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1986年 Part.1

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長い人生の中ではターニングポイントになる年が何度か巡って来ると思うのですが、私にとって1986年(昭和61年)はまさにそんな年でした。

その年に世間で起こった事はと言えば、まず1月にアメリカでスペースシャトルの爆発事故がありました。その時、私は東京で予備校に通いながら(実際はほとんど行ってなかったけどw)新聞配達をしてて、朝3時に起床して店に行ったらテレビで繰り返しその映像が流れてたのを鮮明に覚えてます。

2月には中2の男子生徒がイジメを苦に自殺し、深刻なイジメが社会問題にまでなったけど、全く解決されないまま同じ事が今も繰り返されてますね。破滅です。

C.イーストウッド御大がカーメル市長に就任した4月、私は生まれ故郷の東大阪で一人暮らしを始めると同時に、大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ)の放送映画学科に入学。大学を諦めた理由は、勉強をしなかったからですw

そして専門学校に入る事を決めた理由は、映画監督を目指してと言うよりも、ずっと構想してた『太陽にほえろ!』的な刑事物の自主製作映画を創る為の、仲間を集めたかったんですよね。ほんと目先の事しか考えてなかったです。

で、学校が始まるまでの期間に脚本を書いてたのですが、その時に衝撃を受けたのが、人気アイドル歌手・岡田有希子自殺のニュースでした。別に彼女のファンだったワケじゃないけど、人気絶頂の中で白昼、所属プロダクションのビル屋上から飛び降りるという壮絶さ、それを伝える報道の生々しさに、なんだか胸が掻きむしられる想いでした。

さらに衝撃だったのが、後追い自殺をする若者が続出した事です。自殺は私自身も考えた時期があるけど、ブームに乗っかるようなタイミングで死んじゃうという軽さが、いまだに理解出来ないでいます。命を何だと思ってやがんだ何だか若旦那!?って、柄にもなく怒ってましたね。

そんな想いも込めて書き上げた脚本が『トワイライトシティ』でした。今思い返せば、穴があったら入れてみたいほど稚拙な脚本でしたけど、当時は「傑作だ!」って自分で思ってましたw

で、入学して製作メンバーを募集(確かチラシを撒いたのかな?)してみたら、瞬く間に10人近い仲間が集まりました。そりゃみんな映画が創りたくて入学して来たんだし、学校じゃ創らせてもらえなさそうなアクション物であった事も魅力だったかと思います。

その面子で自主映画サークル「プロダクション・ザ・ピーマン」を結成し、ロケハンなど撮影準備を進めながらキャスティングも始めました。主役の刑事役は、私の幼なじみで現在モノノフのw「兄ちゃん」と最初から決めてました。

で、その相棒刑事を演じるのが私。当時は仲間から「社長」と呼ばれてました。なにしろ社長だから、私が刑事を演じる事に反対する者はいませんし、させませんw やると言ったらやるのです。その為に創るようなもんだし、長年の夢でしたからね。

だけど今思えば、刑事役をやるにはまだ若過ぎましたね。『コドモ警察』ぐらい極端に幼ければ逆に面白いけど、私らは中途半端でした。後に30歳を越えてから『なんて世の中だ。』で再び刑事役をやりましたけど、あれ位でギリギリですよね。

問題はヒロイン役でした。高校時代は演劇部がありましたから、芝居の出来る女の子に不自由はしなかったけど、ウチの専門学校に演劇科は無かったんです。この時も町で募集のビラを撒いたりしたなぁ、そう言えば…

ただ芝居が出来りゃいいってもんでもないし、可愛けりゃいいってもんでもない。両立出来る人はそう簡単に見つかるもんじゃありません。

ところが、それが見つかったんですよね。詳しいいきさつは忘れちゃったけど、確か撮影メンバーの彼女の友達だったのかな? その人こそが、昨日コメントを初投稿してくれた、直美さんです。(直美ってのはその時の役名で、由来は長谷直美さんです)

若い頃の賀来千賀子さんに似た美人で、素人なのに芝居も出来る。しかもフレンドリーで寛大で、別に今さら褒め殺しするワケじゃないけどw、素晴らしい女性です。

当時の私らはホントに若気の至りで、映画創りってものをナメてかかってましたから、何もかも予定通りに進まず、直美さんにはどれだけ迷惑を掛けたか計り知れません。

なのに、彼女から不満や愚痴を聞いた事は、少なくとも私は一度たりともありませんでした。バカだった私は、それがどれだけ凄い事なのか、当時はまるで意識してなかったように思います。

いやー、ホントにねぇ。当時の私は酷かった。今も大して成長出来てないけど、当時の事だけはホントに穴があったら入れてみたいですよ。いや、入りたいでしたっけ? ふざけてる場合じゃないですねm(_ _)m

どれだけ酷かったのか、続きは次回にw

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