私が北神戸を出てからの行き先を、東京じゃなくて三重県の実家に決めたのは、映像業界に戻ったところで具体的にやりたい事が無かったのと、壊れかけたままだった両親との関係を修復し、失われた家族の時間を取り戻したいと思ったからでした。
私が中学生になった頃からウチの家庭(父母と5歳上の兄との4人家族)は会話が無くなり、気まずい雰囲気のまま、私は高校卒業と同時に実家を出て、20年以上の一人暮らしの間、正月にだけ顔を見せに帰って翌日にはサヨウナラという、今にも切れそうな絆の糸をかろうじてキープしてるだけの状態だったんです。
だけど、父親はもう80歳を越えてしまい、今のところは元気だけど、いつお別れの時が来るとも限りません。このままそんな時を迎えたら、自分は絶対に後悔するだろうなぁって思ったんですね。
結果的には、ウチの家庭がなぜこんな状態になったのかを再確認するばかりの日々で、距離感は昔とちっとも変わってない気がしますけど、頑張って毎月お金を入れ、毎週の休日に外食や買い物の運転手を務めるだけでも、ほんの少しは恩返しが出来てる気はします。
仕事は、一番自分の性に合ってる配達業を選びました。それからもいくつか脚本の仕事は頂きましたが、あくまで「僕の力を必要としてくれるなら、喜んで」っていう姿勢で、こちらからセールスをかけるような事はしませんでした。
景気が悪化するにつれて、映像業界との縁も徐々に遠くなって行きましたが、未練は全然無かったです。やりたい事はやらせてもらえたし、あの業界に明るい未来があるとは、私にはとても思えませんでしたから…
また、とりあえず両親を安心させる為に、ホームヘルパー二級の資格を取得したりもしました。結局、介護職を仕事にするのは自分には無理だと判断しましたけど、これは良い勉強になりました。
ところでポコチンの件ですが、せっかくシャッポを脱いで思い存分チョメチョメ出来る身体になった(？)にも関わらず、私は逆に恋人も結婚相手も一切いらない！っていう気分になってました。
元より結婚願望は薄かった上に、北神戸の1年で私はすっかり女性恐怖症になってたし、あらためて自分の両親を見ても、結婚が良いものとはとても思えませんでした。
地元の同級生達と久々に会ってみれば、まぁ離婚率の高いこと！ まだ別れてない人からも「クドカンのせいで愛情なんかとっくに失せた」「クドカンのせいで旦那と同じ空気を吸うのもイヤ」「クドカンのせいで子供が自立したら絶対に別れちゃる！」みたいな言葉しか聞こえて来ないですからね。
どう考えたって、結婚なんかしない方がええやん！って、私はむしろ自信を頂きましたよw せっかく好きどうしになった相手と、クドカンのせいとは言え同じ空気を吸うのもイヤになるなんて、悲劇以外の何ものでもない。まさに人生の墓場じゃないですか！
だから私は、せっかくポコチン改造はしたものの、別にチョメチョメは出来なくてもいいやって思ってました。性欲はオナニーか風俗で処理すれば良い話ですから。
だからでしょうか、パンチラ考や胸チラ考の記事に載せてるグラビアは、その時期に入手した物がやけに多いんですよねw
それはともかく、実家に戻ってからやがて1年が過ぎ、副業としてコンビニのバイトを始めた頃に、ワイフから久々に連絡がありました。
この時もちょうど、当時の店長から理由もなく目の敵にされて、私が精神的に参ってる時期だったんですよね。(後にその店長とは和解し、彼が店を移る際には引き抜きを懇願されるほどになりましたが)
どういう話の流れだったか忘れたんだけど「あれから、セックスはしたの？」って、ワイフから尋ねられて、私はどう答えたものか迷いました。
と言うのも、以前にもチラッと書きましたけど、本来は挿入しちゃいけないファッションヘルスのお店で、思いがけない形で私は筆おろしを果たしちゃったのでした。
その顛末はまた次回にでも書きたいと思いますがw、とりあえず「いやー、ちゃんとした形では、まだやなぁ」みたいに曖昧な返事をする私に、ワイフはこう言ったのです。
「なんかさぁ、このままじゃ気持ち悪いから、やっぱ試しにセックスしてみない？」
こうして文字にすると、ワイフがやたら自由奔放でセックスを軽く見てるみたいに感じられるかも知れませんが、決してそうじゃないんです。
私との間に、果たして恋愛感情があるのか無いのか、最初にビビっと感じたものが一体何だったのか、２人の関係を一歩進めてみない事には、ワイフ自身にも分からないって事だったように思います。
一方の私は、けっこう軽い気持ちで「うん。じゃあ、しよっか」って答えてましたw
こんな話ばっかりで、ホントすいませんw
(つづく)
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ワイフと私のヒストリーPart.14
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