雅人まつり第2弾『南極料理人』です。南極と言えば、連ドラ『南極大陸』も初回だけ観たのを思い出しました。キムタクのライバルを憎々しく演じた堺さんに罪は無いけど、2回目以降を観なかった理由についてはまぁ、説明不要ですよねw(カテゴリー『TVドラマ』にレビューあります)
さて、もし仮に「この男性芸能人が作る料理を食べてみたい」ってなアンケートがあったなら、堺雅人さんはかなり上位にランクインされるんではないでしょうか? 繊細で思いやりがありそうで、そんな人が料理下手だったらちょっとショックですよねw
南極は南極でも昭和基地より更に標高が高い、ウィルスすら生息出来ない極寒の地(−70℃!)にある観測所を舞台に、調理担当の堺さんが全編に渡って料理をします。その姿を見ただけで、女性ファンの方はクラクラされるんじゃないですか?w
ところが、この映画には基本的に野郎しか出て来ませんw その家族や恋人として女性は登場しますが、あくまで傍役。観測所には男8人しか存在しないのです。しかも、微妙にヘンな人ばかりw
そのメンバーに生瀬勝久さんが含まれてるせいか、私は観てて多部ちゃんのドラマ『GM〜踊れドクター』の総診メンバーを思い出しちゃいましたw
最初は気持ちがバラバラだった彼らですが、多部ちゃんの活躍によって団結して行きます。本作の観測隊メンバー達も、堺さんの料理によって絆を育んで行くんですよね。その両方に生瀬さんが含まれてる事が、それぞれ作品の方向性を何げに示してるかも知れません。
冒頭、猛吹雪の中を、高良健吾くん扮する若手隊員が、必死の形相で脱走しようとします。それをまた必死の形相で追いかける面子の、先頭を走るのが生瀬さんであるのを観て、我々の脳裏にある種のトラウマが蘇りますw
それは、日本映画あるいはTVドラマにおいて「生瀬勝久が必要以上に真剣な顔で芝居したら、必ずバカバカしい事が起こる」という法則があるからですw(例:『リーガル・ハイ』最終回w)
追いついた生瀬さんは、半泣きで許しを乞う高良くんの襟首を掴んで、こう叫びました。
「逃げ場はどこにも無いんだぞ、甘ったれてんじゃねぇ! お前が、お前が強くなるしかねぇんだ。お前が強くなるしかねぇんだよ! やれるな? よし、やるぞ麻雀」
(笑) やっぱり、そういう映画なのねとw、ここで我々は肩の力を抜く事になります。ベタなコメディが嫌いな方なら、観るのをやめちゃうかも知れません。でも、違うんです。早まってはいけません。これは罠なんです!w
確かに映画の前半は、微妙にヘンな人達のベタな笑いにつき合う事になります。芸達者な俳優さんが揃ってますから、そこは素直に、ホントに肩の力を抜いて楽しめば良いかと思います。
でも、これ、最後までこのまま行っちゃうのかなぁ?って、観てるとだんだん不安になって来るかも知れません。私が実際そうでした。もりあてさんのイチオシ作品なのに、大丈夫なんだろか?ってw
男達の描かれ方がまた、可笑しいのと同時に、ひたすら哀しいんですよね。堺さんは南極なんかに来たくなかったのに、やむにやまれぬ事情で派遣(基本は1年間)される事になりました。けど、妻と娘はあっけらかんとしてて、手紙には「お父さんがいなくなってから毎日がチョー楽しい!」なんて書かれてたりする。
生瀬さんは派遣が決まる度に離婚の危機だと言うし、高良くんに至っては、恋人にかける毎晩の国際電話を通じて、彼女の気持ちが少しずつ離れて行ってる事を実感させられるという、観てて胸が痛くなる位の哀しさが描かれてる。
しょせん、男は働きアリ。結婚しても愛があるのは最初だけで、気がつきゃ家庭の粗大ゴミ。やっぱ、それが現実なんやね、結婚なんかしなくて正解やねって、私的には共感するんだけど、映画としてはどうなんだ?って話ですよね。
ところが、それもこれも、巧妙に仕組まれた罠なんですよ! ユルユルのコメディとしてスタートしてますから、我々はすっかり油断させられて、随所に張り巡らされた伏線に気づかないんです。これはもしかすると、『アフタースクール』にも負けない位の大仕掛け映画ですよ!
中盤を過ぎた頃に、まず最初のサプライズがやって来ます。もりあてさんが昨日のブログ記事で注目された、堺さんの「唐揚げ泣き食い」の場面がそれです。
観測隊のメンバー達がバカやって堺さんを怒らせちゃったせいで、堺さんはその夜の料理をボイコット。仕方がないからメンバー達は、鶏の唐揚げを見よう見まねで作るんだけど、やっぱ素人だから下手くそなんです。
で、夕食のテーブルに就いた堺さんが、その唐揚げを食べ始めるや否や、急にボロボロと涙を流し始めるワケです。もちろん、この涙にはちゃんと理由があって、映画の前半でしっかり伏線が引かれてる。
でも我々は… 少なくとも私は、この映画がベタなコメディだと思って油断してたもんだから、まさかそれが後半に効いて来る伏線、しかも泣かせ所に繋がる仕掛けだとは、夢にも思ってなかったワケです。
観測隊メンバー達が作った下手くそな唐揚げを食べる場面で、まさかいきなり泣かせ所がやって来るとは思ってなかったから、私は完全に意表を突かれて、堺さんと一緒に涙腺が大決壊ですよw
意表を突く作劇って、観客を驚かせるだけじゃなくて、笑わせるのにも泣かせるのにも、実に効果的なんですよね。「これからあなたを笑わせますよ」「今から泣かせ所だからハンカチ用意して下さいよ」なんて前もって言われたら、観客は構えちゃうから明らかに逆効果です。
だから、この唐揚げのくだりと同じ事をドラマ『南極大陸』の中でやっても、たぶん泣けないと思います。あんな「さぁ天下のキムタク主演の日曜劇場、感動大作でっせ、泣きなはれ今泣きなはれすぐ泣きなはれ!」って空気が充満してる中じゃ、観る側は構えちゃうし、伏線もすぐにバレますからね。
この場面を皮きりに、前半でさんざん描かれた男達の哀しい描写が、ラストに向けて次々と逆転していくカタルシス! やられました。まんまと騙されました。いやー、結婚も悪くないかも知んないw
…とまぁ、そんな作品ですw もりあてさんがイチオシされるだけの事ありました!
言うまでもなく、堺さんは男の可笑しみと哀しみを絶妙に演じられ、下手するとコントみたいになりかねない物語に現実味をもたらし、映画としてしっかり支えておられました。そう、果てしなく荒唐無稽な『ライアーゲーム〜再生』に、たった1人で現実味をもたらし、支えて見せた多部未華子のように。
あと、もう一つ、私にとってのサプライズがありました。それは、堺さんの娘(小学生)を演じてた女の子です。すごく上手なんだけど、どっかで見た子だなぁと。確かに見覚えがある…どころか、たぶん連ドラで何回も何回もこの子を見てた気がする。なのに、思い出せない!
普通なら「ま、いっか」で済ましちゃうんだけど、この子の場合は強烈に印象に残ってるだけに、どこで見たのか思い出せないのはあまりに気持ちが悪い。なので、クレジットから見覚えある名前をピックアップして、検索しました。
その子役の名前は、小野花梨。過去(と言っても本作よりは後)の出演作は、『鈴木先生』… あーっ!! か、川辺だ!! 川辺ですよ、あの川辺w あっちじゃもう中学生に成長してますから、気づかないワケですよ!
カテゴリー「特選ドラマ」で全話レビューしてますから、未見の方はご参照頂きたいのですが、主人公・鈴木先生(長谷川博己)のクラスの女子生徒で、ルックスは地味なのにセックスにはチョー奔放でw、二股はするわ、公衆の面前で「(ゴムは付けずに)ナマで入れた方がキモチイイに決まってる!!」とか平気で叫んじゃう暴走女を演じたのが、この子ですw
いやー、ビックリした。ますます将来が楽しみだw
さて、もし仮に「この男性芸能人が作る料理を食べてみたい」ってなアンケートがあったなら、堺雅人さんはかなり上位にランクインされるんではないでしょうか? 繊細で思いやりがありそうで、そんな人が料理下手だったらちょっとショックですよねw
南極は南極でも昭和基地より更に標高が高い、ウィルスすら生息出来ない極寒の地(−70℃!)にある観測所を舞台に、調理担当の堺さんが全編に渡って料理をします。その姿を見ただけで、女性ファンの方はクラクラされるんじゃないですか?w
ところが、この映画には基本的に野郎しか出て来ませんw その家族や恋人として女性は登場しますが、あくまで傍役。観測所には男8人しか存在しないのです。しかも、微妙にヘンな人ばかりw
そのメンバーに生瀬勝久さんが含まれてるせいか、私は観てて多部ちゃんのドラマ『GM〜踊れドクター』の総診メンバーを思い出しちゃいましたw
最初は気持ちがバラバラだった彼らですが、多部ちゃんの活躍によって団結して行きます。本作の観測隊メンバー達も、堺さんの料理によって絆を育んで行くんですよね。その両方に生瀬さんが含まれてる事が、それぞれ作品の方向性を何げに示してるかも知れません。
冒頭、猛吹雪の中を、高良健吾くん扮する若手隊員が、必死の形相で脱走しようとします。それをまた必死の形相で追いかける面子の、先頭を走るのが生瀬さんであるのを観て、我々の脳裏にある種のトラウマが蘇りますw
それは、日本映画あるいはTVドラマにおいて「生瀬勝久が必要以上に真剣な顔で芝居したら、必ずバカバカしい事が起こる」という法則があるからですw(例:『リーガル・ハイ』最終回w)
追いついた生瀬さんは、半泣きで許しを乞う高良くんの襟首を掴んで、こう叫びました。
「逃げ場はどこにも無いんだぞ、甘ったれてんじゃねぇ! お前が、お前が強くなるしかねぇんだ。お前が強くなるしかねぇんだよ! やれるな? よし、やるぞ麻雀」
(笑) やっぱり、そういう映画なのねとw、ここで我々は肩の力を抜く事になります。ベタなコメディが嫌いな方なら、観るのをやめちゃうかも知れません。でも、違うんです。早まってはいけません。これは罠なんです!w
確かに映画の前半は、微妙にヘンな人達のベタな笑いにつき合う事になります。芸達者な俳優さんが揃ってますから、そこは素直に、ホントに肩の力を抜いて楽しめば良いかと思います。
でも、これ、最後までこのまま行っちゃうのかなぁ?って、観てるとだんだん不安になって来るかも知れません。私が実際そうでした。もりあてさんのイチオシ作品なのに、大丈夫なんだろか?ってw
男達の描かれ方がまた、可笑しいのと同時に、ひたすら哀しいんですよね。堺さんは南極なんかに来たくなかったのに、やむにやまれぬ事情で派遣(基本は1年間)される事になりました。けど、妻と娘はあっけらかんとしてて、手紙には「お父さんがいなくなってから毎日がチョー楽しい!」なんて書かれてたりする。
生瀬さんは派遣が決まる度に離婚の危機だと言うし、高良くんに至っては、恋人にかける毎晩の国際電話を通じて、彼女の気持ちが少しずつ離れて行ってる事を実感させられるという、観てて胸が痛くなる位の哀しさが描かれてる。
しょせん、男は働きアリ。結婚しても愛があるのは最初だけで、気がつきゃ家庭の粗大ゴミ。やっぱ、それが現実なんやね、結婚なんかしなくて正解やねって、私的には共感するんだけど、映画としてはどうなんだ?って話ですよね。
ところが、それもこれも、巧妙に仕組まれた罠なんですよ! ユルユルのコメディとしてスタートしてますから、我々はすっかり油断させられて、随所に張り巡らされた伏線に気づかないんです。これはもしかすると、『アフタースクール』にも負けない位の大仕掛け映画ですよ!
中盤を過ぎた頃に、まず最初のサプライズがやって来ます。もりあてさんが昨日のブログ記事で注目された、堺さんの「唐揚げ泣き食い」の場面がそれです。
観測隊のメンバー達がバカやって堺さんを怒らせちゃったせいで、堺さんはその夜の料理をボイコット。仕方がないからメンバー達は、鶏の唐揚げを見よう見まねで作るんだけど、やっぱ素人だから下手くそなんです。
で、夕食のテーブルに就いた堺さんが、その唐揚げを食べ始めるや否や、急にボロボロと涙を流し始めるワケです。もちろん、この涙にはちゃんと理由があって、映画の前半でしっかり伏線が引かれてる。
でも我々は… 少なくとも私は、この映画がベタなコメディだと思って油断してたもんだから、まさかそれが後半に効いて来る伏線、しかも泣かせ所に繋がる仕掛けだとは、夢にも思ってなかったワケです。
観測隊メンバー達が作った下手くそな唐揚げを食べる場面で、まさかいきなり泣かせ所がやって来るとは思ってなかったから、私は完全に意表を突かれて、堺さんと一緒に涙腺が大決壊ですよw
意表を突く作劇って、観客を驚かせるだけじゃなくて、笑わせるのにも泣かせるのにも、実に効果的なんですよね。「これからあなたを笑わせますよ」「今から泣かせ所だからハンカチ用意して下さいよ」なんて前もって言われたら、観客は構えちゃうから明らかに逆効果です。
だから、この唐揚げのくだりと同じ事をドラマ『南極大陸』の中でやっても、たぶん泣けないと思います。あんな「さぁ天下のキムタク主演の日曜劇場、感動大作でっせ、泣きなはれ今泣きなはれすぐ泣きなはれ!」って空気が充満してる中じゃ、観る側は構えちゃうし、伏線もすぐにバレますからね。
この場面を皮きりに、前半でさんざん描かれた男達の哀しい描写が、ラストに向けて次々と逆転していくカタルシス! やられました。まんまと騙されました。いやー、結婚も悪くないかも知んないw
…とまぁ、そんな作品ですw もりあてさんがイチオシされるだけの事ありました!
言うまでもなく、堺さんは男の可笑しみと哀しみを絶妙に演じられ、下手するとコントみたいになりかねない物語に現実味をもたらし、映画としてしっかり支えておられました。そう、果てしなく荒唐無稽な『ライアーゲーム〜再生』に、たった1人で現実味をもたらし、支えて見せた多部未華子のように。
あと、もう一つ、私にとってのサプライズがありました。それは、堺さんの娘(小学生)を演じてた女の子です。すごく上手なんだけど、どっかで見た子だなぁと。確かに見覚えがある…どころか、たぶん連ドラで何回も何回もこの子を見てた気がする。なのに、思い出せない!
普通なら「ま、いっか」で済ましちゃうんだけど、この子の場合は強烈に印象に残ってるだけに、どこで見たのか思い出せないのはあまりに気持ちが悪い。なので、クレジットから見覚えある名前をピックアップして、検索しました。
その子役の名前は、小野花梨。過去(と言っても本作よりは後)の出演作は、『鈴木先生』… あーっ!! か、川辺だ!! 川辺ですよ、あの川辺w あっちじゃもう中学生に成長してますから、気づかないワケですよ!
カテゴリー「特選ドラマ」で全話レビューしてますから、未見の方はご参照頂きたいのですが、主人公・鈴木先生(長谷川博己)のクラスの女子生徒で、ルックスは地味なのにセックスにはチョー奔放でw、二股はするわ、公衆の面前で「(ゴムは付けずに)ナマで入れた方がキモチイイに決まってる!!」とか平気で叫んじゃう暴走女を演じたのが、この子ですw
いやー、ビックリした。ますます将来が楽しみだw