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『警視-K』のことetc.

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旧ホームページの日記で一度取り上げた番組ですが、このブログでは触れてなかったんですよね、そう言えば。

今、ちょうどCSの日本映画専門chで勝新太郎さんが特集されてて、『警視-K』も全話放映されてるんです。もっと早く書けば良かったw

本放映は1980年、『大都会』シリーズや『探偵物語』など多くの傑作を生んだ、日テレ火曜9時のアクション・ドラマ枠でした。勝新さんは主演のみならず、大部分のエピソードをご自分で監督される熱の入れようで、脚本も全て監修されてたみたいです。

いや、監修と言うより解体と言うべきでしょうかw 勝新さんは従来の刑事ドラマのわざとらしさを嫌い、リアリズムを追求するために脚本を度外視、役者さん全員にアドリブ芝居を要求されたんだそうです。

だから会話が噛み合わなかったり、辻褄も合わないし、展開が飛んじゃってストーリー自体が繋がらないw 脚本上で犯人とされてた人物に、なりゆきでアリバイが出来てしまい、慌てて別の犯人をキャスティングしたりとかw、現場は色々と大変だったみたいです。

その上、普段通りのボソボソした喋り方しかしないもんだから、台詞がよく聞き取れず視聴者からクレームが殺到したんだとか。

更に、セット撮影を避けてほとんどがロケ撮影、しかも照明を使わず自然光にこだわった為、画面が薄暗かったりもする。

ゴールデンタイムのTVドラマとしてはあまりに常識外れで、大半の視聴者は勝新さんの狙いが理解出来ずにソッポを向いちゃったんですね。直美ちゃんのコメントにあった通り、初回は14%あった視聴率が2回目から一気に4%へと急降下。

私は当時、夜9時以降のテレビ視聴が許されてなかったゆえ、『警視-K』は最近になるまで観た事がありませんでした。もし当時観たとしても、やっぱり大半の人と同じようにソッポを向いてたと思います。

でも、今観るとメチャクチャよく解るんですよね、勝新さんがこのドラマでやりたかった事が。要するに、TVドラマという枠にとらわれない、あくまで「映画」を創ろうとされてたんだと思います。

俺がやるからには、普通の刑事ドラマにはしたくない。それが観たけりゃ『太陽にほえろ!』とかを観てくれりゃいい。これはあくまで、勝新太郎が創る中編映画なんだ…

そういう物凄く高い志で創られてるのが、画面からヒシヒシ伝わって来るんですよね。ストーリーはやっぱりよく解んないけどw、勝新さんの情熱だけは痛いほどよく解ります。

当初2クールの予定が1クールの放映で終わっちゃったのは、視聴率の低迷やクレームの殺到もありつつ、勝新さんが妥協を許さず何度も撮り直したりする内に、予算もスケジュールも大幅にオーバーしちゃった事も原因らしいです。

その挙げ句に勝プロダクションが倒産ですよ。ワガママを通した勝新さんの自業自得とも言えるけど、あの方はただ、純粋に「良い作品」を創ろうとされただけなんですよね。それしか頭に無い、正真正銘のクリエーター。だから経営者としてはボンクラだったw

今、これだけの覚悟と志を持ってドラマを創ってるディレクターやプロデューサーが、一体どれ程の数いるでしょうか? あの当時でも、なかなか稀有な存在だった事と思います。

だからって『警視-K』が刑事ドラマとして傑作かと言えば、私はどちらかと言えば珍作だと思うしw、やっぱ『太陽にほえろ!』を観てる方が落ち着きます。

それでも、勝新太郎の情熱(役名はガッツ刑事w)が目一杯詰まった、この伝説のドラマは一見の価値ありです。もし機会があれば、是非!

☆グアムの殺傷事件

秋葉原の事件とよく似てますねぇ。あの時の犯人はネットの掲示板でバカにされたのが引き金になってて、ちょうど私も『太陽にほえろ!』ファンサイトの掲示板で、書き込みの常連達から根拠も無く「荒らし」の濡れ衣を着せられ、物凄い屈辱と憎悪を味わったばかりの時だったんで、ちょっとだけ彼の気持ちが解ったんですよね。

そして今回の犯人は、直接の動機はまだ不明だけど、演劇青年で自主映画に主演したりなんかして、意外や人気者だったりするんだけど、知人の話によると擬似スターみたいな自分と現実の冴えない自分とのギャップに悩んでた、との事。

これもまた、自主映画時代の私とかなり重なる部分があるんですよね。両者共、抱えてる心の闇とか、虚無感みたいなものは物凄く理解出来ます。

ただし、それがなんで無差別に人を殺すって行動に繋がっちゃうのか? そこんとこの心理は全く解りません。生きてるのが辛いなら、勝手に1人で死ねよバカタレが!って思います。

ホントああいうの見ると、自分も一つ間違えればヤバかったのかなぁ?って思うんだけど、悪魔が憑依でもしない限り、あんな惨い事をやらかすってのは有り得ない。そういう魔物がホントに存在するのかも知れないですねぇ…

☆今朝の『純と愛』

余貴美子さん扮するホテルの女将さん、従業員に「セクシー」とか「チュルチュル」とかニックネームをつけてて、なんか『太陽にほえろ!』みたいやなぁと思ってたら…

「私の事はこれからボスって呼んで。ボスって言われなきゃやる気が出ないのよ」だってw

まさか遊川さん、そうだったの? 急に親近感が沸いて来たんだけどw な〜んだ、遊川くん。そうなんだ、遊ちゃん!w

こんな風に言われるのが一番イヤなんでしょうね、あのお方はw

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