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ワイフと私のヒストリーPart.10

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私はカウンセラーの仕事を始めたAさんの生活を支える為に、北神戸で同居生活を送ってましたが、それは私の人生の中で最もツラい修行の日々となりました。

私の言動の全てをAさんにチェックされてるみたいな意識が常につきまとい、いつ何がキッカケで彼女がキレるか分からないし、キレたら何時間でも罵倒と説教を受ける羽目になるから、慎重に慎重に言葉を選びながら同居人と接する毎日でした。

一緒に遊びに出掛けるような事も無かったワケではありません。けど、常に自分の言動に注意しながら遊んでても、やっぱ楽しくはならないですよね。

この時期に私は念願のサザンオールスターズのLIVEを観に行く事が叶ったのですが、すぐ横にいるAさんの顔色を気にしながらLIVEを観たって、そんなの楽しいワケがありません。

Aさんだって、そんな私と一緒にいても楽しくない筈だけど、彼女はかなりの寂しがり屋だった為、どこへ行くにも私がお供してました。

今思えば「いい歳した女性が独りでいる」みたいに世間から見られたくないから、私はカモフラージュ的に使われてただけかも知れません。

いずれにせよ、自分が自分らしく過ごせるのは、1人きりになれる僅かな時間だけでした。独りでいる事がこれほど幸せに感じた事はありません。

だから私は、こんなにしんどい日々を過ごす位なら、一生独りでいた方がずっとマシ…どころか、むしろ喜んで孤独な人生を選択したいって、心底から思ってましたよ。

Aさんの論理によれば、全ての原因は私自身にあり、私の方が一方的にAさんを苦しめてるって事らしいから、どんな相手と一緒になっても、私が私である限り幸せにはなれないワケです。

だから、元より薄かった結婚願望が、この北神戸にいた約1年間で完全に無くなりましたね。むしろ「絶対に結婚なんかしたくない! してはいけない!」っていうタブーにまでなっちゃった。

ちなみにこの1年間、私はどうやって毎月15万円ものお金を彼女に支払いながら、自分の生活費をキープしていたか?

最初の2カ月ほどは、まだテレビ脚本の仕事がありました。あれは1本書く毎に現在の月収の二倍以上はギャラが入ったし、ビデオ化されれば印税も入って来ますから、前半はそれで何とかしのげました。

でも、まだまだ続くと思ってた特撮シリーズが打ち切られてしまい、次の仕事がいつ決まるか分からない状況になって、私は仕方なく大阪に出て、ニガテな営業活動をしました。

で、母校である大阪ビジュアルアーツ専門学校で、週1回だけ講師をやらせて頂く事になったんですね。さらに、Aさんがバイトしてたコンビニで夜勤の仕事もするようになりました。

まぁ、それでも毎月15万(プラス自分の生活費)の支払いはキツくて、カードローンで借金したり生命保険を解約したりして、何とかお金を作ってました。

何故そこまでして?って思われるでしょうが、あの時の私は一種のトリップ状態だったんですね。特殊な環境下に身を置くと、感覚が麻痺しちゃうんです。こんな事は恐らく、世の中の至る所で起こってるんじゃないでしょうか?

一方、ワイフも試練の時を迎えてました。東京を去った後、大阪でイベントの仕事を続けていたのだけど、お母さんが病に倒れたのをキッカケに、ワイフは介護の仕事を始めてました。

そんな大変な時期の中でワイフは、ふと私の事が気になって連絡をくれたんです。実に2年振り位だったと思いますが、ちょうどAさんが実家に戻ってる時にワイフと会う事になりました。

東京にいた時も、私がプロデューサーXに追い詰められてズタボロになってる時に限って、ワイフは連絡をくれました。去年は、私が腎臓結石の手術で病院を何軒もたらい回しにされて、相当凹んでた時にワイフからメールが来たんですよね。

ついこないだも、雨の日に配達でミスをして、慌ててバイクを走らせながら「路面濡れてる中でスピード出して、今ツルッと行ったら死ぬよなぁ」とか思ってたら、後から電話が掛かって来て「事故ってない? 大丈夫?」ってw

感じるらしいんですよね、彼女は。何かを… だから、うっかり浮気なんか出来やしませんw

それはともかく、久々にワイフと会って食事をしながら、私はその時のツラい境遇を彼女に聞いてもらいました。

それで少しはスッキリしたかと言えば、逆に私は後ろめたさを感じたりもしてました。Aさんも非常にカンの鋭い人でしたから、陰で悪口言ったら見抜かれちゃいそうな気がしたんですよね。

それほどまでに、私は骨の髄までAさんに支配されてたワケです。この時にワイフは、別に私とは恋仲でも何でもなかったのに、見知らぬAさんに対して「よくも私のオトコを傷モノにしやがって」なんてw、密かに憤ってくれてたそうです。

ワイフ自身も大変な時期だったのに、私は自分の事でいっぱいいっぱいで、愚痴を聞いてもらう事しか出来てなかったと思います。つくづく情けない限りですね。

ところが! この後、事態が急展開し、明るい光が差し込んで来る事になります。直接ワイフは関係してないんだけど、何だか運命的なものを感じずにはいられません。

なんと、Aさんに新しい恋人が出来て、あれよあれよと結婚する運びになったんです。Aさんはその男性と一緒に暮らす為に、予定より半年早く北神戸の家を出て行く事になりました。

つまり、その時点で残り約10ヶ月間の予定だった「修行」から、あと3ヶ月で解放される事に決まったワケです。残り3ヶ月なら、なんとか耐えられるかも!?

私は、その男性に心から感謝しました。千葉県に住むその男性は、ホントただの偶然なんだけど、苗字が私のワイフと同じなんですよねw

(つづく)


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