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七曲署ヒストリーPart.11

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#556 #557 南国土佐、黒の推理/黒の証明

九州、北海道、沖縄は捜査済みの七曲署一係、残るは四国とばかりに土佐巡り。刑事ドラマの地方ロケって、まんべんなく名所を廻れるように「追跡物」のストーリーを組む事が多いと思うんだけど、本作は交換殺人の謎を解く「推理物」なのがユニークでした。

フェリーで観光する容疑者に近づく為に、ふだんソリが合わないボギーとマミーが新婚旅行を装う一幕も楽しかったです。この2人、今後もしかして?なんてチラっと思いましたけど、何ともなりませんでしたw

#562 ブルース刑事登場!

捜査一係は基本7人なんだけど、スコッチが復帰してからは8人体制になる事も多く、1年ぶりに8番目の刑事が登場する事になりました。

ボギーがマカロニ2号で、マミーがシンコ2号とするならば、次に来るのは当然ジーパン2号でしょって事で、岡田Pは確信犯的にジーパン(松田優作)的な俳優を探しておられたんだそうです。

又野誠治さんはまさに、出来過ぎな位うってつけな人材ですよねw このタイミングでこんな役者さんが文学座にいたなんて!

文学座ってのは杉村春子さんが主宰する大手劇団の名門で、松田優作、宮内淳、渡辺徹、後の浜田学(平成版)と、『太陽にほえろ!』の新人刑事は文学座で発掘される事が多いんですね。

それはともかく、アクション派の新人刑事の加入は嬉しかったです。実際、又野さんは格闘技に精通しておられ、パンチがあまりに速すぎて映像に映らないから、加減するようカメラマンから注意される程だったそうです。

登場して早々に暴力団員たちを病院送りにし、ボギーから「お前のあだ名はモンスターだ」と命名されるも「俺、ブルースがいいです」って、自ら主張して譲らない頑固さも発揮、長さんから「自分で決めるヤツがあるか!」とたしなめられる始末。

あ、ブルースは警察学校教官になった長さんの教え子って事で、1年ぶりに下川辰平さんも顔を見せてくれました。そこにいるだけでホッとさせてくれる癒し効果は長さんならでは。その存在価値をあらためて実感させられました。

ブルースが加わり、ボギーが殉職するまでの半年間が、私にとって『太陽』後期のベストメンバーだったように思います。やっぱりアクションがサマになるメンバーが揃ってると、番組自体もアクティブになりますからね。

実際、ブルースのお陰で『太陽』初期を彷彿させるハードアクション路線が復活してくれて、私は又野さんに大感謝です。ただ1つだけ問題だったのは、又野さんがあまりに優作さんを意識し過ぎてた事でしょうかw

ルックスも良いし立ち回りも抜群なのに、どうも世間から過小評価される傾向があったのは、たぶん「松田優作の劣化コピー」みたいなイメージで見られてたからだと思います。

でも、その活躍をちゃんと観ていれば、ブルースとジーパンは全く違う事がよく判るし、又野誠治ならではの格好良さや面白さが発見出来た筈です。ろくに見てないヤツに限って悪口を言いやがるんですよね。ちゃんと見てから物を言え!(乳首)

なお、ブルースは登場した時点で既に妻帯者で、渡瀬ゆき扮する妻・泉との愛妻物語は『太陽にほえろ!PART2』まで続けて描かれる事になります。

#565 正義に拳銃を向けた男

大川俊道さんの脚本によるブルースのアクション物。家族を殺された遺族の復讐を新人刑事が阻止しなくちゃならない話は定番なれど、復讐しようとした人間が既に死んでて、事件とは無関係なタクシー運転手がその遺志を引き継いじゃう展開がユニークでした。

大川さんはジプシー登場後に『太陽』で脚本家デビューされ、主にボギーやブルースのアクション活劇で才覚を発揮された人です。

そして『太陽』終了後、ボギー=世良さんとブルース=又野さんを主役にした東映Vシネマ第1弾『クライムハンター』の脚本・監督を務め、衰退の一途だった和製アクション映画の新たな活路を開拓される事になります。

その時点じゃ一般視聴者の1人に過ぎなかった私ですが、それから数年後に映画『KILLERS』で大川さんと、『GUN CRAZY Episode4』で又野さんと、それぞれ一緒にお仕事する事になるんですよね!

大川さんには一昨年の『太陽』ファンイベントで再会するまで、私が『太陽』マニアである事はずっと内緒にしてたんですよw 「なんでお前が此処にいるんだよ!?」って驚かれてました。

又野さんには、インタビューを撮らせて頂いた際に「ブルースのファンでした」って告白しました。「あ、そうスか」みたいな薄ーいリアクションでしたけどw

その翌年に又野さんは自殺され、私はお通夜に参列しましたよ。あれだけの存在感とアクションのスキルを持った貴重な俳優さんだったのに、時代がそういう才能を必要としなくなっちゃったんでしょうか。それが自殺の原因なのかどうか分からないけど、とにかく残念で仕方ありません…

#574 誘拐

『太陽』2本目の90分スペシャルは、なんとマクベインの『天国と地獄』をアクションたっぷりにアレンジした、最初で最後の原作モノ。黒澤映画で三船敏郎さんが扮した社長役を高橋幸治さんが演じておられます。

サスペンスとしての出来映えは正直イマイチだった気がしますがw、現在は原作の映像化権が他所に移っちゃった為、DVD-BOXに収録出来ないレアな作品となりました。(CS放映はOKみたいですが)

☆1984年

#593 ジプシー再び

この年末年始から、春のボギー殉職編前後にかけてのシーズンは、特にアクティブかつハードで見応えあるエピソードが続き、振り返れば『太陽』第2の絶頂期だったように私は思います。画面から熱気が伝わって来ましたからねホントに。

いずれ復帰する事を前提に降板したジプシー=三田村邦彦さんでしたが、結果的にはこの回のゲストが最後の出演となりました。世良公則さんと特に仲良しだったそうで、殉職間近なボギーにジプシーがエールを送りに来たような、2人のW主演作。

番組初期にマカロニがよくやってたバイクアクションとか、ジプシーのアクティブな活躍がタップリ堪能出来る痛快編で、七曲署にいた1年間の消化不良をようやくこの回で晴らしてくれました。

#595 マミー激走!

マミー刑事=長谷直美さんはドライビングのA級ライセンス保持者って事で、普段から吹き替え無しで華麗なテクニックを披露されてましたが、本作はそれを最大限に生かしたエピソード。

かつてゴリさんに射撃対決を挑む過激なガンマニアを演じた俳優さんが、今回はマミーにスピード対決を挑む過激なカーマニアを演じておられましたw

#597 戦士よさらば・ボギー最後の日

当初は1年で降板するつもりだった世良さんですが、視聴者や共演者からの熱いラブコールに応えて、更にプラス半年間活躍してくれました。お陰でマカロニ2号とジーパン2号の共演が観られて、私は本当に嬉しかったです。

登場編と同じく殉職編もマカロニを彷彿させる、ナイフによる刺殺。「ぶざまに、格好悪く死にたい」との希望通り、’70年代的な「犬死に」が演出されたものの、何をやってもサマになり、格好良く見えちゃう所が世良公則たる所以であります。

ところで私は、このボギー殉職編が放映された翌日、東京へと旅立ちました。日芸の映画学科を目指して予備校に通う為、新聞奨学生として東京の新聞店に下宿する事になったからです。

ゆえに、もう『太陽にほえろ!』が観られなくなるのを覚悟してました。ボギー殉職と同時にマニア卒業ってのも、なかなか劇的なお別れかもなぁって、その時は感傷に浸ってたのですが…

#598 戦士よ眠れ・新たなる闘い

ところがどっこい、店内にはちゃっかりテレビが置かれてて、誰も反対する人がいなかったもんだから、ボギーの仇討ち編は同僚達と一緒に観たのでしたw

ブルースの立ち回りを観た先輩が「パンチ、速っ!」って驚いてるのを聞いて、私は何だか鼻が高かったですよw 女性の先輩は「スッポンさんが好き」って言ってたしw つまり地井武男さんの事ですが、先輩って言ってもまだ20歳なのに「(好みが)渋いなぁ」って、妙に感心させられたもんです。

この仇討ち編は殉職編以上にボルテージが高く、そのシンプルな作劇とキャスト陣の熱演が観る者の心をストレートに熱くしてくれる、『太陽』後期の最高傑作じゃないかと私は思ってます。

そんなワケで、またしても私は『太陽』マニアを卒業し損ないました。しばらくするとアパートへの引っ越しも許可され、自室で落ち着いて観られるようにもなりました。

だからこの時期の『太陽』を観直すと、東京での浪人生活を思い出さずにいられません。あの頃、私は若かったw

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