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裸のクドカン

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少なくとも、我々に何かを語らせるパワーが、クドカンもしくは朝ドラにあるのは確かですよね。良くも悪くも、たくさんの人の興味を引いてる。それはやっぱ、大したもんだと思います。

前回の記事に、あれだけ濃密かつ正直なコメントの数々を頂けたのは、クドカン並びに朝ドラスタッフ、そして私の功績ですw

で、このブログの読者さんの中でも、『あまちゃん』ワールドを快く受け入れる人、受け流す人、やんわり否定する人、激しく拒絶する人と、反応はやっぱ十人十色なんですよね。

その違いはどこから生まれるのか? それは前回も書いた通り、それぞれ生まれついての性格やら生い立ちやらトラウマやらが影響してるんでしょう。

だから一概にこれといった理由は言えません……なんて結論じゃ面白くないですから、あえてザックリとグループ分けするならば……

もしかすると『あまちゃん』は、クリエーター志向の強い人であればあるほど、否定したくなるドラマなのかも知れません。私なんかモロにそうだし、仕事で文章を書く人や、俳優志望だった人などが、どうも否定派になる傾向があるみたいです。

クドカンのしつこいギャグが鼻につくのも、創り手側の視点でドラマを観てるからじゃないでしょうか? 私が「ドラマ世界に浸ろうとしても、いちいちクドカンの顔がチラついて没頭出来ない」って書いたのと同じ心理です。

クリエーター志向であればあるほどクドカンの計算が見えてしまうし、それに対するハードルが高くなっちゃう。だから彼が我々を笑わせようとすればするほど冷めて来ちゃうワケです。

笑いの部分のみならず、しつこく繰り返される「じぇじぇ!」等の方言も、しつこく繰り返される挿入歌(なんとかのマーメイド)も、宮本信子さんのナレーションも、あざとさばっかり目につき、鼻につく。

クドカンは人一倍、そういう小技を使いたがるし、それが異常なほどしつこいw 創り手側の立場から見れば、ちょっとは本筋(ストーリー)で勝負してみろよ!って思うワケです。

更に突っ込んで言わせてもらえば、ストーリーで感動させる自信が無いから、そうやって小ネタに逃げてんじゃないの?とまで思っちゃう。どうしても創り手の心理を探るクセみたいなのが染み着いてるんですよね。

で、私の場合は特に「嫉妬」という厄介な感情もある。これは元コメディ作家としてクドカンの才能に嫉妬してるというよりも、ぷよぷよさんの仰る通り、彼があれほどの人気を集めてる現実に対して理不尽を感じちゃうんですね。

失笑を恐れずに言いますと、クドカン程度のユーモアなら、私にだって書けると正直思ってます。あの程度で笑ってくれるならチョロいもんですよホントに。

だけど、私にはあそこまで開き直る事が出来ないんです。前回か前々回にも書いたように、自由奔放過ぎるのは私の性に合わないし、もっとストーリーを重視したいし、もっと魅力的なキャラクターを生み出したい。

笑わせながらも登場人物に共感させ、時には泣かせて、社会風刺みたいなテーマも盛り込みたい。私はそういう高いハードルを越えようとして、もがいてました。自分で自分を縛り付けてたんです。

ところがクドカンは、全くもって自由なワケですよ!w いつもワガママ放題なキャラクターに好き勝手させて、『うぬぼれ刑事』に至っては刑事物のセオリーどころか、ストーリーの辻褄を合わせる事すら放棄してやりたい放題。

俺の苦しみ、俺の葛藤はいったい何だったの!?って言いたくなる気持ち、解って頂けるでしょうか? しかも、そんなハードルの低い作品創りをしてる人が、世間じゃ絶大なる人気を集めてるワケです。やってられっかよマジで!って、思いますよそりゃ。

こんなこと書いても負け犬の遠吠えにしかならないけど、私の作品はけっこう周りから高く評価されてました。でも、誰にでも理解出来て誰にでも楽しめるかと言えば、それは難しいワケです。クドカンのギャグみたいにベタベタじゃないですからね。

つまり、玄人受けはするけど大衆向けとは言えなかった。「すごく面白いんだけど、需要がねぇ…」って事で、泣かず飛ばず。まぁ、よくある話と言えばよくある話です。

……いやぁ、ぶっちゃけたなぁ!w 『裸のクドカン』って書きながら、気がつきゃ私自身がスッポンポンじゃないスかw

要するに、あの程度の仕事でボロ儲けしてるクドカンが羨ましいし、憎たらしいって事ですよ。

どう思われても構いません。これが私の本音です。


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