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『プロメテウス』

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いきなり強烈なビジュアルの画像ですが、あの首はアンドロイドですのでご安心を。『エイリアン』シリーズではお馴染みの光景ですね。アンドロイドに乳首はあるのでしょうか?

巨匠リドリー・スコット監督が『ブレードランナー』以来、約30年振りに取り組んだSF映画であり、出世作『エイリアン』の前日談となる作品でもあります。

映画ファン、特にSFマニアは期待しまくり、ハードルが上がりまくったワケですが、いざ公開されてからの評判は「がっかり」って声が多かったみたいです。

私の感想としては「普通に面白いやん。乳首は出ないけど」って感じなんだけど、やっぱり『エイリアン』と『ブレードランナー』はSF映画史に燦然と輝く金字塔ですから、「普通」じゃファンは納得出来ないですよね。

雑誌「映画秘宝」では2012年公開作品のワースト2位になってました(ベストのランキングでも11位に入ってますが)。ちなみにワースト1位は『ダークナイト・ライジング』で、やっぱり前作が良くて期待値が高い作品には、評価もより厳しくなっちゃいますね。

その映画秘宝の評者によると『プロメテウス』は、ホラー映画としてはアリだけどSF映画としてはデタラメ過ぎる!との事でした。考証や辻褄の点で穴が多すぎると。

例えば今回、リドリーさんは『エイリアン』前章としての要素だけじゃなくて、人類の起源まで具体的に描いておられ、それは知能の発達した異星人によって人類は創造されたっていう仮説に基づいてるんだけど、その人類創造の方法が科学的に絶対あり得ない、と。

私は科学に…というか乳首以外の全ての事に疎いのでよく分かんないのですが、『エイリアン』という作品の創造主であるリドリーさんが「人類はこうして創られたんだ」って、そう仰ってるんだから仕方がない、あるんだから仕方がない、と思ってその辺りは受け入れてました。

もう一つ評者に突っ込まれてたのが、最後のクライマックスで細長い宇宙船が墜落して、地面に突き刺さった状態からゆっくり倒れて来る場面。それで地上にいたヒロインと悪役のシャーリーズ・セロンが慌てて逃げるんだけど、縦長の物体が倒れて来るんだから横に逃げればいいのに、二人はなぜか縦の方向に一生懸命走るんですよねw

これは確かに、私も「なんかマヌケやなぁ」と思いながら観てました。ヒロインは途中で気づいて横に逃げるんだけど、セロンちゃんは縦に走り続けたばっかりに、宇宙船の下敷きになって死んじゃうんですよねw

シャーリーズ・セロンって、アカデミー賞女優ですよ?w この場面に限らず、わざわざ彼女をキャスティングするような役とは思えなかったです。なんか薄っぺらいキャラクターで。

いや、彼女だけじゃなくて、登場人物がみんな薄っぺらかったなぁ… 思い返せば『エイリアン』も『ブレードランナー』も、ビジュアルは天才的なんだけど人物描写は薄っぺらかったですよね。そういう要素にはあまり興味が無い監督さんなのです。

あと、エイリアンの子供を妊娠させられたヒロインが、産まれる寸前で自動手術装置に駆け込み、自ら帝王切開して凶暴なそれを取り出す場面がすこぶるスリリングで、私はそれを観て「これは凄い、普通に面白いやん!」って思ったワケですが

それもシリーズのファンからしてみれば「そんな事が可能なら今までのは何だったんだ?(なんで誰もやらなかったんだ?)」って言いたくなるみたいです。まぁ確かに、本作は『エイリアン』第1作より何十年(何百年?)も前の時代を描いてるワケですからねぇ。

やっぱこの映画、ワースト2位でも仕方ないかもw 整合性を気にされる方にはオススメ出来ないですね。深い人間ドラマが観たい方もダメ。観る価値があるのはビジュアル面だけかも…

とりあえず人類と、あの凶暴極まるエイリアンがどうやって、何の目的で創造されたのかが、この作品を観れば分かります。

でも、そういうのって分からないままの方が面白かったかも知れません。やっぱオススメ出来る要素がありませんねw

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