CSで観ました。「別に…」でお馴染み、沢尻エリカの女優復帰作として話題になった映画です。
冒頭から早速エリカ様の乳首がご開帳になるんだけど、「様」呼ばわりされてるお方の貴重なお乳首だというのに、なぜかイマイチありがたみが感じられませんでした。
だいたい20歳そこそこの小娘を、なんで「様」づけで呼ばなあかんねん!w
それはともかく、映画の内容もなんだか薄っぺらかったです。全国のアホなギャル達が憧れるトップモデルのエリカ様が、整形手術の後遺症や新世代ライバルの出現によって、心を病んで破滅して行きます。破滅です破滅。
明らかに和製『ブラック・スワン』を意識した映画だと思うんだけど、エリカ様がエリカ様のイメージそのまんまの傲慢キャラなもんだから、ちっとも感情移入出来ないんですよね。
『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンは、生真面目で繊細なハートを持ったごく普通の女子だったからこそ、生き馬の眼を抜く芸能界でズタボロにされてく姿に我々は共感する事が出来ました。
一方、ボクらのエリカ様がいくら心を病んで転落して行こうが、何もかも自業自得としか感じられないですよね。最初からクレイジーだった女が、よけいクレイジーになっただけw
いや、芸能界に憧れて上京した純情な田舎娘が、全身整形で別人に変身する事で本当の自分を見失っちゃった、みたいな悲劇だろうとは思うんだけど、心理描写がおざなりでイマイチ心情が伝わって来ないんですよね。
エリカ様の破滅に巻き込まれていくマネージャーの寺島しのぶさんも、その恋人の綾野剛くんも、エリカ様のセックスフレンド窪塚洋介くんも、どいつもこいつも薄っぺらくて何を考えてるのやらサッパリ解んないし。
いや、彼らは実際のところ何も考えてないんでしょう。「何も考えてない人」っていう個性なんだろうと思います。つまり、作者から脳みそもハートも最初っから与えられてないキャラクター。
人間の心に興味が無い創り手が生み出した世界の住人って、こうなっちゃうんですよね。頭が空っぽな人間しか存在しない世界観って、すんごい居心地悪いです。だから二度と観たくなくなっちゃう。
その分、作者の興味は赤を基調にした派手な色彩に集中してる感じなんだけど、そのへんもただ「こんなんやってみました。どう、斬新でしょ?」っていう、形だけの実験にしか私の眼には映らなかったです。
作者の中じゃ深い意味がちゃんとあるかも知れないけど、いかんせんエリカ様がワガママの果てに自滅していくようなお話ですから、意味なんか知りたくもないw
唯一の収穫はエリカ様の乳首…なんだけど、なぜかイマイチありがたみが…w 顔はなるほど、こうして見ると綺麗やなぁって思いましたから、エリカ様のPVとしては良く出来てるのかも知れません。
それにしても綾野くんと窪塚くんのバカっぷりが、あまりにもあんまりでした。なんか、女性の監督や脚本家が描く男のキャラって、果てしなく薄っぺらいバカである事がとても多い気がします。
女性から見ると、男ってそんな生き物にしか見えないのかなぁ? それとも、頭カラッポなイケメンにとことんメチャクチャにされたい!みたいな歪んだ願望でもあるんでしょうか?
男の創り手が描く女性像にもかなりの誤解や偏見があるでしょうけど、女性が描く男性像ほど酷くはないんじゃないかなぁ…