別に香取くんが憎いワケじゃないし、多部ちゃんにとっては劇場版『西遊記』の撮影で親切にしてくれた恩人との事ですから、悪口を書く事に躊躇が無くもないのですが…
刑事ドラマに手を出したのがマズかったですね。そのジャンルに関してだけは、私も手を抜くワケには行かないのですw まぁ、押しも押されぬ天下のSMAP、芸能界の王者ですからね。遠慮は無用でしょう。
香取慎吾と言えば孫悟空、こち亀の両さん、忍者ハットリくん等、「漫画キャラクターなら彼にお任せ」みたいなイメージが世間に定着してますよね? それはつまり、マンガ実写化作品の企画会議において「このキャラを演じられるのは香取くんしかいないだろう」って言われてるようなイメージ。
多部ちゃんの場合はまさに、そのパターンですよね。当時は決して売れっ子とは言えなかったであろう彼女が『デカワンコ』の主役に選ばれたのは、彼女でなければあの役は演じきれないと創り手が判断したからに違いありません。
香取くんもやっぱりそうなのか? おそらく、彼の場合は真逆なんじゃないかと私は思ってます。先にまず「香取慎吾主演」が決まってて、「じゃあ漫画キャラでもあてがうしか無いだろう」って事で、彼に合いそうな作品が選ばれるという流れ。なぜなら、彼は漫画的な芝居しか出来ない人だから。
私がかつて、特撮ヒーロー番組の脚本を書いてた時に、子供(男児)がメインで活躍するエピソードを担当した事がありました。で、ただ可愛いだけの男児が活躍しても面白くないと思った私は、頭が良くて大人顔負けな位に弁の立つ、名探偵コナンみたいな少年を設定して脚本を書きました。
するとプロデューサーから「こんな芝居が出来る子役は、ごく一部の売れっ子だけだよ。そういう子はギャラが高いから、ウチの予算じゃ雇えない」と言われ、凡庸な子役でも無理なく演じられる、無口な少年のキャラに設定変更を余儀なくされちゃいました。
小説や漫画と違って、実写作品にはそういう制限があるんですよね。テレビ脚本はそこまで考慮しながら書かなきゃいけない事を、その一件で思い知らされた次第です。
前回書かせて頂いたように、香取くんには脚本の行間からキャラクターの心情を汲み取るような読解力がありません。断言しちゃってますけどw、あれば絶対にあんな芝居はしない筈ですから。
その代わりに、あの恵まれた体格と、独特の迫力、威圧感みたいなものを持ってますから、漫画キャラクターにはハマり易い。ハリウッドで言えばアーノルド・シュワルツェネッガーみたいな役者ですよね。良く言えばですよ?w
そう、シュワちゃんに例えれば凄く分かり易い。機械かモンスター的なキャラクターと、それを逆手にとったコメディでしか、あの人の個性は活かせません。普通のヒューマン・ドラマにキャスティングする創り手はいないでしょう。
日本のTVドラマはまず最初にキャスティングありきな番組が多いですし、殊にSMAPともなれば先にスケジュールを押さえる事からスタートして、企画は出演決定後に考えるパターンがほとんどだと思われます。
で、香取くんに出来る事を検討してみれば、自ずと子供向けの漫画キャラクターに絞らざるを得ない。ヒューマン・ドラマも出来ない事はないでしょうけど、失敗する確率の方が断然高いですから、今の保守的なテレビ業界ならそんなリスクは避ける筈です。
だから香取くんの主演作は、あんなのばっかりになっちゃうワケなんです。繊細な心理描写を描ける脚本家が参加したとしても、役者がそれを表現出来ない事があらかじめ分かってるとなれば、あえて大味な脚本にした方が無難だったりする。香取くん自身が何も言わなくても、創り手にはそういう制約が生じてしまうんですね。
だから、多部未華子や堺雅人と最も対極の位置に君臨する役者なんですよ、香取慎吾は。多部ちゃんや堺さんは逆に、創り手が想定した以上の結果を生み出す役者さんです。脚本家が書いたキャラクターの心情を、さらに深く広く表現しちゃう人達なんですね。
そんな二人がタッグを組んでるワケですから、『大奥』の高い評価も当たり前と言えば当たり前。キャスティングの時点で成功は決まってたようなもんです。視聴率はともかくw
想像してみて下さい。『大奥』第4話、多部ちゃんの胸に抱かれながら「殺してください」と呟いたのが、もしも堺さんじゃなくて、香取慎吾だったとしたら…! タベリストならずとも「今すぐ自分で死ねぇーっ!!」って、叫ぶこと必至ですよね?w ぶち壊しですよホントに。
だからまぁ、香取くんが漫画キャラクターばっかり演じてるのは仕方のない事だし、『大奥』みたいなドラマに出て来ない事をむしろ感謝しなくちゃいけません。そう思えば『MONSTERS』って番組は、実に上手く香取慎吾のポテンシャルを活かしてますよね。彼の使い方としてはベストかも知れません。
しかし、私はこんな風に書いてますけど、三谷幸喜さんは絶賛してるんですよ、香取くんを。「みんな香取慎吾という俳優の素晴らしさに早く気づくべきだ」みたいな事まで、エッセイに書いておられる。
三谷さんにとっては、そうなのかも知れないですね。シュワちゃんがターミネーターを演じたら天下一品なのと同じで、三谷ワールドにはぴったりハマり、脚本以上の結果を出せる存在なのかも。まぁ、その辺は相性の問題ですね。
とりあえず皆さん『MONSTERS』を一度ご覧下さいw 宣伝するつもりは毛頭無かったけど、書いてる内に皆さんにもあの気持ち悪さを体感してもらいたくなって来ましたw TBS系で日曜夜9時です。
刑事ドラマに手を出したのがマズかったですね。そのジャンルに関してだけは、私も手を抜くワケには行かないのですw まぁ、押しも押されぬ天下のSMAP、芸能界の王者ですからね。遠慮は無用でしょう。
香取慎吾と言えば孫悟空、こち亀の両さん、忍者ハットリくん等、「漫画キャラクターなら彼にお任せ」みたいなイメージが世間に定着してますよね? それはつまり、マンガ実写化作品の企画会議において「このキャラを演じられるのは香取くんしかいないだろう」って言われてるようなイメージ。
多部ちゃんの場合はまさに、そのパターンですよね。当時は決して売れっ子とは言えなかったであろう彼女が『デカワンコ』の主役に選ばれたのは、彼女でなければあの役は演じきれないと創り手が判断したからに違いありません。
香取くんもやっぱりそうなのか? おそらく、彼の場合は真逆なんじゃないかと私は思ってます。先にまず「香取慎吾主演」が決まってて、「じゃあ漫画キャラでもあてがうしか無いだろう」って事で、彼に合いそうな作品が選ばれるという流れ。なぜなら、彼は漫画的な芝居しか出来ない人だから。
私がかつて、特撮ヒーロー番組の脚本を書いてた時に、子供(男児)がメインで活躍するエピソードを担当した事がありました。で、ただ可愛いだけの男児が活躍しても面白くないと思った私は、頭が良くて大人顔負けな位に弁の立つ、名探偵コナンみたいな少年を設定して脚本を書きました。
するとプロデューサーから「こんな芝居が出来る子役は、ごく一部の売れっ子だけだよ。そういう子はギャラが高いから、ウチの予算じゃ雇えない」と言われ、凡庸な子役でも無理なく演じられる、無口な少年のキャラに設定変更を余儀なくされちゃいました。
小説や漫画と違って、実写作品にはそういう制限があるんですよね。テレビ脚本はそこまで考慮しながら書かなきゃいけない事を、その一件で思い知らされた次第です。
前回書かせて頂いたように、香取くんには脚本の行間からキャラクターの心情を汲み取るような読解力がありません。断言しちゃってますけどw、あれば絶対にあんな芝居はしない筈ですから。
その代わりに、あの恵まれた体格と、独特の迫力、威圧感みたいなものを持ってますから、漫画キャラクターにはハマり易い。ハリウッドで言えばアーノルド・シュワルツェネッガーみたいな役者ですよね。良く言えばですよ?w
そう、シュワちゃんに例えれば凄く分かり易い。機械かモンスター的なキャラクターと、それを逆手にとったコメディでしか、あの人の個性は活かせません。普通のヒューマン・ドラマにキャスティングする創り手はいないでしょう。
日本のTVドラマはまず最初にキャスティングありきな番組が多いですし、殊にSMAPともなれば先にスケジュールを押さえる事からスタートして、企画は出演決定後に考えるパターンがほとんどだと思われます。
で、香取くんに出来る事を検討してみれば、自ずと子供向けの漫画キャラクターに絞らざるを得ない。ヒューマン・ドラマも出来ない事はないでしょうけど、失敗する確率の方が断然高いですから、今の保守的なテレビ業界ならそんなリスクは避ける筈です。
だから香取くんの主演作は、あんなのばっかりになっちゃうワケなんです。繊細な心理描写を描ける脚本家が参加したとしても、役者がそれを表現出来ない事があらかじめ分かってるとなれば、あえて大味な脚本にした方が無難だったりする。香取くん自身が何も言わなくても、創り手にはそういう制約が生じてしまうんですね。
だから、多部未華子や堺雅人と最も対極の位置に君臨する役者なんですよ、香取慎吾は。多部ちゃんや堺さんは逆に、創り手が想定した以上の結果を生み出す役者さんです。脚本家が書いたキャラクターの心情を、さらに深く広く表現しちゃう人達なんですね。
そんな二人がタッグを組んでるワケですから、『大奥』の高い評価も当たり前と言えば当たり前。キャスティングの時点で成功は決まってたようなもんです。視聴率はともかくw
想像してみて下さい。『大奥』第4話、多部ちゃんの胸に抱かれながら「殺してください」と呟いたのが、もしも堺さんじゃなくて、香取慎吾だったとしたら…! タベリストならずとも「今すぐ自分で死ねぇーっ!!」って、叫ぶこと必至ですよね?w ぶち壊しですよホントに。
だからまぁ、香取くんが漫画キャラクターばっかり演じてるのは仕方のない事だし、『大奥』みたいなドラマに出て来ない事をむしろ感謝しなくちゃいけません。そう思えば『MONSTERS』って番組は、実に上手く香取慎吾のポテンシャルを活かしてますよね。彼の使い方としてはベストかも知れません。
しかし、私はこんな風に書いてますけど、三谷幸喜さんは絶賛してるんですよ、香取くんを。「みんな香取慎吾という俳優の素晴らしさに早く気づくべきだ」みたいな事まで、エッセイに書いておられる。
三谷さんにとっては、そうなのかも知れないですね。シュワちゃんがターミネーターを演じたら天下一品なのと同じで、三谷ワールドにはぴったりハマり、脚本以上の結果を出せる存在なのかも。まぁ、その辺は相性の問題ですね。
とりあえず皆さん『MONSTERS』を一度ご覧下さいw 宣伝するつもりは毛頭無かったけど、書いてる内に皆さんにもあの気持ち悪さを体感してもらいたくなって来ましたw TBS系で日曜夜9時です。