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『大奥・第一章』#01 〜#03

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正常な『大奥』w、とりあえず最初の3話を観てみました。これは5〜6年前のドラマでしょうか、主題歌がサザンオールスターズの『愛と欲望の日々』なんですね。そう言えばそうだったなぁって、この曲を聴いてた頃を回想したりもしました。

この第一章の主役は、松下由樹さん扮する「おふく」、後の春日局です。織田信長に謀反を起こした一族の娘として虐げられた幼少期。そして稲葉家に嫁ぐも、押し入って来た賊に犯されそうになり、思わず刺し殺した勢いで夫の妾まで殺してしまい、離縁状を叩きつけられ、3人の子を残して独り、流浪の身に。

徳川家康(藤田まこと)の温情などもあり、竹千代=後の家光の乳母として大奥入りするも、竹千代の実の母であり、信長の姪である江与(高島礼子)から徹底的に嫌われ、陰湿なイビリに耐えながら、家光を次期将軍にすべく奮闘する。

ちょうど第3話のラストで家光が将軍の座に就き、江与の「おのれ、おふく。絶対に許さん!」みたいな恨み節で、次回に続くといった展開ですw 江与ってのはつまり、昨年の大河ドラマ『江』で上野樹里ちゃんが演じた、江姫のことですよね?

あっちじゃ江が主役ですから、おふく(富田靖子)の方が悪役になってました。どっちの視点で描くかによって、同じ人物でもキャラ設定が180度も違っちゃうのが面白いですね。

だから、史実が真実ってワケじゃないって言うんです。本当の意味でリアルな時代劇なんか有り得ない。家光が絶対に100%男性だったと、誰が証明出来ましょうか? まぁ、そりゃ男だったんでしょうけどもw

このドラマにおけるおふく=春日局は悲劇のヒロインであり、我が子への愛情も深い普通の母親として描かれる一方、賊に襲われた修羅場の折りとは言え、夫の妾まで殺しちゃったのは明らかに私怨ですから、奥底に「もののけの血」みたいな魔性を秘める、怖い女である事もしっかり示されてます。

何年か前の大河ドラマ『春日局』は観てなかったのですが、誰が春日や江与を演じて、どんな人物像で描かれてたんでしょうか? 徳川家康なんかも、作品によって描かれ方が全然違いますもんね。

私はこれまで歴史ドラマにあまり興味が無かったのですが、同じ歴史、同じ人物が、作者の解釈や視点の置き所で全然違ったりするのは面白いなぁと、最近ちょっと好きになって来ました。真実を確かめようが無いからこそ、描き方にバリエーションがある。

ただ、どこまでのアレンジを許容出来るかは、観る人それぞれで違って来るんでしょうね。いくらなんでも男女逆転はやり過ぎ、歴史への冒涜だろうって感じる人がいたとしても、そりゃ仕方がないのかも知れません。

この正常版『大奥』だって、当時はそんな感じの批判に晒されてたのかも? なにせ主題歌がサザンだしw それが今、男女逆転『大奥』が出現したお陰で、凄くマトモなドラマに見えちゃいますw

個人的な感想を言えば、松下由樹さんは特に好きな女優さんでもないし、女どうしのイビリ合いみたいなドロドロ世界は苦手ですから、決して好きなドラマとは言えないです。

だけど、多部ちゃんの『大奥』では描かれてない、春日局という人物の背景を知った事で、今夜放映の第8話で描かれる筈の春日の死を、より感動的に観られるメリットが得られました。

それに、お万(瀬戸朝香)もお玉(星野真里)もまだ登場してないんですよね。家光(西島秀俊)もやっと大人になったとこだし、多部ちゃん『大奥』と比べながら観るのが本来の目的ですから、こりゃ続きを観ないワケには行かなくなっちゃいました。

なので引き続き、多部ちゃん『大奥』と併走する形で、この正常版『大奥』も観て行こうと思ってます。苦手と言いながらも、つまらなければ観ないですから、これも良く出来たドラマなんだと思います。

松下由樹さんは不思議な女優さんですね。そんなに華があるワケでもなければ、演技が特別上手いとも思えない。けど、この人が演じると春日局にも共感し易いです。他の女優さんなら怖さの方が際立って、感情移入出来なかったかも知れません。

タイトルバックを観る限り、お万の瀬戸朝香さんも超絶に美しいし、他にも京野ことみ、木村多江、野村真帆といった豪華女優陣がこれから登場しますから、まぁ乳首は出て来ないにしても、楽しみです。

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