終戦記念日とは何ら関係ありませんm(_ _)m そもそも本作は戦争映画じゃないんです。
『ワールド・ウォーZ』の『Z』とは「マジンガーZ」でも「ももいろクローバーZ」でもなく、ゾンビ(Zombie)の頭文字です。
B級ホラーの定番であるゾンビ映画を、トップスターを主演に据えた夏のファミリー超大作として創ったら、どんな事になるか? これまで有りそうで無かった試みを、ブラッド・ピットが自ら率いるプロダクションで実現してくれました。
これは面白かったです。何気ない日常が突如、謎のウィルスの世界的流行により地獄絵図へと一変する冒頭から、ラストまでほぼノンストップで緊迫のヤマ場が続いて行きます。
ゾンビも昨今はどんどん凶暴かつ俊敏になっており、本作では更に軍隊アリのごとき集団行動力まで加わり、2つ目の画像みたいな身の毛もよだつ場面も観られます。
圧巻は、ブラピを乗せた旅客機に1体のゾンビが紛れ込み、飛行中に満員の乗客達がみるみるゾンビ化していく、乳首も凍るような場面。逃げ場も武器も無い状況下で、ブラピは一体どうやって生き延びるのか!?
ブラピは元・国連調査員で戦場を駆け巡った経験から、サバイバルのスキルは身につけてるものの、兵士でもスパイでもない普通の民間人なんですね。
そんな彼が、ウィルスの発生源を調査して原因を究明し打開策を検討せよ、なんていうムチャな使命を政府から受けて、父親として家族を守るのか公人として世界を救うのか、という究極の選択を迫られ葛藤します。
けど放っておけばどのみち、家族どころか人類が滅亡するしかないという現実。ブラピは涙を呑んで家族と離れ、世界各地の危険地帯に乗り込んで行きます。
ただ逃げ回るだけのパニック・ホラーと違って、主人公が原因究明の為にアグレッシヴに走り回り、断片的な手掛かりを集めて推理を働かせ、打開策を組み立てて行く過程がストーリーの軸になってるんですよね。
メジャー大作の夏休み映画ですから、グロテスクな描写は巧みに避けてあるし、そのぶん如何にも絶体絶命のシチュエーションを主人公にぶつけ、彼がどうやってそれを切り抜けるのか?っていうスリル描写に、創り手たちの知恵が絞りに絞られてます。
だから、ホラー映画が苦手な人でも全然大丈夫。一流のスタッフ&キャストによる一級品の災害パニック映画でありつつ、ゾンビ映画の面白さも味わえちゃうという「一粒で二度美味しい」アトラクション映画です。
ブラピはやっぱ、アグレッシヴに行動する信念の男がよく似合います。プロデューサーとしても『キック・アス』等の素晴らしい作品を生み出してますからね。さすがはアンジーの旦那さんですよ。
そんなブラピが、凶暴なゾンビの群れと如何にして闘い、危機を乗り越えて人類を救うのか? 公開中なので是非、劇場でお確かめ下さい。
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『ワールド・ウォーZ 』
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