多部サロメの踊りは、妖艶さとは程遠い、元気で、無邪気な、まさに舞台狭しと駆け巡る、彼女の子供っぽさを強調した激しいものでした。
エロティックな多部ちゃんを期待すると完全に肩透かしを食うワケですが、これは物凄く真っ当な演出だと私は思います。
ヘロデ王は、なぜサロメに踊って欲しかったのか? あのエロ親父がw、サロメに求めてるもの… それは彼女とのセックスセックスではなく、いつまでも純潔でいる彼女を見つめ続ける事…ではなかったかと私は思います。
そう、私を含めて多くのタベリストが「出来れば純真無垢な多部ちゃんであり続けて欲しい」と、潜在的に願ってるのと同じ事です。
何だか妖しい空気に不吉な予感がした王様は、サロメが今も純潔である事を確かめたかったのではないでしょうか?
だから王様は、以前と変わらぬサロメの、子供そのものな踊りを見て、あんなに喜んだのだと私は思います。
ここでもし、サロメがストリッパーみたいにエロいダンスを踊ったら、話は一気に結末まで飛んじゃったかも知れません。
そう、王様のご満悦も束の間。どちらにせよ、此処が悲惨な結末への分岐点である事に変わりは無いんです。
「さぁ、おいで、褒美をやろう。お前の欲しているものは、何でもやる。さぁ、申してみよ、何が欲しい?」
サロメは、無邪気に答えました。
「ヨカナーンの首」
王様はうろたえ、王妃は高笑い。王様は、新訳本(文庫)約8ページ分に渡ってw、延々と、必死に、サロメに要求を取り下げるよう説得を続けます。なんだかんだ言っても、ヨカナーンが神の使者である事を、王様は信じてるのですね。
いや、それ以上に、この要求を呑めば、王様にとってかけがえのない何かを失ってしまう、そんな予感があったのかも知れません。
でも、サロメには通じない。さっきの「わたし、キスする」と同様に、何を言っても「ヨカナーンの首をちょうだい」の一点張り。
ここから先はもう、圧巻としか言いようがありません。サロメは身をよじらせ、息も荒く、再び牢屋の前まで駆け降りると、ウ゛ェールを水溜まりに叩きつけて大暴れ!
そしてビショ濡れになったサロメが城壁を駆け上がり、舞台上手へ、つまり我々の目の前1.5メートルの所までやって来たのです!
その時のgonbeさんと私の顔が、上の画像ですw yamarineさんとDeepさんは初めての鑑賞じゃないですから、ここまで口は開いてなかった筈です。
解って頂けるでしょうか? これは、ただナマ多部ちゃんが至近距離まで来てくれて嬉しい!だけの衝撃じゃないんです。
サロメが今、なぜビショビショに濡れているのか? なぜ、亜門さんはこのタイミングでサロメを濡らしたのか?
そうです、サロメは今、最高潮に欲情してる。それを表現させたこと以外に、ここで彼女を濡れさせる理由は無いでしょう。
多部ちゃんが今、濡れている。濡れ濡れの多部ちゃんが今、目の前に立っている。わたしゃ一体、どうすりゃいいんですか!?
上の画像は、そんなgonbeさんと私の心象風景です。もっとも、gonbeさんがそこまでエロい解釈をされてたかどうかは未確認ですがw やっぱ私だけ?
王様はついに根負けし、ヘナヘナとソファーに倒れ込み、言いました。「これに望み通りのものを与えよ」
さぁ、ここからの多部サロメを、我々は一体どう受けとめれば良いのか?
歓喜… 恍惚… 悦楽… 両手で胸を押さえても抑えきれない昂ぶり… これは、多部ちゃんが初めて見せた、かなり具体的な性表現ではないですか?
でも、そこはやっぱり多部ちゃんですから、いやらしさは感じさせません。それでいいんです。処女を名乗りながらいきなり色気タップリに悶え始めたら「嘘つけ!」って話になりますからw
長い長い静寂の後、牢獄から何か物音が… 乳首を斬り落としても、あんな物音はしないでしょう。
サロメが跪くテラスの床から、みるみる真っ赤な血が溢れだし、ゆっくりと一面に広がって行きます。天井を見上げれば、まさにそこは血の海。背筋が凍ります。
姦通……
肉体的にはまだ処女でも、精神的には今、サロメはヨカナーンと結ばれ、オルガズムに達した。そう解釈して良いのではないでしょうか?
多部ちゃんが、イッた…
お叱りは宮本亜門さんにお願いしますm(__)m
サロメは、ヨカナーンの首を、当然乳首も付いてないヨカナーンの首を抱きしめ、語りかけます。
「ねえ! ねえ! どうしてお前はわたしを見てはくれなかったの、ヨカナーン? もし見てくれてたら、お前はわたしに恋をしてたはずよ。わたしにはよくわかってる。お前がわたしに恋をしたはずだって。愛の神秘は、死の神秘よりも大きいの。人はただ、愛だけを見つめているべきなのよ」
「…ばけものだ。そなたの娘は、ばけもの以外の何者でもない」
ヘロデ王にとって見るに耐えないのは、人の生首を渡されて喜ぶサロメではなく、精神的に純潔を失ってしまったサロメではないでしょうか?
サロメは、ヨカナーンの口唇にキスをしました。
「苦いのね、お前の口唇って。血の味なの? ううん、ひょっとすると、恋の味なのかも。恋って、苦い味がするって、よく言うから…」
ヘロデ王にとって、サロメはもはや「我が子」でもなければ、いとおしい「娘」でもない。彼は、兵士達に命じます。
「あの女を殺せ!」
(暗転)
カーテンコールは、多部ちゃんだけが舞台中央に残り、他のキャストが全員、城壁の上にズラッと並んでのものでした。
つまり屈強そうな男どもが目の前にそびえ立ってるワケですが、オッサン4人は当然ながら、彼らの隙間から多部ちゃんだけを見つめ続けるのでしたw
多部ちゃんがヨカナーンと目が合った時に一瞬だけ「やったね」みたいに、笑いを噛み殺すような顔をしたのが印象的でした。
いやぁー、とにかく、圧巻でした。ただ正直なところ、感動して泣きそう…みたいな感覚は無かったです。やっぱ私にとって舞台は、感情移入しづらい。
ただ、それは自己投影出来るキャラクターが例の「隊長」しかいなかったせいもあります。その彼が早々と死んじゃいましたから…
だからとにかく、多部ちゃんの芝居と亜門さんの演出に、ただただ圧倒された。その印象ばかりが残ってます。
やっぱ、もう1回観たいなぁw 今なら、本当の愛を求め続けた少女・サロメの哀しさや、無垢な娘の存在を心の支えにして来た王様の切なさが、もっと胸に迫って来るんじゃないかと思います。
舞台は好きじゃない? 誰がそんな事をほざいたんですか?w 今回の旅で私は、所々記憶を奪われてるんですよね。
でも、『サロメ』の衝撃だけはしっかり、胸に刻まれてます。ブラボー、多部ちゃん! ついでに亜門さん!w
PS. トラブル明けの今日、多部サロメは見事に復活を遂げたそうです。だから言ったでしょ!w
エロティックな多部ちゃんを期待すると完全に肩透かしを食うワケですが、これは物凄く真っ当な演出だと私は思います。
ヘロデ王は、なぜサロメに踊って欲しかったのか? あのエロ親父がw、サロメに求めてるもの… それは彼女とのセックスセックスではなく、いつまでも純潔でいる彼女を見つめ続ける事…ではなかったかと私は思います。
そう、私を含めて多くのタベリストが「出来れば純真無垢な多部ちゃんであり続けて欲しい」と、潜在的に願ってるのと同じ事です。
何だか妖しい空気に不吉な予感がした王様は、サロメが今も純潔である事を確かめたかったのではないでしょうか?
だから王様は、以前と変わらぬサロメの、子供そのものな踊りを見て、あんなに喜んだのだと私は思います。
ここでもし、サロメがストリッパーみたいにエロいダンスを踊ったら、話は一気に結末まで飛んじゃったかも知れません。
そう、王様のご満悦も束の間。どちらにせよ、此処が悲惨な結末への分岐点である事に変わりは無いんです。
「さぁ、おいで、褒美をやろう。お前の欲しているものは、何でもやる。さぁ、申してみよ、何が欲しい?」
サロメは、無邪気に答えました。
「ヨカナーンの首」
王様はうろたえ、王妃は高笑い。王様は、新訳本(文庫)約8ページ分に渡ってw、延々と、必死に、サロメに要求を取り下げるよう説得を続けます。なんだかんだ言っても、ヨカナーンが神の使者である事を、王様は信じてるのですね。
いや、それ以上に、この要求を呑めば、王様にとってかけがえのない何かを失ってしまう、そんな予感があったのかも知れません。
でも、サロメには通じない。さっきの「わたし、キスする」と同様に、何を言っても「ヨカナーンの首をちょうだい」の一点張り。
ここから先はもう、圧巻としか言いようがありません。サロメは身をよじらせ、息も荒く、再び牢屋の前まで駆け降りると、ウ゛ェールを水溜まりに叩きつけて大暴れ!
そしてビショ濡れになったサロメが城壁を駆け上がり、舞台上手へ、つまり我々の目の前1.5メートルの所までやって来たのです!
その時のgonbeさんと私の顔が、上の画像ですw yamarineさんとDeepさんは初めての鑑賞じゃないですから、ここまで口は開いてなかった筈です。
解って頂けるでしょうか? これは、ただナマ多部ちゃんが至近距離まで来てくれて嬉しい!だけの衝撃じゃないんです。
サロメが今、なぜビショビショに濡れているのか? なぜ、亜門さんはこのタイミングでサロメを濡らしたのか?
そうです、サロメは今、最高潮に欲情してる。それを表現させたこと以外に、ここで彼女を濡れさせる理由は無いでしょう。
多部ちゃんが今、濡れている。濡れ濡れの多部ちゃんが今、目の前に立っている。わたしゃ一体、どうすりゃいいんですか!?
上の画像は、そんなgonbeさんと私の心象風景です。もっとも、gonbeさんがそこまでエロい解釈をされてたかどうかは未確認ですがw やっぱ私だけ?
王様はついに根負けし、ヘナヘナとソファーに倒れ込み、言いました。「これに望み通りのものを与えよ」
さぁ、ここからの多部サロメを、我々は一体どう受けとめれば良いのか?
歓喜… 恍惚… 悦楽… 両手で胸を押さえても抑えきれない昂ぶり… これは、多部ちゃんが初めて見せた、かなり具体的な性表現ではないですか?
でも、そこはやっぱり多部ちゃんですから、いやらしさは感じさせません。それでいいんです。処女を名乗りながらいきなり色気タップリに悶え始めたら「嘘つけ!」って話になりますからw
長い長い静寂の後、牢獄から何か物音が… 乳首を斬り落としても、あんな物音はしないでしょう。
サロメが跪くテラスの床から、みるみる真っ赤な血が溢れだし、ゆっくりと一面に広がって行きます。天井を見上げれば、まさにそこは血の海。背筋が凍ります。
姦通……
肉体的にはまだ処女でも、精神的には今、サロメはヨカナーンと結ばれ、オルガズムに達した。そう解釈して良いのではないでしょうか?
多部ちゃんが、イッた…
お叱りは宮本亜門さんにお願いしますm(__)m
サロメは、ヨカナーンの首を、当然乳首も付いてないヨカナーンの首を抱きしめ、語りかけます。
「ねえ! ねえ! どうしてお前はわたしを見てはくれなかったの、ヨカナーン? もし見てくれてたら、お前はわたしに恋をしてたはずよ。わたしにはよくわかってる。お前がわたしに恋をしたはずだって。愛の神秘は、死の神秘よりも大きいの。人はただ、愛だけを見つめているべきなのよ」
「…ばけものだ。そなたの娘は、ばけもの以外の何者でもない」
ヘロデ王にとって見るに耐えないのは、人の生首を渡されて喜ぶサロメではなく、精神的に純潔を失ってしまったサロメではないでしょうか?
サロメは、ヨカナーンの口唇にキスをしました。
「苦いのね、お前の口唇って。血の味なの? ううん、ひょっとすると、恋の味なのかも。恋って、苦い味がするって、よく言うから…」
ヘロデ王にとって、サロメはもはや「我が子」でもなければ、いとおしい「娘」でもない。彼は、兵士達に命じます。
「あの女を殺せ!」
(暗転)
カーテンコールは、多部ちゃんだけが舞台中央に残り、他のキャストが全員、城壁の上にズラッと並んでのものでした。
つまり屈強そうな男どもが目の前にそびえ立ってるワケですが、オッサン4人は当然ながら、彼らの隙間から多部ちゃんだけを見つめ続けるのでしたw
多部ちゃんがヨカナーンと目が合った時に一瞬だけ「やったね」みたいに、笑いを噛み殺すような顔をしたのが印象的でした。
いやぁー、とにかく、圧巻でした。ただ正直なところ、感動して泣きそう…みたいな感覚は無かったです。やっぱ私にとって舞台は、感情移入しづらい。
ただ、それは自己投影出来るキャラクターが例の「隊長」しかいなかったせいもあります。その彼が早々と死んじゃいましたから…
だからとにかく、多部ちゃんの芝居と亜門さんの演出に、ただただ圧倒された。その印象ばかりが残ってます。
やっぱ、もう1回観たいなぁw 今なら、本当の愛を求め続けた少女・サロメの哀しさや、無垢な娘の存在を心の支えにして来た王様の切なさが、もっと胸に迫って来るんじゃないかと思います。
舞台は好きじゃない? 誰がそんな事をほざいたんですか?w 今回の旅で私は、所々記憶を奪われてるんですよね。
でも、『サロメ』の衝撃だけはしっかり、胸に刻まれてます。ブラボー、多部ちゃん! ついでに亜門さん!w
PS. トラブル明けの今日、多部サロメは見事に復活を遂げたそうです。だから言ったでしょ!w