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七曲署ヒストリーPart.8

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#476 ラガー刑事登場!

ラガー刑事=渡辺徹さん(上画像の超スマートな姿を見よ!w)の登場も、『太陽にほえろ!』の新時代を象徴してたように思います。

とにかく「若い! 子供っぽい!」ってのが第一印象でしたけど、当時20歳になったばかりって事で、番組スタート時のショーケンさんとそんなに変わんない年齢なんですよね。あの頃の高橋惠子さんより歳上なんです。

でも10年を経て、若者の外見も内面も子供っぽくなって来た。だから徹さんも、現在の20歳の連中と比べればずっと大人っぽいんですけどね。

あと、私自身がもう16か17歳になってましたから、20歳の徹さんは「憧れのアニキ」って感じにはならないですよね。もっと身近な存在に感じる分、嫉妬みたいな感情も沸いて来ちゃう。

実際、我々と同じく徹さんも『太陽』ごっこをして少年期を過ごされたそうで、事前のテスト出演でゴリさんと共演した時は「うわっ、ゴリさんが目の前にいる!」って、随分と舞い上がったんだそうです。

だから、これまでの新人刑事と違って「こっち側から向こう側に行けた人」って感じで、そりゃもう死ぬほど羨ましかったですよw

そんなに若い人をキャスティングした理由の第一は、番組も10年目に入ってレギュラーキャストの平均年齢が高くなっちゃった(最年少が沖雅也さん!)ので、まずは若返りを図ること。

第二の理由は、新人刑事の成長を描く『太陽』の原点に立ち戻ること。初期はマカロニやジーパンがあくまで主役でしたから、ラガーも同様に主演エピソードが連作されてました。

そして第三の理由は、若い男性アイドル(今で言うジャニーズ系)のブームに対応したって事ですね。かつては先頭に立って時代を引っ張ってた『太陽』が、今度は追いかける側に回っちゃった。

でも、そうやって時代の変化に対応し、カラーを変えて行ける柔軟さこそが、『太陽』最大の武器とも言えるんじゃないでしょうか?

それまでは新人刑事を他の番組に出さない事をポリシーにしてたけど、ラガーだけは意図的にCMでアイドル(キョンキョンでしたね)と共演させ、早々に歌手デビューもさせて猛烈にプッシュ、思惑通りにアイドルとしてブレイクさせちゃった手腕はホントに凄いと思います。

もちろん、それも渡辺徹という逸材あればこそで、新しいスターを次々に見いだす岡田Pの選択眼と、発掘に至るまでの絶え間ない努力と情熱には脱帽あるのみです。

このラガー人気が決定打となり、『太陽』は第二の黄金期を迎える事になります。テーマ音楽も大量に新録され、ドラマの雰囲気そのものも若返りました。

なお、渡辺徹さんは皆さんご存知かと思いますが、底抜けに明るい性格でありつつ気配り上手な方でもあるので、現場のムードメーカーとして貴重な存在になると同時に、体型が劇的に変化して行く事になりますw

#489 帰って来たボス -クリスマスプレゼント-

そしてクリスマス、石原裕次郎さんは自社製作の『西部警察』を差し置いて、先に『太陽にほえろ!』で奇跡の復活を遂げられます。

「お前ら、それでも刑事か!」の決め台詞で登場するボス。それを見た一係メンバー達のリアクションがまた凄いんですよね。あまりに感無量すぎてみんな絶句しちゃうというw 長期出張してた上司が戻って来ただけなのにw

劇中のボスは大病と闘ってた設定じゃないけど、現実とドラマが完全に一体化しちゃってるんですよね。当時はそれを観て、正直ちょっと笑けたんだけどw、今観ると色んな想いが去来して泣いちゃいます。

この回、裕次郎さんの日活仲間・宍戸錠さんと長門裕之さん、そしてスニーカーの山下真司さんが、飛び入り参加みたいな感じでゲスト出演されてます。普段なら脇役専門の俳優さんがやるような小さい役を、大スターの宍戸さんや長門さんが演じておられるのが不思議な作品でもありましたw

☆1982年

#493 スコッチよ静かに眠れ

実は裕次郎さんだけではなく、沖雅也さんも番組を休まれていたのです。ノイローゼ説も流れてましたが、詳しい事情は私もよく知りません。

ただ、欠場前のスコッチを今あらためて観ると、明らかに疲れた表情をされてるんですよね。心身共に調子が悪かったのでしょう。で、そのままフェードアウトするワケにも行かず、ちゃんとケジメをつけるべく殉職する事に…

かつて撃たれた古傷が悪化して入院中だったスコッチが、捜査のため無理を押して病院を抜け出し、犯人逮捕の直後に吐血して倒れちゃう。

スコッチが口の周りを血で真っ赤にして倒れる場面と、病院のベッドで息絶える場面の芝居があまりに迫真すぎて、観ればトラウマになっちゃうかも? それだけ、沖雅也っていう俳優の演技力はずば抜けてたんです。

その翌年、沖さんは投身自殺しちゃいます。それを朝のTVニュースで知った時の衝撃は、一生忘れられないですね。裕次郎さんや優作さんの訃報以上に、沖さんの自殺はショックでした。

#494 ジプシー刑事登場!

スコッチの後釜として、かつての沖さんと同じく『必殺』シリーズで頭角を表した三田村邦彦さんが急遽、ジプシー刑事として加入される事になりました。

当時の三田村さん人気もかなりのもんで、それまで『太陽』に見向きもしなかったクラスの女子たちが、ジプシー目当てで『太陽』を観始めるという現象が、私の身辺にも起こってました。

で、三田村、渡辺、神田の頭1文字を取って「ミワカントリオ」なんて呼ばれて、アイドル雑誌を賑わせたんですよね。この現象が、男性視聴者の一部をゲンナリさせちゃった。

私も、ちょっとイヤでしたね。それで番組人気が盛り上がるのは大歓迎だけど、『太陽』がどんどん女性向けの内容になりはしないか?って、不安でした。

私がそう思ったのは、ジプシーがスコッチをも凌ぐクールさとハードさを兼ね備えた、孤高の一匹狼として登場したにも関わらず、2カ月も経たない内からチームに馴染み、みるみるソフトなキャラクターに変貌しちゃったからです。

私はスコッチの初期みたいな、一係の混乱と対立、非情な捜査やハードなアクションがまた観られると期待してただけに、あっという間に軟化しちゃったジプシーにはガッカリしちゃいました。

キャラクター変更の理由については諸説あるんだけど、やっぱり「女性視聴者の嗜好に寄り添った」ってのが真相なんだろうと私は思ってます。

そこへ持ってきての「ミワカントリオ」ですからねw 『太陽』は新規の女性ファンだけを相手にして、私みたいな男子や古くからのファンは切り捨てようとしてるんじゃないか?って、当時は疑心暗鬼に陥ったワケです。

もう少し後になると、それが誤解だった事が分かるんだけど、この時期はいよいよ「潮時かな?」って、つまり『太陽』ファンを辞める時が来たのかなって、私は思ってました。

今になって観直すと、ソフトなキャラクターの方が三田村さんの個性に合ってるし、スコッチと同じ事をまた繰り返す必要も無かったワケで、素直に受け入れられます。むしろ「最初からソフトなキャラで行っときゃ良かったのに」って思う位でw

ちなみに「ジプシー」ってあだ名は、あちこちの署で厄介払いされ、勤務先を転々とした末に七曲署へと流れ着いた経緯から。実在の民族を指した呼称で、現在は放送禁止用語になってると聞いた事があるんだけど、真偽は定かじゃありません。

#519 岩城刑事、ロッキーにて殉職

番組の10周年を記念するカナダロケ作品にて、てっきり最終回まで残られるものと思ってた2人のキャストが、同時に降板される事になりました。

ロッキーは結婚して双子の赤ちゃんまで生まれましたから、まさか死ぬとは思ってませんでした。でも丸5年活躍した人ですから、降板するとなるとやっぱり、殉職という花道を用意せざるを得なかったのでしょう。

木之元亮さんは死に方の希望を尋ねられて、半ば冗談で「ロッキー山脈で死ねたら本望です」って仰ったらしく、まさか実現するとは思ってなかったそうです。何でも言ってみるもんですねw

新米時代は物足りなさを感じたロッキーですが、中堅のポジションになってからは「若い長さん」みたいな感じでw、曲者たちの間を取り持つスタンダードな刑事として、無くてはならない存在になってました。

殉職は悲しいけど、ロッキー山脈の雄大な景色をバックに花道を飾れたロッキーは、きっと幸せだった事と思います。オーストラリアロケといい、『太陽』はなぜか大自然がよく似合います。

#520 野崎刑事、カナダにて最後の激走

そしてカナダにおける捜査でロッキーを死なせてしまった責任を取って、ベテランの長さんも七曲署を去る事になりました。警察学校の教職に就くとの事ですから、退職ではなく転勤になるんでしょうか。

長さんは何と言っても10年選手ですから、共に闘って来た山さんと別れの挨拶を交わす場面に、それをずっと見守って来たファンは全員、滝の涙を流した事と思います。

いやーしかし、メンバーチェンジが無ければ無いで「マンネリ」を口にする私ですが、同じ年にスコッチ、ロッキー、長さんと3人もいなくなっちゃうのは寂しいし、ますます「古いファンは切り捨てるつもりか?」ってな疑念も沸いて来ちゃいます。

ところが… これで終わらないんですよね! まさに「だめ押し」とも言える、更なる人事の発表があったんです。それを聞いて私は本当に耳を疑ったし、いよいよ本気で『太陽』ファンを卒業する覚悟を決めましたからね。

東海圏で放送されたのが、カナダ編の前だったか後だったか憶えてないんだけど、『太陽にほえろ!10周年記念・ファンの集い』っていう、けっこう大規模なイベントの模様がテレビ放映されたんです。

田舎もんの私はそんなイベントがあった事すら知らず、有名なホール(名前忘れた)に集まったファン達が妬ましかったですよホントに。なにしろボスを筆頭に、マカロニとジーパンを除く七曲署歴代の全刑事が一堂に会したメチャクチャ豪華なイベントだったんです。(しかも確か入場無料でした)

で、そこで発表され紹介されたのが、ロッキーと長さんの抜けた穴を埋めるべく登場する、ボギー刑事=世良公則さん。これはまぁ、既に新聞か雑誌で私も知ってた人事です。

世良さんと言えばロックバンド「ツイスト」で一世を風靡された人ですから、私は「またアイドル路線かよ」って、その時点では思ってました。それがまた誤解だったりするんですけど。

で、そのイベントの模様が終わった直後ですよ。追加映像で、とんでもない事が発表されたんです。ファンにとってはまさに、メガトン級の爆弾でしたね。私はそれを観て、「よかった! これでやっとファンを卒業出来る」ってw

さて、その発表とは!? (つづくw)

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