『スター・ウォーズ(以下、SWと表記)』ファンは必見のドキュメンタリー映画です。笑えますよw
『SW』旧三部作に熱狂し、その創造主=ジョージ・ルーカスを神様みたいに崇めてたファン達の、『特別編』や新三部作への失望と怒り=ルーカス氏への恨みつらみが、これでもかと爆発してますw
有名・無名を問わず、『SW』への熱い想いと、ルーカス氏に対して「可愛さ余って憎さ100倍」のクレームをまくしたてるファン達のコメント、そして全世界で無数に創られた『SW』パロディー映像(上の画像はその一部)で構成された、実に濃密な2時間です。
誰もが『SW』をよく知ってるワケじゃないでしょうから、簡単に歴史をおさらいしますと、まず1977年に全米公開された『スター・ウォーズ』が、当時の興行記録を全て塗り替える大ヒットとなり、世界中でブームを巻き起こします。
で、この時点で熱狂的なファンも世界中で生まれ、フィギュア等のグッズを買い漁るマニア達によって、そっち方面のビジネスでもルーカス氏は大成功、瞬く間に巨万の冨を得ます。
で、その財産でルーカス氏は自らの特撮工房=ILMや、撮影スタジオ=スカイウォーカー・ランチを設立、続編『帝国の逆襲』以降は自己資産により自分の映画会社で製作するという、作品創りを100%自分でコントロールするパワーを手に入れたワケです。
それと同時にルーカス氏は、『SW』が全9話で構成された壮大な歴史絵巻であり、第1作目は中間の三部作の冒頭にあたる=エピソード4なんだと発表し、世界中の映画ファンの度胆を抜きます。(最終的には全6話で一応完結)
監督をアーウ゛ィン・カーシュナー氏に任せた第2作=エピソード5『帝国の逆襲』がまた、宗教色を強めた奥深い内容だった事でさらにファン=信者達を熱狂させ、ルーカス氏はますます神格化される事になります。
リチャード・マーカンド監督によるエピソード6『ジェダイの帰還』は微妙な出来だったけど、ファンは残りの6作を首を長くして待ち続け、その待ってる期間が10年以上に及んだものだから、新三部作(エピソード1〜3)の製作開始が発表されるや、その期待度はMAXに高まっちゃったワケです。
ところが、それに先がけて公開された旧三部作のリストア版『特別編』で、雲行きが怪しくなります。
旧作の製作当時はまだ特撮技術が発展途上だった為に、ルーカス氏のビジョンが完璧には表現出来なかったって事で、'90年代に進化したCG技術を駆使し、修正を施したのが『特別編』です。
こないだ『ゼイラム』のレビューにも書きましたけど、アナログにはアナログならではの良さがあるワケで、CGでオリジナル作品に手を加えること自体、ファンの神経を逆撫でするような行為です。
今回のドキャメンタリーでピープルの一人が「もしダウ゛ィンチが現代に現れて、モナリザの口元が理想通りに描けてないとか言って修正しようとしたら、絶対止めるだろ?」みたいな事を言ってましたけど、確かにその通りですね。
でも、映像技術に関する修正だけなら、まだ許せた。ルーカス氏はさらに、登場人物のキャラクター設定を揺るがしちゃうような改編までやらかしたもんだから、熱狂的なファン達はそこで激怒したワケです。
それもよりによって、最もファンに愛された人物=ハン・ソロ船長(ハリソン・フォード)の初登場シーンですよ。賞金稼ぎのエイリアンに銃で脅されながらもソロ船長は、テーブルの下でこっそり銃を抜き、不意打ちで相手を射殺しちゃう。
その狡猾さと非情さにこそファンはシビレたのに、『特別編』ではエイリアンが先に発砲してからソロ船長が撃ち返す=正当防衛って事に変更されちゃった。
約20年の間にルーカス氏も子を持つ親になり、モラルを重視するようになったワケですが、だからって登場人物の人間性まで今さら修正(ファンにとっては改悪)して良いものか?
この場面に関しては多くのファンが文句を言ってて、ドキュメンタリー本編だと一部しか観られないけど、ソロ船長は果たして正当防衛だったか否かを審議する裁判を描いたパロディー(映像特典で全長版が観られます)が傑作でしたw
証拠として過去に発売された『SW』のビデオソフトやDVDが提出されるんだけど、バージョンによって撃つタイミングが違うから裁判は大混乱w ソロ船長を裁く裁判なのに、いつの間にかルーカス氏が被告になってるというw
そうやってバージョン違いのソフトが発売される度に、不毛な行為と分かってても買わずにいられない、マニア達の嘆きがまた面白いんですよね。その気持ち、すんごいよく解りますからw
で、満を持して2000年代に登場する、新三部作ですよ。ファンは『特別編』に違和感を覚えながらも、約20年ぶりの『SW』新作ですから、期待値は依然MAXなまんまです。ところが…
観られた方ならお分りでしょう。『エピソード1/ファントム・メナス』は、信じられないほどつまんなかったですよねw
まず、その現実を目の当たりにして、ファン達は困惑します。おかしいぞ、こんなにつまんない筈はないぞって事で、納得出来ないファン達が答えを求めてリピート鑑賞するもんだから、あんなにつまんないのに再び世界的大ヒットw
つまんない理由は色々あるんだけど、なかなか理屈では説明しづらい。そこでファン達は、ジャー・ジャー・ビンクスという新キャラに八つ当りしますw このジャー・ジャーの嫌われっぷりがもう、半端じゃない。CGキャラだから余計に叩き易かったんでしょうねw
確かにとってもウザいキャラなんだけど、別にジャー・ジャーがいるから作品が駄目になったワケじゃない。それでも、何かにぶつけないとやりきれなかったんでしょう。「ルーカスに裏切られた」という、失望と怒りを。
別にルーカス氏だって、裏切ったつもりは全く無かった筈です。だけど、あの人は『SW』をあまりに私物化し過ぎてしまった。新三部作では監督も全てルーカス氏自身が務めましたから、本当に100%、ルーカス氏の思い通りに創られたワケで、それが裏目に出たとしか思えない。
日本でも『宇宙戦艦ヤマト』や『エウ゛ァンゲリオン』が似たような経緯を辿りましたけど(キャラクター商品でボロ儲けしてる構図も似てます)、一人の創り手が独裁的に作品をコントロールしちゃうと、大抵はおかしな方向に行っちゃうんですよね。
ファンは続きの物語に過度な期待を抱き、勝手に理想の続編を想像するんだけど、当然ながら作者の思い描く理想とは必ずしも一致しません。
だから作者はある程度、ファンの希望も作品に取り入れてあげるべきなんだけど、ルーカス氏はそれを無視して、全て自分のやりたいようにやっちゃった。
それが旧三部作を凌ぐ位に面白ければ、誰も文句は言わないんだけど、続くエピソード2も3も、1ほど酷くはないにせよ、ことごとくツボを外したような、なんとも微妙な出来に終わっちゃった。
そもそも『SW』ファンの熱狂度ってのは半端じゃなく、人生そのものにまで影響を受けた人も数知れずですから、今やネット社会である事も手伝って、中国の反日デモ並みに…いや、それを遥かに凌ぐほど巨大なうねりとなって、ファン達によるルーカス批判が拡大して行ったワケです。
…と、いうようないきさつで、ファンの間じゃ『特別編』と新三部作への不満、ジャー・ジャー・ビンクスへの憎しみ等が共通認識になってて、もはや笑いのネタにまで昇華されてるワケです。
だから真剣に怒りをぶちまけてるファンの姿が映し出されても、なんとなくコミカルに見えちゃうし、その合間にルーカス氏本人が意図せずに言った「これは私の作品だから、どうしようと私の勝手だ」とか「ジャー・ジャーは画期的なキャラだから、一番の人気者になるよ」ってな過去のコメントが、絶妙なタイミングで挿入されてて、可笑しいったらありゃしないw
だけど、それ程までに痛烈な批判や皮肉、罵詈雑言を浴びせ、おちょくってるにも関わらず、観ててちっとも不快に感じないのは、そこに愛があるからなんですよね。
どれだけ文句を言っても、結局みんな『SW』が好きでたまらないし、その創造主であるルーカス氏を心からリスペクトし、感謝してるんですよね。前述の通り、可愛さ余って憎さ100倍なんです、本当に。
私自身はと言えば、そこまで熱狂的には『SW』にハマってなかったけど、ハリソン・フォードの出世作としても特別な作品だし、大方のファンと同じ不満を『特別編』や新三部作には感じてます。
だから大いに共感しましたし、思い入れがあり過ぎるマニアの人達を見て笑いつつも、身につまされたりもしました。でもホント、愛すべき人達ですよ。
ちなみに本作が公開された時点では、ルーカス氏本人はまだ中身を観てなかったそうです。つまり、本人の了解なしで製作され、勝手に公開されたワケですねw アメリカって凄いなぁ…
いやぁー面白かったです。『SW』が好きであればあるほど楽しめると思いますし、アメリカのオタク文化を知るには持って来いのドキュメンタリーですね。別に知る必要ないけどw
それと、無口でお人好しの青年だったジョージ・ルーカスが、冨と権力を得ておかしくなっていく、そのプロセスもよく描かれてて興味深いです。
そもそもルーカス氏は、最初の『SW』やそれ以前の作品を創るにあたって、大手スタジオの権力者達からさんざん圧力をかけられ、コキ下ろされて大いに傷ついた、ナイーブな若手映画作家だったんです。
だからこそ、作品を100%自分でコントロールする事に異常な執念を燃やし、気がつけば自分自身が権力者となって、帝国を支配するようになっちゃった。
それはまるで、善良な青年アナキン・スカイウォーカーが悪の権化ダース・ウ゛ェイダーになっていく過程を見てるようで、見事に『SW』本編ともリンクしてるんですよね。考えようによっちゃ悲劇なんです。
そういう角度から見ても実によく出来たドキュメンタリーで、これは皆さんにも是非オススメしたい作品です。
『SW』旧三部作に熱狂し、その創造主=ジョージ・ルーカスを神様みたいに崇めてたファン達の、『特別編』や新三部作への失望と怒り=ルーカス氏への恨みつらみが、これでもかと爆発してますw
有名・無名を問わず、『SW』への熱い想いと、ルーカス氏に対して「可愛さ余って憎さ100倍」のクレームをまくしたてるファン達のコメント、そして全世界で無数に創られた『SW』パロディー映像(上の画像はその一部)で構成された、実に濃密な2時間です。
誰もが『SW』をよく知ってるワケじゃないでしょうから、簡単に歴史をおさらいしますと、まず1977年に全米公開された『スター・ウォーズ』が、当時の興行記録を全て塗り替える大ヒットとなり、世界中でブームを巻き起こします。
で、この時点で熱狂的なファンも世界中で生まれ、フィギュア等のグッズを買い漁るマニア達によって、そっち方面のビジネスでもルーカス氏は大成功、瞬く間に巨万の冨を得ます。
で、その財産でルーカス氏は自らの特撮工房=ILMや、撮影スタジオ=スカイウォーカー・ランチを設立、続編『帝国の逆襲』以降は自己資産により自分の映画会社で製作するという、作品創りを100%自分でコントロールするパワーを手に入れたワケです。
それと同時にルーカス氏は、『SW』が全9話で構成された壮大な歴史絵巻であり、第1作目は中間の三部作の冒頭にあたる=エピソード4なんだと発表し、世界中の映画ファンの度胆を抜きます。(最終的には全6話で一応完結)
監督をアーウ゛ィン・カーシュナー氏に任せた第2作=エピソード5『帝国の逆襲』がまた、宗教色を強めた奥深い内容だった事でさらにファン=信者達を熱狂させ、ルーカス氏はますます神格化される事になります。
リチャード・マーカンド監督によるエピソード6『ジェダイの帰還』は微妙な出来だったけど、ファンは残りの6作を首を長くして待ち続け、その待ってる期間が10年以上に及んだものだから、新三部作(エピソード1〜3)の製作開始が発表されるや、その期待度はMAXに高まっちゃったワケです。
ところが、それに先がけて公開された旧三部作のリストア版『特別編』で、雲行きが怪しくなります。
旧作の製作当時はまだ特撮技術が発展途上だった為に、ルーカス氏のビジョンが完璧には表現出来なかったって事で、'90年代に進化したCG技術を駆使し、修正を施したのが『特別編』です。
こないだ『ゼイラム』のレビューにも書きましたけど、アナログにはアナログならではの良さがあるワケで、CGでオリジナル作品に手を加えること自体、ファンの神経を逆撫でするような行為です。
今回のドキャメンタリーでピープルの一人が「もしダウ゛ィンチが現代に現れて、モナリザの口元が理想通りに描けてないとか言って修正しようとしたら、絶対止めるだろ?」みたいな事を言ってましたけど、確かにその通りですね。
でも、映像技術に関する修正だけなら、まだ許せた。ルーカス氏はさらに、登場人物のキャラクター設定を揺るがしちゃうような改編までやらかしたもんだから、熱狂的なファン達はそこで激怒したワケです。
それもよりによって、最もファンに愛された人物=ハン・ソロ船長(ハリソン・フォード)の初登場シーンですよ。賞金稼ぎのエイリアンに銃で脅されながらもソロ船長は、テーブルの下でこっそり銃を抜き、不意打ちで相手を射殺しちゃう。
その狡猾さと非情さにこそファンはシビレたのに、『特別編』ではエイリアンが先に発砲してからソロ船長が撃ち返す=正当防衛って事に変更されちゃった。
約20年の間にルーカス氏も子を持つ親になり、モラルを重視するようになったワケですが、だからって登場人物の人間性まで今さら修正(ファンにとっては改悪)して良いものか?
この場面に関しては多くのファンが文句を言ってて、ドキュメンタリー本編だと一部しか観られないけど、ソロ船長は果たして正当防衛だったか否かを審議する裁判を描いたパロディー(映像特典で全長版が観られます)が傑作でしたw
証拠として過去に発売された『SW』のビデオソフトやDVDが提出されるんだけど、バージョンによって撃つタイミングが違うから裁判は大混乱w ソロ船長を裁く裁判なのに、いつの間にかルーカス氏が被告になってるというw
そうやってバージョン違いのソフトが発売される度に、不毛な行為と分かってても買わずにいられない、マニア達の嘆きがまた面白いんですよね。その気持ち、すんごいよく解りますからw
で、満を持して2000年代に登場する、新三部作ですよ。ファンは『特別編』に違和感を覚えながらも、約20年ぶりの『SW』新作ですから、期待値は依然MAXなまんまです。ところが…
観られた方ならお分りでしょう。『エピソード1/ファントム・メナス』は、信じられないほどつまんなかったですよねw
まず、その現実を目の当たりにして、ファン達は困惑します。おかしいぞ、こんなにつまんない筈はないぞって事で、納得出来ないファン達が答えを求めてリピート鑑賞するもんだから、あんなにつまんないのに再び世界的大ヒットw
つまんない理由は色々あるんだけど、なかなか理屈では説明しづらい。そこでファン達は、ジャー・ジャー・ビンクスという新キャラに八つ当りしますw このジャー・ジャーの嫌われっぷりがもう、半端じゃない。CGキャラだから余計に叩き易かったんでしょうねw
確かにとってもウザいキャラなんだけど、別にジャー・ジャーがいるから作品が駄目になったワケじゃない。それでも、何かにぶつけないとやりきれなかったんでしょう。「ルーカスに裏切られた」という、失望と怒りを。
別にルーカス氏だって、裏切ったつもりは全く無かった筈です。だけど、あの人は『SW』をあまりに私物化し過ぎてしまった。新三部作では監督も全てルーカス氏自身が務めましたから、本当に100%、ルーカス氏の思い通りに創られたワケで、それが裏目に出たとしか思えない。
日本でも『宇宙戦艦ヤマト』や『エウ゛ァンゲリオン』が似たような経緯を辿りましたけど(キャラクター商品でボロ儲けしてる構図も似てます)、一人の創り手が独裁的に作品をコントロールしちゃうと、大抵はおかしな方向に行っちゃうんですよね。
ファンは続きの物語に過度な期待を抱き、勝手に理想の続編を想像するんだけど、当然ながら作者の思い描く理想とは必ずしも一致しません。
だから作者はある程度、ファンの希望も作品に取り入れてあげるべきなんだけど、ルーカス氏はそれを無視して、全て自分のやりたいようにやっちゃった。
それが旧三部作を凌ぐ位に面白ければ、誰も文句は言わないんだけど、続くエピソード2も3も、1ほど酷くはないにせよ、ことごとくツボを外したような、なんとも微妙な出来に終わっちゃった。
そもそも『SW』ファンの熱狂度ってのは半端じゃなく、人生そのものにまで影響を受けた人も数知れずですから、今やネット社会である事も手伝って、中国の反日デモ並みに…いや、それを遥かに凌ぐほど巨大なうねりとなって、ファン達によるルーカス批判が拡大して行ったワケです。
…と、いうようないきさつで、ファンの間じゃ『特別編』と新三部作への不満、ジャー・ジャー・ビンクスへの憎しみ等が共通認識になってて、もはや笑いのネタにまで昇華されてるワケです。
だから真剣に怒りをぶちまけてるファンの姿が映し出されても、なんとなくコミカルに見えちゃうし、その合間にルーカス氏本人が意図せずに言った「これは私の作品だから、どうしようと私の勝手だ」とか「ジャー・ジャーは画期的なキャラだから、一番の人気者になるよ」ってな過去のコメントが、絶妙なタイミングで挿入されてて、可笑しいったらありゃしないw
だけど、それ程までに痛烈な批判や皮肉、罵詈雑言を浴びせ、おちょくってるにも関わらず、観ててちっとも不快に感じないのは、そこに愛があるからなんですよね。
どれだけ文句を言っても、結局みんな『SW』が好きでたまらないし、その創造主であるルーカス氏を心からリスペクトし、感謝してるんですよね。前述の通り、可愛さ余って憎さ100倍なんです、本当に。
私自身はと言えば、そこまで熱狂的には『SW』にハマってなかったけど、ハリソン・フォードの出世作としても特別な作品だし、大方のファンと同じ不満を『特別編』や新三部作には感じてます。
だから大いに共感しましたし、思い入れがあり過ぎるマニアの人達を見て笑いつつも、身につまされたりもしました。でもホント、愛すべき人達ですよ。
ちなみに本作が公開された時点では、ルーカス氏本人はまだ中身を観てなかったそうです。つまり、本人の了解なしで製作され、勝手に公開されたワケですねw アメリカって凄いなぁ…
いやぁー面白かったです。『SW』が好きであればあるほど楽しめると思いますし、アメリカのオタク文化を知るには持って来いのドキュメンタリーですね。別に知る必要ないけどw
それと、無口でお人好しの青年だったジョージ・ルーカスが、冨と権力を得ておかしくなっていく、そのプロセスもよく描かれてて興味深いです。
そもそもルーカス氏は、最初の『SW』やそれ以前の作品を創るにあたって、大手スタジオの権力者達からさんざん圧力をかけられ、コキ下ろされて大いに傷ついた、ナイーブな若手映画作家だったんです。
だからこそ、作品を100%自分でコントロールする事に異常な執念を燃やし、気がつけば自分自身が権力者となって、帝国を支配するようになっちゃった。
それはまるで、善良な青年アナキン・スカイウォーカーが悪の権化ダース・ウ゛ェイダーになっていく過程を見てるようで、見事に『SW』本編ともリンクしてるんですよね。考えようによっちゃ悲劇なんです。
そういう角度から見ても実によく出来たドキュメンタリーで、これは皆さんにも是非オススメしたい作品です。