメ野郎を演じた、イケメンの井坂俊哉くん。面識ありますw 脚本で参加した『幻星神ジャスティライザー』の、彼はライザー・ガントでしたw

その時もニヒルな役を演じてたけど、素顔はめちゃくちゃ優しい素朴な兄ちゃんでした。そう、イケメンって奴は愛されて育ってますから、実際は素直で爽やかなナイスガイばっかしですよ。勝てるワケがないw

なのに、小池くんと山本くんという二人のイケメンに言い寄られても、どこ吹く風のしのぶセンセは最高です!w クリスマスのプレゼント返しにお揃いの手袋をあげて、言った言葉が…

「二人ともすっごく似合ってますけど、なにか?」

久々に爆笑しましたよw ほんと最高です!

あっという間にクリスマスからお正月を経て、次回はもう卒業式? いよいよ、あと2回ですね。

第2話放映の当日から入院して、退院したと思ったら足を怪我して、たぶん最終回の頃にやっと完全復帰出来そうな私でありますw

布施ロケ見学&ナマ多部ちゃんとの遭遇も含めて、なんとも思い出深い番組になりました。しのぶセンセに癒してもらえなかったら、今の私は相当凹んでたかも知れません。

やっぱ多部ちゃんは女神ですねぇ… チョ

すべては乳首から始まって

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またもやAV女優の自伝を映画化した作品を観ました。森下くるみ原作『すべては「裸になる」から始まって』です。

出版はみひろさんの『nude』より森下さんの方が早かった筈です。実は私、この本(文庫)持ってますw 映画化は、恐らく『nude』に触発されての企画でしょう。

だから、最初から期待はしてなかったです。この手の便乗企画は大抵、低予算でサクサクと手軽に作られる場合が多いですからね。全然話題にもなってなかったし。

観たらまぁ、その通りの出来でしたw なぜか、鶴瓶師匠の息子で朝ドラや大河にも出てる駿河太郎くんがチョイ役で出てたり、なぜか漫画家の江川達也氏がAV監督の役で出てたりしましたがw、あとは主役はじめ知らない役者さんばっかしでした。

『nude』の渡辺奈緒子さんは、みひろさんご本人よりも綺麗な子で、映画化するならそれが当たり前だと思うんだけど、こっちの主役の子は、どう見たって森下さんご本人より華が無いのが致命的です。

しかも驚いた事にこの子、AV女優の役を演じてるにも関わらず、乳首を見せないんですよ! どう思います?

濡れ場を演じる場面でも、相手役の男がずっと両手で乳を押さえて隠してやがるんですよw 揉むでもなく、つまむでもなく、ずっと相手の乳を押さえたままチョメチョメする人間がどこにおるか!?(ハイパー・エレクト激怒)

別に、大して華のないその子の乳首がそんなに見たいワケじゃなくて、乳首も見せずにAV女優のヒロインを演じる、その覚悟の無さは一体何なんだ?って話です。彼女一人の問題ではなく、創り手全員の中途半端な姿勢を象徴してますよね?

森下さんは不仲な両親による荒んだ家庭に育ち、だけどグレるワケでもなく、なんとなく上京してスカウトされ、なんとなくAV女優になっちゃった人です。

別に有名になりたいワケでも大金が欲しいワケでもなかったけど、人前で裸を晒した瞬間に、自分の人生をリセット出来たような気がした。すべてはその瞬間から始まったと語る原作は、読み応えがありました。

でも、このエッセイで一番面白かったのはAV撮影の裏話で、特に印象深かったのは、ファンのくせにAV女優という職業を蔑み、説教垂れて来る若い医者とメールで徹底的にバトルした話とか、何十人もの男優の精液を飲み込むビデオの撮影後、真っ白なウンチが出た話とかですw

後者のくだりは映画でも再現され、ご丁寧にも便器に浮かぶ白いウンチまで映像化されてましたw でも、そんなのは体験談として聞くには面白いけど、映画のネタとしてはただ下品なだけで笑えやしません。

そういうエピソードを森下さんは、達者な文章で淡々と綴っており、『nude』で感じた悲愴感みたいなものが無いんですよね。天性のAV女優って感じで、全てを受け入れ、プロフェッショナルにこなしてる。

そう、この人には迷いというものが無いから、エッセイは面白くても、それを映画にするのは難しいだろうと思います。ドラマチックじゃないですもん。

ちょっと笑ったのは、この映画の監督、脚本家、プロデューサーが登場して(演じるのは役者さん。監督役が駿河くんです)、「これを一体どうやって映画にするんだ?」って悩んでる姿を、そのまま描いてる場面。もう、苦肉の策ですねw

だったら、やめときゃいいのに!w

結局、飲んだくれのDV親父との確執と和解を軸に描いてたけど、これもそれほどドラマチックじゃない。どんな状況でも受け入れちゃう、醒めたヒロインですからね。常に自分を客観的に、俯瞰して見る性質がある。だから文章が上手なんでしょうね。

そんな感じで、映画にしづらい原作を四苦八苦して何とか形にしてる創り手の苦労が垣間見える点が、私にとってはちょっと面白かったです。

でもそれは、私が創る側の世界にいた人間だからであって、普通に観れば「金返せ!」って言いたくなるでしょうね。乳首も見せないしw 駿河くん、なんでこんなのに出たんだろ?

原作が出版されたのは4年前。それと同時に森下さんはAVを引退された筈ですが、今はどうされてるんだろう?

解説文を寄せた花村萬月さんは、以前から彼女の文才に注目し、AVは大嫌いであるにも関わらず、彼女が小説を書く事を条件に解説を引き受けたんだそうです。だから、そっちの道に進んだのかな?

余談ですが、花村さんがAVを忌み嫌う主たる理由は、そのワンパターンな内容に知性のカケラも感じられない事と(さもありなんw)、女性を暴力的に扱う事なんだそうです。

その花村さんが伝説のAV男優・加藤鷹さんと対談した際に、彼が「女性を暴力的に扱う作品が多いのは、イジメを受けたりなど虐げられて育った監督が多いからですよ」と理論的に説明するのを聞いて、なるほどと思われたんだそうです。また、AVを好んで観るユーザーにも、そういう人が多いって事でしょうね。

どーでもいい話だけど、私もなるほど!と思いましたんで、ご紹介しましたw

『瞳の奥の秘密』

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駄目な映画やドラマを観て、悪口を書くのもなかなか楽しいもんですが、そればっかりだと自分の感性まで腐っていっちゃうかも知れません。たまには本当に良い作品も観なければ!

なので、先日yamarineさんがブログで薦めて下さった『瞳の奥の秘密』を観てみました(http://yamarine48.blog44.fo2.com/blog-entry-1189.html)。なんとアルゼンチンの映画ですが、アカデミー賞の外国語映画賞を獲った作品です。

いやー、これは確かに良かったです! 是非、皆さんにも観て頂きたいので、ネタバレは最小限に抑えてご紹介したいと思います。

主人公・ベンハミンはブエノスアイレスの連邦刑事裁判所を定年退職したばかりのオジサンですが、役職が何だったのか不明でした。たぶん検事補か判事補だと思うのですが、事件の捜査や取り調べが独自に出来ちゃうんですね。

で、ベンハミンには大きな心残りが2つあるんです。その1つは、25年前に形の上では解決した強姦殺人事件。彼はそれを小説に書こうとして、顛末を回想します。

犯された上に殺されたのは、新婚の美しい新妻で、捜査の結果、幼なじみの地味な青年が容疑者として浮かびます。前半はその捜査の過程が淡々と描かれますから、ちょっと睡魔に襲われるかも知れませんw

ところが中盤、その容疑者を追い詰めるサッカー競技場での描写が凄い! 競技場の遠景から、カメラはプレー中の選手達の頭上を通り抜け、観客席にいる主人公のアップへと寄って行くんだけど、それを編集無しのワンカットで見せちゃう。

無論CGを駆使してるんだろうとは思いますが、普通に観てる分には仕掛けが判りません。それまでが淡々としてるだけに、いきなりトリッキーな映像が入ってアクティブな展開になり、一気に目が覚めますw

ドラマもそこから一気に盛り上がり、思わず身を乗り出したまま最後まで目が離せなくなります。トリッキーな撮影は、その合図みたいなもんですね。

その次に入る、容疑者の取り調べシーンがまた凄い! ベンハミンにはイレーネという美しい女性の上司がいるんだけど、容疑者が本当に強姦殺人を犯したのか否か、その時点では不透明なんです。

でもイレーネは、自分の胸元を見る容疑者の陰湿な眼つきを見て、こいつはクロだと見抜いちゃうw で、逆に「この男は絶対にシロよ。こんな地味でチンチクリンな乳首男を、あんな美人が相手にするワケ無いし、そんなピーナッツみたいなポコチンで(笑)強姦なんか出来るワケないもの」って、挑発するんですよね。ピーナッツってアンタ…w

この手の変態チョメチョメ野郎はプライドだけいっちょまえですから、いきなりポコチンを放り出して「見ろ! 俺のこの立派なポコチンを見ろ! あの女をどうやって犯したか教えてやる!」だってw

そんなワケで、そいつは確実にクロなんだけど、なんとベンハミンと犬猿の仲である判事のボスが、嫌がらせで勝手に司法取引して、そいつを釈放してしまう!

一転してベンハミンは、野に放たれた変態ピーナッツ野郎の復讐のターゲットにされてしまい、町を離れる羽目になっちゃう。事件は、そんな後味の悪い結末で終わった、かのように思われたのですが…

殺された新妻には、とても誠実な夫がいました。まだ新婚だったせいもあるでしょう、彼には妻への純粋な愛だけが残り、犯人への憎しみをどうしても忘れる事が出来ない。

しかし、賢明な彼には分かってました。犯人を殺したところで、そいつを罪悪感から解放してやるだけに過ぎず、代わりに自分が罪を背負っていかなくちゃならないって事を。

25年間、ベンハミンがずっと心に引っ掛かってたのは、そんな夫の存在なんです。あんなに妻を愛し、想いを引きずってた男が、犯人を釈放されたまま黙っていられるのか?

山奥で一人、ひっそり暮らす夫を訪ねたベンハミンは、そこで驚愕の真実を目のあたりにします。うわっ、この手があったか!?と、私は眼からウロコが落ちました。

『さまよう刃』みたいに中途半端な偽善でお茶を濁すような事じゃなく、『グラン・トリノ』みたいな自己犠牲でもない。勿論、ブロンソンやメルギブ流にスカッとぶっ殺すのとも違う、こんな究極に残酷な復讐方法があったとは! これはもう、必見です!

ここまでネタばらししちゃうのは、事前にストーリー展開を知ったところで、この映画の素晴らしさは少しも損われないだろうと判断したからです。

私は冒頭で、主人公・ベンハミンには2つの心残りがあると書きました。そう、実はこの映画の肝は、彼のもう一つの心残りにあるんです。

それは、彼が直属の上司であるイレーネに寄せる、密かな恋心。そして又、イレーネの瞳の奥にも、決して言葉には出せない想いが…

身分が違う、学歴も違う、そしてイレーネには婚約者もいる。お互いの想いを感じながら、そして惹かれ合いながらも、とうとう口には出せずに25年… 彼が書こうとしてる小説は、彼女へのラブレターみたいなもんです。なんという奥ゆかしさ!

私は恋愛映画を好みませんが、この二人の関係にはシビレました。嗚呼、こんな恋がしたい!って、柄にもなく思っちゃいましたよw

事件を再考するにあたって、二人は25年振りに再会します。どちらも結婚してるんだけど、ベンハミンは妻を愛せずに離婚してます。さてさて、瞳の奥の秘密は明かされるのか?

台詞では一切、語られません。それぞれの視線、瞳が全てを物語ってる。それが、犯人が被害者を見つめる視線、夫が妻を見つめる視線にもかかってる。見事な脚本と演出です。

俳優さんもみんな素晴らしかったです。本国じゃ高倉健さんみたいな存在らしいベンハミン役の人は勿論、知的さと強さと繊細さを同時に表現するイレーネ役の女優さん、そして殺された新妻のタメ息が出ちゃいそうな美しさ!

それと、本文には出ませんでしたが、ベンハミンの相棒・パブロも良かったです。アル中で肝心な時に限ってドジを踏むこの人の存在が、暗くなりがちな事件捜査において、絶妙な緩和剤になってくれました。最後にはちゃっかり泣かせてくれますし…

いやぁホント、良かったですよ。アルゼンチンの映画なんてきっかけが無ければまず観ませんから、yamarineさんに大感謝ですm(__)m

私はハリソン・フォード主演の『刑事ジョン・ブック/目撃者』を思い出しながら観てました。ハリソン主演だしこの邦題ですから誤解されがちですが、名匠ピーター・ウィアー監督による第一級のサスペンスであると同時に、とても繊細で切ないラブストーリーでもあります。

皆さん、騙されたと思って『瞳の奥の秘密』と『目撃者』、合わせてこの機会に、是非!

『ゴリラ/警視庁捜査第8 班』

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石原プロのTV作品DVD化は着々と進んでおり、これまた長らく封印されてた『ゴリラ/警視庁捜査第8班』も販売&レンタルが開始されました。

『西部警察』終了後、3年半の充電を経て、'89年春に鳴り物入りでスタートした刑事アクション大作ですが、これは見事にコケましたよねw

私自身、かなり楽しみにしながらテレビに向かったにも関わらず、最初の5話位で「駄目だこりゃ」とw、視聴をやめちゃった記憶があります。

要するに、面白くなかった。渡哲也、舘ひろし、神田正輝という、当時の石原プロの3トップが初めて揃った番組にも関わらず、ちっともワクワク出来なかったんです。

今回、20数年ぶりに最初の4話を観ましたが、やっぱつまんないですw でも当時と違って、この番組がなぜ面白くないのか?を分析しながら観るという、現在ならではの付加価値があって、退屈はしません。以下、私なりの分析結果を発表したいと思います。

☆時代が変わった

『西部警察』を更にパワーアップしたアクション巨編と銘打ち、初回は台湾とフィリピンで大々的にロケし、戦争映画さながらのドンパチを繰り広げました。

しかし'89年と言えばシュワちゃんの全盛期だし、ハリウッドの刑事物は『リーサル・ウェポン』『ダイ・ハード』と戦争映画ばりのド派手なアクションのつるべ打ちで、いくら石原プロが通常のドラマより1.5倍の予算をかけてると言っても、そりゃもう見劣りも甚だしい。

さらに『西部』の頃には無かったレンタルビデオの普及が追い打ちになって、日本の観客がアクション物に対して、もうすっかり目が肥えちゃった。もはやマシンガン撃とうが車を爆破しようが、誰も喜ばないみたいな空気になってたんじゃないでしょうか。

それと、アクション描写があまりにも大味なんですよね。『西部』の頃は許されても、視聴者の目が肥えてリアルさが求められる時代になると、デタラメさが凄く目立っちゃう。

☆環境の変化

そのアクション場面の撮影も、あの時代は既に規制がかなり厳しくなってて、『西部』の頃みたいに街中で車を引っ繰り返したりドンパチしたりは、容易に出来なくなってた筈です。

だから初回はフィリピンだし、2回目以降もアクションの舞台は山中とか造成地ばっかり。そんな場所でドンパチやられても、ちっともスリルを味わえないどころか、ええ歳したオッサン達が無邪気にサバイバルゲームに興じてる様にしか見えないんですよね。

ハリウッド映画じゃN.YやL.Aなど大都会のど真ん中で銃撃戦やらカーチェイスやら、挙げ句にドッカンドッカン爆破しまくってるワケですから、もうアクションの派手さでは永遠に勝ち目が無い。そういう時代になっちゃったワケです。

☆独立部隊

これは私ならではの感じ方かも知れないですが、警視庁捜査第8班っていうチームが、あまりに自由過ぎるのが面白くない。縛りが無さ過ぎるんです。

一度警察を辞めた人間を寄せ集めて結成された、言わば傭兵部隊なんだけど、なぜか世界中のあらゆる場所で捜査活動が出来て、捜査目的なら強盗などの犯罪行為も黙認され、007ばりに殺しのライセンスまで持っている!

荒唐無稽なのは良いんだけど、何をやっても許される立場になっちゃうと、何のスリルもサスペンスも生まれないですよね? ちっとも格好良くないですよ、それ。

暴走や反則行為が痛快で格好良く見えるのは、縛りがあってこそです。正義や信念の為に、あえてリスクを背負ってタブーを犯す姿にこそ、我々はシビレるワケです。『西部警察』にはまだ、縛りがありましたからね。まぁ、あって無いようなもんでしたけどw

むしろ犯人側の方が、警察に追われる、捕まったら何年も冷や飯を食わされる、ってなリスクを背負って頑張ってるワケです。何をやっても許される刑事集団なんぞ、誰が応援するかい!?ってなもんでしょう。

☆『あぶない刑事』

ハードボイルドでスタートした『大都会』シリーズは面白かったけど、視聴率がイマイチでした。『西部警察』として仕切り直すにあたって石原プロは、亀山ビッチじゃないけど「今度は数字を取りに行くぞ!」と腹をくくり、『大都会』じゃ新聞記者や医者の役だった裕次郎さんを、ついに刑事部屋の長に据えちゃいました。

つまり、プライドを捨てて『太陽にほえろ!』の要素を取り込んだワケです。放映時間帯が早くなった影響もあり、ドラマの内容もより『太陽』に近い健全路線になりました。結果は大成功で、今や『西部』は石原プロの代名詞です。

で、『ゴリラ』には再び舘さんが出るって事で、その直前に大ヒットした『あぶない刑事』の要素を取り入れました。これが非常にマズかったw

やっぱり、一度染み付いたイメージって、簡単には覆りません。『大都会』や『西部』じゃいつも同じ背広着てた(ようなイメージの)渡さんが、アルマーニの三つ揃い? 挿入歌もエンディングもコテコテの演歌だったのが、英詞の打ち込み音楽?

もちろん舘さんも神田さんもオシャレな高級スーツで、常に格好つけながら小粋なジョークを飛ばしてる。オマケに仲村トオルくんが『あぶ刑事』そのまんまのキャラでセミレギュラー出演という節操の無さ。

番組全体が『あぶ刑事』カラーに染められて、渡さんの浮きっぷりと言うか、居心地悪そうな佇まいは痛々しい位です。

これを見てつくづく思い知らされたのは、『あぶ刑事』にとって柴田恭兵の存在が、如何に重要だったかって事です。恭兵さん抜きで『あぶ刑事』をやったら、そりゃスベりますよ。

今回はヒゲ面でワイルドに決めた神田正輝さん。せっかくいい味を出してるのに、『あぶ刑事』もどきの演出をされちゃうと、ポジション的に恭兵さんと比較の対象にならざるを得ません。

この世界観で舘さんの横に立っちゃうと、どうしても違和感がある。なぜなら、神田さんと恭兵さんとは個性が全く違うから。優劣の問題ではなく、これもイメージの定着による先入観です。

そんな先入観を持つ自分が悪いんだけど、それだけ強烈なイメージを築いた番組の真似をするなら、当然そのリスクは覚悟しなくちゃ駄目だと私は思います。

☆若手のイケメン

これも私ならではの感じ方ですが、石原プロの若手イケメン枠って、どうしてこう、代々つまんないんでしょうか? まぁ、若いイケメンはつまんなくて当たり前なんだけどw

特に、申し訳ないけど今回の谷川竜くんは、ルックス以外に取り柄が全く見当たりません。管理官の谷啓さんと紅一点の加納みゆきさんを除けば、現場で活躍する刑事は4人しかいないワケです。石原プロの3トップと肩を並べるには、あまりにもキミは…

☆ドラマ性の欠如

『西部』や『あぶ刑事』にすら辛うじて残ってた人間ドラマの要素が、初期の『ゴリラ』には見事なほど綺麗に排除されてました。

それはそれで有りだと私は思うのですが、大方の視聴者がそれを望んでたかと言えば、そりゃ違うでしょうと言わざるを得ません。

☆路線変更

そんなワケで、他にも原因は色々ありそうですが、『ゴリラ』の視聴率は低空飛行を続け、途中からのテコ入れを余儀なくされる事態になりました。

私は後期の『ゴリラ』はたまにチラッと覗く程度しか観てないのですが、170度ぐらい中身が変わっちゃいましたよね?w

それもその筈、『大都会』の1作目を手掛けた倉本聰さんを、脚本監修に迎えたそうですから! あの、人間ドラマの権化みたいな倉本さんが参加すれば一体どうなるか、あらためて書く必要も無いでしょうw

当時の私はスルーしちゃいましたが、今回のDVD化にあたって、その辺りの稀に見る路線変更の顛末を、レンタルでじっくり確認したいと思ってます。

それで何か面白い発見があれば、またレビューさせて頂きますw

おかえり長谷さん

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昨日『爆問フライデー』というバラエティー番組を観ました。何かと言うと観客が「えーっ?」って驚く効果音がいちいち入って、非常にうっとおしかったです。

どのタイミングで視聴者が驚いたり笑ったりするか、まるでテレビ側から指図されてるみたいで、極めて遺憾です。いちいち入る細かいテロップもしかりで、そういう押しつけがましい演出に対して怒り続けて、早15年w

そう、15年以上前から「このままじゃ日本のTV視聴者は全員バカになる」って言って来ましたけど、ホントその通りになっちゃいましたね。

どこで驚いて、どこで笑えばいいのか、若い人はもう、テレビに指図してもらわなくちゃ分からなくなってるんじゃないですか?

だから、映画やドラマでも泣ける台詞で説明し、泣ける音楽で盛り上げてやらないと、どこで泣けばいいのか自分で判断出来ない。

そして逆に、どんなにデタラメな内容であっても、泣ける台詞と音楽さえ聴かせれば条件反射で泣いてくれる、とっても便利なパブロフの犬になっちゃった。いよいよ破滅だぴょ〜ん!(乳首)

それはともかく、なんで私がそんな番組を観る羽目になったかと言えば、女優・長谷直美さんが実に17年ぶりにテレビ出演されると聞いたからなんです。

長谷直美さん… 10代の時にアイドル歌手からスタートして、青春ドラマ『俺たちの朝』のヒロイン役に抜擢され、そこから『大追跡』『俺たちは天使だ!』そして『太陽にほえろ!』のマミー刑事etcと、常にこちらサイドのヒロインとして活躍してくれた女優さんです。

『太陽』関係の役者さんとは何人か実際にお会いしてますが、その中でも唯一、握手までさせて頂いたのが長谷さんだったりもします。ただの一ファンとしてですけどw

『太陽』終了後、長谷さんは芸能界を引退し、結婚してパリに移住されました。その後、書籍「沖雅也と『大追跡』」でインタビューに答えられてたのと、『太陽』のDVD映像特典、さらに昨年の『太陽』ファン・イベントに寄せられたビデオ・レターで、元気そうなお姿だけは拝見してました。

ところが、これは若い時を華やかな世界で過ごした人の宿命なのかも知れませんが、引退後の20数年は決して平穏な日々ではなかった事が、今回のTV出演で明かされ、私はちょっとショックでした。

まず、引退するきっかけになったのが「拒食症」であったという衝撃。『太陽』にレギュラー出演した4年間、食いしん坊で飲んべえな共演者達(例・渡辺徹さんw)に囲まれ、仲良くつき合ってたせいで、メタボになっちゃった長谷さん。

そこから過度なダイエットが始まり、いつしかそれが病みつきになって食物が受けつけられなくなり、入院。それは恐らく、芸能界という極めて不安定な職場にいる事のストレスが、最大の原因だったのかも知れません。

だけど幼なじみとの結婚が決まり、念願だったパリへの移住を決め、それを機に引退。ところが幸せな家庭生活も束の間、いくら頑張ってもフランス語が上達出来ずに孤立、そのせいか夫婦関係もやがて破綻し、離婚。

その時、最愛の一人娘が父親との生活を選択し、長谷さんの元から離れてしまった。その時のショックたるや、人の親でなくとも想像するに忍びないものがあります。

テレビ画面で拝見してきた長谷さんは、いつも明朗活発で強い女性のイメージでした。実際、A級ライセンスを取得した運転テクニックはあまりに男前だったし、共演者の皆さんも口を揃えて「いつも笑顔で元気な人」「サバサバしてて人に気を遣わせない」と評されてます。

しかしながら、私も50年近く生きて来ましたから、そういう人に限って根は繊細で傷つき易い事を、よく理解してるつもりです。元気は不安の裏返しだったりするんですよね。

パリ生活の中で長谷さんは、あまりに疲れてネガティブ全開になっちゃったのかも知れません。そんなお母さんを、娘さんは間近で見てるのが辛かったんじゃないでしょうか?

一人ぼっちになった長谷さんは、そこで一大決心をされます。女優復帰を目指し、なんと50歳代にして演劇の本場・イギリスの演劇学校に入学!

『太陽』DVDの映像特典で、その決意をされた事は御本人が語られてたのですが、その裏側に上記のような悲しい出来事があったとは、全く想像してませんでした。

長谷さんのお人柄なら、そのまま日本に帰れば力になってくれる業界人はいくらでもいる筈なのに、それに甘えること無く、あえて困難な道から再出発しちゃう。今になって、長谷直美さんという人の素顔を垣間見れたような気がします。

イギリスで再び言葉の壁に苦しみながらも修業を終え、長谷さんはこの秋から舞台女優として、日本での活動を再開されるそうです。この人の事だから、全くの新人から始める心づもりなのでしょう。

でも、スタッフや共演者達から本当に好かれ、可愛がられ、慕われてた方ですから、TVドラマや映画の世界に戻って来られるのは時間の問題かと思います。

もちろん、一ファンとして私も応援させて頂きます。長谷直美さん、おかえりなさい!

世界の乳首事情

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☆効果音

前回、バラエティー番組における押しつけがましい効果音に対して文句を書きました。でもそれは、ドラマや映画にも言える事なんです。

朝ドラ『梅ちゃん先生』を例に挙げますと、登場人物が何かボケた事を言うと、必ずお寺の鐘が鳴ったりします。回を追う毎に、その頻度が増してるみたいです。

これも、パプロフの犬なんですよね。ボケやオチの部分で必ず同じ効果音を聴かせ、それを繰り返す事で、鐘が鳴ったらそこは笑い所なんだよって、視聴者の潜在意識に刷り込んでるワケです。

ただでさえベタで解り易すぎるドラマなのに、そこまで親切にされたらもう、視聴者は全く脳みそを使わないまま観る事になっちゃいます。だから馬鹿になるって言うんですよ! 感性も、使わなきゃ退化する一方です。

本来ならバラエティー番組が使う手法を、ドラマで、それもNHKさんまでやり始めたかと思うと、破滅だぴょ〜ん!(チョメチョメ)

私は特に、笑いを取りたい場面でその手の記号的な演出をする事が大嫌いなんです。観客をバカにしてんのか?と言いたくなる。

『亜弥のDNA』というミニドラマを演出させて頂いた時、スタッフがバラエティー畑の人達だったもんだから、音響さんが仕上げの段階で、ボケやオチの部分に効果音を入れちゃうんですよね。刑事部屋の場面なら、電話の音なんかを勝手に入れちゃうワケです。

「それ、要りません。外して下さい」って言い続けるのも疲れてしまって、いくつかは残ったままになってますので、DVDをお持ちの方は暇つぶしにご確認くださいw

昔みたいにボヨヨ〜ン♪みたいな効果音楽が入っちゃうよりはマシなんだけど、そんなものでサポートして貰いたくないんですよね。純粋にネタの面白さを味わって欲しいのに、勝手に調味料を足すな!っちゅー話です。

『踊る大捜査線』なんか、もっと酷いですから。コミカルな場面には必ずコミカルなBGMを乗せて、誰かがボケた所でピタッと音楽を止め、登場人物達がみんな固まって気まずい空気…みたいな古くさい演出を、今だにしつこく繰り返してますからね。

しかも、みんなが固まってる時間がやたら長い。「間」ってのはホントに重要で、0.01秒単位の違いで、演出者のセンスが測れます。個人的な好みもあるでしょうけど、私から見たら『踊る…』の監督さんのセンスは、まぁ最悪です。

それ以前に、BGMや効果音など後処理の小細工で笑いを取ろうとする姿勢が嫌いなんです。ネタだけで勝負しろや!と。役者さんに対しても失礼ですよ。

そんなバラエティー番組的な手法もテレビならまだ許せるんだけど、映画館の大スクリーンでやられると本当に虫酸が走るし、怒りが沸いて来ちゃいます。

観客をバカにするのもいい加減にして貰いたいところですが、そこまで親切に記号を示してあげないと、どこで笑ったり泣いたりすればいいのか自分で判断出来ない観客が、現実に増えてるのかも知れません。

だとしたら、どっちもどっち。いずれにせよ、何にしたって破滅なんです。

☆『電人ザボーガー』

CSで往年の子供向けヒーロー番組を観てると、あまりの解り易さに笑っちゃいますよねw それこそ、コミカルな場面には役者さんも全身全霊でコミカルな芝居をするし、コミカルなBGMと効果音も総動員です。

それは子供向けの番組だから、子供向けに解り易い演出をしてるワケです。『梅ちゃん先生』や『踊る大捜査線』の演出も、ほとんど同じレベルですよ。老若男女に関わらず、観客は押し並べて子供扱いされてるようなもんです。で、それが大ヒットですからねぇ…

それはともかく『電人ザボーガー』は、主人公を演じる俳優さんの芝居が、やたらオーバーで暑苦しくて、終始ゲラゲラ笑いながら観てしまいますw もちろん、御本人は大真面目に一生懸命に演じておられる。そこが良いんですよねw

ドラマ内容もかなりデタラメで笑えるのですが、ちょうどカンフー映画のブーム期に創られてたみたいで、毎回けっこうタップリと空手バトルを見せてくれるんですよね。これ、毎週の撮影は相当ハードだったと思いますよ。

闘ってる時の主人公の顔がまた、凄いんですw 恐らくブルース・リーに心酔されてたんでしょうw、技が決まる度にいちいちブルブル震えながら、ヘン顔を披露してくれるw

見るからに低予算のチープな特撮も含めて、これは味があり過ぎてハマっちゃいそうです。ほんと、いい時代でしたねぇ…

☆『スター・ウルフ』

こちらは『スター・ウォーズ』ブームのさなかに創られた番組らしく、同じパクリでも独創的すぎた映画『惑星大戦争』や『宇宙からのメッセージ』よりも、ストレートに『スター・ウォーズ』的な世界観ですね。

円谷プロ製作ですから、ザボーガーよりは特撮もしっかりしてますw だけど、どこの惑星に行っても住んでる人が日本語ペラペラだし、電柱とか電線が平気で映り込んでるのも困ったもんですw

宍戸錠さんなんかがレギュラーで出ておられますが、ヒロインの谷川みゆきさん(画像)が可愛いですね! 芝居もしっかりしてるし眼力もあって、萌えますw

この前後に『太陽にほえろ!』にもゲスト出演されてましたから、けっこう注目株だったと思うんだけど、もひとつメジャーにはなられてないですよね。

まぁそんなワケで、今はちょっと時間を持て余してる状態ですので、いろんな番組を観てます。

CSのテレ朝チャンネルで『別冊ももクロchan』なんて番組もやってまして、中高年のハートを鷲掴みにする「ももいろクローバーZ」の魅力とは何ぞや?を知りたくて、最近よく観てますw

個人名はまだ憶えてませんが、それぞれのカラーと顔、キャラクターは把握しました。確かに不思議な吸引力があり、ハマるのは時間の問題かも知れませんw

ポイントはやっぱりライブ映像でしょうね。まだちゃんと観れてないので、それを観て魔力の正体が掴めたら、あらためて記事にしたいと思ってます。

『トゥルー・グリット』

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再びyamarineさんのお薦めシリーズです。ジョン・ウェイン主演の西部劇『勇気ある追跡』を、スピルバーグ製作&コーエン兄弟監督でリメイクした2010年の作品です。

私は西部劇を数多くは観てないのですが、『明日に向かって撃て!』や『許されざる者』みたいに、徹底したリアリズムで描かれた作品は大好きです。本作はその系譜に入るかと思います。

そして、父親を殺された14歳の少女が、自分でお金を工面して連邦保安官を雇い、犯人探しの旅に出る…ってなプロットを聞くだけでワクワクしますよね?

まず、その少女=マティ(ヘイリー・スタインフェルド=画像)のキャラクターが素晴らしい! 凛とした佇まい、荒くれ男を前にしてもひるまない度胸、難しい交渉事も口八丁でこなす頭の良さ、そして絶対に諦めない意志の強さ。

それでいて、ちゃんと普通の女の子としての弱さや繊細さも併せ持つように見えるのは、演じたヘイリーちゃんならではの持ち味と演技力の賜物かと思います。多部ちゃんと同じで、美人にもブサイクにも見えるファジーなお顔が効いてますよね。

保安官を雇う時に、人探しが巧いタイプと、目的の為なら手段を選ばない無頼漢タイプ、人権を重んじる平和主義者タイプの三択を迫られるんだけど、彼女は迷わず無頼漢を選んじゃう。そこでニヤリと笑う表情に、私はシビレましたよw

その無頼漢を演じるのが、名優ジェフ・ブリッジス です。無頼と言ってもアル中の老いぼれガンマンで、自分勝手だし信用出来るかどうか分からない。

さらに、テキサス・レンジャーにいた事をやたら自慢する、胡散臭い賞金稼ぎも旅に同行するんだけど、演じてるのがマット・デイモンなんですよね! 髭面だし帽子被ってるから、私は最後のクレジットを見るまで彼だと気づきませんでしたw

とにかく二人共、利己主義でちっとも優しくないし、マティが同行するのを足手纏いだと思ってる。そんなロクでもない男二人が、何があっても諦めないマティの根性と勇気に、少しずつ感化されていく。

特に天涯孤独な無頼漢・ジェフの方は、知らず知らず父性に目覚めてるような節がありましたね。彼が最後にとる行動は、涙なくして見られません。

また、その場面の映像が実に美しい事も特筆しておきます。画には無頓着な私ですら、そこは思わず息を呑むほどでした。

だからと言って、日本映画みたいに泣ける台詞、泣ける音楽で無理やり盛り上げるような記号演出も、ヨダレや鼻水を垂らして見せれば「熱演」だと勘違いしてるようなクッサイ芝居も、この映画には一切出て来ません。

弱冠14歳のマティですら、一滴の涙も見せませんから。西部劇って基本的にドライな世界なのかも知れませんが、本作は特に「人の死」をとことんドライに捉えてる感じがしました。

例えば葬儀屋の場面で、マティは父親の遺体を前にして「お父さんにキスしてもいいよ」って言われても「どうせ魂は抜けてるわ」って断っちゃうんですよね。

凡庸な演出家なら、ここぞとばかりにヒロインを泣かせて、観客の同情と共感を誘って感情移入させようとする所です。これが日本映画のヒロインなら、遺体にすがりついて「お父さん! どうしてなの!? お父さーんっ! うわわぁーっ!!」って、じゃかぁっしいわっ!!

それがこの映画のマティを見ると、あえて泣かずに耐えてるヒロインの姿にこそ、我々は知らず知らず共感してますよ。

それとやっぱり、西部開拓時代の空気ってものがある筈です。その時代に生きたワケじゃないから想像でしかないけど、いつ身近な人が撃たれて死んでもおかしくない環境にずっといれば、人の死にいちいち動揺してられないだろうと思います。

だから、日本の時代劇…例えば昨年の大河ドラマ『江』みたいに、戦国時代の最中だってのに、誰か死ぬ度にみんな揃ってオイオイ泣くなんて事はあり得んじゃろ!って、私などは思っちゃいます。

そんなワケですので、この映画には当然ながら派手なアクションはありませんし、日本映画みたいに「はい、ここで笑って!」「ここ、泣き所ですよ! さぁ泣いて今泣いて早く泣いて!」と言わんばかりの、分かり易くて押しつけがましい見せ場も皆無です。

そんな作品ばっかり観てる観客が本作を観ても、たぶん物足りなく感じる筈です。「うーん、まぁ良かったんだけど、泣けなかったんだよなぁ」って、そんな感想を述べる人が、もしかすると日本人の大半かも知れません。

愚か者っ!!(by.榮倉奈々w)

いや実際、他の映画でもそんな感想を言う人が多いんですよホントに。「泣けなかったよ」って。泣けなきゃ映画じゃないと思い込んでる。そうやって亀山どもに刷り込まれてるんですよ!

もちろん、泣ける映画も素晴らしい。記号に反応して泣くんじゃなくて、自然に共感して泣ける映画は私も大好きです。

『トゥルー・グリット』も、前述のとおりジェフがマティの為にとった行動と、その美しい映像に思わず涙しちゃいましたけど、それはあくまで結果に過ぎません。泣かせる事を意識して創られた映画じゃないんです。

それこそが、映画やドラマの本来あるべき姿だと、私は思います。これは本物の映画です。もちろん、私からもお薦めします!

ももクロちゃん!Part.1

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その魅力の正体が掴めたら記事にします、と予告して、まだ何か掴めたワケじゃないんだけど、病院の待ち時間が長いもんでw、暇つぶしにとりあえず、今感じてる事だけ書かせて頂きます。

週末アイドル「ももいろクローバーZ」とは10代後半の女子5人によるアイドル・ユニットで、戦隊ヒーロー物をモチーフにしたパフォーマンスでゆるやかにブレイク中、なぜか多部ちゃんと同じで中高年のオッサン層に強く支持するファンが多い…

↑私がももクロに関して知ってる知識は、これだけです。最初は6人組だったのが、途中から5人になった。ユニット名に「Z」が付いて、戦隊ヒーローをモチーフにするようになったのはその時から、であるらしい。

…という程度のいきさつだけは認識してます。音楽系の番組とか雑誌はすっかり観なくなっちゃったので、情報源が無いんですよね。

だから、本来ならその存在すら知らないままスルーしてたと思うのですが、身近に感染者が出てしまったw まずはyamarineさんが、ブログの記事にされました。

そして更に、長野県に住む小学生時代からの親友が、いきなり可愛い画像付きで「ももクロにハマってる」とメーリをよこして来たんです。

そのインパクトがデカかったんですよね。彼は中学生時代こそ大場久美子ファンだったものの(ちなみに私は石野真子ファンw)、私と違ってオタク気質じゃないし、ユニット系のアイドルにハマるなんて事は、全く想定外でしたから。しかも40代後半になって…w

とは言え、時を同じくして私が多部ちゃんに突然ハマっちゃいましたから、人生にはそういう時期もあるんだよなぁとw、その心情だけはすぐさま理解出来ました。

無二の親友と、タベリストの大先輩がぞっこん惚れ込んだ、アイドル5人組。私は俄然、興味を引かれてしまいました。彼女達のいったい何が、アイドル・マニアでも何でもないオッサン二人の心を鷲掴みにしたのか?

興味を引かれたと同時に、不安にもなりました。タベリスト仲間と無二の親友…という事はつまり、私と感性が近い人達がハマってるワケで、下手に深入りすると私自身も感染しちゃう恐れがあるからですw

うっかりハマっちゃうと、私はとことん凝っちゃうマニア気質ですから、ただでさえ多部ちゃんという新たな「ディープに好きなもの」が加わって貧乏生活を更に圧迫してるというのに、イベントの多いアイドル・ユニットなんかが加わった日にゃあ、えらい事になっちゃいます。

そんなワケで、あまり積極的に探求するような事はせずに、もしテレビや雑誌で見かけたら、ちょっと注目してみるか、というスタンスでいました。

なのですが先日、CSの番組表を何気なく見てたら、テレ朝チャンネルで『別冊ももクロchan』なんていうバラエティー番組を毎日のように放送してるではありませんか!

幸か不幸か、今の私はヒマ人です。午前中だけ仕事して、午後は出かけるワケにも行かないから、ひたすらお部屋で静養の日々。お陰でブログはこうして毎日更新ですw

だから、ここんとこ毎日観てますよ、ももクロちゃんをw さらに今日、病院に出かける前に、同じテレ朝チャンネルでやってた埼玉アリーナにおけるクリスマスLIVEの録画中継も、さわりだけ観ました。

うーん、私はハマってるのでしょうか? でも女子アイドルが元気に踊る姿を観るのは以前から好きでしたから、まだ分かんないですね。

ももクロのメンバー達が埼玉アリーナの立派な会場を目にした途端に感激して泣く姿を見て、私も一緒に泣いちゃいましたけどw、普段から簡単にもらい泣きしちゃう男ですから、ももクロだから観ちゃうのか、彼女達だから泣けるのか、今のところ判別出来ません。

でもねぇ、まだ触りしか見てないLIVEパフォーマンスとか、PVにおける特撮戦隊ヒロインぶりとか、瞬きを忘れて凝視しないではいられない魅力を、確かに感じますね。

だいたい、別にそうまでして探求する必要ないのに、いつの間にかこうして積極的に番組を観てること自体が、既にヤバイのかも知れません。

でも、今のところはまだ分かりません。ちなみに私の好みは、月並みですがセンターの赤の子(画像)と、黄色の子ですw

とにかくいつも元気で、5人の結束がとても固い事は画面から伝わって来ます。それと、あの48人のグループみたいに総選挙だの移籍だのと、商魂たくましい大人どものイヤラシイ戦略の道具にされてない、なんとなく自由というか、野放しな感じが観てて微笑ましいです。

ああ、そこかも知れませんね。まったく自然体な素の姿と、5人だけだから大人数で誤魔化す事の出来ないステージでの、ハイレベルなパフォーマンスとのギャップ。

それと、昭和を彷彿させるコスチュームですね。『Z伝説』って曲の衣裳は、間違いなく『マジンガーZ』のヒロイン・弓さやかの戦闘服(後期バージョン)ですからw

そりゃハマるかも知れないなぁ… もうヤバイのかもw とにかく細心の注意を払いながら、もうちょい観察してみようと思います。

『浪花少年探偵団』#11

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最終章の前篇って事で、お別れムードが充満。生徒達が卒業式の準備をしてる光景を見ただけで、早くも涙がこみ上げて来ましたw いやぁホントに、淋しいですよ。

観てる我々にとって、『浪花』はそれだけ居心地の良い世界なワケですが、それはしのぶセンセにとっても同様だったらしく、彼女はある決断をしました。

それについて相談しようとしたのに、捜査で忙しくて電話に出られなかった小池くんは、怒ったしのぶセンセに「もうええ。時間切れや!」と言われちゃいました。

それから結構な時間が過ぎて(2カ月位?)、二人が偶然ばったり再会した時の、あの気まずい空気と言うか、心がヒリヒリする感じが何ともリアルで、痛々しかったですね。多部ちゃん、やっぱり巧いなぁw

結婚話と見せかけて実はそうじゃなかったワケだけど、それにしたって相談に乗ってあげなかった事を今だに彼女が怒ってるって事は、小池くん、大いに脈があった!って事ですよね?

前回で二人の間に信頼関係が出来て、なんだかんだ言ってもしのぶセンセは… 冒頭の場面も、実はミスリードを誘ったワケじゃないのかも知れません。

「もっと、女ごころ勉強せなあかんわ。あほ!」

↑どーでもいい相手に、こんなこと言わないですよね? 谷原章介さんだって、あんなに喜んでたじゃないですかw 私だって言われてみたいですよ、多部ちゃんに。あほ!ってw

しのぶセンセの決断とは、長野県の学校で講師を勤める… すなわち、浪花の町から巣立ちする事でした。

「好き過ぎるんや、うち。お母ちゃんのこと」

大泣きする松坂ママに、独り立ちせなあかんねんって穏やかに言うしのぶセンセに、また涙。そこで自分も涙を見せるか見せないか、多部ちゃんはいつも冷静かつ的確に判断してますよね。

少年少女の淡い恋も描かれましたが、しょせんは濱田くん、二枚目ですからねぇw 美男美女の恋には萌えませんw まぁ小池くんと多部ちゃんも充分、美男美女なんだけど。

濱田くんは今まで見せ場が無かったから、最後ぐらいは花を持たせてあげようか、って所でしょう。

どうでもいいけど、小池くんはマイケル・J・フォックスに似てますよね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が流行った頃、私も似てるって言われてたんですよw ほか、ロビン・ウィリアムス、萩原流行にも似てるって声がありました。全くどーでもええ話ですw

「よっしゃ、行くでぇ! 浪花少年探偵団、最後の事件や!」

↑こういう台詞一つでも、泣けて来ますよねw いよいよ終わるんやなぁって、実感させられます。しんみり言われるより、こうして元気に言われる方が胸に響きます。

「まったく、最後の最後まであの人は…」

↑ほんとに実感のこもった、教頭センセのお嘆きでした。心中お察ししますw でも、実際いなくなったら、きっと淋しいですよ?

序盤、いきなり門馬係長=升毅さんが登場されたんで、てっきり犯人かと思いましたがw、ワンコとの絡みが無くて残念でした。

今回は前篇って事で、謎解きもクライマックスも無かったにも関わらず、あっと言う間の1時間でしたね。本当によく出来たドラマです。

返す返す、割に合わない視聴率が残念ですが、欠かさず観られた我々は幸せ者ですね。

残り、あと1回!

『クロエ』

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『復讐捜査線』のDVDに入ってた予告編を観て、興味を引かれました。フランス映画『恍惚』のハリウッド版リメイクなんだそうです。

ジュリアン・ムーア扮する産婦人科医(セックス・カウンセラーかも?)の妻と、リーアム・ニーソン扮する大学教授の夫。なんとなく倦怠期な感じの夫婦で、息子を出産してから徐々にセックスレスになって、かれこれ10数年。

で、ふとした行き違いから、妻は夫が浮気してるのではないかと疑い始め、やがてそれが確信に変わっていく。

そんな時、妻はひょんな事から若くて美しい娼婦・クロエ(アマンダ・セイフレイド)と知り合い、お金を渡してこんな依頼をするのです。

「夫を誘惑して、彼がどんな反応をするか、どういう行動を取るかを、全部私に報告して」

私がこの映画に興味をそそられたのは、まぁ上の画像みたいに美しいクロエの裸が見たかったせいもありますが、そのクロエと、夫の誘惑を依頼した妻が、なぜか女どうしでベッドインしてるカットが予告編にあったからです。

えーっ、なんで? この設定が一体どう転がって、女どうしのチョメチョメに繋がって行くの?!と。まぁ、その女どうしのチョメチョメを見たかったせいもありますがw

ポルノ映画なら無理矢理そんな展開に持って行くのも有りでしょうけど、リーアム・ニーソンとジュリアン・ムーアが出てる映画で、そんなの有り?って、気になってしょうがなかったワケです。

以下、結末までバラしちゃいますので、観てみようと思われる方は鑑賞後にお読みくださいm(__)m まぁ、本気でオススメする気なら結末まで書きませんから、それ位の作品だと思ってご判断くださいませ。

クロエは、リーアムとの生々しい情事を逐一、妻に報告します。この辺りで、ちょっと変だなと疑問が沸いて来ます。

その情事が、クロエの報告に基づく妻の想像としてしか描かれてない事。それに、そんなアッサリ誘惑に乗って浮気しちゃうような夫の役を、あのリーアム・ニーソンが引き受けるだろうか?と。

すると物語は、思いもよらない展開を見せて来ます。クロエと夫の情事を想像した妻が、なんと欲情して自慰行為を始めちゃう!

最初はビックリしましたけど、思えば長い年月、彼女はセックス行為をしてないんです。そして、今でも心底から夫を愛してる。

まぁ、この私に複雑な女ごころが理解出来る筈もないんだけど、夫が愛撫を受けて感じてる姿を想像して、自分とのセックスを連想しちゃうって事は有り得るかも知れません。

後の場面で語られるのですが、妻は自分の年齢による容姿の衰えを気に病んで、自らセックスを拒むようになってしまった。でも、心底ではずっと、夫を求め続けてたんです。

この映画を観始めて、まず最初に思ったのは「ジュリアン・ムーアもえらい老けたなぁ」って事だったのですが、あえて内面が枯れた感じを出す為にノーメイク、あるいは老けメイクを施してたみたいで、ラストには見違えるほど若返ります。

それはさておき、予告編にあった女どうしのベッドシーンは、欲情したジュリアンにクロエがキスをして、そのなりゆきで性行為に至ったワケなんですね。

で、我に返ったジュリアンは、再びクロエにお金を渡して「私が馬鹿だった。もう夫にも私にも近づかないで」と言って突き放しちゃう。

するとクロエは激しく傷つき、リーアムとの更なる情事をジュリアンに報告して来る。追い詰められた妻は、夫に全てを打ち明けるんだけど、なんと彼はクロエの顔すら知らなかった!(そもそも最初の浮気疑惑からして潔白だった)

つまりどういう事かと申しますと、クロエは最初から、ジュリアンと深い仲になりたくて、誘惑チョメチョメ大作戦の依頼を引き受けたワケです。で、実際は何もしないで嘘の報告をしてた。

これを単にレズビアンの歪んだ恋愛感情を描いた映画だと受けとめると、何とも陳腐な感じがしちゃうのですが、クロエは母親から貰ったという髪飾りを、ジュリアンに受け取って欲しいって、ずっと懇願してたんですよね。

母親が今どうしてるのかは語られてないんだけど、一緒に暮らしてない事は明らかで、たぶん亡くなったんだろうと思います。

だから、クロエが本当に求めてたのは母の愛情であり、その為のきっかけ、あくまで手段としてレズ行為をした…って事かも知れません。娼婦である彼女には、それしか方法が思いつかなかったんでしょう。

全てがバレて錯乱したクロエは、夫婦の家に乗り込んで、なんとヤリたい盛りの息子を誘惑し、わざわざ夫婦の寝室で思いっきりチョメチョメしちゃいますw 彼女にとって男という生きものは、商売相手=生きて行く為の道具に過ぎないんですよね。

駈けつけたジュリアンともみ合いになったクロエは、3階の窓から転落しそうになります。そう、助かろうと思えば助かるのに、彼女は自ら手を離して転落し、帰らぬ人になっちゃうのでした。

結果的に、夫婦は見失ってたお互いの愛を再確認し、倦怠期を乗り越えます。クロエが自分の命と引き替えに、夫婦を危機から救った。彼女の母親によく似た、ジュリアンの為に… と解釈すれば、なかなか泣ける話なんだけど、ちょっと無理があるかなw

なんにせよ、クロエが本当の愛を渇望してた事だけは確かで、そのへんの哀しさがもっと伝わって来れば、皆さんにもオススメしたい作品になってたかも知れません。

でも、年齢や出産による容姿の衰えで自信を失い、妄想にとり憑かれて苦しむ妻の心情は、痛いほどよく伝わって来ました。男にだって、そういうジレンマはありますからね。

そのへんの説得力はさすがのジュリアン・ムーアで、この人はメジャーな女優さんなのに、リスキーな役柄をちっとも拒まない姿勢が、いつも素敵だと思います。

そしてクロエを演じたアマンダちゃんの魔性ぶりと美しい裸体は、一見の価値が充分にあるかと思います。
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