#526 井川刑事着任!
長さんとゴリさんの抜けた穴を埋めるべく、番組史上初めてベテラン刑事が新加入する事になりました。それが「スッポンのトシさん」です。事件に食らいついたら離さない粘り腰が特徴で、うっかり乳首に吸い付かれたら大変な事になります。
当時の私は地井武男さんをよく存じ上げてませんでしたから、随分と地味な俳優さんをキャスティングするんだなぁって、最初は思ったものです。後に「チイチイ」と呼ばれてお茶の間のアイドルになるなんて、まぁ誰にも想像つきませんよねw ご本人が一番驚かれた事でしょう。
地井さんは映画俳優オンリーで生涯やって行くおつもりでいたけど、憧れの石原裕次郎さんと共演!っていう誘惑には、どうしても勝てなかったそうです。
その反面、人気ドラマの長期レギュラーですから「収入が安定すんだよな!」とか言って喜んでもおられたそうでw そんな飾らないお人柄こそが、老若男女から幅広く愛される理由だったんでしょうね。
若手に喝を入れる鬼軍曹=ゴリさんのポジションと、オーソドックスな捜査+家庭人としての長さん的要素も受け継いだトシさん。娘と息子が1人ずつという家族構成も長さんと同じです。
ただし、これも時代の変化が反映されての事でしょう、トシさんファミリーは崩壊の危機に瀕してました。いざ捜査となると私生活を忘れちゃう刑事マシーンな夫を、山さんや長さんの奥さんは黙認してたけど、トシさんの奥さんは許せなかった。
平凡な幸せが描かれた長さんファミリーとは逆に、トシさんファミリーは愛がありながらも別居→離婚という、ありがちな悲劇が描かれて行きます。
☆1983年
#531 マグナム・44
桁外れな破壊力を誇る拳銃=44マグナムを操る殺し屋(パツキン女性!)と、ドックが対決します。プロ対プロのハードアクションはこれまでゴリさんの独壇場でしたが、亡き後は若手のリーダー役を引き継いだドックが担当する羽目になります。
『太陽』はあまり銃器に関してマニアックな描写をしない番組でしたが、本作ではドックが44マグナムに対抗する為に、45口径のカスタムオート拳銃を調達して使ったり、ボギーと二人で秘密特訓を行ったり等、珍しくガンマニアも喜ぶコアな内容で、銃器関係の雑誌で特集されたりもしました。
#545 さらば!ジプシー
三田村邦彦さんは当初、3年位は『太陽』で活躍する予定だったそうです。しかし、ただでさえハードスケジュールな『太陽』の撮影なのに、京都で撮ってる『必殺』シリーズとの掛け持ちレギュラー、さらに単発ドラマの主演までこなす日々の中で「自分が今、何をやってるのか分からなくなっちゃった」そうです。
そこで『必殺』を降りようとしたら「アホぬかせ、こっちが先で『太陽』出演は後から決まったんやから『太陽』を降りるのが筋やろ!」ってプロデューサーから言われ、「それもそうだな」って思われたんだそうですw
で、我らが岡田Pに相談して「じゃあ落ち着いたらまた復帰してもらうから」って事で、ジプシーは西多摩署への「転勤」と決まったのでした。結果的には「あちこちの署を渡り歩くからジプシー」っていう設定通りになりましたね。
当時は消化不良な印象しか無かったジプシーだけど、七曲署にどっぷり浸ること無く、終始片足だけ突っ込んでたみたいなジプシーの存在って、なかなかユニークで面白かったよなぁって今は思います。
#546 マミー刑事登場!
ロッキーの殉職で未亡人&シングルマザーになっちゃった令子さん(長谷直美)が、「夫が命懸けで取り組んだ一係の仕事が、どんなものか知りたい」との動機で、ジプシーの後任として交通課から異動して来ます。
シンコの退職以来、約8年ぶりの女性刑事誕生!…と言っても5年前から『太陽』ワールドに存在した人ですから、違和感は全然ありませんでした。ただし「マミー」ってあだ名だけは、どうも未だにこそばゆいと言うか何と言うかw
マミーの場合はその名の通り、女性である事よりも母親である事を生かしたエピソードが多かったですね。働くシングルマザーっていう設定がまた、結果的とは言え時代の先端を行ってて良かったと思います。
なお、マミー登場と前後してマスコットガール(お茶汲み係)のポジションは消滅、友直子さんは晴れて『太陽』卒業となりました。元より女優を目指してるワケじゃない方でしたから、すぐに普通の生活に戻られ、現在は立派なお母さんになられてます。
しかし、それにしたって直子さん、青春の思い出の1ページが『太陽にほえろ!』のレギュラー出演、それも3年以上ってのはアナタ、いくら何でも贅沢すぎますw
さて次回、七曲署に久々のバイオレンス刑事が登場します。まだまだ終わりませんよ!w