8年前に幼女を誘拐し、惨殺して逮捕された犯人=清丸(藤原竜也)が刑期を終え、社会復帰したのも束の間、またもや通りすがりの幼女を殺し、下水道に遺棄して逃走中。
殺された幼女の祖父は、財界の大物で億万長者の蜷川(山崎努)。可愛い孫を「人間のクズ」に惨殺され、復讐を誓った蜷川はなんと、清丸を殺した人間に10億円の懸賞金を支払うという新聞広告を大々的にぶち上げる。
例え自分は終身刑を食らったとしても、家族に10億円を残せるとなれば、どうですか皆さん? 莫大な借金を抱えて苦しんでる人や、治療費のかかる病気の家族や恋人がいる人etc…
何の罪もない幼女を無惨に殺し、更正の見込みも無いクズが相手なら、愛する人の為に殺人も出来ちゃうかも知れません。日本全国に、そんな人は数え切れないほどいるでしょう。
そんな事情を背負った人でなくとも、清丸みたいなクズは死んだ方が世の中の為になる、とは思うかも知れない。少なくとも私はそうですね。生かしておけばまた新たな犠牲者が出るのは目に見えてますから。
だから、清丸を殺さないまでも、助けてやろうとは誰も思わない。彼は全国民を敵に回しちゃったワケです。こうなったらもう、どこにも逃げ場は無い。
その広告が出るまで匿ってくれてた友人にさっそく命を狙われた清丸は、たまらず福岡市の警察署に出頭するも、留置所の警官や看護士にまで殺されかけます。
そんな四面楚歌どころじゃ済まない清丸が、福岡から東京まで護送される事になり、彼を警護する任務を命じられたのが、優秀なSPの銘苅(大沢たかお)と白岩(松嶋菜々子)。
この2人が指名された事にも実は裏の理由があり、白岩には被害者と同年代の子供が、そして銘苅には愛する妻を酔っ払いのドライバーに…つまり「人間のクズ」にひき殺された心の傷がある。
清丸を誰よりも憎むであろう2人を警護に当たらせる事で、清丸が殺される確率がより高くなるよう、蜷川が金にものを言わせて手を回したワケです。
さらに警視庁の刑事(岸谷五朗、永山絢斗)と福岡県警の刑事(伊武雅刀)を加えた5人の特別移送チームが、極秘裏に清丸を護送します。
ところがチームの動きはなぜかインターネット上でバレバレとなり、次々と刺客に襲われるわ、犠牲者も出るわ、交通手段も失うわで、状況はどんどん悪化して行きます。
何より最悪なのは、移送チーム内に情報を洩らしてる人間が確実にいる事と、清丸という人間のクズに接すれば接するほど、彼への憎しみが募ってしまう事。
果たして彼らは、10億円の誘惑に負ける事なく、最後まで任務を遂行出来るのか? 全国民に憎まれ、命を狙われてる「人間のクズ」を、無事に東京まで送り届けられるのか?
面白いでしょう? 私は数年前にこの原作を読んだのですが、小説が苦手な私が最後まで一気に読んでしまった位、これは群を抜いて面白かったです。だから、いつか確実に映画化されるだろうって思ってました。
ふだん小説を読まない私がなんで読む気になったかと言えば、原作者が木内一裕さんだからです。つまり『KILLERS』でご一緒した、きうちかずひろ監督の処女小説なんですね。
さらに、映画の脚本を書かれたのが『超星艦隊セイザーX』でご一緒した林民夫さん。多部ちゃんの『ルート225』『フィッシュストーリー』も林さんの筆による作品です。
私の尊敬する作家さん達が原作と脚本を手掛けられた作品ですから、そりゃ面白いに決まってます。しかも豪華キャストだし、監督はあの三池崇史さんですからね!
三池監督に関しては、私の中で賛否両論なんですけどねw 『オーディション』や『ヤッターマン』には拍手しましたけど、『十三人の刺客』にはブーイングでした。
ただし、それとて途中で余計なオチャラケさえ入れなければ拍手喝采でしたから、私好みの監督さんである事は確かなんです。特にこの『藁の楯』は、三池さんが監督で本当に良かったと思いました。
ハイウェイを借り切って撮影された、ハリウッド並みのスペクタル場面の大胆さと手際の良さ。取って付けたヒューマニズムやロマンスでお茶を濁すような事は一切せず、容赦なく人間の暗部や残酷さを描き切って見せる潔さ。反モラルとも言えるエグい描写をも厭わない反骨精神。
照れ隠しの(?)オチャラケも今回ばかりは封印し、最後の最後までヒリヒリするような緊張感を貫いてくれてます。この作品の監督としては(木内さんご本人を除けば)ベストな人選だったんじゃないでしょうか?
大沢たかお&松嶋菜々子のストイックなSPぶりといい、藤原竜也の徹底したクズ人間ぶりといい、普段はあんまり良いと思ってなかった俳優さん達の芝居にも、今回はグイグイ引き込まれました。
…とまぁ、いつになく生真面目なレビューになっちゃってますけど(ここ数日の記事とは大違いw)、それは別に業界でお世話になった先輩方が参加された作品だからってワケじゃなく、一観客として純粋に楽しめたからだし、ストレートに内容をご紹介した方が、面白さが伝わり易いと思ったんですよね。
三池監督がオチャラケを封印されたのに倣って、私も今回ばかりは乳首やポコチンを封印してみました。
絶賛公開中!
殺された幼女の祖父は、財界の大物で億万長者の蜷川(山崎努)。可愛い孫を「人間のクズ」に惨殺され、復讐を誓った蜷川はなんと、清丸を殺した人間に10億円の懸賞金を支払うという新聞広告を大々的にぶち上げる。
例え自分は終身刑を食らったとしても、家族に10億円を残せるとなれば、どうですか皆さん? 莫大な借金を抱えて苦しんでる人や、治療費のかかる病気の家族や恋人がいる人etc…
何の罪もない幼女を無惨に殺し、更正の見込みも無いクズが相手なら、愛する人の為に殺人も出来ちゃうかも知れません。日本全国に、そんな人は数え切れないほどいるでしょう。
そんな事情を背負った人でなくとも、清丸みたいなクズは死んだ方が世の中の為になる、とは思うかも知れない。少なくとも私はそうですね。生かしておけばまた新たな犠牲者が出るのは目に見えてますから。
だから、清丸を殺さないまでも、助けてやろうとは誰も思わない。彼は全国民を敵に回しちゃったワケです。こうなったらもう、どこにも逃げ場は無い。
その広告が出るまで匿ってくれてた友人にさっそく命を狙われた清丸は、たまらず福岡市の警察署に出頭するも、留置所の警官や看護士にまで殺されかけます。
そんな四面楚歌どころじゃ済まない清丸が、福岡から東京まで護送される事になり、彼を警護する任務を命じられたのが、優秀なSPの銘苅(大沢たかお)と白岩(松嶋菜々子)。
この2人が指名された事にも実は裏の理由があり、白岩には被害者と同年代の子供が、そして銘苅には愛する妻を酔っ払いのドライバーに…つまり「人間のクズ」にひき殺された心の傷がある。
清丸を誰よりも憎むであろう2人を警護に当たらせる事で、清丸が殺される確率がより高くなるよう、蜷川が金にものを言わせて手を回したワケです。
さらに警視庁の刑事(岸谷五朗、永山絢斗)と福岡県警の刑事(伊武雅刀)を加えた5人の特別移送チームが、極秘裏に清丸を護送します。
ところがチームの動きはなぜかインターネット上でバレバレとなり、次々と刺客に襲われるわ、犠牲者も出るわ、交通手段も失うわで、状況はどんどん悪化して行きます。
何より最悪なのは、移送チーム内に情報を洩らしてる人間が確実にいる事と、清丸という人間のクズに接すれば接するほど、彼への憎しみが募ってしまう事。
果たして彼らは、10億円の誘惑に負ける事なく、最後まで任務を遂行出来るのか? 全国民に憎まれ、命を狙われてる「人間のクズ」を、無事に東京まで送り届けられるのか?
面白いでしょう? 私は数年前にこの原作を読んだのですが、小説が苦手な私が最後まで一気に読んでしまった位、これは群を抜いて面白かったです。だから、いつか確実に映画化されるだろうって思ってました。
ふだん小説を読まない私がなんで読む気になったかと言えば、原作者が木内一裕さんだからです。つまり『KILLERS』でご一緒した、きうちかずひろ監督の処女小説なんですね。
さらに、映画の脚本を書かれたのが『超星艦隊セイザーX』でご一緒した林民夫さん。多部ちゃんの『ルート225』『フィッシュストーリー』も林さんの筆による作品です。
私の尊敬する作家さん達が原作と脚本を手掛けられた作品ですから、そりゃ面白いに決まってます。しかも豪華キャストだし、監督はあの三池崇史さんですからね!
三池監督に関しては、私の中で賛否両論なんですけどねw 『オーディション』や『ヤッターマン』には拍手しましたけど、『十三人の刺客』にはブーイングでした。
ただし、それとて途中で余計なオチャラケさえ入れなければ拍手喝采でしたから、私好みの監督さんである事は確かなんです。特にこの『藁の楯』は、三池さんが監督で本当に良かったと思いました。
ハイウェイを借り切って撮影された、ハリウッド並みのスペクタル場面の大胆さと手際の良さ。取って付けたヒューマニズムやロマンスでお茶を濁すような事は一切せず、容赦なく人間の暗部や残酷さを描き切って見せる潔さ。反モラルとも言えるエグい描写をも厭わない反骨精神。
照れ隠しの(?)オチャラケも今回ばかりは封印し、最後の最後までヒリヒリするような緊張感を貫いてくれてます。この作品の監督としては(木内さんご本人を除けば)ベストな人選だったんじゃないでしょうか?
大沢たかお&松嶋菜々子のストイックなSPぶりといい、藤原竜也の徹底したクズ人間ぶりといい、普段はあんまり良いと思ってなかった俳優さん達の芝居にも、今回はグイグイ引き込まれました。
…とまぁ、いつになく生真面目なレビューになっちゃってますけど(ここ数日の記事とは大違いw)、それは別に業界でお世話になった先輩方が参加された作品だからってワケじゃなく、一観客として純粋に楽しめたからだし、ストレートに内容をご紹介した方が、面白さが伝わり易いと思ったんですよね。
三池監督がオチャラケを封印されたのに倣って、私も今回ばかりは乳首やポコチンを封印してみました。
絶賛公開中!