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『あまちゃん』はRPG?

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もう書かないつもりだったけど、記事タイトルに『あまちゃん』って入れただけで単純にアクセス数が上がるのかどうか、ちょっと実験したかったのでw

我が家の居間にあるテレビは、基本的に1日中NHKが流れてますから、観たくても観たくなくても自然と『あまちゃん』は視界に入って来ます。だから朝食時は、私も横目でチラチラとだけど一応観てるんですよ。

OPテーマも、執拗に繰り返される挿入歌も、耳について離れませんw どんなに凡庸な曲だって、あれだけ刷り込めばそりゃヒットするでしょう。

それはともかく、最近あらためて感じた事だけ簡単に書いておきますと、『あまちゃん』っていうドラマはまるでロールプレイング・ゲームみたいなもんだなぁと。

再三書いて来ましたけど、クドカン氏にとって登場人物の心情とか成長とか、要するに人間ドラマみたいなもんは最初からどうでもいいんですよね。そういう事にほとんど興味が無い作家さんなんだと思います。

とにかく笑いを取る事が最優先で、登場人物をどんなシチュエーションに放り込めば笑えるか? そこでどんな人物と出会って、どんな会話をすれば笑えるか?って、そういう発想からストーリーを創っていくタイプ。

シチュエーションと、最後のオチを先に決めて、それに合わせてキャラクター達を動かしていく。つまり、人物の性格とか心情の描写は後付けなんです。

だから出て来る人間みんな、言動が矛盾だらけで一貫性が無いワケです。ストーリーの流れも、行っては戻り行っては戻りで、まるですごろくゲームみたい。今で言えばRPGですよね。

そうなると登場人物はみんな、ゲームの駒みたいなもんです。本来、描かれる人物は作者の分身であり、子供みたいなもんだと私は思ってますから、そういう愛の無いやり方でドラマを作る人には共感出来ないし、その作品を観たいとも思いません。

まして長丁場でヒロインの生きざまをじっくりと描いていく、朝ドラというフィールドの中で、あんなに薄っぺらくて成長もしないキャラクターを、毎朝見せられてはたまりません。

だけど、すっかりゲーム脳になっちゃった今の視聴者達には、こういうゲーム的な構造のドラマこそが一番しっくり来るのかも知れません。

人物の心情とか、それに込められた作者のメッセージとかを深く考察するなんて、そんなの面倒くさいだけ。ただ面白いシチュエーションと笑える小ネタを犬のエサみたいに与えてもらって、いっさい頭を使うこと無く、その場その場を刹那的に楽しんで満足しちゃう。

そんな徹底して依存体質な視聴者の需要に、クドカン氏のドラマはぴったりハマるんだろうと思います。

それが良いとも悪いとも、ここで言うつもりはありません。ただ、私自身は『あまちゃん』を楽しめない人間である事が、ホントに良かったなぁとつくづく思うだけです。

それと、こんなゲーム的感覚のドラマで、東日本大震災をホントに描いちゃうの?って、他人事ながら心配もしてます。

もし、私が納得出来るような筋の通った反論があるなら喜んでお聞きしますが、理屈もへったくれも無い感情論や誹謗中傷は、面倒くさいから無視させて頂きますm(_ _)m


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