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スーパーな2 本立て

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別にマニアックと言われたから意地になってメジャー映画ばかり観てるワケではありませんw なんとなくスイッチが入って映画ばっかり観たくなる、そういう波がたまに来るんですよね。

せっかく新しい連ドラが色々始まったというのに、『ラストホープ』と『コドモ警視』以外の番組に興味が沸かないしw 『八重の桜』も観てますけどね。

☆『SUPER 8/スーパーエイト』

『ミッション・インポッシブル』や『スター・トレック』等のシリーズをアグレッシヴにリニューアルした才人=J.J.エイブラムス監督による『クローバーフィールド/HAKAISHA』に続くSFモンスター映画。

製作がスティーブン・スピルバーグ御大で、そのスピルバーグに憧れて映画を撮るようになったエイブラムス監督の、スピルバーグ映画への思い入れがギッシリ詰まったトリビュート作品でもあります。

1979年のアメリカ郊外の町を舞台に、8ミリフィルムで自主映画を撮る少年達が活躍する話ですから、完全に監督自身の少年時代が投影されてます。(スーパー8ってのはコダック社製8ミリフィルムの名称です。ああ懐かしいw)

そしてそれから約3年後に、私自身も8ミリフィルムで映画創りを始めてるんですよね。まぁ、本作の主人公達が撮るゾンビ映画のクオリティーに比べると、お恥ずかしい限りですがw(エンドクレジットでその8ミリ映画が流れるんだけど、本編より面白いw)

だけど好きな女の子をヒロイン役にキャスティングしたり、やってる事はだいたい一緒ですよw ビデオカメラ世代でも自主映画野郎なら誰でも共感出来るんじゃないでしょうか。

ただし、自主映画やスピルバーグ作品へのノスタルジーだけが突出してて、肝心のモンスター(正体は宇宙人)映画としての出来は、凡庸でちょっと退屈でした。

この手のジャンルはもう、やり尽くしましたよね。『宇宙人ポール』位に捻りを加えないと、なかなか楽しめるもんじゃありません。

☆『スーパー!』

冴えない中年労働者フランク(レイン・ウィルソン)が、これまでの人生で唯一輝いた瞬間が、美しい妻(リヴ・タイラー)をめとった時。ところがその妻を町のヤクザ(ケビン・ベーコン)に奪われ、どん底に堕ちたフランクは、神の啓示を受け(たと思い込んで)スーパーヒーローになる決意をする。

冴えない男が手製のコスチュームで悪者退治しようとする設定や、過激な少女(エレン・ペイジ=画像)が相棒になってくれる展開が、私のイチオシ作品『キック・アス』と酷似してます。敵が身近なヤクザだったりするのも似てますね。

ただし『キック・アス』がファンタジックな面もあったのに対して、こちらは徹頭徹尾リアルです。主人公が悪者退治に使う武器が金属製の大型レンチだったりするし。それって普通に凶器ですよねw

行列に割り込んで悪びれもしない奴を見たら、そりゃ私だって腹が立つし退治してやりたいと思うけど、そいつをレンチで殴って頭から血を噴き出させてる光景を見たら、痛快を通り越して恐ろしいですよホントにw

だから主人公はたちまち犯罪者として警察にマークされるし、彼の相棒役に志願する少女(と言っても23歳の立派なオトナ)も、ちょっと頭がプッツン気味のアメコミおたくだったりします。

でも、その少女を演じるエレン・ペイジって女優さんの、迷いの無い弾けっぷりが素晴らしいんですよね。主人公は自分の行動がただの通り魔じゃないかと悩んだりするんだけど、彼女はヒーローという大義名分を利用して、完全に暴力を楽しんでたりするw

友人の新車にイタズラで傷を付けたと思われる犯人(証拠なしw)の頭を鈍器で殴ろうとしたのを主人公に止められて「えっ、殺しちゃ駄目だったの?」とか言ってるしw

さらに彼女、若いカラダを持て余して、ヒーローのコスチュームのまま主人公(中年)を逆レイプしたりもしちゃう! 皆さん、これをヒーロー映画だと勘違いして子供に見せては断じてなりませんw

で、彼女にレイプされて大いに傷ついた主人公(中年)はw、そこで気づくんです。自分がヒーローになりたかったのは、世の中の為なんかじゃない。ただ、ヤクザに奪われた妻を取り戻したかっただけなんだと。

そう、これはヒーロー映画なんかじゃなくて、自暴自棄になった中年男とイカレた少女がヤクザの住処に殴り込みをするバイオレンス映画であり、一途なラブストーリーでもあるんですね。

だから、異色だけど根本的にはヒーローの王道を行く『キック・アス』とは、似てるように見えて全く違う映画だと思います。『キック・アス』みたいな爽快感は皆無で、とてつもなく切ない映画です。

切ないし、実に生々しい映画でもあります。ヒーローになるには自己犠牲が伴うことは、他のノーマルなアメコミ映画でもよく描かれてますが、もし現実社会で実行したら、行き着く先は破滅しか無いぞっていうシュミレーションですね。

でも、決して暗い映画ではないです。全ての場面が乾いたユーモアでコーティングされてるし、何よりエレン・ペイジ嬢の弾けっぷりがキュートで、萌えますw(ただし彼女には天罰が下りますので、感情移入は控えめに)

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