※この記事は後編です。(完・前)から順にお読み下さいませm(__)m
☆カウンセラー・つばさ
さて、この際ぶっちゃけますが、私は1年ちょっとの間だけ、カウンセラーを職業とする女性と同居生活をしてました。
だから、私はカウンセラーの裏の顔も見てきたワケです。その仕事の難しさ、大変さ、要は苦労話を、まるでラジオの男みたいに私は聞かされてました。聞くだけで、私が彼女を癒してあげる事は出来ませんでしたが…
そんな私が、こうして『つばさ』を解体研究するようなレビューをする事になったのって、なんだか運命的なものを感じずにはいられません。
では『つばさ』=セラピー説を裏付ける証拠…になるかどうか分かりませんが、両者の共通点を列挙したいと思います。
○共通点その1「傷を受けた場所に戻る 」
カウンセラーの仕事は、クライアント(つまり患者さん)の話を聞いて、現在の悩みに繋がってる過去の出来事…つまりトラウマを探って行くのが最初の課題となります。
それは大抵の場合、幼少期に受けた心の傷であり、クライアント本人も忘れてたりする。だから催眠療法とかで、クライアントの潜在意識を掘り起こす必要があるワケです。
で、拙作『VOiCE』でも描いた通り、クライアントは心の傷を受けたその場所に戻って、その時の自分に「大丈夫だよ。あなたはちゃんと愛されてるし、存在する価値はあるんだよ」みたいなメッセージを伝えるワケです(『VOiCE』の場合は逆に、過去の自分からメッセージを受け取る形でした)
だから、竹雄さんのダークサイドが描かれた回で「その場所に戻れば、答えが出るかも」みたいな台詞が出た時、私はセラピーを連想したワケです。
竹雄さんに限らず、加乃子も事あるごとに例の一本道に戻り、そこから再出発してました。つばさにとっても、あの一本道はトラウマの原点です。だから監督さん達は競って、あの場所をことさら丁寧に撮られてたんでしょう。
○共通点その2「カウンセラーは背中を押さない」
カウンセラーは、あくまでクライアントの話を聞くことが仕事で、答えを出してはいけないんです。クライアント自身が答えを出すように、ヒントを与えながら導いて行くだけ。
それは、患者さんにプレッシャーを与えたら逆効果になっちゃう事が、まず一つ。だから素人が誰かの心の傷を癒そうとあれこれ言うのは、とても危険な行為だったりします。
もう一つは、人が自分を変えて行くのって、並々ならぬ強い意志が無ければ不可能だって事です。自分の意志で答えを見つけて、自分自身で道を選ばなきゃ、人は変われない。
だから、つばさは悩める人達に「こうしなさい」とは絶対に言わなかった筈です。ラジオを使って間接的に、ヒントやきっかけを与えてただけですよね?
もっと判り易いのが、ラジオの男です。彼がつばさに対して言ってた事、やってた事は全て、まさにカウンセリングそのものだったと思います。
○共通点その3「身内をカウンセリングしてはいけない」
カウンセラーには、家族や恋人をカウンセリングするべきじゃないっていう、暗黙のルールがあるみたいです。
お互いを知り過ぎてると、余計な感情が入って集中出来ないし、つい力も入ってしまい、「背中を押す」っていうタブーを犯したり等、失敗する可能性が高いからだと思います。
つばさは一度、大失敗してますよね? そうです、乳首人間第三号=翔太です。彼を愛するあまり、つばさは世話を焼き過ぎるわ背中を押しちゃうわで、思いっきりプレッシャーを掛けちゃった。
お陰で翔太は、どん底を突き破って底無し沼にはまり、気が狂った挙げ句に乳首道場入門ですよw 翔太は、つばさ唯一の失敗作w だから羽ばたくまで異常に時間が掛かりましたよね。
親友である万里は、前述の通り患者とは違いますから例外として、じゃあ兄弟である知秋はどうなの?って事になりますが…
知秋はつばさと同じ傷を負ってる割に、けっこう早い段階で癒されました。それは多分、彼自身の性格に救われたんだと思います。
心の傷にも個人差がある。知秋はああいう、まるで天使みたいな、極端に大らかな性格だからこそ、軽傷で済んだんじゃないでしょうか? 彼がああいうキャラに設定されたのは、それが理由かも知れません。
じゃあ、知秋より更に近い存在…つばさ自身はどうだったか? そこで、イッセー尾形さんの出番になるワケです。
つばさ自身を癒すカウンセラーは、それが自分の分身である事をつばさが忘れちゃう位、全くかけ離れた容姿でなければならなかったワケです。
○共通点その4「信じない患者は癒せない」
カウンセラーにとって一番厄介なクライアントは、カウンセラーを信じない人です。心を開いてくれなきゃ、その傷の原点なんか探りようが無いですから。
つばさが最も苦戦した相手は、城之内房子様でした。人を信じようとしない房子様には、取りつく島も無かったですよね。カウンセラーにとって、あれほど厄介な相手はいないでしょうw
○共通点その5「クライマックスは大量の涙」
『VOiCE』のレビューにも書きましたが、セラピーのクライマックスは、クライアントが大量に流す涙です。心の中に蓄まった膿というか毒素が、涙と共に浄化されるみたいな感じです。
ラジオの男との別れでつばさの流した涙は、多部ちゃん史上においても類を見ない粒の大きさ、だったように私は感じました。
あと、これは私も経験した事ですが、セラピーをこれから受けようという時、利尿作用がハンパじゃなかったんです。不思議と、受ける前から浄化が始まってる実感がありました。
多部ちゃんは別れの場面を撮る日、セットに入る前から涙が止まらなかったとの事ですが…って、これはちょっと、こじつけ過ぎ?w
以上、如何なものでしょうか? 傷ついた人の心を癒すドラマなら、同じ目的で開発されたセラピーと似ちゃうのは、まぁ当然なのかも知れないけど、それでも状況証拠がこれだけ揃えば、クロでしょう?w
ただ、クライマックスは大量の涙ってのは『つばさ』に限った事でもないから、ある意味、全ての「泣けるドラマ」はセラピーである…と、言えなくもないですね。
☆さらなる別れ
それにしても『つばさ』には、クライマックスがいったい何回あるんだ!?w 今度は、真瀬&優花の父娘とお別れですよ。ラジオ男のインパクトに隠れがちだけど、これも相当に淋しくて切ない別れです。
母・加乃子とのトラウマを克服したつばさは、今度は自分が母親の立場になって、優花とケジメをつけなければなりません。
「私は、優花ちゃんの事が大好きです。だけど、優花ちゃんのお母さんにはなれません。私はラジオぽてとのオカンだから、此処を離れるワケにはいかないの」
「やだ! やだ! お手紙書いてくれなきゃやだ! お花の絵も描いてくれなきゃやだ!」
…『つばさ』の全キャラクターの中で、もしかしたら優花が一番たくましくて、賢い人なのかも知れません。千波さん譲りでしょうか?
彼女は、つばさの辛い立場をちゃんと理解して、つばさと離れ離れになる前提でワガママを言ってる。どうか本当に、幸せになって欲しいです。
翌朝にはもう、佐賀へ旅立つと真瀬は言います。
「開局の準備にはイモの手も借りたい位だが、ま、大丈夫だ。お前がいなくても何とかなる」
相変わらずの真瀬節ですが、佐賀行きを引き受けたのはもしかしたら、手の届かないつばさとこれ以上一緒にいるのがツライ、っていう想いもあったかも知れないですね。
そして翌朝、ぽてとメンバーに見送られて、真瀬と優花は旅立ちました。
☆二度目の春
そして数カ月が過ぎ、ラジオぽてとがいつの間にか観光スポットに、そしてつばさは今や「川越のおかん」と呼ばれるようになりました。
「えっ、川越のおかん!?」って台詞を言ってた、あのふくよかな女性、誰でしたっけ?w 意味ありげに寄りで撮られてましたけど…?
一方、玉木家には房子様が訪れ、観光物産館の建設工事が始まった事を千代さんにご報告。
「良かったわ、あなたの夢が叶って」
「ありがと。まぁね、つばささんのお陰だわ」
…なんて、ずいぶん謙虚になられたと思ったのも束の間…
「それに、隠居したあなたがさぞかし退屈してるんじゃないかと思って、来てあげたのよ」
それでこそ房子様!ですねw
その傍らでは知秋が、愛しの万里からサッカー観戦のお誘いを受けて、有頂天。この二人にも春がやって来るのでしょうか?
「はぁ… いいわね、若いって」
その頃、社長が復帰した斎藤興業では、乳首マスター=秀樹が、なんだか意味不明の除幕式w そこには、燦然と輝く玉木つばさの写真パネルが。
「川越の、新しい女神だ」
その秀樹の台詞に続いて流れだす、アンジェラ・アキさんによる主題歌『愛の季節』… 鳥肌が立ちますね。
ぽてとの仲間はじめ、川越中のみんなに見守られながら、つばさは今日もDJブースのマイクに向かいます。
「私はこうして、マイクに向かってお話してると、不思議な事に、高い高い空から、川越の町を見下ろしてるような気持ちになる事があるんです」
そこに、高台から町を見下ろすつばさのイメージ・ショットが入るのも又、第1話との合わせ鏡ですね。
「そんな時、私は思います。町を吹き抜ける風のように、私のこの声が、町のあちこちでラジオに耳を傾ける人に、届いてくれたらいいなぁと」
甘玉堂には、いつぞや(福祉施設の回でしたっけ?)つばさから貰った甘玉の味が忘れられない、あのご夫婦が来店。すっかり女将らしくなった加乃子が迎え入れます。
「甘玉堂はどこへ行っても、一意専心でございます」
千代さんの精神をしっかり継承してる、加乃子です。
調理場では知秋が、竹雄に教わりながら職人修業。一時期かなりふっくらしてた顔も見違えるように引き締まり、見られて恥ずかしい躰はしてねーぞとw
万里は相変わらず元気に出勤、「こえど」ではなぜか着物姿の秀樹に身を寄せる、ボインボイ〜ンボンヨヨヨヨ〜ン!な、なぜか洋服姿(いつも和服だったのに)の麻子さん。このチグハグさは、何かを暗示している?w
「私は、女神じゃなくてもいいんです」
渋い顔でミルクを呑む、秀樹。うーん、やっぱりこの人… 乳首だw
そして乳首道場を卒業し、海外での活躍が期待される、翔太(チクビッシュ有)。
「今度こそ、つばさに負けない位、強くなって帰って来るから」
「やっぱり翔太だ」
「やっぱりつばさだ」
これは「あなたらしさが戻った」と「やっぱりあなたが好き」の、ダブル・ミーニングですよね。あんの野郎ぉーっ!w
まぁしかし、つばさに次いで深い心の傷を負ってたのは、このチクビッシュ投手です。父との確執もさる事ながら、大きな夢を掴んだ瞬間にそれをもぎ取られ、諦めるしか選択肢が無かったという不運。
あの底無し沼から、さんざん乳首呼ばわりされながらw、よくぞ此処まで這い上がったもんです。その頑張りに免じて、まぁ許してやらなくも無いよ、チクビッシュ。
悪い意味で「やっぱり翔太だ」って、つばさに言わせる事の無いよう、これからも口を引き締めて頑張れ! はよモミアゲ剃れ!w
佐賀では、優花に顎で使われながら周波数探しする、真瀬の姿が。そして、優花が駆け寄る先にいたのは、横矢みちるです。きっと新たな家族が生まれるのでしょう。
翔太の押すトロッコに乗って、新宿へ向かうつばさw ブーケに続いて、二人の近い未来が暗示されてますね。うーんやっぱり、あんの野郎ぉーっ!!w
第1話と同じく、いや、あの時よりもずっと晴れやかな表情で、川越ジオラマの上空を飛翔する、つばさ。よかった… 本当によかったね、多部ちゃん!
皆それぞれ、心の傷を癒して、今、羽ばたきました。言わば、やっとスタートラインから第一歩を踏み出したばかりです。
だから、めでたしめでたしは、まだまだ先のこと。いつか又、心に傷を受ける時も来るでしょう。だからこそ、つばさがいるんですよね。
そして、つばさ自身が傷ついた時には、きっとラジオの男が又… いや、その時のつばさには、世界のチクビッシュがついてるか…
ホントに頼んだぜ、翔太。「やっぱり、乳首だ」って、言わせないでおくれよ? 心配だなぁw
「つばさは今日もラジオの電波に乗せて、川越の人々に、笑顔と幸せを届けています」(完)
☆カウンセラー・つばさ
さて、この際ぶっちゃけますが、私は1年ちょっとの間だけ、カウンセラーを職業とする女性と同居生活をしてました。
だから、私はカウンセラーの裏の顔も見てきたワケです。その仕事の難しさ、大変さ、要は苦労話を、まるでラジオの男みたいに私は聞かされてました。聞くだけで、私が彼女を癒してあげる事は出来ませんでしたが…
そんな私が、こうして『つばさ』を解体研究するようなレビューをする事になったのって、なんだか運命的なものを感じずにはいられません。
では『つばさ』=セラピー説を裏付ける証拠…になるかどうか分かりませんが、両者の共通点を列挙したいと思います。
○共通点その1「傷を受けた場所に戻る 」
カウンセラーの仕事は、クライアント(つまり患者さん)の話を聞いて、現在の悩みに繋がってる過去の出来事…つまりトラウマを探って行くのが最初の課題となります。
それは大抵の場合、幼少期に受けた心の傷であり、クライアント本人も忘れてたりする。だから催眠療法とかで、クライアントの潜在意識を掘り起こす必要があるワケです。
で、拙作『VOiCE』でも描いた通り、クライアントは心の傷を受けたその場所に戻って、その時の自分に「大丈夫だよ。あなたはちゃんと愛されてるし、存在する価値はあるんだよ」みたいなメッセージを伝えるワケです(『VOiCE』の場合は逆に、過去の自分からメッセージを受け取る形でした)
だから、竹雄さんのダークサイドが描かれた回で「その場所に戻れば、答えが出るかも」みたいな台詞が出た時、私はセラピーを連想したワケです。
竹雄さんに限らず、加乃子も事あるごとに例の一本道に戻り、そこから再出発してました。つばさにとっても、あの一本道はトラウマの原点です。だから監督さん達は競って、あの場所をことさら丁寧に撮られてたんでしょう。
○共通点その2「カウンセラーは背中を押さない」
カウンセラーは、あくまでクライアントの話を聞くことが仕事で、答えを出してはいけないんです。クライアント自身が答えを出すように、ヒントを与えながら導いて行くだけ。
それは、患者さんにプレッシャーを与えたら逆効果になっちゃう事が、まず一つ。だから素人が誰かの心の傷を癒そうとあれこれ言うのは、とても危険な行為だったりします。
もう一つは、人が自分を変えて行くのって、並々ならぬ強い意志が無ければ不可能だって事です。自分の意志で答えを見つけて、自分自身で道を選ばなきゃ、人は変われない。
だから、つばさは悩める人達に「こうしなさい」とは絶対に言わなかった筈です。ラジオを使って間接的に、ヒントやきっかけを与えてただけですよね?
もっと判り易いのが、ラジオの男です。彼がつばさに対して言ってた事、やってた事は全て、まさにカウンセリングそのものだったと思います。
○共通点その3「身内をカウンセリングしてはいけない」
カウンセラーには、家族や恋人をカウンセリングするべきじゃないっていう、暗黙のルールがあるみたいです。
お互いを知り過ぎてると、余計な感情が入って集中出来ないし、つい力も入ってしまい、「背中を押す」っていうタブーを犯したり等、失敗する可能性が高いからだと思います。
つばさは一度、大失敗してますよね? そうです、乳首人間第三号=翔太です。彼を愛するあまり、つばさは世話を焼き過ぎるわ背中を押しちゃうわで、思いっきりプレッシャーを掛けちゃった。
お陰で翔太は、どん底を突き破って底無し沼にはまり、気が狂った挙げ句に乳首道場入門ですよw 翔太は、つばさ唯一の失敗作w だから羽ばたくまで異常に時間が掛かりましたよね。
親友である万里は、前述の通り患者とは違いますから例外として、じゃあ兄弟である知秋はどうなの?って事になりますが…
知秋はつばさと同じ傷を負ってる割に、けっこう早い段階で癒されました。それは多分、彼自身の性格に救われたんだと思います。
心の傷にも個人差がある。知秋はああいう、まるで天使みたいな、極端に大らかな性格だからこそ、軽傷で済んだんじゃないでしょうか? 彼がああいうキャラに設定されたのは、それが理由かも知れません。
じゃあ、知秋より更に近い存在…つばさ自身はどうだったか? そこで、イッセー尾形さんの出番になるワケです。
つばさ自身を癒すカウンセラーは、それが自分の分身である事をつばさが忘れちゃう位、全くかけ離れた容姿でなければならなかったワケです。
○共通点その4「信じない患者は癒せない」
カウンセラーにとって一番厄介なクライアントは、カウンセラーを信じない人です。心を開いてくれなきゃ、その傷の原点なんか探りようが無いですから。
つばさが最も苦戦した相手は、城之内房子様でした。人を信じようとしない房子様には、取りつく島も無かったですよね。カウンセラーにとって、あれほど厄介な相手はいないでしょうw
○共通点その5「クライマックスは大量の涙」
『VOiCE』のレビューにも書きましたが、セラピーのクライマックスは、クライアントが大量に流す涙です。心の中に蓄まった膿というか毒素が、涙と共に浄化されるみたいな感じです。
ラジオの男との別れでつばさの流した涙は、多部ちゃん史上においても類を見ない粒の大きさ、だったように私は感じました。
あと、これは私も経験した事ですが、セラピーをこれから受けようという時、利尿作用がハンパじゃなかったんです。不思議と、受ける前から浄化が始まってる実感がありました。
多部ちゃんは別れの場面を撮る日、セットに入る前から涙が止まらなかったとの事ですが…って、これはちょっと、こじつけ過ぎ?w
以上、如何なものでしょうか? 傷ついた人の心を癒すドラマなら、同じ目的で開発されたセラピーと似ちゃうのは、まぁ当然なのかも知れないけど、それでも状況証拠がこれだけ揃えば、クロでしょう?w
ただ、クライマックスは大量の涙ってのは『つばさ』に限った事でもないから、ある意味、全ての「泣けるドラマ」はセラピーである…と、言えなくもないですね。
☆さらなる別れ
それにしても『つばさ』には、クライマックスがいったい何回あるんだ!?w 今度は、真瀬&優花の父娘とお別れですよ。ラジオ男のインパクトに隠れがちだけど、これも相当に淋しくて切ない別れです。
母・加乃子とのトラウマを克服したつばさは、今度は自分が母親の立場になって、優花とケジメをつけなければなりません。
「私は、優花ちゃんの事が大好きです。だけど、優花ちゃんのお母さんにはなれません。私はラジオぽてとのオカンだから、此処を離れるワケにはいかないの」
「やだ! やだ! お手紙書いてくれなきゃやだ! お花の絵も描いてくれなきゃやだ!」
…『つばさ』の全キャラクターの中で、もしかしたら優花が一番たくましくて、賢い人なのかも知れません。千波さん譲りでしょうか?
彼女は、つばさの辛い立場をちゃんと理解して、つばさと離れ離れになる前提でワガママを言ってる。どうか本当に、幸せになって欲しいです。
翌朝にはもう、佐賀へ旅立つと真瀬は言います。
「開局の準備にはイモの手も借りたい位だが、ま、大丈夫だ。お前がいなくても何とかなる」
相変わらずの真瀬節ですが、佐賀行きを引き受けたのはもしかしたら、手の届かないつばさとこれ以上一緒にいるのがツライ、っていう想いもあったかも知れないですね。
そして翌朝、ぽてとメンバーに見送られて、真瀬と優花は旅立ちました。
☆二度目の春
そして数カ月が過ぎ、ラジオぽてとがいつの間にか観光スポットに、そしてつばさは今や「川越のおかん」と呼ばれるようになりました。
「えっ、川越のおかん!?」って台詞を言ってた、あのふくよかな女性、誰でしたっけ?w 意味ありげに寄りで撮られてましたけど…?
一方、玉木家には房子様が訪れ、観光物産館の建設工事が始まった事を千代さんにご報告。
「良かったわ、あなたの夢が叶って」
「ありがと。まぁね、つばささんのお陰だわ」
…なんて、ずいぶん謙虚になられたと思ったのも束の間…
「それに、隠居したあなたがさぞかし退屈してるんじゃないかと思って、来てあげたのよ」
それでこそ房子様!ですねw
その傍らでは知秋が、愛しの万里からサッカー観戦のお誘いを受けて、有頂天。この二人にも春がやって来るのでしょうか?
「はぁ… いいわね、若いって」
その頃、社長が復帰した斎藤興業では、乳首マスター=秀樹が、なんだか意味不明の除幕式w そこには、燦然と輝く玉木つばさの写真パネルが。
「川越の、新しい女神だ」
その秀樹の台詞に続いて流れだす、アンジェラ・アキさんによる主題歌『愛の季節』… 鳥肌が立ちますね。
ぽてとの仲間はじめ、川越中のみんなに見守られながら、つばさは今日もDJブースのマイクに向かいます。
「私はこうして、マイクに向かってお話してると、不思議な事に、高い高い空から、川越の町を見下ろしてるような気持ちになる事があるんです」
そこに、高台から町を見下ろすつばさのイメージ・ショットが入るのも又、第1話との合わせ鏡ですね。
「そんな時、私は思います。町を吹き抜ける風のように、私のこの声が、町のあちこちでラジオに耳を傾ける人に、届いてくれたらいいなぁと」
甘玉堂には、いつぞや(福祉施設の回でしたっけ?)つばさから貰った甘玉の味が忘れられない、あのご夫婦が来店。すっかり女将らしくなった加乃子が迎え入れます。
「甘玉堂はどこへ行っても、一意専心でございます」
千代さんの精神をしっかり継承してる、加乃子です。
調理場では知秋が、竹雄に教わりながら職人修業。一時期かなりふっくらしてた顔も見違えるように引き締まり、見られて恥ずかしい躰はしてねーぞとw
万里は相変わらず元気に出勤、「こえど」ではなぜか着物姿の秀樹に身を寄せる、ボインボイ〜ンボンヨヨヨヨ〜ン!な、なぜか洋服姿(いつも和服だったのに)の麻子さん。このチグハグさは、何かを暗示している?w
「私は、女神じゃなくてもいいんです」
渋い顔でミルクを呑む、秀樹。うーん、やっぱりこの人… 乳首だw
そして乳首道場を卒業し、海外での活躍が期待される、翔太(チクビッシュ有)。
「今度こそ、つばさに負けない位、強くなって帰って来るから」
「やっぱり翔太だ」
「やっぱりつばさだ」
これは「あなたらしさが戻った」と「やっぱりあなたが好き」の、ダブル・ミーニングですよね。あんの野郎ぉーっ!w
まぁしかし、つばさに次いで深い心の傷を負ってたのは、このチクビッシュ投手です。父との確執もさる事ながら、大きな夢を掴んだ瞬間にそれをもぎ取られ、諦めるしか選択肢が無かったという不運。
あの底無し沼から、さんざん乳首呼ばわりされながらw、よくぞ此処まで這い上がったもんです。その頑張りに免じて、まぁ許してやらなくも無いよ、チクビッシュ。
悪い意味で「やっぱり翔太だ」って、つばさに言わせる事の無いよう、これからも口を引き締めて頑張れ! はよモミアゲ剃れ!w
佐賀では、優花に顎で使われながら周波数探しする、真瀬の姿が。そして、優花が駆け寄る先にいたのは、横矢みちるです。きっと新たな家族が生まれるのでしょう。
翔太の押すトロッコに乗って、新宿へ向かうつばさw ブーケに続いて、二人の近い未来が暗示されてますね。うーんやっぱり、あんの野郎ぉーっ!!w
第1話と同じく、いや、あの時よりもずっと晴れやかな表情で、川越ジオラマの上空を飛翔する、つばさ。よかった… 本当によかったね、多部ちゃん!
皆それぞれ、心の傷を癒して、今、羽ばたきました。言わば、やっとスタートラインから第一歩を踏み出したばかりです。
だから、めでたしめでたしは、まだまだ先のこと。いつか又、心に傷を受ける時も来るでしょう。だからこそ、つばさがいるんですよね。
そして、つばさ自身が傷ついた時には、きっとラジオの男が又… いや、その時のつばさには、世界のチクビッシュがついてるか…
ホントに頼んだぜ、翔太。「やっぱり、乳首だ」って、言わせないでおくれよ? 心配だなぁw
「つばさは今日もラジオの電波に乗せて、川越の人々に、笑顔と幸せを届けています」(完)