泣かせるぞ、泣かせるぞ、親子の絆で泣かせるぞ。
泣かせるぞ、泣かせるぞ、夫婦の死別で泣かせるぞ。
泣かせるぞ、泣かせるぞ、子役の演技で泣かせるぞ。
泣かせるぞ、泣かせるぞ、何が何でも泣かせるぞ。
……っていう空気が充満してるドラマや映画は、チョー苦手です。
結果的に泣いちゃうのは大歓迎なんだけど、「泣きたいんでしょ? どうぞこれで泣いて下さい、さぁ今ここで泣いて下さい」って感じで来られると、「いえいえ、別に」って反応に、私はどうしてもなっちゃいます。
夏ドラマの先陣を切ってスタートした満島ひかり主演の『WOMAN』には、そんな匂いがプンプンしてました。
偏見かも知れないけど、設定も展開も全てが「どうすれば女性視聴者を気持ち良く泣かせてやれるか」を目的にして創ってるようにしか、私には見えませんでした。
同じ脚本家さんによる『それでも、生きてゆく』や『最高の離婚』は、決してそんな作品じゃなかったと思います。描きたいテーマをハイセンスなユーモアを交えながら真摯に描いた結果… あくまで「結果的に」泣かされるドラマでした。
それが今回は、やけに泣かせる気満々に見えるし、ユーモアも無く、ひたすら暗いですよね。そんな作品を否定するつもりは全く無いけど、私は続けて観たいとは思えませんでした。
芦田愛菜ちゃんがブレイクしたドラマ『MOTHER』と同じ制作チームっていう先入観もあるけど、第2の愛菜ちゃんを売り出そうっていう戦略があまりにも、あからさまに見えちゃって仕方ありません。
『八重の桜』で綾瀬さんの幼少時代を演じた子で、確かにあの時は素晴らしいと思ったけど、今回は「やらされてる感」をすごい感じちゃって、なんだか痛々しく見えちゃいます。
シングルマザーの大変さは他のドラマでさんざん観て来たせいもあり、問題提起を促す為というよりも、やっぱ女性視聴者を泣かせる目的だけで選ばれた題材みたいに、私は感じちゃうんですよねぇ……
あくまで、何もかも私見であり偏見ですから、この作品を否定する意図は一切無い事を強調しておきたいと思います。真剣に創られたドラマであるのは間違いないです。
ただ、これは私が観たいドラマじゃないから、もう二度と観ませしぇ〜ん!って言いたかっただけであります。
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『WOMAN』
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