『太陽にほえろ!10周年記念ファンの集い』のTV放映において発表され、私に「これで太陽マニアを卒業出来る!」と喜ばせた(?)衝撃の人事とは、ゴリさん(竜雷太)の殉職です。
まず、いくら何でも死に過ぎやろ!って思いますよね。カナダロケでロッキーが死んだばっかりだし、同じ年にスコッチも死んでる。殉職がパターン化しちゃうのを避けてた筈なのに、そんなに安売りしてどうすんの!?って。
でも私にとって、そして多くの『太陽』ファンにとって、それよりもっと衝撃だったのは、死んじゃうのがゴリさんであるという事実でした。
七曲署ヒストリーの初回にも書きましたが、ゴリさんは『太陽にほえろ!』を象徴するキャラクターだったんですね。大黒柱はボスだけど、番組の基本精神を最もストレートに表現してたのはゴリさんなんです。
これは決して私個人の主観じゃなくて、他のディープなファン達も、そして『太陽』生みの親である岡田Pもかねてから仰ってる事です。神田正輝さんも「ゴリさんはジス・イズ『太陽』だから」みたいに仰ってました。
だから、ゴリさんがいなくなったら『太陽』が『太陽』でなくなっちゃうんじゃないの!?って思ったワケです。ただでさえ番組スタート時からのメンバーが既に2人(殿下と長さん)いなくなってると言うのに…
更に、私が『太陽』と最初に出逢った時のエピソードと、その次のエピソードが2週続けてゴリさん主演作だったんですよね。私をこんなビョーキ人間にしちゃった張本人がゴリさんなワケです。だから、ゴリさんが辞めるなら俺も辞めます!みたいな心境ですよw
それに加えて、七曲署のアイドル化現象=女性客しか相手にしなくなった、っていう疑惑にも拍車がかかる。まぁ、これは誤解だったんですけどね。
そもそも『太陽』は男が観る番組であるってのが私の勝手な思い込みで、『ファンの集い』の会場にいたファンは大半が女性でしたw 今思えば、女性の支持なくしてあの高視聴率はあり得ないワケで…
それはともかく、ゴリさんがいなくなれば『太陽』は違う番組になっちゃう気がしたんですね。しかもミワカントリオに世良公則さんまで加われば、言わば「イケメン・パラダイス」じゃないですかw
だから、もはや『太陽』は私が観る番組じゃなくなるんだなって、その時は思いました。でもとにかく、ゴリさんの最期は見届けなくちゃならない。世良さん=ボギー刑事は、それよりちょっと前に登場しますから、とりあえず観なくちゃ仕方がない。
これが誤算でしたねぇw ボギーは、私が予想してたキャラクターと全然違ってたんです。それがまた、私の人生を狂わせちゃうワケです。
#521 ボギー刑事登場!
もしボギーがシリアスな二枚目キャラクターで、もし世良さんがキムタクみたいな芝居をしてたら、私は晴れて太陽マニアを卒業出来たのかも知れません。
ところがボギーは、声が大きいだけが取り柄の、徹底した三枚目キャラとして登場したんですよね。しかも八方破れ、がむしゃら、純情といった性格は『太陽』の原点であるマカロニ刑事(萩原健一)を彷彿させてくれました。
やられましたね。新規の女性ファンしか相手にしてないと見せかけて、思いっきり古参ファンが喜びそうな新キャラを、このタイミングで投入する。ツンデレですよツンデレw
私は気づかなかったのですが、ボギー登場編はマカロニ登場編(つまり第1話)のリメイクだったんですね。ショーケンさんも世良さんも歌手出身って事で、ボギーは意図的に「マカロニ2号」としての役割を担わされたワケです。
ラガーの登場が原点回帰だって言われてもピンと来ないけど、ボギーはまさに『太陽』最初期のアグレッシブさと、世良公則という比類なき個性を合体させた『太陽』ならではのキャラクターです。そうなるともう、観ないワケにいきません。
あと、この回からオープニング曲も旧バージョンに戻されました。ただし厳密に言えば、アクションシーン用に演奏された別バージョンとのミックス曲で、アドリブギターの入り方が微妙に違ってたりします。
#525 石塚刑事殉職
思えば、ボギーの熱血さは初期のゴリさんをも彷彿させました。たぶん、ゴリさんの遺伝子をボギーに継がせる意図もあったんでしょうね。
ゴリさん殉職編は、『太陽』初の90分スペシャルとして制作されました。まるで歴代刑事の殉職編を総決算したようなストーリーで、『太陽』史上で最も壮絶な銃撃戦が描かれ、お馴染みの暴力団「戸川組」がこれで壊滅、そして歴代刑事で唯一ゴリさんだけ、ボスに看取られて息絶えるという、全てが文字通りのスペシャルでした。
ゴリさんもやはり、聴覚障害者の恋人・晴子(水沢アキ)と婚約した矢先の殉職でした。ボスと一緒にゴリさんを看取った晴子は、その最期の声が「聞こえた!」という奇跡を起こします。
再三「ゴリさんがいなくちゃ『太陽』じゃない!」みたいな事を言いましたけど、その反面、ドックが登場する前後あたりから、なんとなくゴリさんの居場所が無くなったような気もしてました。
多分それは竜さんご自身が一番感じておられた事で、早くから岡田Pに「殺してください早く殺してください」攻撃をされてたみたいです。で、「気持ちはよく分かったけど、10周年まで待ってちょ。10年経ったら殺してあげるぴょ〜ん!」って、岡田さんはその場しのぎで仰ったのかも知れないけどw、竜さんはその約束を忘れなかった。
そんな事情もあって、『太陽』の10周年は超ウルトラ人事異動の1年になっちゃったワケですね。
そして次回、ゴリさんに代わってスッポンがやって来ます。