徳島に私を招く事をワイフがキャンセルしたのは、遊びを知らない私をセフレ扱いする事に罪悪感を覚えたからでした。
肉食系だったワイフは男性経験が豊富だった分、恋愛で痛い目にも色々遭っており、当時はその反動で男とはすっかり疎遠になってたんですね。だから、まるで欲求不満を解消する為の道具に私を使うような後ろめたさを感じたそうです。
私は別にそれでも良かったんだけど、もしそうなってたら、やっぱり結婚というゴールには辿り着けなかった事でしょう。
つくづく不思議なのは、そういう面での浮き沈みが、いつもワイフと私は逆のリンクをしてる気がするんですよね。
つまり、私がほとんど異性に縁が無かった時期に、ワイフは異性との恋愛なり遊びなりをタップリ謳歌し、逆にワイフが異性と疎遠になった時期から、私は風俗遊びを憶えたり異性問題で苦労をしたりするようになったワケです。
お互いを知れば知るほど、ワイフと私は根本的な性質や価値観がとてもよく似てる。だから弱点も共通したものを持ってるんですね。
だけどそれぞれ、ワイフは能動的に攻めの姿勢で生きる事によって、私は受け身に徹した姿勢で生きる事によって、世間の荒波を乗り越えて今まで生きて来ました。
まるで最初は1個の人格だったものが、陽の道と陰の道に別れて人生を進み、ここに来て再び1つに戻ったみたいな、そんな感覚がワイフと私にはあります。
だからお互い、全く自分を偽る事も着飾る事も必要とせず、ありのままの自分でいられる。そんな関係でなければブログに「女風呂」なんてカテゴリーは設けられませんw
けれども、この2人がなかなかくっつかないのは、それぞれの修行がまだ終わってなかったって事だろうと思います。
Aさんとの同居生活で、それまで足りてなかった私の修行がかなり進んだと思うんだけど、あまりに荒療治だったお陰で、しばらくリハビリが必要だったんでしょうねw
Aさんとのお別れに、感傷的なムードは一切ありませんでした。引っ越しの段取りやら荷造り、家の大掃除などの作業中も、Aさんは私の一挙手一投足に対して小言を言い、怒鳴り散らしてましたから…
私は怒鳴られるたびに「あと数日だから」「あと数時間だから」って自分に言い聞かせて、待ちに待ったお別れの瞬間まで、ほとんど5分おき位に心の中でカウントダウンしてました。
Aさんも、私に対しては心底ウンザリしたという態度で、最後の最後まで、ついに「助けに来てくれてありがとう」とは言ってくれませんでした。
見返りや感謝を求めるつもりは無かったけれど、彼女の力になってあげたい、幸せを掴んで欲しいっていう私の気持ちが、本人の心に全く届いてなかったのはやっぱ残念だし、とても切なかったです。
Aさんだけがおかしいんじゃない。彼女をそこまでイライラさせる原因が私にあった事は分かってます。
常に優秀でトップにいなければ生きてる価値が無い、みたいに親から刷り込まれた彼女にとって、向上心が乳首の先ほども無く、他者に負けても全然気にしないという私のノホホンとした生き方は、許せないものであると同時に、どこかで羨ましかったのかも知れません。
私はAさんから沢山の事を学んだし、打たれ強くもなりました。それはこの後の人生において確実に生かされて行くでしょうし、それがあったからこそ私はワイフと結婚する事が出来たと思ってますから、本当にAさんには心底から感謝してます。
だけど、私がAさんと関わる必要は、もう無くなりました。お互いの修行を終えて、それぞれの幸せに向けて歩み始めたんです。
Aさんは新しい旦那さんの待つ千葉県へ。そして私は三重県の実家に戻り、それぞれ新たな生活をスタートさせたのでした。
ちなみにAさんからは、その後も何度か電話が掛かって来ました。あんなに私に対して毎日怒り続け、最後には心底からウンザリしてた筈なのに、なんでまだ関わろうとするのか私には理解出来なかったです。
最初は電話に出て近況報告したりされたりしたけれど、その内また深夜に酔っ払った状態で電話して来て、ネガティブな感情を吐き出して来るようになり、これでは元の木阿弥になると思った私は、Aさんとの関係をようやくそこでハッキリと断ち切ったのでした。
ついでに言えば、北神戸の家に出入りしてたAさんの患者さんからも一度、電話が掛かって来ました。私に同情したフリをして、Aさんに対する愚痴を私の口から聞き出し、それを逐一Aさんに報告してた、あの女性です。
彼女もAさんから離れてすっかり目が覚めたとの事で、色々と積もる話があるから「デートしましょう」との申し出でしたが、仕事を理由にお断りしました。
女という生き物が、私にはサッパリ理解出来ない。何なんだ、あんた達は? 俺に一体何を求めてるんだ? 怖い… 女が怖い! もう金輪際、二度と女とは関わりたくない! ましてや結婚なんか、絶対にするもんか!
……この時期の私は、本当にそういう心境でした。
(つづく)
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ワイフと私のヒストリーPart.13
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