私のホームグラウンドと言えば'70年代から'80年代の刑事ドラマなワケですが、吉行和子さんはその世界でもお馴染みの女優さんでした。
先日もCSでやってた『俺たちの勲章』を観てたら、肌も露わなホステス=ヤクザの情婦役で、あばずれのズベ公(死語?)を見事に演じられてました。
その世界じゃ水商売のイメージが強かったのか、『西部警察』のパート2〜3では、裕次郎さん行きつけのスナックのママ役でレギュラー出演されてます。
清楚で知的な役も似合えば、アバズレも難なくこなせるカメレオン女優。多部ちゃんの祖母役として申し分のないキャスティングですよね。多部ちゃんには更に主役としての華が加わるワケですから、将来がホント楽しみです。
余談ついでに、ウチの母から譲り受けた本が今、手元にあります。『わたしはだれ?〜櫻となって踊りけり〜』というタイトルで、著者は岸田今日子さん、吉行和子さん、冨士眞奈美さん。
この御三方が大の仲良しであられたのは周知の事ですが(岸田さんは亡くなられました。合掌)、俳句という共通の趣味もあったようで、お三方が句を詠み合う対談記事や、同じテーマを各自リレー形式で語るエッセイ、一人を抜きにして残り二人がその人について語る欠席裁判的な対談もあり、実に楽しい内容の本です。
それについては又の機会に詳しく書かせて頂くとして… 記述によれば吉行さんは本来、劇団の衣裳係になりたくて、女優になる気はサラサラ無く、「民芸」で『アンネの日記』の主役に選ばれても断るような人だったのに、いやいや出たその舞台が2年間のロングランになってしまい、済し崩しに女優になっちゃった… って、そういう所がまた、多部ちゃんっぽくないですか?w
さて、並みの番組ならば最終回であってもおかしくない、千代さんと加乃子の感動的な和解シーンでしたが、まだこの週の半ばなんですw
☆我が子を守りたい
ラジオぽてとの窮地を救うべく、玉木ファミリー一同が市民パーソナリティーを交代で務め、千代さんは川越キネマの思い出を語ります。
「この町を去る前に…」という千代さんの言葉に、ラジオを聴いてた宿敵・房子様が、激しく動揺します。
房子様は、千代さんがいなくなると淋しいのか? そもそも、なんで毎日ぽてとの放送を聴いてるのか? 表向きは敵の動きを偵察する為みたいですが…
「私にとって再開発の計画は、我が子よ。自分の子供を守る為なら何だってするわ」
引き抜かれて以来、傍でずっと房子様を見て来た伸子は、その裏側に「魔女の涙」を感じてる様子です。
子供も夢も、力をくれるもの。伸子の夫も、無謀な夢を実に楽しそうに追ってる…
「なのに会長は、苦しそうに見えます」
確かに、自分自身にもよく分からない、何かモヤモヤしたものが胸にありそうな房子様です。が、それをあえて吹き消すかのように、房子様の攻撃はエスカレートするのでした。
千代さんの送別会で盛り上がる玉木家に、ズカズカと乗り込んだ房子様は、蔵造り通りの(かつて甘玉堂があった)店を買い取ったと言い出します。
千代さんが甘玉堂に残って女将を続ける事、もしくは、つばさがラジオぽてとを辞める事を条件に、店を安価で貸してあげてもいい…
蔵造り通りの店にいつか戻りたい!っていう玉木ファミリーの悲願を利用し、徹底的に弱みを突いて来る。やっぱ魔女ですな、この人w
☆社長の夢を守りたい
元気が無いつばさの様子が気になった真瀬は、斎藤興業を一人で守ってる翔太(ジョン・マルコチクビッチ)を訪ねます。マルコチクビッチは既に、房子様の交換条件を予測してました。気のせいか、口の締まりも良くなった模様です。
そこに、つばさもやって来る。彼女は真瀬にではなく、マルコチクビッチに相談を? いくら口の締まりが良くなったとは言え、頭皮はグラグラのままなのに? まぁ、真瀬に相談したら、天玉堂を優先しろと言うに決まってますもんね。
「つばさの事、頼みます」
出て行こうとする真瀬に、マルコチクビッチはそう言いました。まるで、真瀬とつばさが結ばれる覚悟を決めたかのように見える、マルコチクビッチ。
「川越キネマは、何があっても守り抜く」
秀樹の夢、そしてつばさの夢を、マルコチクビッチは全てを賭けて守ろうとしてる。格好良くなって来ましたね、マルコチクビッチ。
ちなみに、この第24週のサブタイトルは「あなたを守りたい」。今週の朝ドラ『カーネーション』のサブタイトルも「あなたを守りたい」でしたw
☆甘玉堂の味を守りたい
ラジオぽてとが「みんなの広場」になるのも、千代さんが川越から旅立つのも、自分には出来ない事だから、房子様は嫉妬してるのではないか?とラジオの男は言います。
「その気持ちを汲んでやれれば、解り合えるかも知れないねぇ。お婆ちゃんとおふくろさんみたいに」
つまり千代さんと加乃子の和解は、番組初期より張られて来た数々の伏線を回収しただけじゃなく、房子様とラジオぽてとの和解という、未来への伏線を新たに張ってた、って事ですか? マ、マルコチクビィーッチ!!
傍目からは見えない相手と喋ってるつばさを見て、ついに気が触れた!?と勘違いした真瀬はw、慌ててこう言います。
「もう悩む事はない。此処を、空け渡す」
つまり、つばさを辞めさせない為に、川越キネマの土地を諦める、と。
「お前かキネマか、どちらかを諦めろと言われれば、俺はキネマを手放す」
それはつばさの為ではなく、自分の為だと言う真瀬は、ほとんど愛を告白してるようなもんです。マルコチクビッチにあんなこと言われて、すっかりその気になってる?w
後のシーンでは優花が見計らったかのように(実際、見計らってますよね、あの小悪魔w)「ママがいたら、優花もパパも嬉しい!」なんて言い出すし、ここらで視聴者も完全に、二人が結ばれるのを確信した事でしょう。
もしくは、あまりに分かりやすいフラグが立ち過ぎて、ドラマを見慣れてる人なんかはミスリードを察知して、真逆の結末を予想されたかも知れないですね。マルコチクビィーッチ!!
甘玉堂では、知秋が父・竹雄の指導を受けて、菓子職人の修業を開始。梅吉から竹雄に託されたバトンが、今度は知秋の手に渡ろうとしています。
「家族も駅伝のチームみたいなもんだね。誰かが困ったら、誰かが助けて、タスキが行ったり来たりしながら、ずっと走り続けてる感じ? 姉ちゃんが困ったら、僕の出番かな」
そんな弟の言葉を、もはや日課の一つになってる「立ち聞き」でw、耳にするつばさ。さらに「この味を、僕が守って行きたい」ってな頼もしい言葉も聞いて、つばさは迷いを吹っ切ります。
「私がどうしたいのか、答えが出た」
つばさはラジオぽてとを辞めないし、千代さんは川越を出ていく事をやめない。すなわち、房子様の提案は拒否。だけど、蔵造り通りの店にいつか戻る目標は諦めない。それが、つばさの出した結論でした。
「それって、今と同じだよね」
そんなオチをつけるのが上手な、知秋。見られて恥ずかしい体はしてねーぞとw
☆希望への一本道
全員揃って、写真館で家族写真を撮る、玉木ファミリーの面々。もしかしたら、全員がこうして元気に揃うのは、これが最後になるかも知れません…
つばさがラジオを、知秋が母の縫った手袋を、竹雄が「甘玉くん」を、加乃子が「せんじゅ君」を、そして千代さんがシュッの看板を、それぞれ手に持ったり背負ったり… それらの小道具は、玉木家の歴史、家族の絆を象徴する物ばかりです。
特に、シュッの看板=加乃子が家出してから出演した殺虫剤のCMは、千代さんがこれまで忌み嫌って来た、母娘断絶の象徴でした。それを今、千代さんが笑顔で両手に抱えて…(涙)
そして、旅立ちの朝。千代さんは、かつて加乃子が、そしてつばさが旅立つ時に通った、あの一本道を歩いて行きます。一度は別れを済ませた加乃子とつばさが、千代さんを追って見送りに来ました。
「私ね、母さんの子供だから。ずっとずっと母さんの子供だから」
幼い娘に戻ったかのような加乃子を、再び抱擁する千代さん。
「あなたは、出来すぎた娘ですよ。73年間、飛べなかった私を、飛び発たせたのですから」
そんな母娘の姿を、つばさはどんな想いで見つめていたのでしょう? きっと、残りの2週でそれが描かれるんだろうと思います。
11年前、絶望した加乃子が家を出ていった道を、千代は希望と共に、旅立っていきました。(ナレーションまんまw)
PS. さて、この週がなぜ、こんなに泣けたのか? 理屈では説明し切れない、他の週とはまた違った感動があったのは、何故なのか? 私は、その謎の答えを見つけました!
どんな名優でも勝てない位に、人は動物と赤ちゃんに弱いと言われてますが、それ以上に、人は「お婆ちゃん」に弱いんじゃないでしょうか!?w
思いませんか? 私だけですか? 千代さんが一本道をトコトコ歩く姿を見ただけで、私は胸がキュンとなって、涙腺がどんどん緩くなっちゃう。別に、変な性癖とかじゃないですよw
演じてるのが吉行和子さんである事も大きいかも知れないけど、少なくともこれがお爺ちゃんだったら、こんなには泣けなかった気がします。マルコチクビィーッチ!!
先日もCSでやってた『俺たちの勲章』を観てたら、肌も露わなホステス=ヤクザの情婦役で、あばずれのズベ公(死語?)を見事に演じられてました。
その世界じゃ水商売のイメージが強かったのか、『西部警察』のパート2〜3では、裕次郎さん行きつけのスナックのママ役でレギュラー出演されてます。
清楚で知的な役も似合えば、アバズレも難なくこなせるカメレオン女優。多部ちゃんの祖母役として申し分のないキャスティングですよね。多部ちゃんには更に主役としての華が加わるワケですから、将来がホント楽しみです。
余談ついでに、ウチの母から譲り受けた本が今、手元にあります。『わたしはだれ?〜櫻となって踊りけり〜』というタイトルで、著者は岸田今日子さん、吉行和子さん、冨士眞奈美さん。
この御三方が大の仲良しであられたのは周知の事ですが(岸田さんは亡くなられました。合掌)、俳句という共通の趣味もあったようで、お三方が句を詠み合う対談記事や、同じテーマを各自リレー形式で語るエッセイ、一人を抜きにして残り二人がその人について語る欠席裁判的な対談もあり、実に楽しい内容の本です。
それについては又の機会に詳しく書かせて頂くとして… 記述によれば吉行さんは本来、劇団の衣裳係になりたくて、女優になる気はサラサラ無く、「民芸」で『アンネの日記』の主役に選ばれても断るような人だったのに、いやいや出たその舞台が2年間のロングランになってしまい、済し崩しに女優になっちゃった… って、そういう所がまた、多部ちゃんっぽくないですか?w
さて、並みの番組ならば最終回であってもおかしくない、千代さんと加乃子の感動的な和解シーンでしたが、まだこの週の半ばなんですw
☆我が子を守りたい
ラジオぽてとの窮地を救うべく、玉木ファミリー一同が市民パーソナリティーを交代で務め、千代さんは川越キネマの思い出を語ります。
「この町を去る前に…」という千代さんの言葉に、ラジオを聴いてた宿敵・房子様が、激しく動揺します。
房子様は、千代さんがいなくなると淋しいのか? そもそも、なんで毎日ぽてとの放送を聴いてるのか? 表向きは敵の動きを偵察する為みたいですが…
「私にとって再開発の計画は、我が子よ。自分の子供を守る為なら何だってするわ」
引き抜かれて以来、傍でずっと房子様を見て来た伸子は、その裏側に「魔女の涙」を感じてる様子です。
子供も夢も、力をくれるもの。伸子の夫も、無謀な夢を実に楽しそうに追ってる…
「なのに会長は、苦しそうに見えます」
確かに、自分自身にもよく分からない、何かモヤモヤしたものが胸にありそうな房子様です。が、それをあえて吹き消すかのように、房子様の攻撃はエスカレートするのでした。
千代さんの送別会で盛り上がる玉木家に、ズカズカと乗り込んだ房子様は、蔵造り通りの(かつて甘玉堂があった)店を買い取ったと言い出します。
千代さんが甘玉堂に残って女将を続ける事、もしくは、つばさがラジオぽてとを辞める事を条件に、店を安価で貸してあげてもいい…
蔵造り通りの店にいつか戻りたい!っていう玉木ファミリーの悲願を利用し、徹底的に弱みを突いて来る。やっぱ魔女ですな、この人w
☆社長の夢を守りたい
元気が無いつばさの様子が気になった真瀬は、斎藤興業を一人で守ってる翔太(ジョン・マルコチクビッチ)を訪ねます。マルコチクビッチは既に、房子様の交換条件を予測してました。気のせいか、口の締まりも良くなった模様です。
そこに、つばさもやって来る。彼女は真瀬にではなく、マルコチクビッチに相談を? いくら口の締まりが良くなったとは言え、頭皮はグラグラのままなのに? まぁ、真瀬に相談したら、天玉堂を優先しろと言うに決まってますもんね。
「つばさの事、頼みます」
出て行こうとする真瀬に、マルコチクビッチはそう言いました。まるで、真瀬とつばさが結ばれる覚悟を決めたかのように見える、マルコチクビッチ。
「川越キネマは、何があっても守り抜く」
秀樹の夢、そしてつばさの夢を、マルコチクビッチは全てを賭けて守ろうとしてる。格好良くなって来ましたね、マルコチクビッチ。
ちなみに、この第24週のサブタイトルは「あなたを守りたい」。今週の朝ドラ『カーネーション』のサブタイトルも「あなたを守りたい」でしたw
☆甘玉堂の味を守りたい
ラジオぽてとが「みんなの広場」になるのも、千代さんが川越から旅立つのも、自分には出来ない事だから、房子様は嫉妬してるのではないか?とラジオの男は言います。
「その気持ちを汲んでやれれば、解り合えるかも知れないねぇ。お婆ちゃんとおふくろさんみたいに」
つまり千代さんと加乃子の和解は、番組初期より張られて来た数々の伏線を回収しただけじゃなく、房子様とラジオぽてとの和解という、未来への伏線を新たに張ってた、って事ですか? マ、マルコチクビィーッチ!!
傍目からは見えない相手と喋ってるつばさを見て、ついに気が触れた!?と勘違いした真瀬はw、慌ててこう言います。
「もう悩む事はない。此処を、空け渡す」
つまり、つばさを辞めさせない為に、川越キネマの土地を諦める、と。
「お前かキネマか、どちらかを諦めろと言われれば、俺はキネマを手放す」
それはつばさの為ではなく、自分の為だと言う真瀬は、ほとんど愛を告白してるようなもんです。マルコチクビッチにあんなこと言われて、すっかりその気になってる?w
後のシーンでは優花が見計らったかのように(実際、見計らってますよね、あの小悪魔w)「ママがいたら、優花もパパも嬉しい!」なんて言い出すし、ここらで視聴者も完全に、二人が結ばれるのを確信した事でしょう。
もしくは、あまりに分かりやすいフラグが立ち過ぎて、ドラマを見慣れてる人なんかはミスリードを察知して、真逆の結末を予想されたかも知れないですね。マルコチクビィーッチ!!
甘玉堂では、知秋が父・竹雄の指導を受けて、菓子職人の修業を開始。梅吉から竹雄に託されたバトンが、今度は知秋の手に渡ろうとしています。
「家族も駅伝のチームみたいなもんだね。誰かが困ったら、誰かが助けて、タスキが行ったり来たりしながら、ずっと走り続けてる感じ? 姉ちゃんが困ったら、僕の出番かな」
そんな弟の言葉を、もはや日課の一つになってる「立ち聞き」でw、耳にするつばさ。さらに「この味を、僕が守って行きたい」ってな頼もしい言葉も聞いて、つばさは迷いを吹っ切ります。
「私がどうしたいのか、答えが出た」
つばさはラジオぽてとを辞めないし、千代さんは川越を出ていく事をやめない。すなわち、房子様の提案は拒否。だけど、蔵造り通りの店にいつか戻る目標は諦めない。それが、つばさの出した結論でした。
「それって、今と同じだよね」
そんなオチをつけるのが上手な、知秋。見られて恥ずかしい体はしてねーぞとw
☆希望への一本道
全員揃って、写真館で家族写真を撮る、玉木ファミリーの面々。もしかしたら、全員がこうして元気に揃うのは、これが最後になるかも知れません…
つばさがラジオを、知秋が母の縫った手袋を、竹雄が「甘玉くん」を、加乃子が「せんじゅ君」を、そして千代さんがシュッの看板を、それぞれ手に持ったり背負ったり… それらの小道具は、玉木家の歴史、家族の絆を象徴する物ばかりです。
特に、シュッの看板=加乃子が家出してから出演した殺虫剤のCMは、千代さんがこれまで忌み嫌って来た、母娘断絶の象徴でした。それを今、千代さんが笑顔で両手に抱えて…(涙)
そして、旅立ちの朝。千代さんは、かつて加乃子が、そしてつばさが旅立つ時に通った、あの一本道を歩いて行きます。一度は別れを済ませた加乃子とつばさが、千代さんを追って見送りに来ました。
「私ね、母さんの子供だから。ずっとずっと母さんの子供だから」
幼い娘に戻ったかのような加乃子を、再び抱擁する千代さん。
「あなたは、出来すぎた娘ですよ。73年間、飛べなかった私を、飛び発たせたのですから」
そんな母娘の姿を、つばさはどんな想いで見つめていたのでしょう? きっと、残りの2週でそれが描かれるんだろうと思います。
11年前、絶望した加乃子が家を出ていった道を、千代は希望と共に、旅立っていきました。(ナレーションまんまw)
PS. さて、この週がなぜ、こんなに泣けたのか? 理屈では説明し切れない、他の週とはまた違った感動があったのは、何故なのか? 私は、その謎の答えを見つけました!
どんな名優でも勝てない位に、人は動物と赤ちゃんに弱いと言われてますが、それ以上に、人は「お婆ちゃん」に弱いんじゃないでしょうか!?w
思いませんか? 私だけですか? 千代さんが一本道をトコトコ歩く姿を見ただけで、私は胸がキュンとなって、涙腺がどんどん緩くなっちゃう。別に、変な性癖とかじゃないですよw
演じてるのが吉行和子さんである事も大きいかも知れないけど、少なくともこれがお爺ちゃんだったら、こんなには泣けなかった気がします。マルコチクビィーッチ!!