『96時間/リベンジ』と同じ日に同じシネコンで観ました。前回(エヴァンゲリオンQ)の時に書くつもりだった事ですが、しばらく行かない間に最大手のシネコンは、発券が完全にオートメーション化されてるんですよね。驚きました。
自動販売機で映画のタイトルや座席を選んだりと、色々ボタン操作しないといけないんで、最初はかなり戸惑います。まぁそれはすぐに慣れるでしょうけど、じゃあチケット売り場で働いてた人達は何処へ?
聞いた話だけど、かなりの人員が削減されたそうです。クビですよクビ。チクビ。全ては経費節減が目的なんですよね。何でもかんでも効率第一で金銭的な無駄を省き、どうして一番でなきゃいけないんですか二番じゃ駄目なんですかっ!?っていう考え方になってる。その内、映画なんていう娯楽自体が無駄だから映画館廃止!なんて事になりかねませんよマジで。
上映される作品のラインナップも、全ては数字による判断で、初日の動員数が少なければ即座に上映回数や日数を減らされ、内容の良し悪し関係なく打ち切られちゃう。
これじゃあ口コミでじわじわ動員を増やすようなヒット作は、絶対にシネコンからは生まれなくなります。大金かけて宣伝した者勝ちですよ。テレビ局製作の日本映画ばかりヒットしてるのは、決して面白いからじゃなくて初日に客を呼び易いからってだけの話です。
そうなるともう、創り手も「良い作品」より「客を呼べる作品」を生産する事に固執せざるを得ませんよね。そりゃ商売だから仕方がない。
この「仕方がない」っていう空気が蔓延したら、もうお終いです。現場にいる人達もどんどんモチベーションが下がっちゃう。
最近「こんな脚本がなんでOKになっちゃうの!?」って、ホントに我が眼を疑うような酷い内容のメジャー映画やドラマが多くなってるのは、そういう事だろうと思います。良い作品なんかいらない、客を呼べりゃ何でもいいんだよって言われたら、そりゃ現場は投げやりになりますよ。
状況はどんどん悪くなってます。破滅です。絶望です。ああチョメチョメ。 …おっと、今回は007のレビューでしたねw 世界的な不景気ですから映画界の衰退は日本だけの話じゃないんだけど、ジェームズ・ボンドはますます元気みたいです。
ダニエル・クレイグ(画像左)主演版の3本目になる今回は、シリーズ初のアカデミー賞(『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデス)監督による作品だけあって、ボンドの生い立ちや上司M(ジュディ・デンチ、画像右)との関係が深く掘り下げられ、実にシリアスで格調高いドラマになってます。
良かったです。見応えありました。ただ問題が1つだけ。これがジェームズ・ボンドの映画と呼べるのか?って事ですw
まぁそれはダニエル版の1作目『カジノ・ロワイヤル』から常につきまとって来た問題なんだけど、今回はいよいよ別物になっちゃった感じですね。ロジャー・ムーアの軽妙なボンドがジョーズ(リチャード・キール)とのどかに闘ってた映画と、同じシリーズにはとても見えませんw
もう一度言いますが、これがジェームズ・ボンド映画なのか? …答えは、イエスなんです。
そう、これこそが新世紀のジェームズ・ボンドであり、過去のボンド映画とは違うのだ。お前らええ加減、過去作へのこだわりを捨てんかい!…っていう、これは製作者の宣言なんだと私は解釈しました。
それを象徴するかのように、大きな区切りとなる事件が最後に起こるんです。我々観客もそれを見て「ああ、なるほど」と。ダニエル版007が登場してから3作品を費やして、製作者はジェームズ・ボンド映画を完全リニューアルしたかったんだ、って事に気づくんです。
このシリーズ、なんと生誕50周年だそうです。そりゃ作風も変わって当たり前なんですよね。これに比べりゃ『太陽にほえろ!』なんてたったの15年だけど、初期と後期じゃかなり作風が変わってました。時代の変化に対応する柔軟性こそが、長寿の秘訣ってワケです。
もしかすると、ロジャー・ムーアの時代に「こんなマンガ映画、もうええわ」って、見限っちゃった方もおられるかも知れません。そういう方にこそ、この激シブ007を是非ともお試し願いたいですね。ホントにねぇ、まるっきり別世界になってますからw アクションも見違えるほどハード&リアルになってます。
でも私個人としては、やっぱダニエル版はシブ過ぎるかな… これはこれで好きですけど、そして今の時代にロジャー版みたいなマンガ映画になっちゃうのも困るんだけど、でもちょっとは砕けたユーモアも欲しい気がします。
だから、前任者のピアース・ブロスナンが一番好きですね私は。こないだ「ユーモアと殺気」の話を書きましたけど、ロジャーはユーモアに走り過ぎで、ダニエルは殺気が充満し過ぎ。
両方のバランスが絶妙だったのが、初代のショーン・コネリー御大とピアースなんですよね。さらにアクションの切れ味も加わったピアース・ブロスナンのボンドが、私にとって理想的な007だと思います。
自動販売機で映画のタイトルや座席を選んだりと、色々ボタン操作しないといけないんで、最初はかなり戸惑います。まぁそれはすぐに慣れるでしょうけど、じゃあチケット売り場で働いてた人達は何処へ?
聞いた話だけど、かなりの人員が削減されたそうです。クビですよクビ。チクビ。全ては経費節減が目的なんですよね。何でもかんでも効率第一で金銭的な無駄を省き、どうして一番でなきゃいけないんですか二番じゃ駄目なんですかっ!?っていう考え方になってる。その内、映画なんていう娯楽自体が無駄だから映画館廃止!なんて事になりかねませんよマジで。
上映される作品のラインナップも、全ては数字による判断で、初日の動員数が少なければ即座に上映回数や日数を減らされ、内容の良し悪し関係なく打ち切られちゃう。
これじゃあ口コミでじわじわ動員を増やすようなヒット作は、絶対にシネコンからは生まれなくなります。大金かけて宣伝した者勝ちですよ。テレビ局製作の日本映画ばかりヒットしてるのは、決して面白いからじゃなくて初日に客を呼び易いからってだけの話です。
そうなるともう、創り手も「良い作品」より「客を呼べる作品」を生産する事に固執せざるを得ませんよね。そりゃ商売だから仕方がない。
この「仕方がない」っていう空気が蔓延したら、もうお終いです。現場にいる人達もどんどんモチベーションが下がっちゃう。
最近「こんな脚本がなんでOKになっちゃうの!?」って、ホントに我が眼を疑うような酷い内容のメジャー映画やドラマが多くなってるのは、そういう事だろうと思います。良い作品なんかいらない、客を呼べりゃ何でもいいんだよって言われたら、そりゃ現場は投げやりになりますよ。
状況はどんどん悪くなってます。破滅です。絶望です。ああチョメチョメ。 …おっと、今回は007のレビューでしたねw 世界的な不景気ですから映画界の衰退は日本だけの話じゃないんだけど、ジェームズ・ボンドはますます元気みたいです。
ダニエル・クレイグ(画像左)主演版の3本目になる今回は、シリーズ初のアカデミー賞(『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデス)監督による作品だけあって、ボンドの生い立ちや上司M(ジュディ・デンチ、画像右)との関係が深く掘り下げられ、実にシリアスで格調高いドラマになってます。
良かったです。見応えありました。ただ問題が1つだけ。これがジェームズ・ボンドの映画と呼べるのか?って事ですw
まぁそれはダニエル版の1作目『カジノ・ロワイヤル』から常につきまとって来た問題なんだけど、今回はいよいよ別物になっちゃった感じですね。ロジャー・ムーアの軽妙なボンドがジョーズ(リチャード・キール)とのどかに闘ってた映画と、同じシリーズにはとても見えませんw
もう一度言いますが、これがジェームズ・ボンド映画なのか? …答えは、イエスなんです。
そう、これこそが新世紀のジェームズ・ボンドであり、過去のボンド映画とは違うのだ。お前らええ加減、過去作へのこだわりを捨てんかい!…っていう、これは製作者の宣言なんだと私は解釈しました。
それを象徴するかのように、大きな区切りとなる事件が最後に起こるんです。我々観客もそれを見て「ああ、なるほど」と。ダニエル版007が登場してから3作品を費やして、製作者はジェームズ・ボンド映画を完全リニューアルしたかったんだ、って事に気づくんです。
このシリーズ、なんと生誕50周年だそうです。そりゃ作風も変わって当たり前なんですよね。これに比べりゃ『太陽にほえろ!』なんてたったの15年だけど、初期と後期じゃかなり作風が変わってました。時代の変化に対応する柔軟性こそが、長寿の秘訣ってワケです。
もしかすると、ロジャー・ムーアの時代に「こんなマンガ映画、もうええわ」って、見限っちゃった方もおられるかも知れません。そういう方にこそ、この激シブ007を是非ともお試し願いたいですね。ホントにねぇ、まるっきり別世界になってますからw アクションも見違えるほどハード&リアルになってます。
でも私個人としては、やっぱダニエル版はシブ過ぎるかな… これはこれで好きですけど、そして今の時代にロジャー版みたいなマンガ映画になっちゃうのも困るんだけど、でもちょっとは砕けたユーモアも欲しい気がします。
だから、前任者のピアース・ブロスナンが一番好きですね私は。こないだ「ユーモアと殺気」の話を書きましたけど、ロジャーはユーモアに走り過ぎで、ダニエルは殺気が充満し過ぎ。
両方のバランスが絶妙だったのが、初代のショーン・コネリー御大とピアースなんですよね。さらにアクションの切れ味も加わったピアース・ブロスナンのボンドが、私にとって理想的な007だと思います。