手前味噌というより、観て頂くにあたっての言い訳ですm(__)m 創り手は黙って、自信を持って自作を差し出すべきだけど、まぁ遠い過去の作品ですから、いいじゃないですかw
商業作品としては、辻本貴則監督との共作『抱腹絶闘』に続く2本目の監督作で、『KILLERS』はこの次になります。依頼が来たのは2001年の秋、9.11テロと前後する時期でした。
「5〜6分の連続ミニドラマを約10本、松浦亜弥っていうアイドルを使って撮ってみる? 内容は任せるから」
嘘みたいな話ですが、本当にそんなオファーが、何の前触れも無く舞い込んだのです。クライアントは前述の『抱腹絶闘』と同じ製作会社で、この頃は私の事をとても買ってくれてました。そう、この頃はw
ドラマと言ってもハロプロの深夜バラエティー番組『アイドルをさがせ!』内の1コーナーで、ハロプロ所属のアイドルを主役にコメディー派の新人監督がミニドラマを撮る、実験的な、もっと言えばお遊びのドラマです。
だから歴代の監督さんは、かなりコントに近い内容で、ラフな撮り方をされてました。それで正解なんです。視聴者はアイドルが可愛く面白い事をする姿が見たいだけなんだし、ドラマとしてしっかりしたものを撮るには、予算も時間も無さ過ぎるんです。
でも、私はコントの演出がやりたかったワケじゃなくて、目指してたのは笑いのあるアクション映画の監督です。コントを撮る気はサラサラ無かったし、そんなスキルも持ち合わせてませんでした。
内容は任せると言われれば、これはもう刑事ドラマしかあり得ないだろうとw それをやる為に私は、プロを目指してたワケですから。
ちゃんとした刑事ドラマを創るには莫大な予算が必要で、そんな番組を任せてもらえる監督になるまで、あと何年かかるか分からない。なれるかどうかも分からない。
だから逆に、確実に刑事物をやれる機会は、今しか無いぞと。お遊びドラマの枠なら、リアルな警察署のセットやらパトカーやらが無くたって、強引に成立させられない事は無いぞと。
そんなワケで、いつかテレビで連続物の刑事ドラマをやりたい!っていう夢が、のっけから叶ってしまいました。それは自分にとって良かったのか悪かったのか…(目標として置いとくべきだったのかも)
その当時、あややはまだ売出し中で、私は彼女を知りませんでした。でも、近所の幼い子供は知ってました。しかも熱烈にファンだと言う。書店に行ってアイドル雑誌や音楽雑誌を見てみたら、かなりの割合で彼女が表紙を飾ってるではありませんか!
元からタイトだった撮影スケジュールが、彼女がみるみるメジャーになるにつれ、さらに厳しいものになっちゃった。1日の撮影で、なんと3話分を消化しないといけない!
いくら5分程度のミニドラマとはいえ、3話分となると合計15分。なるほど、これじゃあコントみたいにラフな撮り方でないと、全部撮り切れないワケです。(映画なら、数秒のシーンでも1日がかりだったりします)
でも、私にはコントは撮れません。撮る気もない。それまでやって来た通りのやり方で、つまり映画の撮り方でやるしか無いのです。
無謀でしたw 絵コンテを描いてみると、1日で撮らなくちゃならないカット数が、軽く100を超えている! どう考えても不可能です。考えに考えて、私が出した結論は…
「でもまぁ、何とかなるかも」(笑)
何ともなりませんでしたw ただでさえ無茶なのに、季節はもう冬。日の出と同時に撮影開始して、昼食タイム以外はノンストップで撮り続けても、太陽は無情にも途中で沈みました。
セットに移動しても、労働基準法により未成年のあややは21時に帰らなきゃいけません。撮影スタッフは、その日の朝に初めて会った人達ですw
まぁ、そんな事情を言い連ねても、本当に言い訳にしかなりません。どれもこれも、事前に分かってた事ですから。それでも「まぁ、何とかなるかもw」って思った私がバカなんですw
第3話の撮り残しは次回の撮影に回せたものの、第2話で撮り切れなかった「あややがお母さんに頬を叩かれる」という重要なハイライトは、次回に撮ってもオンエアには間に合いません。無かった事にする以外、どうする事も出来ませんでした。
まさにプロの洗礼です。前作『抱腹絶闘』は一応商業作品でしたが、期限があったワケではなく、スタッフも気心の知れた自主映画仲間でした。撮り残しは、いくらでも次回に回す事が出来ました。
今回はそうは行きません。放送に穴を空けるという最悪の事態は免れたものの、第2話はクライマックスの抜け落ちた、スカスカなエピソードになっちゃいました。
それだけではなく、私は撮影初日、とにかくテンパってました。それがキャストを不安にさせ、主役あややも初日はガチガチに固くなって、魅力を発揮出来てません。
脇の役者達の芝居に目を配る余裕も無くて、自分ばかり目立とうとオーバーなコメディー演技をする若手俳優達を、押さえる事が出来ませんでした。
それともう一つ、刑事部屋のボス=藤堂係長を演じてるお爺さんw(いつ亡くなるか分からない感じだったのに、今でもバラエティー番組でよくお見かけしますw)
芝居が出来ない人なのは、知った上でキャスティングしました。前任の監督さんが使ってるのを観て、その出来なさ加減が可笑しくてツボにハマってしまい、是非にと思って登場願いました。
誤算でしたm(__)m コント的な内容ならば素人芝居も笑えるんだけど、私が目指す映画的コメディーじゃ通用しないんです。しっかりした芝居に支えられてこそ、初めて成立する世界なんです。
まさか、あそこまで出来ない人だとは思ってなかった、という誤算もありましたがw、初日に撮った分の仕上がりを観て、第4話以降はボスを喋らせない方針に切り替えましたw
そんなワケで最初の3話は、一番大事な「掴み」だというのに、自信を持ってお見せする事が出来ませんm(__)m
監督の私が本来の力を、主役のあややが本来の輝きを発揮するのは、第4話からです(全部で9話)。
4話以降をご覧になっても面白くなければ、それはもう私の力が足りないからです、と認めるしかありません。
でも、最初の3話だけは、どうか若気の至りとして、あるいはタニオ・チクビッティーに免じて、大目に見てやっては頂けないでしょうかm(__)m
どれもこれも、自分の認識の甘さが原因ですから、言い訳しても仕方ないんですけれど。最初の3話で見限られちゃうのが怖くて、言わずにいられないんです。
内容について何も触れてませんが、当時15歳の松浦亜弥が、なぜか刑事になって大活躍するナンセンス・コメディーって事で、まぁ充分かとw
あややに『スケバン刑事』のパロディーをやらせてるあたり、先見の明はあったかなとw
まぁ内容はともかく、あややが最も新鮮で、ピチピチ弾けてた時期の姿を見るだけでも、充分に価値はあるんじゃないかと思います。
ちなみに、私もちょこっとだけ出演してますw
商業作品としては、辻本貴則監督との共作『抱腹絶闘』に続く2本目の監督作で、『KILLERS』はこの次になります。依頼が来たのは2001年の秋、9.11テロと前後する時期でした。
「5〜6分の連続ミニドラマを約10本、松浦亜弥っていうアイドルを使って撮ってみる? 内容は任せるから」
嘘みたいな話ですが、本当にそんなオファーが、何の前触れも無く舞い込んだのです。クライアントは前述の『抱腹絶闘』と同じ製作会社で、この頃は私の事をとても買ってくれてました。そう、この頃はw
ドラマと言ってもハロプロの深夜バラエティー番組『アイドルをさがせ!』内の1コーナーで、ハロプロ所属のアイドルを主役にコメディー派の新人監督がミニドラマを撮る、実験的な、もっと言えばお遊びのドラマです。
だから歴代の監督さんは、かなりコントに近い内容で、ラフな撮り方をされてました。それで正解なんです。視聴者はアイドルが可愛く面白い事をする姿が見たいだけなんだし、ドラマとしてしっかりしたものを撮るには、予算も時間も無さ過ぎるんです。
でも、私はコントの演出がやりたかったワケじゃなくて、目指してたのは笑いのあるアクション映画の監督です。コントを撮る気はサラサラ無かったし、そんなスキルも持ち合わせてませんでした。
内容は任せると言われれば、これはもう刑事ドラマしかあり得ないだろうとw それをやる為に私は、プロを目指してたワケですから。
ちゃんとした刑事ドラマを創るには莫大な予算が必要で、そんな番組を任せてもらえる監督になるまで、あと何年かかるか分からない。なれるかどうかも分からない。
だから逆に、確実に刑事物をやれる機会は、今しか無いぞと。お遊びドラマの枠なら、リアルな警察署のセットやらパトカーやらが無くたって、強引に成立させられない事は無いぞと。
そんなワケで、いつかテレビで連続物の刑事ドラマをやりたい!っていう夢が、のっけから叶ってしまいました。それは自分にとって良かったのか悪かったのか…(目標として置いとくべきだったのかも)
その当時、あややはまだ売出し中で、私は彼女を知りませんでした。でも、近所の幼い子供は知ってました。しかも熱烈にファンだと言う。書店に行ってアイドル雑誌や音楽雑誌を見てみたら、かなりの割合で彼女が表紙を飾ってるではありませんか!
元からタイトだった撮影スケジュールが、彼女がみるみるメジャーになるにつれ、さらに厳しいものになっちゃった。1日の撮影で、なんと3話分を消化しないといけない!
いくら5分程度のミニドラマとはいえ、3話分となると合計15分。なるほど、これじゃあコントみたいにラフな撮り方でないと、全部撮り切れないワケです。(映画なら、数秒のシーンでも1日がかりだったりします)
でも、私にはコントは撮れません。撮る気もない。それまでやって来た通りのやり方で、つまり映画の撮り方でやるしか無いのです。
無謀でしたw 絵コンテを描いてみると、1日で撮らなくちゃならないカット数が、軽く100を超えている! どう考えても不可能です。考えに考えて、私が出した結論は…
「でもまぁ、何とかなるかも」(笑)
何ともなりませんでしたw ただでさえ無茶なのに、季節はもう冬。日の出と同時に撮影開始して、昼食タイム以外はノンストップで撮り続けても、太陽は無情にも途中で沈みました。
セットに移動しても、労働基準法により未成年のあややは21時に帰らなきゃいけません。撮影スタッフは、その日の朝に初めて会った人達ですw
まぁ、そんな事情を言い連ねても、本当に言い訳にしかなりません。どれもこれも、事前に分かってた事ですから。それでも「まぁ、何とかなるかもw」って思った私がバカなんですw
第3話の撮り残しは次回の撮影に回せたものの、第2話で撮り切れなかった「あややがお母さんに頬を叩かれる」という重要なハイライトは、次回に撮ってもオンエアには間に合いません。無かった事にする以外、どうする事も出来ませんでした。
まさにプロの洗礼です。前作『抱腹絶闘』は一応商業作品でしたが、期限があったワケではなく、スタッフも気心の知れた自主映画仲間でした。撮り残しは、いくらでも次回に回す事が出来ました。
今回はそうは行きません。放送に穴を空けるという最悪の事態は免れたものの、第2話はクライマックスの抜け落ちた、スカスカなエピソードになっちゃいました。
それだけではなく、私は撮影初日、とにかくテンパってました。それがキャストを不安にさせ、主役あややも初日はガチガチに固くなって、魅力を発揮出来てません。
脇の役者達の芝居に目を配る余裕も無くて、自分ばかり目立とうとオーバーなコメディー演技をする若手俳優達を、押さえる事が出来ませんでした。
それともう一つ、刑事部屋のボス=藤堂係長を演じてるお爺さんw(いつ亡くなるか分からない感じだったのに、今でもバラエティー番組でよくお見かけしますw)
芝居が出来ない人なのは、知った上でキャスティングしました。前任の監督さんが使ってるのを観て、その出来なさ加減が可笑しくてツボにハマってしまい、是非にと思って登場願いました。
誤算でしたm(__)m コント的な内容ならば素人芝居も笑えるんだけど、私が目指す映画的コメディーじゃ通用しないんです。しっかりした芝居に支えられてこそ、初めて成立する世界なんです。
まさか、あそこまで出来ない人だとは思ってなかった、という誤算もありましたがw、初日に撮った分の仕上がりを観て、第4話以降はボスを喋らせない方針に切り替えましたw
そんなワケで最初の3話は、一番大事な「掴み」だというのに、自信を持ってお見せする事が出来ませんm(__)m
監督の私が本来の力を、主役のあややが本来の輝きを発揮するのは、第4話からです(全部で9話)。
4話以降をご覧になっても面白くなければ、それはもう私の力が足りないからです、と認めるしかありません。
でも、最初の3話だけは、どうか若気の至りとして、あるいはタニオ・チクビッティーに免じて、大目に見てやっては頂けないでしょうかm(__)m
どれもこれも、自分の認識の甘さが原因ですから、言い訳しても仕方ないんですけれど。最初の3話で見限られちゃうのが怖くて、言わずにいられないんです。
内容について何も触れてませんが、当時15歳の松浦亜弥が、なぜか刑事になって大活躍するナンセンス・コメディーって事で、まぁ充分かとw
あややに『スケバン刑事』のパロディーをやらせてるあたり、先見の明はあったかなとw
まぁ内容はともかく、あややが最も新鮮で、ピチピチ弾けてた時期の姿を見るだけでも、充分に価値はあるんじゃないかと思います。
ちなみに、私もちょこっとだけ出演してますw