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『つばさ』08

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☆ちちーんぷいぷい?w
あざとい!(笑) でも、計算し過ぎの脚本が鼻について離れちゃった視聴者もいたそうですが、そんなの素直に楽しめばええやん!って、私は思いますね。

こざかしい計算ばかりでハートが感じられないようなドラマなら、私も乗れなかったと思いますけど、全然そうじゃないんだから。離れて行った人らって、どんだけプライド高いねん? さぞかし生きてて息苦しいでしょうね。

…って、私も昨日からヤケに攻撃的になってますけどw なんとなく心がささくれ立っちゃう時って、ありますよね。人間だから、心があるから人は悩む。早くモミアゲになりたーい!

逆に、悩む事から逃げようとする人が多いから、世の中がどんどんおかしくなるんじゃないですか? 悩んでこそ、人間なんです。

『つばさ』って、それを描いたドラマとも言えますよね。こんなに登場人物が悩んで葛藤ばっかしてるドラマも、珍しいかも知れません。

まさに「人間」を描くドラマですよね。『つばさ』を一言で表現するなら、「人間ドラマ」としか言いようが無いんじゃないでしょうか?

で、「ちちーんぷいぷい」ですが、つばさがラジオの生中継でナイスボイン麻子さんの店に来て、ロールキャベツを口いっぱい頬張った為(萌えーっw 多部ちゃんのあんな顔、なかなか見られないですよね)リポート不可能になった時、たまたま訪ねて来た母・加之子が乱入、つばさに替わって麻子さんをリスナーに紹介しようとした時、ふと竹ボウキが目に入るのです。

で、加之子は勝手なアドリブで「男どもを惑わす魔女」として麻子を紹介するんだけど、その竹ボウキのクローズアップに「ちちーんぷいぷい!」っていう効果音が入る。これがなんと、重要な伏線(笑)。

この第8週冒頭の、一見アホらしいドタバタ劇の中に、この週で(さらに次週も?)描かれるドラマのテーマが、全て入ってるんですよね!

思い返せば毎週、ファースト・エピソードの冒頭に、その週でやること全ての前振りを入れておくのが、『つばさ』作劇の決まりごとになってるみたいです。

もうねぇ…あざとい!(笑) でも、そういうお約束は「縛り」にもなりますから、作者は後々苦しむ羽目になるんですよね。そこまでして脚本に知恵を絞るクリエイティビティーに、私はもう、脱帽あるのみです。

「いえ、私は魔女ではありません」

母が調子に乗り過ぎた事を詫びるつばさに「あそこまでデタラメなこと言ったら、誰も信じないわよ」と器の大きさを見せる麻子が、即座にかかって来た電話を受けて、上の台詞(笑)。

どう見てもジョークなのに、すぐ真に受けちゃう視聴者って、まだ沢山いるんでしょうね、特に朝ドラには(笑)。

☆横矢みちる
さて、山本未來さん扮する川越出身の美人キャスター・横矢みちるが、ラジオぽてとに颯爽と現れます。で、ちょっと斜に構えながら颯爽と歩きだしたら蹴つまずいちゃう(笑)。

このネタ、ザッカー兄弟もよくやってました。もっと古くからあるギャグでしょうけど、『つばさ』スタッフはやっぱ絶対、ザッカー作品のファンだと思います。

みちるの出現により、真瀬社長の知られざるプライベートが、少しずつ明らかになって行きます。

そう言えば横矢みちるって、実は真瀬を密かに想ってるんですよね? つばさとの会話に、一瞬ですがそれを匂わせる描写がありました。山本未來さんの独特な佇まいと相まって、味わい深いキャラクターです。

☆5月23日
番組に童話の読み聞かせコーナーを提案するつばさに、プロの朗読テクニックを見せつける、みちる。圧倒的に負けてるのに「マイク使うと、巧く聞こえる!」って、強がるつばさが可愛くて、萌えーw

で、保育園に朗読を習いに行ったつばさは、真瀬の幼い娘・優花と出会います。やさぐれキャラの優花は誰にも心を開かず、つばさがバイバイを言っても返事は「あっかんべぇー」(笑)

『妖怪人間ベム』で、ベラさんが「今どきの子は『ちぇっ』なんて言わないだろ」ってベロに注意してたのが可笑しかったですけど、「あっかんべぇー」もなかなかどうして(笑)。

そんな優花が気になって尾行するつばさが、見つかりそうになって木の枝のふりをする姿が、可愛くて(以下省略)。

横矢みちるは、真瀬の亡くなった奥さんの親友だったのでした。コミュニティー・ラジオの開局は奥さんの夢だったのですが、官僚の仕事で頭がいっぱいだった真瀬は聞き入れなかった。

真瀬は仕事にかまけて奥さんの病気にも気づかず、死に目にも会えなかった。一人娘の優花は奥さんの実家に引き取られ、それからずっと会ってない。常に強気な真瀬もまた、やっぱり『つばさ』らしいダメ男なのでした。

真瀬は「5月23日までにラジオぽてとの(川越市民への)認知度を30%にする!」という目標を掲げ、だけど伸び悩み、焦ってるのですが、その日は奥さんの命日であり、優花の誕生日でもあるんです。

☆焼けた肉を横取りする母
加之子の超テキトーなリポートが好評を博し、結果を焦る真瀬は加之子をラジオのメンバーに引き込もうとします。

「これ以上、私の居場所とらないで!」

「おかん」の座を奪われ、今またラジオぽてとまで侵食しようとするモンスター母・加之子に、つばさは怒ります。

怒るんだけど、加之子はお母さんだから、嫌いにはなれない。複雑な状況に、また悩むつばさ。

そんなつばさを、久々に登場の親友・万里が応援します。事情はよく知らないけど、とにかく頑張れーって(笑)。

つばさには乗り越えられるポテンシャルがある事をよく知ってる、親友ならではの熱いエール。陰から一緒になって声援を送るラジオの男に、また涙。

☆親の心、子知らず
加之子のせいで皆から魔女呼ばわりされるボインボイ〜ンな麻子さんに、プチバストのつばさが謝ります。

「いいのよ、そんな。つばさちゃんの為に、良かれと思ってやって下さった事だから」

この台詞で泣いちゃいました。親はそのつもりでも、子供はそう受け取れないもんなのですよねぇ… ふと、不器用な自分の両親を想ってしまいました。私の歳なら、親の立場で受けとめるべき場面なのですが(苦笑)。

つばさを迎えに来た父・竹雄は、優花を手放した真瀬を責めるつばさに、こう言います。

「男ってのは、失ってから気づくもんなんだよ」

今さら気づきましたけど、ここぞと言う時に竹雄さんは、ドラマを動かす大事な台詞を言いに現れるんですよね、いつも(笑)。

いや、つばさの周りにいる人達はみんな、そういう役割を担ってはいるんだけど、特に竹雄さんが印象に残るのは、その回数が多いのと、やっぱ中村梅雀さんの名演あればこそなんでしょうね。

亡き妻の夢を実現すべく、官僚の職を捨て、ラジオ局をゼロから立ち上げた真瀬を、竹雄さんは「並大抵な事じゃない。僕が和菓子職人を辞めて、IT企業を始めるようなもんだよ」と讃えます。

ラジオは奥さんの夢であり、二人の子供みたいなもの。「もしかすると真瀬さん、ラジオがうまくいったら、娘さんともうまくいくって、信じてるのかも知れないなぁ」

☆親になり損ねた落ちこぼれ1号、2号
同じ頃、真瀬は加之子と一緒に呑んでました。どっちも我が子から逃げたダメ親であり、今になってその罪ほろぼしをしようともがいてる、似た者どうしです。

でも、一度見捨てた子供に親の心を理解してもらうのは虫の良い話であり、容易な事じゃない。

「今さら、こんな事したって…」っていう真瀬の言葉が、加之子にも突き刺さります。

関係ないけど、このあと酔ったつばさを雨の中、おぶって帰る竹雄さん、素で滑ってましたね(笑)。

☆きっかけ
今度は加之子からヒントをもらったつばさは、ぽてとの面々を巻き込んで芝居を打ち、ラジオを通して真瀬と優花に話をさせ、和解のきっかけにしようと画策します。

これまで、そんなつばさの機転で感動の大団円を迎えるパターンが出来つつあったのを、あえて早々と崩しちゃうのが『つばさ』らしいですね(笑)。つばさの作戦は今回、ことごとく裏目に出てしまいます。

「誕生日なんか、嫌い!」

名乗る前に優花のそんな言葉を聞いて、真瀬は何も言えなくなってしまいます。

それどころか、ラジオを使って優花に近づこうとした卑怯な真似を許さない!ってんで、奥さんの実家はいよいよ優花を正式に養女として迎える=父娘の縁を切らせる準備を始めちゃう。

☆先延ばしの呪い
帰って来る筈のない親を待ち続け、やがて諦めちゃった優花の姿に、かつての自分自身を重ねるつばさ。

「『あとで』は、もうおしまいなんだよ」

優花はもう、父を諦め、世の中の全てをも諦めてるように見えます(まるで私みたいにw)。でも、本当にそうなんだろうか?

つばさは加之子に対して複雑な思いを抱きながらも、決して嫌いにはなれない。優花もそうなのではないか? この機会を逃したら、多分もう二度と、この父娘は会えなくなる…

5月23日、どうしても重い腰を上げられない真瀬に、つばさは「『あとで』にはちゃんと続きがあるって事を、優花ちゃんに教えてあげて下さい」と言って背中を押します。

そして、加之子から教わった「先延ばしの呪いを解く、おまじない」をしてあげるんです。

「ちちーんぷいぷい!」

そして、万里がつばさにしてくれたのと同じ声援を、ぽてとのメンバーと一緒に真瀬に送る、つばさ。鬼の真瀬の眼にも涙。ずっと堪えて来た涙です。もちろん私も大号泣(笑)。さぁ、めでたく大団円!

花束を持って迎えに来た真瀬を、幼い優花はちゃんと憶えてました。感激し、思わず娘を抱きしめる真瀬に、優花はこう言いました。

「お父さんなんか、いらなーい」

がびーん!(笑)。いや、笑いごとじゃありません。この「いらなーい」っていう軽すぎる言い方に、とてつもなく深い溝、分厚い壁が感じられます。

普通、主人公ならともかく、脇キャラの家族エピソードに1週間も費やせば、ここですんなり涙の大団円になるところでしょう? そうはさせないのが『つばさ』の凄さで、この問題は次週に持ち越しとなりました。

現実的には、一度壊れた親子の絆が、そんな簡単に修復出来るワケがない。つばさと加之子、加之子と千代だって、問題はまだ解決しないままなんです。

だから、これは非常に真っとうな「つづく」だと思います。サントラさんの仰るとおり、このまま続けて第9週に突入したいところですが、残念ながらこのDVDを返却しないと、次巻が届きません(笑)。

ところでこの週、半開きの翔太は別にいいんだけどw、秀樹の出番が無かったのは淋しかったです。知らぬ間に、なくてはならない存在ですね(笑)。

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