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七曲署ヒストリーPart.5

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皆さん、大丈夫ですか、ウンザリしてませんか?w まぁ、ウンザリしてても続けますけどw

やっぱり、これに関してだけは歯止めが効かない事を、あらためて自覚しました。この際、気が済むまで吐き出したいと思いますm(_ _)m

☆☆☆☆☆☆☆

ボンを特別視するようになってから、私の『太陽にほえろ!』を観る姿勢がそれまでと違って来ました。肩入れの仕方がハンパじゃなくなって来たんです。

マニア体質は生まれつきだったかも知れないけど、ここに来て遂にそれが目覚めちゃったんですね。『太陽』が放映される毎週金曜日の夜8時から約50分は、私が生きてる中で最も集中力を使う時間となりましたw

毎回、オープニングから予告編までちゃんと観ないと気が済まなかったし、電話がかかって来ても無視w 夕方の再放送を観るために、学校が終わったら全力疾走で帰宅ですよ。

まだ世の中に家庭用ビデオデッキすら存在しなかった時代ですから、替わりに毎回テープレコーダーに録音して、繰り返し聴いたりもしました。

私が拙いながらも脚本を書いたり芝居が出来るようになったのは、そうして『太陽』を繰り返し聴いてたお陰かも知れません。知らず知らずリスニング学習してたんですよね。

ノベライズ本を皮切りに、グッズ収集も始まりました。私が生まれて初めて自分で買ったLPレコードは、上画像の『太陽』ベスト盤です。

何か『太陽』関連のグッズが出てないか、書店やレコード店をチェックしに通う習慣も、インターネットという便利なツールが出現するまで続けてました。いまだに『太陽』の新刊を見つけて買う夢を見るんですよ! それくらい深く根付いてたんです。

もはや、単なる「好き」を超えてますよね。心の拠り所になってたんじゃないでしょうか。友達がいないワケじゃなかったけど、基本的にはクラスに馴染めない子供でしたから。

拠り所、すなわち依存。タバコも酒もやらない私ですが、その替わりに『太陽』中毒になっちゃった。同時に、ボンを演じる俳優=宮内淳さんにものめり込みました。

この時期からボンが殉職するまでの2年間、私はボンを中心に『太陽』を観てたし、宮内さんのブロマイドとか、歌手デビューすればシングルもアルバムも全部買いました。服装も真似してましたねw

石野真子さんも好きになったけど、それはオナペット的な目線でした。大槻ケンヂさんも中学時代は石野さんをオカズにしてたそうですw

私が本格的にファンになった役者さんは宮内淳さんが最初。その次にハリソン・フォード、そして多部ちゃんへと変遷して行きます。統一感のカケラもおまへんなw

#256 ロッキー刑事登場!

そんな時に登場した新人刑事が、レスキュー隊から転属して来たロッキー(木之元亮)です。山男で、カナディアンロッキーの縦走を夢見てるからロッキー。(本当の由来はスタローンの『ロッキー』と思われますw)

松田優作、勝野洋、宮内淳に続く無名の新人起用ですが、岡田Pが候補者達の写真を会社の机に並べてたら、挨拶に来た優作さんがそれを見て「このヒゲ、面白いんじゃない?」って言ったのが、木之元さんに決まる引き金になったんだそうです。

しかし当初、新人を迎える視聴者としての私は、ちょっと複雑な心境でした。番組としては当然ながら、新しいメンバーを売り込まなきゃいけませんから、しばらくロッキーがメインを張るか、他の刑事が主役の回でもロッキーをサブにつけたり、要するに木之元さんの出番が多くなる。

そうなると、同じ若手刑事のポジションにいる、宮内さんの出番が削られちゃうワケですw この時期の私はボンを中心に『太陽』を観てましたから、なんとなく「ロッキー、うざ…」ってw

純朴なロッキーのキャラクターは決して憎めないんだけど、ボンがメインの回でもロッキーとのコンビで描かれる事が多くて、最初の頃は不満でした。ホント、普通の観方じゃないですよねw

#266 逃亡者 #267 追跡者

『太陽』初の海外ロケで、舞台はオーストラリア。現実では所轄署の刑事が海外で捜査する事など有り得ないそうですが、この時代のドラマはまだ、そういう嘘も通用したんですよね。

最初はボンがロッキーとセットで扱われるのが不満だった私ですが、この2人の相性が思いのほか良かったんですよね。ボン=ツッコミ、ロッキー=ボケの掛け合いが思いのほか面白くて、だんだん楽しめるようになって来ました。

オーストラリアのだだっ広い大地を、夕陽をバックに犯人(橋爪功)を追って延々と走るボンとロッキー。この映像が神がかり的に美しくて、今観ると当時の『太陽』の充実ぶりを象徴してるように感じたりします。

この後も『太陽』チームはカナダ、ヨーロッパ、ハワイへと、世界狭しと飛び回る事になりますw

#274 帰ってきたスコッチ刑事

ロッキーには「拳銃恐怖症」という弱点がありました。他の署で犯人に胸を撃たれ、九死に一生を得たトラウマから、銃を向けられると体がすくんじゃう。レスキュー隊に移ったのはそのせいでした。

白昼堂々、人混みの中で射殺事件を起こした犯人は、麻薬中毒者で頭がイカレちゃった状態。山田署からその犯人を追ってきたスコッチは、あえてロッキーと組んで、動く物なら何でも撃っちゃうガイキチ男と対決します。

クールで百戦錬磨なスコッチでさえ、ここまで危険な相手を捕まえるとなると、冷や汗が出て足がすくみ、手が震える。そんな自分を見せる事で、銃が怖いのは当たり前である事を教え、ロッキーのトラウマを克服してやるんですよね。

言葉には一切せず、自分の背中を見せる事で七曲署のホープを救い、サッサと自分の署に帰っちゃうスコッチ。格好良すぎです。なお、このエピソードを私は『亜弥のDNA』という作品でまるパクリしましたw

#275 迷路

『俺たちの朝』の撮影を終えた長谷直美さんが、七曲署の交通課婦警・早瀬令子としてセミレギュラー入りします。後にロッキーと結婚する事になりますが、この時点ではロマンスが生まれそうな気配はまるで無しw

ボーイッシュで眼がくりっとした長谷さん、可愛かったです。

☆1978年

この年、TBSが裏番組として『七人の刑事』の新シリーズをぶつけて来ますが、『太陽』は余裕で撃退しちゃいます。まさに絶頂期であり、良くも悪くも『太陽』の1人勝ち状態でした。

他には加山雄三、藤竜也、沖雅也、柴田恭兵、長谷直美の『大追跡』、鶴田浩二、田中邦衛、中村雅俊ほかの『大空港』等、所轄署じゃない特殊な設定の刑事ドラマも増えて来ました。

#299 ある出逢い

殿下に3人目の恋人(香野百合子)が出来ます。もちろん、それは悲劇の幕開けを意味しますw 後のエピソードで彼女は爆弾事件に巻き込まれ半身不随となり、治療のため海外へと旅立ちます。

#300 男たちの詩

ボスが何者かに狙撃され、重傷を負うという一係の大ピンチに、スコッチや警察犬のジュン、ジーパンのママ(菅井きん)も駆けつけるイベント編。マカロニ、ジーパン、テキサスも久々に回想されました。

めちゃくちゃ嬉しかったです。私はワクワクして放映日を待ちました。というのも、『太陽にほえろ!』っていうドラマがあまりにも安定し過ぎて、正直マンネリを感じてたんですよね。

刑事どうしの対立も無く、ただ毎週起こる事件を淡々と解決するばかりの日々。新人のロッキーは生真面目だし、ゴリさんや殿下もすっかりベテランの域に入って来ましたから、波乱が起きないんですよね。

ジーパンやテキサスの時代にはたっぷり時間をかけて描かれた、立ち回りやカーアクションもすっかり淡白になり、より一層、人間ドラマに力点が置かれてる感じでした。

あえて『太陽』はそういう方向に向かってたのかも知れません。他の刑事ドラマ群が打倒『太陽』を目指して、派手なアクションや特殊な設定で目を引こうとしてるのを横目に、本家である我々は逆に落ち着こうじゃないかと。

それと、番組も7年目まで来るとファンの年齢層が上がって来ます。それに合わせて、より大人向けの内容にシフトしていく意図もあったのでしょう。だけど私はまだ中学生のガキンチョですから、刺激に飢えてたんですよね。

#323 愛は何処へ #324 愛よさらば

確か日テレ開局30周年か何かの記念作品で、北海道ロケ編です。ゲストは清水健太郎さん。後のスニーカー刑事=山下真司さんもテスト出演で少し顔を出してます。

ボンのガールフレンド(純アリス)が健太郎に拉致されたと思いきや実は幼なじみで、ボンは決して悪い奴じゃない健太郎を射殺しないといけないシチュエーションにぶち当たります。

歴代の新人刑事はそこで射殺を経験し、傷つきながらも成長するんだけど、ボンは撃てなかった。代わりにボスが、上空のヘリコプターからリボルバー拳銃で数百メートル先にいる健太郎の眉間を1発で撃ち抜くというw、石原裕次郎にしか許されない神技を披露します。

本来、この辺りでボンは殉職する予定だったそうです。登場から丸3年、ボンもロッキーの先輩になってすっかり頼もしく成長し、俳優・宮内淳の人気も絶頂期にありましたから、『太陽』を卒業して独り立ちする条件は全て揃ってました。

だけど、テキサスの時と同じように助命嘆願の投書が殺到したのと、番組をより大人向けにシフトしようという時期だったせいもあるのでしょう、殉職は回避され、ボンはもう1年残留する事になったのでした。

もちろん、ボンのファンとしては願ってもない事で、嬉しかったです。とても嬉しいんだけど、私が欲してた刺激とか新鮮味は、これでまた遠のいちゃいました。

『太陽』の長い歴史の中で、2年間もメンバーチェンジが無かったのは、唯一このボン&ロッキー時代だけです。せめてオープニングのタイトルバックだけでも一新して欲しかったけど、これも2年間不動でしたからね。

自信があったんでしょうか? 別に目先を変えなくたって、今の『太陽』人気が揺らぐ事は無いだろうって。この自信と、『太陽』らしからぬ安定志向、守りの姿勢が、果たして吉と出るか凶と出るか? しっぺ返しはもうちょい先、ボンの殉職後にやって来る事になります。

なお、ボンが死なない替わりにってワケじゃないでしょうけど、マスコットガール(お茶汲み係)が3代目のアッコから、4代目にして最後のマスコットガール=ナーコ(友直子)に交代します。

なんと今回は一般公募によるオーディションで、選ばれた友直子さんは当時現役の高校生。まさか合格するとは夢にも思わず、学校に出演許可をもらうのに四苦八苦されたそうですw

☆1979年

この年は『太陽』スタッフによる探偵物で沖雅也主演の『俺たちは天使だ!』を筆頭に、水谷豊の『熱中時代・刑事編』、国広富之&松崎しげるの『噂の刑事トミーとマツ』、石原プロの『西部警察』、そして松田優作の『探偵物語』といったアクションドラマが創られ、人気を博しました。

それらほとんどの作品が軽妙酒脱なコメディータッチで、TVドラマの作風が大きく変わっていく’80年代の到来を予感させるものでした。でも『太陽』は時代の流れに逆行するかのように、内容がどんどんシリアスになって行きます。

ただ、この時点では視聴率はまだ絶好調で、予算も潤沢だったのでしょう、ボン&ロッキー時代はゲストのキャスティングが豪華でした。

特に女優さんの顔ぶれが凄くて、大竹しのぶ、原田美枝子、森下愛子、岸本加世子、石田えり等、後に大女優となって多部ちゃんと共演する人が続々と登場しました。

#355 ボス

『青春』シリーズや『俺たち』シリーズのメインライターである鎌田敏夫さんは『ジーパン刑事登場!』から『太陽』に参加され、特に裕次郎さんの大ファンという事でボス編を数多く手掛けておられます。

そんな中でも、そのものズバリなタイトルである『ボス』は最高傑作と言われており、後に多くの刑事ドラマで模倣されたりもしました。

既に死刑が決まってる囚人が、実は共犯者として刑務所に入ってる男が無実だから釈放してやってくれ、とボスに訴える。もう何年も前に他の署で解決した事件であり、もし囚人の言う通りだとすれば冤罪を暴く事になってしまう。

そんな事をすれば警察組織はおろか検察や裁判所まで敵に回し、ボスの出世は絶望的になっちゃう。それでも、無実の人間が刑に服してるのを見過ごせないボスは、休暇を取って1人で捜査する。

そんなボスの刑事魂にも心打たれるし、こっそり捜査に協力する一係メンバー達との絆にも泣かされます。特にラスト、自分が出世しないままじゃ部下も出世出来ないと嘆くボスに、「出世したけりゃ、ボスなんかとっくに追い越してますよ」なんて言っちゃう山さんとの、何年もつき合ってる仲間どうしならではの会話が最高でした。

#363 13日金曜日・ボン最期の日

まさに、万感の想いでその日を迎えました。7月13日、マカロニと同じ日にボンが殉職。「決して美人じゃない女性をかばって死にたい」という宮内さんのリクエストにより、根岸季衣さんがキャスティングされましたw

撃たれて致命傷を負ったボンが、同じく傷ついた根岸さんの為に助けを呼ぶべく、数百メートル離れた電話ボックスまで這っていく姿に、今観ても涙が止まりません。スマホで済んじゃう現在では成立しない作劇です。

4年間も親しまれたボンの殉職は、テキサス以来3年ぶりの殉職劇という事もあって、かなりスペシャルに扱われました。後任のスニーカー刑事(山下真司)はボンの仇討ちが目的で登場するし、その後もゴリさんやロッキーがボンの死を引きずる姿が描かれたりしました。

そのお陰で、ボンがいなくなっても私は『太陽』地獄から逃れられないのでしたw なお、宮内淳さんはこの後『あさひが丘の大統領』『探偵同盟』といったドラマで主役を務めますが、あっさり役者稼業から足を洗ってテレビに出なくなっちゃいます。

おやおや皆さん、まだ読んでらしたんですか?(うそw) 今回もバカみたいな長文になっちゃいましたm(_ _)m

しかしまだ、やっと折り返し点に差し掛かった所であります。まだまだ続きますよ!w

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