今更あらためて語る必要も無いとは思いますが、『太陽にほえろ!』を振り返るのにテーマ音楽の事を無視するワケには行きません。
いまだにバラエティーや報道番組、CM等で刑事物っぽい演出があると、必ずと言って良いくらい『太陽』のテーマ曲が使われてます。それもアクション調やサスペンス調、バラード調など、メインテーマ以外の劇伴曲まで頻繁に使われてるのが凄い!
それだけ『太陽』の音楽が、昭和世代には浸透してるって事だと思います。実際、メインテーマのレコードは国産のインスト曲としては最も売れたそうだし、いまだに『太陽』の新譜やドラマ音楽のオムニバスCDに収録され、売れ続けてますからね。40年前に録音された曲がですよ!
もちろん、売れてるから凄いだとか、有名だから良い曲だとか、久々に乳首が吸いたいだとか、そんな事が言いたいワケではありません。
ただ、昨今の「戦略で作られたブーム」によるヒットとは質が全く違うって事だけは、声を大にして言いたいです。それだけ本当に素晴らしいテーマ音楽であり、私はもはや何万回と聴いてるにも関わらず、まったく飽きないどころか、今でも聴くと血肉が踊り乳首が立って、全力疾走したくなりますからねホントに。
だからこそ最近、あんなチョー可愛い若手女優さんが主演する、コミカルな刑事ドラマのテーマ曲にも使われたワケですよw 私が知る限り、シリーズでもリメイクでもない新作ドラマに、古いドラマのテーマ曲がメインで使われた例は空前絶後と思います。
そんな『太陽』の全テーマ曲を作・編曲して演奏したのが、大野克夫さん。それまでのTVドラマはオーケストラによる劇伴曲が常識であり、また裕次郎さんが演歌の人でもあるから、ロックバンドの起用に対して局側はかなり難色を示したんだけど、ショーケンさんが是非に!と(多分かなり強引にw)推しまくったんだそうです。
結果、TVドラマ界の音楽シーンを一変させるほどの成果を上げたワケですから、ショーケンさんの『太陽』への貢献は計り知れません。あのメインテーマも、大野さんはショーケンさんをイメージして作曲されたそうですからね。
『太陽』の音楽は毎年のように新曲が創られ、全刑事にテーマ曲が設けられました。アニメ好きの知り合いが「キャラクターソングの走りですね」と言ってましたが、確かにこういうのも前例は無かったかも知れません。
さらに後年、普通はレコードにならないモノラル録音の劇伴曲を集めたマニアックなLPも発売され、これまたヒット。バップ社が様々なドラマのBGMを網羅したCD「ミュージック・ファイル」シリーズを発売するきっかけにもなりました。
面白いドラマ、ヒットするドラマには、もれなく素晴らしい音楽が付いてくる。それがあるからこそ面白くてヒットする、まさに相乗効果ですね。
(Part.3へと続く)