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ワイフと私のヒストリーPart.3

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『KILLERS』の仕事が終わって、さぁ次はどんな作品を任されるんだろうとワクワクしてた私は、プロデビューしたからって新しい仕事が次々に舞い込むワケではないという、今思えばあまりにも当たり前の厳しい現実を知って、途方に暮れてました。

で、生活していく為に引き受けた仕事が、『GUN CRAZY』っていうアクション映画シリーズのメイキング監督(撮影、編集も含む)でした。

この仕事がいかに辛くて長い修行であったかは、過去に何度となく書いてますので割愛します。特に、オファーを引き受けてから実際の作業に入るまでの準備期間、私は不安とプレッシャーに押し潰されそうでした。

と言うのも『KILLERS』や『亜弥のDNA』では監督と脚本と編集、ついでに出演というパートだけ務めれば、後の事は全て他のスタッフ達が分業でやってくれるワケです。

ところがメイキング班(私と助手1人)は完全に独立部隊ですから、何から何まで自分でやらなきゃいけない。段取りやら交渉やら予算のやりくりやら、私がチョー苦手とする事も全部1人でやる。

自主映画時代にはアバウトにそんな事もやってたけど、プロの現場はそれより遥かにシビアだし、逃げ場もありません。ていうか、そういう事を全部自分でやるのが苦痛だったからこそ、わたしゃプロの監督になったんですよ!(実話)

さらに私の不安を煽ったのが、プロデューサーX氏の存在です。ていうか全ての元凶がこの人なんだけどw まぁ一言で表現すれば、絵に描いたような「タチの悪い業界人」でしたねw

そのプロデューサーX氏からさんざんプレッシャーをかけられ、とにかく不安で不安で胃が痛くなりそうな日々。そんな時に電話をかけて来てくれたのが、今のワイフでした。

ワイフと私との間には不思議な出来事が多々あるんだけど、これもその1つですね。なぜかワイフは、私の心が極端に弱った時に限って、電話をくれたんです。

彼女とは頻繁に会ってたワケじゃないんです。年に1回会うか会わないか、下手すると2年も会ってなかったり。で、久々に彼女から電話(ていうか、まずメール)があった時、たいてい私はボロボロの状態なんですねw

私から彼女に電話やメールはしないのか?って思われるでしょうが、しないんですよこれがw 彼女に限らず、私はよっぽど差し迫った用事が無い限り、自分から誰かに電話やメールはしません。

別に自分が偉いと思ってるワケじゃなくて、とにかく孤独に強いのと、相手に少しでも迷惑や負担が掛かっちゃうのがイヤなんですね。顔はハリソン・フォードそっくりなんです。

話を戻しますと、彼女は何かを感じるらしいんです。何となく、ふと頭に私のハリソン・フォードそっくりな顔が浮かんだから、気になって連絡してみたらボロボロの状態だった…ってなパターンが実に多い。まぁ、私はしょっちゅうボロボロになるんですけどねw

で、彼女に会って話を聞いてもらうと心が落ち着くし、何かと力になってくれるワケです。

このメイキングの仕事にはフィリピン・ロケがあって、私は海外経験ゼロでまたもや不安で一杯なのに対して、彼女は何度も海外へ、それも1人でばんばん旅行に出掛けちゃう人なんですよ!

必要な物を一緒に買いに行って、アドバイスも頂いて、私はどんだけ心強かった事か。彼女は、私に無いものを持っている。そして私は、彼女に無いものを… 持ってんのかな?w あ、ポコチンは私しか持ってません。

それでもお前は、この期に及んでも彼女と付き合おうとは思わんのか!?って、そりゃ思いますよね。私だってそう思いますw だけど、それが私なんだから仕方がない、あるんだから仕方がない。

彼女の方だって「いや違う、これは違う」ってw、私を異性として意識する事を自ら禁じてましたから、お互い様と言えばお互い様。逆にその方が私としては楽だったんです。

ところが! この時期、そんな2人の関係が一気に進展しかねないシチュエーションが、2度あったんです。

一度目は、恵比寿にあるプロデューサーX氏のオフィスに、何か提出物を届けに行った夜。これもまた偶然なのですが、彼女が1人で住むアパートも恵比寿にあったんですね。

で、けっこう遅い時間だったから、私は彼女に電話して「泊めてくれへん?」って言いました。確か最初は断られたんだけど、しばらくしてから「やっぱいいよ」って、電話かメールが来たんです。

この時、私に下心は無かったと思います。あれば逆に、こんな気軽に「泊めて」なんて言えなかった。彼女の方は確か、親友の女子に電話で相談して「泊めちゃえ」って言われたんですよね。

だけど結局、情け容赦ないプロデューサーX氏がダメ出ししまくって、私はオフィスに泊まり込みで提出物を手直しする羽目になっちゃった。

徹夜明けに彼女と喫茶店でモーニングを食べながら、慰めてもらったのを今思い出しましたw

そして二度目は、フィリピンに旅立つ直前の夜でした。私は、彼女の手料理を食べさせてもらう為に、今度こそ恵比寿のアパートに行きました。これは、ずっと以前から予定してた事です。

美味しいカレーを頂き、2人で銭湯に行って身を清め、どう考えても、いくら何でも、これはそうなっちゃうだろうっていう状況になった、その時……

私のケータイが鳴ったんです。物凄くいや〜な予感がしました。これ、創り話じゃないですからね。神に誓って、全部ホントの話です。

ケータイから聞こえて来た声の主は誰あろう、我らがプロデューサーX氏なのでしたw (つづく)


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