もりあてさん(ブログ『もりあ亭談話室』)のオススメ映画シリーズ第1弾です。これはちょうど先日CSでやってました。あと、第2弾として『南極料理人』もDISCASで借りてあります。どちらも堺雅人さんの出演作ですね。
そう、せっかく『大奥』祭りで読者数が増えて、その中には堺さんのファンだから『大奥』で検索されたって方も多数おられる筈で、すると『大奥』放映期間のみ限定の読者さんになっちゃうかも知れませんからw、その間に堺雅人まつりを開催しておこうかなと、思い立った次第です。
なので、上記2作品以外にも「おまん、この作品は是非とも観ておくがよい」っていうアドバイスや、「おまん、この作品についての見解を述べてみよ」っていうリクエストがありましたら、どしどしコメント下さいませm(_ _)m
ちなみに私が既に観てる堺雅人出演作は『対岸の彼女』『新選組!』『篤姫』『リーガル・ハイ』と、『ジョーカー』の初回。他にもまだあった気はしますが、いま思い出せるのはそれだけ。意外と少ないんですよね。
『ジョーカー』は期待してたんだけど、観てる我々にさんざん鬱憤を溜めさせた割に、最後に悪者を成敗するやり方が中途半端で、あまりに爽快感が無くて私の好みには合いませんでした。(カテゴリー『刑事ドラマ』にレビュー記事あります)
それ以外の作品はどれも良かったです。特に『リーガル・ハイ』にハマって毎週ここでレビューしてたのは記憶に新しいですね。(カテゴリー『特選ドラマ』に入ってます)
さて『アフタースクール』ですが、もりあてさんも書かれてた通り、非常にレビューしづらい作品ですw 物語自体に大きな仕掛けがあるんだけど、それを事前に知っちゃうと全てが台無しになっちゃう。
『魁!セレソンDX』の大仕掛けはまぁ、オマケみたいなもんでしたから、事前に知っても台無しって程じゃない。けど本作の場合は良くも悪くも、この仕掛けの為に全てが構成されてますから、バレちゃうと作品そのものの意味が無くなっちゃう。
私は本来、そうした小手先の仕掛けに腐心したような作品を好みません。そのテの作品は大抵、物語の展開が優先されて、登場人物はそれに合わせて動く駒みたいに扱われて、心情も何も描かれない(描かれても後付けだったりする)から感情移入が出来ないんですよね。
でも、例外はあります。古くは『スティング』なんかキャラクターも実に魅力的でしたし、最近なら日本映画『キサラギ』(小栗旬、香川照之ほか)は仕掛けに驚かされながらも笑わされ、泣かされましたから(未見の方、観るべし!)。
この『アフタースクール』も、ちゃんと人物の心情が描かれて、共感出来る部分もありましたから、大仕掛けにも気持ちよく乗る事が出来ました。そこは堺さんはじめ、大泉洋、佐々木蔵之介、常盤貴子、田畑智子というキャスト陣の、魅力と力量にも大いに支えられてますよね。
ジャンルは一応ミステリーになるかと思います。探偵や刑事、ヤクザも絡んできます。ただ、主要人物達が中学校の同級生だったという設定が、展開的にも心情的にも重要な鍵になってますね。それがあるからこそ面白い。
全編に散りばめられたパズルのピースが、クライマックスで収拾されて見事に、全く予想外の図が完成する瞬間のカタルシス。その点では、もりあてさんが書かれたように『フィッシュストーリー』に匹敵するかと思いますが、私はもう一つ、全くジャンル違いの作品を想起させられました。
それは『シックス・センス』です。とても有名な作品ではありますが、ホラーが苦手な方は観ておられないと思いますので、一応解説しておきます。
小児専門の精神科医であるブルース・ウィリスが新たに担当したのは、何かのきっかけで死者の姿が、つまり幽霊が見えるようになっちゃった少年。過去に担当したけど自殺しちゃた子とその少年が似てるせいもあり、ブルースはなんとか助けてあげようとします。
その過去の一件がきっかけで、ブルースは妻との関係がギクシャクしており、それを修復する為にも少年を救い、トラウマを克服したいワケです。そう、ブルースは妻をとても愛してる。けど、妻はいつも不機嫌な顔で、夫を無視してる…ように見えます。
で、幽霊をめぐる色んな怖い事が起きますが、どうやらその幽霊達は、少年に救いを求めてるらしい事が分かって来ます。そして、最後にどんでん返し。
ブルースは、少年にしか見えない存在である事が明かされます。つまりブルース自身が幽霊だった! 彼は、少年を救うつもりが、実は自分が少年に救われる立場である事に、これまで気づいてなかったんです。
という事は、我々観客もずっと騙されてたワケです。それまで観て来た全ての場面が、創り手の仕掛けたミスリードだったんですね。結末を知った上でもう一回観たら、全ての描写、全ての台詞の解釈が全く違って来ちゃう。
この映画が素晴らしかったのは、そのどんでん返しによって驚くと同時に、泣かされちゃうからなんですよね。ブルースの前で不機嫌な顔をしてるように見えた妻は、実際はブルースが死んで落ち込んでたワケです。彼を無視してたんじゃなくて、見えてなかっただけなんです。
つまり、冷めてしまったと思ってた二人の愛は、以前とちっとも変わってなかった。彼女は今でも俺を愛してくれてる! だけど、オラは死んじまっただぁ!! …とまぁ、そんな切ないラブストーリーとして成立してるんですよね。
全編がミスリードという大仕掛け。だけどひっくり返されたその裏側には、とても切ないラブストーリーが隠されていた。『アフタースクール』も、そんな作品なんです。まぁ、こっちは中学時代の淡い恋ですから、夫婦愛に比べたらちょっと弱いけどw
それと、中学校を卒業したその後、彼らはどんな人生を歩み、どんな変貌を遂げたのか? タイトルはそれを表してるワケですが、皆さんどうですか? 中学生の時から、自分はどれだけ変わったのでしょう?
以下、やさぐれた探偵の佐々木蔵之介が、母校で教師を務める健全男・大泉洋に向かって吐き捨てるように言う台詞です。
「お前みたいにずっと教室で生きてるような奴に、人間の何が解るんだよ。なんにも知らないで、自分に都合のいいように世間見て、人間見て安心しやがって。お前みたいなヤツ見るとムカムカすんだよな。早く卒業しろよ、中学校から」
そして終盤、今度は大泉先生が佐々木探偵にこう言います。
「あんたみたいな生徒、どのクラスにもいるんだよ。全部分かったような顔して勝手にひねくれて、この学校つまんねぇだの何だの。あのなぁ、学校なんてどうでもいいんだよ。お前がつまんないのは、お前のせいだ」
私は、どっちの台詞にも共感しました。と言うより、どっちも自分の事を言われてる気がしちゃうんですよねw 皆さんも、そうじゃないですか? 私だけ?
社会に出て汚いもんいっぱい見て、自分もすっかり変わっちまったぜ…なんて思ってる奴こそが、実は未だに中学生レベルの思考から抜け出せてない。ああ耳が痛い!w
とまぁ、そんな事も考えさせてくれる映画です。面白かったなぁ… 堺さんのクレジットは大泉、佐々木に次ぐ三番手で、出番もそれに比例して少ないですが、大仕掛けの鍵を握ってるのは堺さんだったりします。
『フィッシュストーリー』も、出番の少ない多部ちゃんが物語の鍵を握ってましたから、「ただならぬ何か」を秘めた人物にキャスティングされる事が多いのも、多部ちゃんと堺さんの共通点と言えそうですね。
ストーリーが書けない分、話があっち行ったりこっち行ったり、纏まりのないレビューになっちゃいましたが、とにかく私からもオススメって事ですねw
そう、せっかく『大奥』祭りで読者数が増えて、その中には堺さんのファンだから『大奥』で検索されたって方も多数おられる筈で、すると『大奥』放映期間のみ限定の読者さんになっちゃうかも知れませんからw、その間に堺雅人まつりを開催しておこうかなと、思い立った次第です。
なので、上記2作品以外にも「おまん、この作品は是非とも観ておくがよい」っていうアドバイスや、「おまん、この作品についての見解を述べてみよ」っていうリクエストがありましたら、どしどしコメント下さいませm(_ _)m
ちなみに私が既に観てる堺雅人出演作は『対岸の彼女』『新選組!』『篤姫』『リーガル・ハイ』と、『ジョーカー』の初回。他にもまだあった気はしますが、いま思い出せるのはそれだけ。意外と少ないんですよね。
『ジョーカー』は期待してたんだけど、観てる我々にさんざん鬱憤を溜めさせた割に、最後に悪者を成敗するやり方が中途半端で、あまりに爽快感が無くて私の好みには合いませんでした。(カテゴリー『刑事ドラマ』にレビュー記事あります)
それ以外の作品はどれも良かったです。特に『リーガル・ハイ』にハマって毎週ここでレビューしてたのは記憶に新しいですね。(カテゴリー『特選ドラマ』に入ってます)
さて『アフタースクール』ですが、もりあてさんも書かれてた通り、非常にレビューしづらい作品ですw 物語自体に大きな仕掛けがあるんだけど、それを事前に知っちゃうと全てが台無しになっちゃう。
『魁!セレソンDX』の大仕掛けはまぁ、オマケみたいなもんでしたから、事前に知っても台無しって程じゃない。けど本作の場合は良くも悪くも、この仕掛けの為に全てが構成されてますから、バレちゃうと作品そのものの意味が無くなっちゃう。
私は本来、そうした小手先の仕掛けに腐心したような作品を好みません。そのテの作品は大抵、物語の展開が優先されて、登場人物はそれに合わせて動く駒みたいに扱われて、心情も何も描かれない(描かれても後付けだったりする)から感情移入が出来ないんですよね。
でも、例外はあります。古くは『スティング』なんかキャラクターも実に魅力的でしたし、最近なら日本映画『キサラギ』(小栗旬、香川照之ほか)は仕掛けに驚かされながらも笑わされ、泣かされましたから(未見の方、観るべし!)。
この『アフタースクール』も、ちゃんと人物の心情が描かれて、共感出来る部分もありましたから、大仕掛けにも気持ちよく乗る事が出来ました。そこは堺さんはじめ、大泉洋、佐々木蔵之介、常盤貴子、田畑智子というキャスト陣の、魅力と力量にも大いに支えられてますよね。
ジャンルは一応ミステリーになるかと思います。探偵や刑事、ヤクザも絡んできます。ただ、主要人物達が中学校の同級生だったという設定が、展開的にも心情的にも重要な鍵になってますね。それがあるからこそ面白い。
全編に散りばめられたパズルのピースが、クライマックスで収拾されて見事に、全く予想外の図が完成する瞬間のカタルシス。その点では、もりあてさんが書かれたように『フィッシュストーリー』に匹敵するかと思いますが、私はもう一つ、全くジャンル違いの作品を想起させられました。
それは『シックス・センス』です。とても有名な作品ではありますが、ホラーが苦手な方は観ておられないと思いますので、一応解説しておきます。
小児専門の精神科医であるブルース・ウィリスが新たに担当したのは、何かのきっかけで死者の姿が、つまり幽霊が見えるようになっちゃった少年。過去に担当したけど自殺しちゃた子とその少年が似てるせいもあり、ブルースはなんとか助けてあげようとします。
その過去の一件がきっかけで、ブルースは妻との関係がギクシャクしており、それを修復する為にも少年を救い、トラウマを克服したいワケです。そう、ブルースは妻をとても愛してる。けど、妻はいつも不機嫌な顔で、夫を無視してる…ように見えます。
で、幽霊をめぐる色んな怖い事が起きますが、どうやらその幽霊達は、少年に救いを求めてるらしい事が分かって来ます。そして、最後にどんでん返し。
ブルースは、少年にしか見えない存在である事が明かされます。つまりブルース自身が幽霊だった! 彼は、少年を救うつもりが、実は自分が少年に救われる立場である事に、これまで気づいてなかったんです。
という事は、我々観客もずっと騙されてたワケです。それまで観て来た全ての場面が、創り手の仕掛けたミスリードだったんですね。結末を知った上でもう一回観たら、全ての描写、全ての台詞の解釈が全く違って来ちゃう。
この映画が素晴らしかったのは、そのどんでん返しによって驚くと同時に、泣かされちゃうからなんですよね。ブルースの前で不機嫌な顔をしてるように見えた妻は、実際はブルースが死んで落ち込んでたワケです。彼を無視してたんじゃなくて、見えてなかっただけなんです。
つまり、冷めてしまったと思ってた二人の愛は、以前とちっとも変わってなかった。彼女は今でも俺を愛してくれてる! だけど、オラは死んじまっただぁ!! …とまぁ、そんな切ないラブストーリーとして成立してるんですよね。
全編がミスリードという大仕掛け。だけどひっくり返されたその裏側には、とても切ないラブストーリーが隠されていた。『アフタースクール』も、そんな作品なんです。まぁ、こっちは中学時代の淡い恋ですから、夫婦愛に比べたらちょっと弱いけどw
それと、中学校を卒業したその後、彼らはどんな人生を歩み、どんな変貌を遂げたのか? タイトルはそれを表してるワケですが、皆さんどうですか? 中学生の時から、自分はどれだけ変わったのでしょう?
以下、やさぐれた探偵の佐々木蔵之介が、母校で教師を務める健全男・大泉洋に向かって吐き捨てるように言う台詞です。
「お前みたいにずっと教室で生きてるような奴に、人間の何が解るんだよ。なんにも知らないで、自分に都合のいいように世間見て、人間見て安心しやがって。お前みたいなヤツ見るとムカムカすんだよな。早く卒業しろよ、中学校から」
そして終盤、今度は大泉先生が佐々木探偵にこう言います。
「あんたみたいな生徒、どのクラスにもいるんだよ。全部分かったような顔して勝手にひねくれて、この学校つまんねぇだの何だの。あのなぁ、学校なんてどうでもいいんだよ。お前がつまんないのは、お前のせいだ」
私は、どっちの台詞にも共感しました。と言うより、どっちも自分の事を言われてる気がしちゃうんですよねw 皆さんも、そうじゃないですか? 私だけ?
社会に出て汚いもんいっぱい見て、自分もすっかり変わっちまったぜ…なんて思ってる奴こそが、実は未だに中学生レベルの思考から抜け出せてない。ああ耳が痛い!w
とまぁ、そんな事も考えさせてくれる映画です。面白かったなぁ… 堺さんのクレジットは大泉、佐々木に次ぐ三番手で、出番もそれに比例して少ないですが、大仕掛けの鍵を握ってるのは堺さんだったりします。
『フィッシュストーリー』も、出番の少ない多部ちゃんが物語の鍵を握ってましたから、「ただならぬ何か」を秘めた人物にキャスティングされる事が多いのも、多部ちゃんと堺さんの共通点と言えそうですね。
ストーリーが書けない分、話があっち行ったりこっち行ったり、纏まりのないレビューになっちゃいましたが、とにかく私からもオススメって事ですねw