昨年に放映されてたテレ東系の連ドラですが、CSの日本映画専門chでやってました。なんと、映画化が進行中だそうで!
yamarineさんがブログで推してられたのと、実写版『マリみて』の主演・未来穂香ちゃんが生徒役で出てるとの事で、まぁどんなもんかと軽い気持ちで初回を観てみたら…
驚きました。すんごい面白いですね、これ! クオリティー高いです。昨年は『デカワンコ』『それ生き』『ベム』『ミタ』に加えて『鈴木先生』と、連ドラの当たり年じゃないですか? それに比べて今年は…
まず、限りなくフィルム撮りに近い画面の質感。創り手のこだわりが感じられます。最初から映画化は意識されてたのでは?
そして、この後『家政婦のミタ』で大ブレイクする長谷川博己さんの芝居と、鈴木先生のキャラクター。こんな教師像は、今まで観た事ありません。
シリアスともコメディーとも分類出来ない、緩急自在な演出。どちらかと言えば緩いのがまた良いw 鈴木先生の心象風景が、つぶさにモノローグとテロップで解説されるのも楽しいです。
後は生徒役の子達の芝居。本放映時に敬遠したのは、中学生のガキの芝居なんか見たくもねぇってのが最大の理由だったんだけど、昔とは違いますね。みんな上手でビックリしました。
そして何と言っても、綺麗事を一切排した、人間の本質に迫る脚本です。要するに、リアル。
第1話は新学期のクラス分けを決める職員会議から始まるんだけど、まず生徒達の顔写真付きプロフィール・カードを成績順にまとめて、「この子とこの子は離した方がいいな」とか言って、かなり主観的な意見に基づいて振り分けられる。
現実にそんなやり方で決めるもんなのかどうか知らないけど、今思えばこういう感じでバランスを取ってたんだろなぁと納得させられました。
で、鈴木先生は飛び切りの美少女を選んで、自分のクラスに入れちゃう。それを同僚教師のぐっさんに冷やかされるんだけど、実は鈴木先生には別の思惑があるんですよね。
彼は完璧な「理想のクラス」を作ってみたいという、野望を密かに抱いてて、様々な実験を試みてるんです。
その美少女は決して周りの空気に流されない、まるで多部ちゃんみたいな独立心と思慮深さの持ち主で、それが後の場面で見事に活かされて、間違った方向に流れかけたクラスを救っちゃう。
かように鈴木先生は実に理論的に先の事を考えて、まるで将棋の駒みたいに生徒達を見てるきらいがあるんですよね。
そこがこのドラマの面白さで、「真心で生徒にぶつかれば、きっと心を開いてくれる」といった従来の学園ドラマの理念とは、大きく違ってます。ちっとも熱血じゃないw
実際、真心でぶつかれば何とかなるような、学校はそんな甘い世界じゃ今や無くなってるでしょうから、これはリアルだと思うし、教育現場におられる方には参考になるんじゃないでしょうか?
だから鈴木先生は、決して趣味で美少女を選んだワケじゃない…と見せかけて、その子が服を脱いで迫って来る夢を見て、なんと夢精しちゃうというラストシーンで、私はハートを鷲掴みにされましたw
自分のムスコに向かって「バカか、お前は!?」ってw しつこく冷やかして来るぐっさんに「そうとう溜まってますねぇ」とか言ってたクセにw 最高です!
夢精する教師、夢精する主人公。そういやぐっさんも「教師ほどイビツに(性が)抑圧される職業は無い」なんて言ってましたね。だから教師の性犯罪が後を絶たないんだって。
まぁ、夢精はともかくとして、クラスでは初回から大事件が二つ起こっちゃう。
一つ目は、クラスで面倒を見てたウサギがナイフで殺され、一人の生徒に疑惑が集中する事件。ここで例の美少女の存在が効いて来るんです。
そしてもう一つが、クラスメイトの妹=小学四年生の女子とセックスしちゃった男子(中2)の問題。
レイプなのか同意の上なのか? 同意の上だとしても中2と小4のセックスが許されるのか? 裁くにしても、どう裁けばいいのか? 鈴木先生は大いに悩みます。そして理論的に考える。
その男子生徒と来たら、小学生の時に初体験は済ませており、それから何人もの女子とセックスするも心が満たされず、相手が処女じゃないと興醒めするし、その小4の子で初めて愛を感じた、みたいな事を言うw
あのなぁ!w 私なんか、私なんか、まず「初めて」に行き着くまでに、いったい何年かかったと思っとる!? 処女じゃないと興奮しないって、お前… あほたれっ!w
でも、その男子生徒は真剣なんですよね。相手の女子もそうだけど、早くから変に老成しちゃってるような子供は、少なからず実在するんだろうと思います。
さて、この問題を、鈴木先生はどう解決したか? 老成してて、自分でも中身は大人だと自覚し、理屈で大人を言い負かす理知的な男子生徒を、裁く事が出来るのか? そもそも、彼のやった事は悪なのか?
鈴木先生は悩んだ末に、二人の関係がどうしてバレて、大きな問題になったのか?に着目しました。発端は、相手の女子が母親に詰問されて「ムリヤリ乱暴された」と嘘をついた事にありました。
つまり、身体は周りの子より大人でも、中身はやっぱり小学四年生。まだまだ自我は確立出来てない。そんな子供の貞操を奪う事は、合意の上と言えども卑怯な行為だし、相手を傷つける結果を、実際に招いてる。
理知的な生徒だからこそ、その罪深さを理解出来るだろうと鈴木先生は判断し、見事に的中。ジゴロ男子は大いに反省するに至るのでした。
こんな感じで、生徒との接し方が「熱血」とは程遠く、理論的な「駆け引き」なんですよね。だからって、心が無いワケじゃない。同じ男として共感もしつつ、相手の女子の気持ちもよく考えた上での戦略。
今回はうまくハマったけど、計算を間違う事も今後はあるでしょう。人の心はそう簡単に理論で割り切れない事も、このドラマならしっかり描いてくれそうです。
さらにもう一つ、鈴木先生の恋愛というサイドストーリーもあるのですが、お相手(臼田あさ美)は30歳目前にして処女。だから先生はあの男子に共感したのか?w 肉体関係を迫らないと約束した上での交際で、ここにもまた色んな波乱がありそうです。
それにしても、『家政婦のミタ』における駄目パパ役もしかりですが、漫画チックに感じかねないキャラクター(実際、原作は漫画)を、実在感と親しみ易さで見事に人間味を注入する、長谷川博己さんが素晴らしいですね!
多部ちゃんと同じ事務所の俳優さんとの事で、共通した資質を感じちゃいます。『ミタ』もこの人がパパ役でなかったら、もっと絵空事に見えたかも知れませんね。とにかく夢精が素晴らしいw
ぐっさん(山口智充)も良かったなぁ。冴えない平凡なオッサンを演じたらホントに冴えない平凡なオッサンにしか見えないしw 富田靖子さん、田畑智子さんと、同僚教師も充実してます。
教師達が、従来の学園物みたいに記号的なキャラクター分けをされてないのが又、いいですよね。みんな普通に実在しそうな先生ばかりです。
これは本当に面白くなりそう。未見の方には是非とも『鈴木先生』のタイトルを憶えて頂いて、再放送やレンタルで見かけたら、チェックして頂きたいです。
こりゃ、映画版も楽しみですねw
yamarineさんがブログで推してられたのと、実写版『マリみて』の主演・未来穂香ちゃんが生徒役で出てるとの事で、まぁどんなもんかと軽い気持ちで初回を観てみたら…
驚きました。すんごい面白いですね、これ! クオリティー高いです。昨年は『デカワンコ』『それ生き』『ベム』『ミタ』に加えて『鈴木先生』と、連ドラの当たり年じゃないですか? それに比べて今年は…
まず、限りなくフィルム撮りに近い画面の質感。創り手のこだわりが感じられます。最初から映画化は意識されてたのでは?
そして、この後『家政婦のミタ』で大ブレイクする長谷川博己さんの芝居と、鈴木先生のキャラクター。こんな教師像は、今まで観た事ありません。
シリアスともコメディーとも分類出来ない、緩急自在な演出。どちらかと言えば緩いのがまた良いw 鈴木先生の心象風景が、つぶさにモノローグとテロップで解説されるのも楽しいです。
後は生徒役の子達の芝居。本放映時に敬遠したのは、中学生のガキの芝居なんか見たくもねぇってのが最大の理由だったんだけど、昔とは違いますね。みんな上手でビックリしました。
そして何と言っても、綺麗事を一切排した、人間の本質に迫る脚本です。要するに、リアル。
第1話は新学期のクラス分けを決める職員会議から始まるんだけど、まず生徒達の顔写真付きプロフィール・カードを成績順にまとめて、「この子とこの子は離した方がいいな」とか言って、かなり主観的な意見に基づいて振り分けられる。
現実にそんなやり方で決めるもんなのかどうか知らないけど、今思えばこういう感じでバランスを取ってたんだろなぁと納得させられました。
で、鈴木先生は飛び切りの美少女を選んで、自分のクラスに入れちゃう。それを同僚教師のぐっさんに冷やかされるんだけど、実は鈴木先生には別の思惑があるんですよね。
彼は完璧な「理想のクラス」を作ってみたいという、野望を密かに抱いてて、様々な実験を試みてるんです。
その美少女は決して周りの空気に流されない、まるで多部ちゃんみたいな独立心と思慮深さの持ち主で、それが後の場面で見事に活かされて、間違った方向に流れかけたクラスを救っちゃう。
かように鈴木先生は実に理論的に先の事を考えて、まるで将棋の駒みたいに生徒達を見てるきらいがあるんですよね。
そこがこのドラマの面白さで、「真心で生徒にぶつかれば、きっと心を開いてくれる」といった従来の学園ドラマの理念とは、大きく違ってます。ちっとも熱血じゃないw
実際、真心でぶつかれば何とかなるような、学校はそんな甘い世界じゃ今や無くなってるでしょうから、これはリアルだと思うし、教育現場におられる方には参考になるんじゃないでしょうか?
だから鈴木先生は、決して趣味で美少女を選んだワケじゃない…と見せかけて、その子が服を脱いで迫って来る夢を見て、なんと夢精しちゃうというラストシーンで、私はハートを鷲掴みにされましたw
自分のムスコに向かって「バカか、お前は!?」ってw しつこく冷やかして来るぐっさんに「そうとう溜まってますねぇ」とか言ってたクセにw 最高です!
夢精する教師、夢精する主人公。そういやぐっさんも「教師ほどイビツに(性が)抑圧される職業は無い」なんて言ってましたね。だから教師の性犯罪が後を絶たないんだって。
まぁ、夢精はともかくとして、クラスでは初回から大事件が二つ起こっちゃう。
一つ目は、クラスで面倒を見てたウサギがナイフで殺され、一人の生徒に疑惑が集中する事件。ここで例の美少女の存在が効いて来るんです。
そしてもう一つが、クラスメイトの妹=小学四年生の女子とセックスしちゃった男子(中2)の問題。
レイプなのか同意の上なのか? 同意の上だとしても中2と小4のセックスが許されるのか? 裁くにしても、どう裁けばいいのか? 鈴木先生は大いに悩みます。そして理論的に考える。
その男子生徒と来たら、小学生の時に初体験は済ませており、それから何人もの女子とセックスするも心が満たされず、相手が処女じゃないと興醒めするし、その小4の子で初めて愛を感じた、みたいな事を言うw
あのなぁ!w 私なんか、私なんか、まず「初めて」に行き着くまでに、いったい何年かかったと思っとる!? 処女じゃないと興奮しないって、お前… あほたれっ!w
でも、その男子生徒は真剣なんですよね。相手の女子もそうだけど、早くから変に老成しちゃってるような子供は、少なからず実在するんだろうと思います。
さて、この問題を、鈴木先生はどう解決したか? 老成してて、自分でも中身は大人だと自覚し、理屈で大人を言い負かす理知的な男子生徒を、裁く事が出来るのか? そもそも、彼のやった事は悪なのか?
鈴木先生は悩んだ末に、二人の関係がどうしてバレて、大きな問題になったのか?に着目しました。発端は、相手の女子が母親に詰問されて「ムリヤリ乱暴された」と嘘をついた事にありました。
つまり、身体は周りの子より大人でも、中身はやっぱり小学四年生。まだまだ自我は確立出来てない。そんな子供の貞操を奪う事は、合意の上と言えども卑怯な行為だし、相手を傷つける結果を、実際に招いてる。
理知的な生徒だからこそ、その罪深さを理解出来るだろうと鈴木先生は判断し、見事に的中。ジゴロ男子は大いに反省するに至るのでした。
こんな感じで、生徒との接し方が「熱血」とは程遠く、理論的な「駆け引き」なんですよね。だからって、心が無いワケじゃない。同じ男として共感もしつつ、相手の女子の気持ちもよく考えた上での戦略。
今回はうまくハマったけど、計算を間違う事も今後はあるでしょう。人の心はそう簡単に理論で割り切れない事も、このドラマならしっかり描いてくれそうです。
さらにもう一つ、鈴木先生の恋愛というサイドストーリーもあるのですが、お相手(臼田あさ美)は30歳目前にして処女。だから先生はあの男子に共感したのか?w 肉体関係を迫らないと約束した上での交際で、ここにもまた色んな波乱がありそうです。
それにしても、『家政婦のミタ』における駄目パパ役もしかりですが、漫画チックに感じかねないキャラクター(実際、原作は漫画)を、実在感と親しみ易さで見事に人間味を注入する、長谷川博己さんが素晴らしいですね!
多部ちゃんと同じ事務所の俳優さんとの事で、共通した資質を感じちゃいます。『ミタ』もこの人がパパ役でなかったら、もっと絵空事に見えたかも知れませんね。とにかく夢精が素晴らしいw
ぐっさん(山口智充)も良かったなぁ。冴えない平凡なオッサンを演じたらホントに冴えない平凡なオッサンにしか見えないしw 富田靖子さん、田畑智子さんと、同僚教師も充実してます。
教師達が、従来の学園物みたいに記号的なキャラクター分けをされてないのが又、いいですよね。みんな普通に実在しそうな先生ばかりです。
これは本当に面白くなりそう。未見の方には是非とも『鈴木先生』のタイトルを憶えて頂いて、再放送やレンタルで見かけたら、チェックして頂きたいです。
こりゃ、映画版も楽しみですねw