『実験刑事トトリ』という連ドラが始まりました。と言ってもNHKの土曜ドラマなので、全5話の短期放映です。
動物生態学の優秀な研究者だった都鳥という中年男(三上博史)が、中途採用の募集記事を見て刑事に転職、その研究スキルを活かして様々な実験を試み、殺人事件を解決していきます。
そんな都鳥の、天才肌ゆえのマイペース捜査に振り回される若手刑事に、『梅ちゃん先生』の松岡くんこと高橋光臣。ほか、おっとりタイプのデカ長に笹野高史、劇中テレビ番組の司会者に栗山千明、といったレギュラー陣。
似てますねぇ『MONSTERS』にw でも、こちらは『相棒』のパロディーみたいな印象は受けませんでした。結果的にカブる部分がいくつかあっただけで、別に『相棒』は意識してないと思われます。
トトリ刑事も『相棒』の水谷豊さんみたく若手刑事に対して敬語を使いますが、彼の場合は転職したばかり、つまり新米刑事ですから、敬語を使うのは当たり前。形だけ真似してる(ようにしか見えない)香取慎吾とは違います。
その、中年にして新米刑事って所がミソで、ずっと歳下の高橋光臣くんに指示を仰ぎながらも、結局は自分が事件を解決しちゃう。あまり刑事に向いてなさそうな先輩・高橋くんとの凸凹ぶりも楽しいです。
あと、殺人犯の正体、動機、犯行やアリバイ作りの過程などを先に視聴者に見せちゃう、『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』でお馴染みの「倒叙法」が用いられてる点が、決定的に『相棒』その他の謎解き物とは一線を画してます。
倒叙法の作劇に比べれば、通常の謎解き物はまだ創るのがラクじゃないかと思います。犯人をAと見せかけて実はBだった!って事にすれば、一応のどんでん返しにはなります。そういう仕掛けで間を保たせる事が出来る。
対して倒叙法の場合は、刑事や探偵がどこでトリックに気づき、どうやって犯人のアリバイ等を崩して行くか?っていう、過程の描写で視聴者を楽しませなきゃならない。
そこで重要になって来るのが、主人公の刑事なり探偵なりの、キャラクターです。そのキャラに魅力が無ければ間が保たない、楽しめないのが倒叙法の作劇なんですよね。
さっきから何が言いたいのかと言いますと、つまり、香取慎吾にはトトリ刑事の役は無理でしょうなとw 別に『相棒』に似てるとか似てないとか、どーでもいいんです。要は、今年もカワデミー最悪男優賞は香取慎吾に決定だ!と言いたかったワケですw
『MONSTERS』の香取くんも『相棒』の水谷さんも、そして『トトリ』の三上さんも、天才肌の変人刑事という根本的な設定は同じです。まぁ、昨今流行りのパターンですよね。
だけど、同じ変人でも水谷さんや三上さんはチャーミングですよ。魅力的です。それに対して香取くん演じる変人刑事は、ただひたすら気持ち悪いだけで、ちっとも魅力的じゃないんです。それでも『MONSTERS』は謎解きがメインのドラマだから、なんとか成立してるワケです。
そりゃモンスターと言われる位だから、意図的に気持ち悪いキャラ作りをしてるのは解ります。でも、それを演じるのが水谷さんや三上さんであれば、気持ち悪くてもなお魅力的なキャラに仕上げられた筈です。こりゃ間違いない。
なぜ香取くんがやると、ただ気持ち悪いだけのキャラになっちゃうのか? それは多分、その変人刑事がなぜ変人に見えるのか?っていう、理由まで考えて演じてないからだと、私は思います。
『相棒』の杉下右京なら、過剰なまでの正義感。トトリ刑事なら、持て余す程の探求心。それぞれ、持ってるもの自体は普通なのに、それがあまりに度が過ぎてるゆえ奇異に見えちゃう。
つまり根っこは普通の人であり、それがちゃんと視聴者にも伝わるから、親近感が沸くんです。なぜ伝わるかと言えば、水谷さんや三上さんが、そこまで深く考えて演じておられるからです。
それに対して、あの香取はどうでしょう?w その根っこの部分が全く見えて来ないから、人間味のカケラも無い本物のモンスターに見えちゃうワケですよ! だからそれが狙いだろって? いやいや、そんな事は無いでしょう。
創り手は恐らく、モンスターに見えても根っこには熱い正義感やヒューマニズムを秘めた、魅力的なキャラクターを生み出したかった筈です。脚本にもそれを匂わせる描写を、さりげなく盛り込んだかも知れません。
だけど残念ながら、香取くんにはそれを読み取る能力が無いのですよ。これは偏見で言ってるのではありません。彼のこれまでの実績を踏まえれば、そうとしか考えられないのです。長くなるから細かい説明はしませんが、『西遊記』がその最たる例でしょう。
優れた俳優ならばいちいち説明せずとも、脚本の行間からキャラクターの心理を読み取り、その性格や生い立ちまで想像を巡らせて、命を吹き込む事が出来る筈です。
堺雅人なら論理的に、多部未華子なら本能的に、自然とそれが出来ちゃう。だから非現実的なコミック・キャラクターであっても、あの二人は実在感タップリに演じて見せる事が出来るワケです。
香取慎吾はまず、なぜ『相棒』が大衆から支持されてるのか、その理由からして取り違えてるように見えます。変人の刑事が難事件を解決するから『相棒』はウケてる。だったら、俺ならもっとヘンな刑事を演じられるから、もっと面白くなるぞ!って、そう考えてあんな芝居をしてるんじゃないですか?
『西遊記』なら、粗野で自分勝手な男が、ここ一番で仲間想いな面を見せればカッコイイし、みんなが感動する!って、そう思ってあんな芝居をしてるワケですよね? それは違うだろ!と私は思うのです。本当に粗野で自分勝手な男が、急に仲間がどーのこーの言い出したって、誰の心にも響かないっての!
粗野だったり自分勝手だったりが、根っこにある優しさや繊細さの裏返しである事を描いてこそ生まれる感動なのに、そういう漫画や映画を観ても表面的な部分しか読み取れないんですよ、彼には。粗野で自分勝手な事こそがカッコイイと思い込んでる(ようにしか見えない!)。
だから変人刑事を演じても、変人としての表層部分しか表現出来ない。ゆえに、ただ気持ち悪いだけの刑事にしか見えないワケです。彼の頭の中ではきっと、水谷さんや三上さんよりもずっと魅力的な刑事像に仕上がってるんだろうとは思いますが。
香取くんばっかり責めて、脚本家や演出家に責任は無いのか?というクレームもあるかも知れません。確かに、創り手達にも責任は大いにあります。だけど、彼らにあんな脚本を書かせ、あんな演出をさせたのは、やっぱり香取慎吾なんですよ。
それは別に、彼がジャニーズの後ろ盾を笠に着て強権を振るったとか、そういう意味ではないんです。香取くんを主役にすれば、ああいう作劇にならざるを得ない、どーにもならない理由があるんです。私はそれを、論理的に説明する事が出来ます。
……この話、まだ聞きたいですか?w 全くどーでもええ事を、なに延々と語っとんねんって空気になってます?w
聞きたいと言って下さる方は、挙手願いますm(_ _)m 一人でもいらっしゃれば、次回書きますw
動物生態学の優秀な研究者だった都鳥という中年男(三上博史)が、中途採用の募集記事を見て刑事に転職、その研究スキルを活かして様々な実験を試み、殺人事件を解決していきます。
そんな都鳥の、天才肌ゆえのマイペース捜査に振り回される若手刑事に、『梅ちゃん先生』の松岡くんこと高橋光臣。ほか、おっとりタイプのデカ長に笹野高史、劇中テレビ番組の司会者に栗山千明、といったレギュラー陣。
似てますねぇ『MONSTERS』にw でも、こちらは『相棒』のパロディーみたいな印象は受けませんでした。結果的にカブる部分がいくつかあっただけで、別に『相棒』は意識してないと思われます。
トトリ刑事も『相棒』の水谷豊さんみたく若手刑事に対して敬語を使いますが、彼の場合は転職したばかり、つまり新米刑事ですから、敬語を使うのは当たり前。形だけ真似してる(ようにしか見えない)香取慎吾とは違います。
その、中年にして新米刑事って所がミソで、ずっと歳下の高橋光臣くんに指示を仰ぎながらも、結局は自分が事件を解決しちゃう。あまり刑事に向いてなさそうな先輩・高橋くんとの凸凹ぶりも楽しいです。
あと、殺人犯の正体、動機、犯行やアリバイ作りの過程などを先に視聴者に見せちゃう、『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』でお馴染みの「倒叙法」が用いられてる点が、決定的に『相棒』その他の謎解き物とは一線を画してます。
倒叙法の作劇に比べれば、通常の謎解き物はまだ創るのがラクじゃないかと思います。犯人をAと見せかけて実はBだった!って事にすれば、一応のどんでん返しにはなります。そういう仕掛けで間を保たせる事が出来る。
対して倒叙法の場合は、刑事や探偵がどこでトリックに気づき、どうやって犯人のアリバイ等を崩して行くか?っていう、過程の描写で視聴者を楽しませなきゃならない。
そこで重要になって来るのが、主人公の刑事なり探偵なりの、キャラクターです。そのキャラに魅力が無ければ間が保たない、楽しめないのが倒叙法の作劇なんですよね。
さっきから何が言いたいのかと言いますと、つまり、香取慎吾にはトトリ刑事の役は無理でしょうなとw 別に『相棒』に似てるとか似てないとか、どーでもいいんです。要は、今年もカワデミー最悪男優賞は香取慎吾に決定だ!と言いたかったワケですw
『MONSTERS』の香取くんも『相棒』の水谷さんも、そして『トトリ』の三上さんも、天才肌の変人刑事という根本的な設定は同じです。まぁ、昨今流行りのパターンですよね。
だけど、同じ変人でも水谷さんや三上さんはチャーミングですよ。魅力的です。それに対して香取くん演じる変人刑事は、ただひたすら気持ち悪いだけで、ちっとも魅力的じゃないんです。それでも『MONSTERS』は謎解きがメインのドラマだから、なんとか成立してるワケです。
そりゃモンスターと言われる位だから、意図的に気持ち悪いキャラ作りをしてるのは解ります。でも、それを演じるのが水谷さんや三上さんであれば、気持ち悪くてもなお魅力的なキャラに仕上げられた筈です。こりゃ間違いない。
なぜ香取くんがやると、ただ気持ち悪いだけのキャラになっちゃうのか? それは多分、その変人刑事がなぜ変人に見えるのか?っていう、理由まで考えて演じてないからだと、私は思います。
『相棒』の杉下右京なら、過剰なまでの正義感。トトリ刑事なら、持て余す程の探求心。それぞれ、持ってるもの自体は普通なのに、それがあまりに度が過ぎてるゆえ奇異に見えちゃう。
つまり根っこは普通の人であり、それがちゃんと視聴者にも伝わるから、親近感が沸くんです。なぜ伝わるかと言えば、水谷さんや三上さんが、そこまで深く考えて演じておられるからです。
それに対して、あの香取はどうでしょう?w その根っこの部分が全く見えて来ないから、人間味のカケラも無い本物のモンスターに見えちゃうワケですよ! だからそれが狙いだろって? いやいや、そんな事は無いでしょう。
創り手は恐らく、モンスターに見えても根っこには熱い正義感やヒューマニズムを秘めた、魅力的なキャラクターを生み出したかった筈です。脚本にもそれを匂わせる描写を、さりげなく盛り込んだかも知れません。
だけど残念ながら、香取くんにはそれを読み取る能力が無いのですよ。これは偏見で言ってるのではありません。彼のこれまでの実績を踏まえれば、そうとしか考えられないのです。長くなるから細かい説明はしませんが、『西遊記』がその最たる例でしょう。
優れた俳優ならばいちいち説明せずとも、脚本の行間からキャラクターの心理を読み取り、その性格や生い立ちまで想像を巡らせて、命を吹き込む事が出来る筈です。
堺雅人なら論理的に、多部未華子なら本能的に、自然とそれが出来ちゃう。だから非現実的なコミック・キャラクターであっても、あの二人は実在感タップリに演じて見せる事が出来るワケです。
香取慎吾はまず、なぜ『相棒』が大衆から支持されてるのか、その理由からして取り違えてるように見えます。変人の刑事が難事件を解決するから『相棒』はウケてる。だったら、俺ならもっとヘンな刑事を演じられるから、もっと面白くなるぞ!って、そう考えてあんな芝居をしてるんじゃないですか?
『西遊記』なら、粗野で自分勝手な男が、ここ一番で仲間想いな面を見せればカッコイイし、みんなが感動する!って、そう思ってあんな芝居をしてるワケですよね? それは違うだろ!と私は思うのです。本当に粗野で自分勝手な男が、急に仲間がどーのこーの言い出したって、誰の心にも響かないっての!
粗野だったり自分勝手だったりが、根っこにある優しさや繊細さの裏返しである事を描いてこそ生まれる感動なのに、そういう漫画や映画を観ても表面的な部分しか読み取れないんですよ、彼には。粗野で自分勝手な事こそがカッコイイと思い込んでる(ようにしか見えない!)。
だから変人刑事を演じても、変人としての表層部分しか表現出来ない。ゆえに、ただ気持ち悪いだけの刑事にしか見えないワケです。彼の頭の中ではきっと、水谷さんや三上さんよりもずっと魅力的な刑事像に仕上がってるんだろうとは思いますが。
香取くんばっかり責めて、脚本家や演出家に責任は無いのか?というクレームもあるかも知れません。確かに、創り手達にも責任は大いにあります。だけど、彼らにあんな脚本を書かせ、あんな演出をさせたのは、やっぱり香取慎吾なんですよ。
それは別に、彼がジャニーズの後ろ盾を笠に着て強権を振るったとか、そういう意味ではないんです。香取くんを主役にすれば、ああいう作劇にならざるを得ない、どーにもならない理由があるんです。私はそれを、論理的に説明する事が出来ます。
……この話、まだ聞きたいですか?w 全くどーでもええ事を、なに延々と語っとんねんって空気になってます?w
聞きたいと言って下さる方は、挙手願いますm(_ _)m 一人でもいらっしゃれば、次回書きますw